提出資料① 森友打合せ記録 
提出資料② 財務省理財局 
提出資料③ 会計検査院 財金20180221
提出資料④ 「売上高と経常利益」「経常利益と法人税収」 財金20180221

以下2018年2月22日付赤旗日刊紙より抜粋

日本共産党の宮本徹議員は21日の衆院財務金融委員会で、新たに入手した「地中埋設物処理報告書」を示し、大阪府豊中市内の国有地を学校法人「森友学園」に異常な安値で売却する理由となった「新しいゴミ」が、埋め戻された家庭ゴミだったのではないかと追及しました。
2016年3月下旬に録音された財務省近畿財務局と森友側との懇談内容によれば、籠池泰典同学園理事長(当時)が「9月4日の打ち合わせ記録」を示し、地表から3メートルまでの大量の家庭ゴミを国の指示で埋め戻したと語っています。宮本氏は、近畿財務局担当者が確認した「地中埋設物処理報告書」を見れば、「生活ゴミを取り除いていないことは一目瞭然だ」と指摘しました。
宮本氏は、開示された「法律相談」記録によれば、財務局職員が法務担当者に「新たに地下から家庭ゴミなどの産業廃棄物が出てきた」との相談を投げかけ、埋め戻した3メートルまでの家庭ゴミについては書かれていないとして、「意図的に隠して報告したのではないか」と追及しました。
また、佐川宣寿前理財局長(当時、現国税庁長官)が同委で最初に「新たな地下埋設物」に言及した昨年2月15日の段階で、3メートルまでの「家庭ゴミ」の残存も知っていたのかとただすと、太田充理財局長は「承知して答弁している」と認めました。
宮本氏は、「承知していたのなら、出てきたゴミは森友側が言う埋め戻した3メートルまでのゴミが出てきたと思うのが普通だ」と指摘。また、「フルイ選別埋め戻し状況」と記された写真を示し、「9月4日の打ち合わせ記録と同じ表現ではないか」「ゴミの埋め戻しの指示をしていないという近畿財務局担当者の主張を裏付ける証拠はあるのか」とただしました。
財務局職員が現地で「新しいゴミ」を確認したとの主張を繰り返す太田局長に対し、宮本氏は、職員の説明の事実関係を確認するためにも、業者などに事情を聞くなどの検証作業を行うべきだと要求しました。

以下2018年2月23日付赤旗日刊紙より抜粋

日本共産党の宮本徹議員は、21日の衆院財務金融委員会で、所得税法などの改定案に盛り込まれている賃上げや先端設備に投資する企業の法人税を減税する制度について、大企業の内部留保を積み増し、大企業と中小企業の格差拡大につながると批判しました。
財務省は、同改定案の減税措置と研究開発現在を合わせれば理論上、法人税の実効税率を最大11%まで下げられることを認めました。宮本氏は「法人税収の空洞化をいっそう深刻化させる」と批判しました。
宮本氏は、2014年の経済産業省の委託調査で「賃上げ減税」によって賃上げ実施の後押しを受けたと回答した企業は利用企業の18%にとどまり、減税された賃金の利用予定先は「内部留保」が最も多くなっていることを紹介。「賃上げ減税」がなくても賃上げをした企業に減税し、内部留保に回るのは「血税の無駄遣いではないか」と追及しました。麻生太郎財務相は、賃上げや設備投資など「企業の積極的な取り組みを期待する」と答弁しました。
宮本氏は、経産省の調査を示し、多くの赤字中小企業が人材を確保するため賃上げを行っていると指摘。法人税を払えない赤字企業に恩恵のない同制度は「大企業と中小企業との賃金格差をいっそう広げる」と批判し、「大企業に減税を行う財源は、中小企業の賃上げや大企業との賃金格差縮小に支援を向けるべきだ」と求めました。

≪2018年2月21日 第196回財務金融委員会第3号 議事録≫

○小里委員長 次に、宮本徹君。
○宮本(徹)委員 日本共産党の宮本徹です。質問時間確保に野田委員に感謝申し上げまして、質問に入ります。前回に引き続き、森友学園の問題について質問いたします。値下げの根拠となった新たな埋蔵物なるものは、実際は、九月四日の打合せ記録にあるように、国の指示で埋め戻したごみではないのか、ここが焦点です。もともとこの土地には何があったか。二〇一〇年の航空局の調査でこう書いているわけですね。確認された廃材、ごみは生活用品が主で、地表面からすぐに確認され、掘削底部まで存在する、土砂とまざったいわゆるミンチ状の、異臭を放っている、平均すると一・五メートルから三メートル間に層状に確認された箇所が多かった。貸付けを受けた森友学園側は二〇一五年にコンクリートがらなどは取り除いたけれども、いわゆるこの大量の生活ごみはほぼそっくりそのまま残されたということです。先週、私の質問に対して、太田理財局長も、近畿財務局の職員は三メートルより浅いところに地下埋設物が残っておるということは承知しておりました、こう答弁されました。念のために確認しますが、残っておるということは承知しておりましたということは、この大量の家庭ごみがほぼそっくりそのまま残っているという認識を二〇一六年三月の時点で近畿財務局の職員は持っていたということで間違いないですね。
