統一協会問題 国会審議前にシンポ 効果ある救済新法に

 統一協会(世界平和統一家庭連合)の被害者救済新法の審議が国会で本格化するのを前に2日、緊急シンポジウム「統一教会の実態を徹底的に暴く」(共同テーブル主催)が東京・永田町で開かれました。全国霊感商法対策弁護士連絡会の弁護士らが発言し、救済新法が実効性あるものになるよう、与野党に求めました。
 評論家の佐高信氏がコーディネーターを務めました。
 全国弁連の山口広代表世話人が統一協会の概要を解説。「協会は単なる宗教団体ではなく、政治や言論、事業など幅広い活動部隊を持つ複合体。開祖の故・文鮮明や後継者で妻の韓鶴子から日本統一協会に『今年の献金目標は何百億円』と指示があれば、日本側は『神の指示』として死ぬ気で取り組む、そういう組織だ」と語りました。
 全国弁連の川井康雄事務局長は、閣議決定された法案が法人による寄付勧誘について「自由な意思を抑圧する」ことなどを「配慮義務」としていることを指摘。「ここは非常に重要な問題。配慮義務でなく、禁止規定にするべきだ」と述べました。
 また、法案の対象が寄付(献金)に限定されているとして「寄付は統一協会の被害の一側面にすぎない。大枠として問題だ」と指摘しました。
 長く統一協会問題を取材してきたジャーナリストの鈴木エイト氏は「救済法案の制定に向かうのはいいが、肝心の、協会と深い関係にある政治家の追及がおろそかになっている。法案成立で決着したかのような雰囲気になるのを懸念する。メディアは報道を続けてほしい」と語りました。
 日本共産党の宮本徹、本村伸子の両衆院議員ら、複数の野党議員が出席しました。

以上2022年12月4日付赤旗日刊紙より抜粋