予算委には文部科学省の前川喜平前事務次官と、同氏が加計問題の「キーマン」と指摘する和泉洋人首相補佐官が参考人で出席。前川氏は和泉氏から官邸に呼び出され、「総理が自分の口からは言えないから、代わりに自分が言う」と獣医学部推進を求められたと証言。この問題で9月9日から10月にかけて計3回、和泉氏と会ったことを明らかにしました。
 この発言について、和泉氏は「記憶はまったく残っていない。したがって言ってない」と否定。他方、獣医学部新設を「スピード感をもって取り組むことが大事」と求めたことは認めました。
 和泉氏が圧力をかけ始めた時期は、内閣府が「平成30年(2018年)4月開学を大前提に」「官邸の最高レベルが言っている」と、開学時期を指定して文科省に推進を求めた時期と重なります。
 国家戦略特区の担当は内閣府です。宮本氏は「なぜ内閣府を差し置いて前川氏を呼んで急がせたのか」と質問。和泉氏は「直接はこの業務に関与していない」と本来は担当外であることを認めたうえ、「首相からの指示はない」と答弁しました。
 安倍首相も和泉氏への指示を否定しましたが、担当外の和泉氏が獣医学部推進を働きかけたことを「当然のこと」と擁護。宮本氏は前川氏と和泉氏の証言が食い違っていることに言及し、「証人喚問が必要だ」と求めました。
 また松野博一文科相は「加計学園への伝達事項」とする文書について、民進党の玉木雄一郎議員の質問に、同省の内部文書であることを明らかにしました。
 この文書は日本共産党の小池晃書記局長が参院文教科学委員会(5月25日)で取り上げたもの。国家戦略特区諮問会議(議長、安倍首相)が獣医学部新設の規制緩和を決定(昨年11月9日)した前日に、文科省が加計学園に計画の改善点を伝達事項としてまとめています。加計学園に事業者が決まるのは、この内部文書から2カ月以上後で、「加計学園ありき」で進んでいたことを示すものとなっています。

 安倍晋三首相出席のもとで開かれた衆院予算委員会の閉会中審査。焦点となったのは首相自ら「真摯(しんし)に説明責任を果たす」と約束した学校法人「加計学園」の獣医学部新設の疑惑ですが、関係者を含め核心部分に「記憶ない」「記録ない」を連発、首相は「公正なプロセスを踏んできた」というものの、新たな疑惑が次々と浮上しました。
 日本共産党の宮本徹議員が追及したのは、1月4日の公募で示された「平成30年度(2018年度)開設」というあまりに短い準備期間です。加計学園と同様に獣医学部新設を目指していた京都産業大学も、準備期間不足を断念の理由に挙げています。
 宮本氏は、内閣府と文科省が16年11月に実施した意見公募(パブリックコメント)にも「準備期間が非常に短期間。特定の案件に絞り込んだ恣意(しい)的な期間設定」などの批判や疑念が多数寄せられていたことを指摘(表)。山本幸三地方創生担当相は「パブコメの概略は聞いている。その中には、そういう話もあったと聞いている」と述べ、疑念や批判を認識していたと認めました。
 宮本氏は「加計学園しか間に合わないと知りながら条件を決めたということだ。文字通り加計ありきだ」と強調しました。
 民進党の玉木雄一郎議員の質問に、松野博一文科相が存在を認めた文科省の内部文書「加計学園への伝達事項」も重大です。同文書は昨年11月の国家戦略特区諮問会議での獣医学部新設の決定直前に、加計学園に「文部科学省として懸念している事項をお伝えする」目的でつくられたもの。日本共産党の小池晃書記局長が5月25日の参院文教科学委員会で追及しましたが、同省は存在を認めてきませんでした。
 加計学園は、国家戦略特区の提案者ではないため、形としては今年1月に事業者に応募して初めて今治市での獣医学部新設に関わることになりました。伝達事項は、11月の諮問会議での獣医学部の新設決定や今年1月の事業者決定以前から、文科省が加計ありきで手とり足とり指導していたことを示しています。
 同時に伝達事項は加計学園に対し、獣医学部新設の条件とされた既存獣医学部との差別化や、獣医学部として全国最大となる160人の定員の具体的需要の説明について注文をつけ、学部新設に必要な教員確保や施設整備、資金計画などについても「万全な準備を行っていただきたい」と強調しています。加計学園による獣医学部新設を容認しつつ、同学園の構想や教員確保、資金力に懸念を表明しているのです。
 一方、山本担当相は24日の質疑でも、加計学園の方が京産大より教員確保が進んでいたと主張。伝達事項と矛盾する認識を示しました。

以上2017年7月25日付赤旗日刊紙より抜粋