○太田政府参考人 お答えいたします。先般委員の御質問にお答えを申し上げましたように、三メートルより浅いところに地下埋設物が残っておるというのは承知をしておったということだと思っています。それで、今ほどの委員の御指摘は大量にというところの部分だろうと思いますが、残っておったことは認識しておりましたけれども、量的なものがどの程度というところまで正確に把握しておったかというと、そこはそうではなかったというふうには思ってございます。
○宮本(徹)委員 量的なものはそうではなかったというのは、それはうそをつかれて説明されているんじゃないですか。この新しく出ました森友学園事案についての法律相談の文書には、事実関係として近畿財務局の職員がこう書いていますね。工事業者Aが実施した地下埋設物除去工事は一定の大きさのコンクリートがら、廃材、ごみ等を場外処分しており、関係資料一式の提出を受けて国において内容を検証した結果、実施した工事の範囲においては適切に処理されていたと判断していると書いております。この一式資料というのをきのう持ってきていただきました。二冊あって、そのうち一冊だけでもこんなに分厚いものですけれども、これを見たら、詳細に何をどれだけ取り除いたのかというのが廃棄物の処理の管理票と一緒に全部書いてあります。これを見れば、生活ごみを取り除いていないというのは一目瞭然ですよ、一目瞭然。これを確認したというふうにこの法律相談の文書には書いてあるわけですよね。しかも、これは、私が見ていたら写真もついているんですね。何か午前中、立憲民主の川内議員の質問に対して十一月段階の写真はないかのようなことを言っていましたけれども、十一月の写真もついていますね。写真にこう書いています。ふるい選別埋め戻し状況とまで書いて、写真もついていますよ、ふるい選別埋め戻し状況。これは、ずっと政府は、この打合せ記録は書いていることは事実じゃないということを否定する答弁をしてきましたけれども、この中で中道組はこう言っていますよ、がらふるい分けを行い残土は埋め戻しさせていただきますと。同じ表現じゃないですか、ふるい分けをやって埋め戻しさせていただきますと。このとおりに報告書が出ているわけですよね。この報告書を受けて、確認しますということをこの中で書いてあります。それは、近畿財務局の職員は、そのときに大量のごみがあったかなかったかと量については本当に把握していなかったという認識なんですか。それは本人がそう言っているだけなんですか。
○太田政府参考人 お答えを申し上げます。今ほど委員が御指摘されましたその資料は、きのう私どもから提出をさせていただいた資料であり、川内委員には、それより以前から御要請があってお渡しをしている資料でございます。川内委員の質疑のときに、何か違うことを言ったというような感じの御指摘を今いただきましたけれども、川内委員からは、こちらの方で写真を撮って、そういうものはあるのかという御指摘でしたので、それは、申しわけありません、ございませんということをお答えしたものでございます。いずれにせよ、二十七年の十一月時点のそのときの状況は、私どもとして把握をしておる、それは工事業者からいただいたものはそういうものだということでございます。その上で、大量というところで委員が御指摘をされましたので、じゃ、量的に幾らかというのが幾らと思っていたんだというようなことかなと思ったものですから、今申し上げたようなことを申し上げましたけれども、おっしゃるように、そのときに地下埋設物を有益費として取り出していたものは、これまでもお答えしているとおり、コンクリートがらとかアスファルトがら、それはその報告書に書いてあるとおりなんですが、そういうものを取り出していたということを申し上げておりますので、逆に言えば、それ以外のものは相当程度残っていたということはこれまでもずっと答弁を申し上げているつもりでございます。
○宮本(徹)委員 初めからそう答えていただければいいわけですけれども、家庭ごみは基本的に全部残っていたわけですよ、ほとんどが残っていたわけですよ。そうすると、くいの掘削過程からごみが出てきた、山のように出てくるのは当たり前の話なんですよ。ところが、この法律相談の文書を見ると、新たに地下から家庭ごみなどの産業廃棄物が出てきたといって相談を投げかけている。しかも、この相談を投げかけている中で、ごみがあるというのを知っている近畿財務局の職員は、それを知りながら、そのことについては、地下三メートルまでの家庭ごみは取り除いていないということについては、一言も触れていないんですよ。意図的に隠して報告をしていたということなんじゃないですか。なぜこれを書かなかったと本人は言っていますか。
○太田政府参考人 委員は、法律相談の文書をごらんをいただいて御質問を頂戴していると思いますので、その上でお答えを申し上げますが、もう委員御案内だと思いますけれども、法律相談の文書、三月三十一日のもので、校舎建築予定箇所に存在する土壌の現状は、今般、工事業者Cが施工した柱状改良工事実施の際に深さ九メートルまで掘削して引き上げた土壌に含まれた家庭ごみ等と、昨年、工事業者Aが施工した地下三メートルまでの廃棄物撤去工事の際に撤去されなかったガラス片等の細かいごみが混在している状況というふうに書いてございます。要すれば、三メートルより下、九メートルのところまであるものと、三メートルより浅いところにあるものの両方が混在しているというふうに書いておるというのが事実でございます。
○宮本(徹)委員 先ほど読んだところ、普通はそう読めないですよね。九メートル掘削過程の土壌に含まれたごみと、三メートルまでに撤去されなかったガラス片等の細かいごみ。三メートルまで撤去されていないのは、家庭ごみも撤去されていないじゃないですか。こっちに家庭ごみは書かなきゃおかしいでしょう。なぜ、三メートルまでの廃棄物撤去工事の際に撤去されなかったところに家庭ごみを入れずに、九メートルまでの方にだけ入れているのか。これは意図的に真実を隠して書いていたんじゃないですか。私は、法律相談のこの書きぶりを見ていると、地下三メートルまでの大量の生活ごみを取り残しているということを一体いつの段階でどこまで報告をしていたのかというのは大変疑問なんですけれども、本委員会ですかね、佐川元理財局長が、新たな埋設物という答弁をされたのは。一番初めは二月十五日ということになりますけれども、佐川元理財局長は、この二月十五日の時点で、地下三メートルまでの生活ごみは残っていたということは御存じでしたか。
○太田政府参考人 今回の地下埋設物の撤去にかかる経費として国土交通省の大阪航空局に積算をしていただいた額は、御案内のとおり八・二億円ということでございます。その積算は、くいのあるところは九・九メートル、そうでないところは三・八メートル、面積は五千百九十平米、その体積全体に対して廃棄物混合土の混入率が四七・一%ということで計算をしていますから。ということは、当然のことながら、三メートルから三・八メートルの間だけに、あるいは三メートルから九・九メートルの間だけに地下埋設物があるという積算ではなくて、三メートルまでのところまでも含めて地下埋設物があるという積算をしておりますから、その積算を前提に佐川前局長は答弁を申し上げている以上、それは承知をしておって答弁をしておるということでございます。
○宮本(徹)委員 ではそのとき承知していたということになりますと、ごみが三メートルまであるんだったら、掘ったら出てきたごみは三メートルまでのごみじゃないかと普通はそう思うじゃないですか。埋め戻しだ埋め戻しだと森友学園の側から言われて、普通、出てきたら、そのごみが出てきたんだろうというふうに思うわけですよね。もう一つ確認しますけれども、田村国有財産管理室長は、二〇一六年三月十五日に本省で、籠池氏からこの九月四日の打合せ記録を示されて、埋め戻しのごみじゃないかという指摘をされていました。田村室長は、この話を受けて、地下三メートルまでの生活ごみは取り除いていたかどうかというのは確認されたんですか、その時点で。
○太田政府参考人 その時点でという意味が、何をおっしゃったのかちょっとわかりかねたんですが、先方の籠池夫妻との間の会話では、とにかく先方が一方的に話をされておるのを基本的に聞いているという姿でしたので、そういう意味ではその場で確認しているということではないと思います。ただ、その後、恐らく近畿財務局との間で確認をしておったかということかなと思って御答弁を申し上げますが、基本的には、これはその場のやりとりでも、あるいは田村の方に確認した上でも言っていますけれども、事実を踏まえて法令に従って対応します、引き続き現地で近畿財務局が大阪航空局と含めて対応しますということを申し上げていますから、近畿財務局の方から、適宜お話も伝え、あるいは適宜報告を聞いていたということだろうと思っております。
○宮本(徹)委員 実は近畿財務局の職員は、新たな埋設物だということをずっと主張しているわけですよ、当時は。それに対して籠池氏側は、埋め戻したごみだということを言っていたわけですよね。それを、地下三メートルまでのごみを取り除いたかどうかというのは近畿財務局の職員以外の方も含めて確認したのかということを聞いているわけです。
○太田政府参考人 本件につきまして現地確認をしておったのは、政府側からすれば、近畿財務局と大阪航空局の職員が現地に行って確認をしておるということでございます。
○宮本(徹)委員 ですから、籠池氏側は、打合せ記録を示して、テープもあるよと言って、埋め戻したごみだと言ったのに対して、いや、近畿財務局の側は、これは埋め戻しのごみじゃない、地下三メートルよりも深いところの新たな障害物だ、新たな埋設物だという主張をずっとされるわけですよ、その後。ですから、本来だったら、双方の意見が違うんだから、これは埋め戻したごみなのかどうなのかというのを確認しなきゃいけないじゃないですか。この間、会計検査院は、新たなごみについて、新たなごみ、深いところのごみという近畿財務局の主張については、それは根拠がないということを言っているわけですよね。そして、音声データでは、新たなごみというのは国のつくったストーリーだということで、近畿財務局の担当者のせりふではっきりと出ているわけじゃないですか。そうすると、やはりごみは埋め戻したごみ以外には考えられないわけですよ。あらゆる音声データを見ても、それしか考えられない。九月四日の打合せ記録は信憑性が非常に高いわけですよね。今までは、皆さんは、近畿財務局の職員がこの埋め戻しは指示をしていない、それを前提に、埋め戻したごみではない、新たな埋設物だという主張をしてきたわけですけれども、近畿財務局担当者の、指示をしていないということを裏づける根拠というのは何か確認されているんですか。
○太田政府参考人 お答えを申し上げます。委員が配っておられるんでしょうか、打合せ記録というものをこの場に。それは、あくまで先方側というか工事業者側がおつくりになられたものです。その上で、九月四日の日に近畿財務局の職員が場内処分をしたのではないか、このメモが基本的に起点だったと思いますが、という御指摘があって、さきの通常国会でもたしか確認をして御答弁を申し上げたと思いますが、そういうことではありませんという答弁を申し上げています。その上で、論拠はあるかということですが、それは、職員に確認をしてその上でお答えをしていますので、それで論拠があるというふうには思っておりますが、法律相談文書ということで今回お出しをさせていただきましたので、あえてつけ加えさせていただきますと、法律相談文書にも、先方がこういうことを言っているけれども、近畿財務局側はそうではないということを書いているということは、委員は御案内だろうと思っております。
○宮本(徹)委員 ですから、この文書もですよ、発言もですよ、全部、皆さんの答弁の根拠は近畿財務局の担当職員の発言と主張だけなんですよね。それと違うことを示す音声データがあり、そして打合せ記録もあるわけですよ。そうすると、この職員の主張というのは、職員の主張だけでもって信じるということなんですか。職員の主張を裏づける何か根拠をとらなくていいんですか。
○太田政府参考人 委員がそこまでおっしゃられるとお答えをしないといけないと思いますが、九月四日のこの打合せのメモというものは事業者の、先方側のメモでございます。それから、音声データといって公開というかされておられるものは、私は再三御答弁で申し上げておりますように、当方の了解なく先方が一方的にとられたものであって、我々がそれを、本当に真偽を確かめるためには、当方も先方の了解なくそういうことをしていないといけないんですが、そういうことはしておりませんから、そういう状況のものであります。今ほど委員は、私どもが答弁していることは近畿財務局の職員に確認したそちらの主張ばかりだというふうにおっしゃいますけれども、委員がおっしゃっていることも、逆に言えば、先方側の、先方の方がおっしゃっていることだけをとっておっしゃっているのではないかというふうに思います。
○宮本(徹)委員 職員の主張と中道組の打合せ記録との主張が違うんですから、職員の主張は皆さんは聞かれている、それとは違う打合せ記録が存在する、そして、職員の主張以外に皆さんの主張を根拠づけるものは何一つないわけですよ。職員の主張が本当のことを言っているかどうかという、確かめる作業というのは誰もやっていないんですね。しかし、これはできるんですよ。ここに参加しているキアラ設計の方、中道組の方々の名前も出ているじゃないですか。こういう関係者の方々に事情を聞けば、近畿財務局や航空局の職員が、一体全体、九月四日に何を主張したのか確かめることはできるわけですよ。そういう検証作業をすべきじゃないですか。
○太田政府参考人 お答えを申し上げます。海江田先生からこれだけお叱りを受けるとは、大変申しわけありません。それで、その上でお答えを申し上げますが、基本的に、今ほどおっしゃられた方は、ある意味では先方側として主張されておられる、今出されたものはそういうことだろうと思います。その上で、今、工事業者の方とは、ある意味で、最終的に、民事再生の手続に入っていますが、建物は森友学園側と工事業者側との間で争いがあって、さらに、その土地も含めていろいろな意味でのこれから折衝をしないといけないという状況なので、ある意味でのお互い交渉相手というか、対立関係というか、そういう関係にあるわけでございまして、そういう中でそういったことをお話をするというのは非常に難しい状況だというふうに正直に言うと思ってございます。
○宮本(徹)委員 難しいかどうかはやってみなきゃわからないんですよ。やってみればいいじゃないですか。これだけこの打合せ記録を皆さんは否定しておきながら、出てきた音声データは、全部この打合せ記録の方が正しい、そして近畿財務局の担当者が言ってきたことは新たなごみの捏造だったということを示しているわけですから、だったら、これが正しいかどうかというのを確かめるというのをやればいいじゃないですか。麻生大臣、いかがですか。
○太田政府参考人 基本的に今ほど来申し上げているとおりだと思っております。音声データと言われるものについても、私どもは、そういう御指摘、そういうことを言われましたので、それを踏まえて、先ほど申し上げたことを二度は申し上げませんが、そういう状況の中でも、これはいつごろのもので、どういう状況であっただろうか、我々としてはどういうスタンスで臨んでおったかということはきちんとお答えを申し上げているというつもりでございます。
○宮本(徹)委員 大臣、やはりここまで音声データも出て、会計検査院の指摘もあって、職員のことを信じたいのはわかりますけれども、財務省の職員だって過去いろいろな不祥事もあったじゃないですか。ノーパンしゃぶしゃぶの話とかいろいろあったじゃないですか。ですから、ちゃんと裏づけをとるという作業をやらなきゃいけないんじゃないですか。二人の近畿財務局の職員の言っていることをずっと代弁し続けるんじゃなくて、打合せ記録に出ている他の業者の皆さんの話も聞く、そういうことをやるべきだと思いますよ。これ以上聞いても答弁はないので、法案の中もちゃんと質問しなきゃいけないので、ここで終わりますけれども、ぜひ、税への信頼を取り戻すという点では、真剣な対応を考えていただきたいというふうに思います。そうしないと、この問題はいつまでたっても終わらない。続きまして、法人税について伺います。理財局長は退席していただいても結構です。安倍政権になって五年たちます。法人税の税率の引下げや租税特別措置の拡大などを行ってきました。政府は、法人税改革により企業の稼ぐ力を高め賃金の上昇などを通じて経済の好循環の拡大を図ってまいります、こう国会で説明してきたわけですけれども、麻生大臣、この間の法人税改革で経済の好循環というのは生まれたんでしょうか。
○麻生国務大臣 平成二十七年、二十八年に実施した法人税改革の話なんだと思いますが、これは、課税ベースの拡大によって財源をしっかりと確保しつつ、かつ、税率を引き下げるということによって法人課税をより広く負担を分かち合うという構造へと改革するものだと思っております。この改革を通じまして、少なくとも、稼ぐ力のあります企業等の税負担を軽減させていただいたことによって、企業の収益力拡大に向けた前向きな国内投資、また継続的かつ積極的な賃金の引上げが可能な体質への転換などを促しているところでありまして、経済の好循環につながってきているというのは各種の数字から見てもはっきりしていると思っております。
○宮本(徹)委員 資料の四枚目に、法人企業統計などをまとめたものをつけておきました。大臣おっしゃったとおり、法人企業統計でも、確かに経常利益は過去最高ですけれども、売上高で見ると、基本的に言えばほぼ横ばいということで、日本経済が景気がどんどんどんどんよくなっているということは、この売上高を見ているとおよそ言えないというふうに思います。そして、二〇一二年から、内部留保は約百兆ふえて四百兆になりました。同じ期間の人件費の伸びは、法人企業統計で見ると約二・五%ということになっております。利益は最高ですけれども、働く人の賃金まで、およそしっかり循環しているとは言えないんじゃないですか。
○麻生国務大臣 これは、経団連の経労委の報告等においても、企業が必要以上に現金、貯金をため込んでいるとの見方は適切ではないという意見があるのは知っていますけれども、しかし、よく見ても、現預金というものを保有する動機は、これはさまざまなものだと思いますけれども、少なくとも、今、近年の現預金とか内部留保の伸びというのは、これは著しいんじゃないんですかね。別に共産党に言われなくても、誰が見てもそう思いますよ、これは。私なんかがそれを言っているんだから。事実、私は、経団連にそう要請しているのは我々ですからね。給料を上げてくれという話を経団連に直接交渉しているのは、少なくとも、私どもは共産主義経済をやっているんじゃないので、私どもは自由主義経済をやっていますので、政治家が企業の経営者に対して、給与を上げたらなんと言うのは、これは個人の経営に対する介入に近いですから、そういったことまでやるようなのは少々いかがなものかと思わないわけでもありませんけれども、少なくとも、私どもとしては、そういったことをやるほど、経営者の側が得た利益というものを賃金又は設備投資又は配当等々に充てないで現預金だけがやたらふえているという状況というのは、普通の状況ではないのではないかというように考えてはおります。
○宮本(徹)委員 ですから、現預金だけが異常にふえているということを普通の状態じゃないということを大臣もおっしゃいましたけれども、給料にしっかり回っているかといったら回っているわけじゃないわけですね。減税したら財界がどんどんどんどん賃金に回していくかといったら、そんな話じゃないと思うんですね。一方、法人税の税収はどうだったのか。その資料の下側のグラフを見ていただきたいんですけれども、企業の利益がふえても、法人税収は、利益に伴ってふえているかといったら、全然そうはなっていないわけですよね。利益はどんどん伸びるけれども、税収は余り伸びない状況が生まれております。結局は、安倍政権の法人税改革は法人税収の空洞化を引き起こしているんじゃないかと思いますが、いかがですか。
○麻生国務大臣 安倍政権になりましての法人税改革というのは、これは単なる減税ではありませんで、課税ベースの拡大等にもよって財源をしっかりと確保しながら、法人税の実効税率を二〇%前まで引き下げてきたものなのであって、今おっしゃるように、法人税収の空洞化をもたらしているというような指摘は当たらないと思っております。また、法人税収については、二十七年と二十八年は決算で前年度を下回ったという数字をおっしゃりたいんだと思いますが、これはもうよく調べられたらわかりますけれども、大口還付の話がありましたよね、知っておられると思いますけれども。あの話で、一時的な要因によるものなのであって、それを除きますと増加基調は変わりないのであって、事実、二十九、三十年度の好調な企業業績などによって堅調な増加が続くというように私どもは見込んでおるところであります。
○宮本(徹)委員 これはリーマン・ショックの前の税収と比べていただければわかりますけれども、大きく落ち込んでいるという状況ははっきり見えると思います。やはり、黒字の大企業に対して税率を引き下げていったということが、そして租特をどんどんどんどん拡充したということが、私たちの国の財政にも大きな深刻なダメージを与えていると言わざるを得ないというふうに思います。私、トヨタの決算報告を見てちょっと計算してみましたけれども、二〇一七年三月期の法人税、住民税及び事業税を税引き前の当期純利益で割ると一七%なんですね、一七%。租税特別措置によって、中小企業の軽減税率よりもトヨタの実際の税負担は低くなっているというのが現状です。ところが、本法案は、午前から議論になっていますが、賃上げの促進減税の拡大、さらに、情報連携投資減税で内部留保をため込んでいる大企業にも更に減税を拡大するという中身になっています。私、研究開発減税と合わせて、今回の二つの租特を合わせたらどこまで税率が実際下がるのかと本会議で質問しましたが、答弁はありませんでした。三つ併用できますから、理論上は法人税は最大八割引きできるということになるわけですよね。そうすると、実質的な税負担率は理論上一一%まで下がるということになるんじゃないですか。違いますか。
○星野政府参考人 お答え申し上げます。委員御指摘の租税特別措置三つ、賃上げ促進税制と情報連携投資減税、あと研究開発減税でございますけれども、それぞれ三つとも政策目的が異なりますので、併用可能ではございますけれども、租税特別措置の適用は個々の企業によってまちまちでございまして、実際の控除の割合がどの程度になるかはさまざまでありますので、企業の実質的な税負担を一概に申し上げるのは困難かと思います。その上で、平成三十年度に大企業に一律に適用される国、地方合わせた法人実効税率、これは二九・七四%でございますけれども、御指摘の三つの租税特別措置を併用すれば、理論的には最大合計で国税の法人税額の八割まで控除すること、これは制度上可能でございます。したがいまして、今委員から一一%というお話がございましたけれども、換算後の法人税率を用いて大法人の実質的な税負担を機械的に試算をいたしますと、国税、これは二三・四%でございますけれども、これが八割軽減され、さらにこれに地方税を加えるということを機械的にやりますと、税負担率一一%程度という計算も可能ではございます。ただ、もっとも、これらの租特は生産性革命実現に向けて日本経済の成長に必要な支援でございまして、単に仮定の企業の税負担を前提にこれだけ低いというような議論をするのは必ずしも妥当ではないのではないかというふうに考えております。
○宮本(徹)委員 全部が使えると、そういうことが実際に起こるかどうかは別として、そこまで引き下げられる減税になっているわけですよね。法人税収の空洞化は、私は一層深刻化させるものだと指摘しなきゃいけないと思います。朝からこの賃上げ促進税制の効果について議論がされてまいりました。私も本会議で質問したときに、そのときは一・四六兆円相当の賃金引上げ効果があったというような話もあったと思いますが、経産省は、委託調査で所得拡大促進税制の利用促進に関する調査というのをやっております。対象は一部上場、二部上場とあります。ちょっと、効果をはっきりエビデンスで見たいと思うんです。経産省に伺いますが、この調査では、所得拡大推進税制を利用した企業のうち、この税制で賃上げを後押ししたというのはどれぐらいなのか、後押ししなかった、それから、わからないというのはどれぐらいなのか、お答えいただけますか。
○中石政府参考人 お答えいたします。平成二十五年度に創設されました、今お話ありました所得拡大促進税制につきまして、経済産業省におきまして、制度開始後約一年後の平成二十六年八月に、東証一部、二部上場企業に対してアンケート調査を行いました。平成二十六年度委託事業として、所得拡大促進税制の利用促進に関する調査ということでございます。その中で、平成二十五年度において、所得拡大促進税制を利用したと回答した企業百三十六社に対して、所得拡大促進税制の創設、拡充は貴社の賃上げを後押ししたかについて質問をしております。集計の結果、回答としてはそれぞれ以下でございました。「賃金の引上げ実施の判断を後押しした」が一七・六%、「賃金の引上げ額の判断を後押しした」が六・六%、「賃金の引上げ額の判断を大いに後押しした」が一・五%、「賃金の引上げ実施の判断を大いに後押しした」が〇・七四%、「分からない」二四・三%、「後押ししなかった」四八・五%となっております。
○宮本(徹)委員 今、数字があったとおりなんですよね。経済産業省が所得拡大推進税制を利用した企業に聞いたら、賃金引上げの判断を後押ししたと言ったのは一七・五%、大いに後押ししたが〇・七八%、大いに後押ししたというのは一社しかなかったということなんですよね。この所得拡大推進税制ができたことによって決定的にこれで賃上げしたというのは、たった一社しかなかったということなんですよ。そして、多くの企業は、後押ししなかった、わからない。つまり、こういうのがあろうがなかろうが賃上げしていたということなんですよ。これがアンケート結果から出てくるエビデンスですよね。ですから、この減税額、もったいないという議論もありましたけれども、大半は、この税制がなくても賃上げした企業に単なる減税として流れていったということです。もう一つ経産省にお伺いしますが、この所得拡大推進税制の活用によって控除されたキャッシュの利用予定で一番多いのは、その調査では何と書いていますか。
○中石政府参考人 お答えします。同調査では、税制を利用した先ほど回答した企業百三十六社に対して、所得拡大促進税制の活用によって控除されたキャッシュを今後何に利用する予定かについて複数選択で質問をしております。集計の結果、回答としては、「内部留保」が二一・一%、が一番最も多いんですが、ほぼ同数で「従業員への還元(福利厚生を含む)」が二一・三%、「設備投資」が一九・九%、「新たな採用による賃金原資」一二・五%、「研究開発投資原資」が一一%となってございます。
○宮本(徹)委員 一番多いのは内部留保だと答えているんですね。驚きましたね。つまり、この減税制度がなくても賃上げした企業に減税し、その減税分を内部留保に回している、こういうことが起きているのがこの所得拡大推進税制ですよ。これは血税の無駄遣いというんじゃないですか。私は、大企業に対してこういう減税制度を続けるのはいかがかというふうに思います。ちなみに、この所得拡大推進税制の二〇一六年度の適用実態調査を見ますと、一位が百十六億円でトヨタということになっております。ちなみに、研究開発減税の減税額トップもトヨタで八百四十一億円ということになっています。トヨタの決算のプレゼン資料を見ましたけれども、二〇一七年十二月末のネット資金量が出ていました。七兆八千三百九十億円ですよ。三月から数カ月で七百五十九億円ふえているんですね。大臣、やはりこれだけ、トヨタみたいに体力があって、内部留保を積み増す大企業については、こうした租特の適用というのは抜本的に見直すべきじゃないですか。
○麻生国務大臣 今回の税制改正で、いわゆる企業の自己の収益というものの生産性の向上とか設備投資とか、そういった人材投資に振り向けたり、また、持続的な賃上げが可能となる環境をつくり出せるように、いわゆる経営者の意識の変革の観点から租税特別措置の適用要件というのを見直したところであります。他方、通常の事業活動を行う範囲でやれば、影響が生じないように十分配慮する必要があるんだと思いますが、今回の改正を契機に各企業の行動に変化が生じ、過去最高となった経常利益と、また高水準の内部留保が賃上げに回ったり、設備投資につながることによって、企業の積極的な取組が進むことを期待するんですが、少なくとも、そういったようなものが少しずつではあるけれども確実に出てきているという比率は、五年前、四年前に比べて間違いなくふえつつあると思っております。
○宮本(徹)委員 行動に変化ということを言いますけれども、先ほど紹介したとおり、やはり多くの企業は、この制度があろうがなかろうが、賃上げは必要なところはする、できるところはする、こういうことになっているわけですよね。わざわざ、本当に、トヨタになぜ減税が必要なのか。減税しなきゃ賃上げしないのか。そんなことないですよ。それだけのお金を大企業の減税のために振り向けるんだったら、先ほど来議論ありますように、やはり中小企業の賃上げのための支援をやるべきだというのが本来とるべき政策だというふうに思います。この税制で、一体、中小企業をどれほど支援できるのか。改めて数字を紹介してほしいんですけれども、所得拡大推進税制の直近の適用実績で、大企業、中小企業のうち、それぞれ何社、何%が適用を受けているのか、それが本法案ではどう変わるのか、また、大企業、中小企業に分けて、減収見込み額はどう変化するのか、紹介していただけますか。
○星野政府参考人 お答え申し上げます。まず、実績でございますけれども、所得拡大促進税制の直近の平成二十八年度ベースで見ました適用実績でございますが、大企業三千七百八十七社、中小企業が九万五千三百四十七社となっております。これは、直近の平成二十七年度の会社標本調査のベースで見てみますと、大企業の利益計上法人のおよそ二三%程度、中小の利益計上法人の一〇%程度に当たると見込まれます。今般、所得拡大促進税制につきましては、その適用要件について、これまで税額控除の対象となる給与等支給総額が二十四年度から一定以上増加していることを求めていたところを、前年度から増加していればよいとする一方、前年度からの賃金の引上げ率に係る要件を引き上げる、大企業については二から三、中小企業については前年超から一・五%、また、大企業については一定以上の国内設備投資を行うことを要件とする等の見直しを行っております。これが今後企業にどのように影響して、今回の税制の適用が見込まれる企業の見込み数、これ自体をはじき出すのはいろいろデータ制約はありますけれども、一定の試算を行いますと、大企業につきましては、法人企業統計に基づいて試算したところでは、黒字大法人、これが一・七万社から一・八万社程度ですけれども、これの二割程度、およそ三千七百社程度に適用されると見込んでおります。それから、中小企業につきましては、黒字中小企業、これが九十二万社程度ですけれども、これの三から四割程度、およそ三十四万社程度に適用されると見込んでいるところでございます。これに基づきまして、増減収見込み額に関しましては、税額控除の対象となる給与等支給総額の金額を、二十四年度からの増加額から前年度からの増加額とする一方、税額控除率と控除限度額を引き上げるということをいたしまして、こうした見直しを織り込んだ上で減収額を平成三十年度に引き延ばして試算をいたしますと、大企業、中小企業双方につきましてほぼ平成二十九年度の適用実績見込みと同じ額、おおむね税収中立と見込んでいるということでございます。
○宮本(徹)委員 今の適用実績については黒字法人についてのみ出されましたけれども、赤字法人まで入れたら、中小企業でいえば、この税制を利用できているというのは恐らく三%台だということになると思います。今度の税制改正で対象が広がるとしても、赤字法人、赤字の中小企業まで含めて中小企業全体で見れば利用できる企業というのは一割台、今の数字からいけばそういうことになるわけですよね。私は、経産省が行った中小企業の雇用状況に関する調査を見ましたけれども、これを見ますと、二〇一七年に正社員の賃上げを行った中小企業というのは六六%あるんですね。三分の二の中小企業が賃上げしております。なぜ賃上げしているのか理由を見ましたら、人材の採用、引きとめ、これが一番多いわけですよ。中小企業は、午前から議論があるとおり、三分の二が赤字法人です。ですから、赤字の中でも賃上げをしているところが少なからずあるというのが数字ですぐわかるわけですよね。人材を確保し続けるために、事業を続けるために赤字でも賃上げを行っている企業が相当あるわけですが、当然、今度の法改正はそこが何の支援にもならないということになります。ちょっと経産省にお伺いしますが、二〇一二年と直近を比べて大企業と中小企業の賃金格差というのは縮小していますか、拡大していますか。
○中石政府参考人 お答えします。昨年、二〇一七年四月に閣議決定いたしました二〇一七年版中小企業白書によりますと、企業規模別の一カ月当たりの給与額につきましては、二〇一二年には、大企業の月平均で三十七・八万円、中小企業の月平均で二十九・三万円と、八・五万円の差がございました。これに対して二〇一五年には、大企業の月平均で三十八・四万円、中小企業の月平均で二十九・八万円と、八・六万円の差となっておりまして、ほぼ同じ金額差でございました。
○宮本(徹)委員 ほぼ同じと言われましたけれども、八・五万から八・六万円ですね。若干差は開いているんですね。賃上げ率をずっと見ていましたら、基本的に大企業の方が賃上げの幅は大きいわけですよ。ですから、大企業と中小企業の賃金格差というのは開き続けているということになります。こういうもとで、賃上げして赤字になって苦労している中小企業と、そこには支援が今度の税制ではありません、そして、黒字のところの大企業には支援がやってくる。これが今度の税制ということになるわけですけれども、これでは、体力がある企業だけがどんどんどんどん応援されて、この賃金格差というのは、大企業と中小企業、とりわけ赤字の中小企業との賃金格差というのは一層広がるということになるんじゃないですか。
○麻生国務大臣 二十五年度以降の拡充というのを進めてきた現行の所得拡大促進税制ですけれども、先ほども主税局長の方から話がありましたように、これは間違いなく、中小企業者の適用件数というのは、最初の二十五年度は九千件、今九万五千件、約十倍にふえているというのが実態ですから、そういった意味では利用数がふえているんだと思っておりますので。今度の見直しというものを、前年度に比べてということで、三%以上の賃上げに引き上げるということと、一定の国内設備投資というものをやってもらうというのを要件に大企業に対してしているのに対して、中小企業に対しては前年度に対してその半分の一・五%以上引き上げるで足りるとしておりますし、国内の設備投資をしなければならないという要件も設けておりませんので、大企業と比べて一定の配慮というものを行っておりますので、今般の見直しというものが賃金格差の拡大につながるという発想は私どもにはございません。
○宮本(徹)委員 しかし、現実には、赤字の中小企業には何の支援にもならない、体力のある黒字の大企業には大きな支援になるわけですから、じわじわ広がっている賃金格差の一層の拡大につながりかねないということを指摘しておきたいというふうに思います。中小企業は、私の地元でもやはり人手不足は本当に大変深刻です。中小企業白書でも、中小企業から大企業への転職者が増加している、このことが指摘されております。採用の時点でもなかなか人が採れない。しかも、今いる社員が大企業に転職で流れていっているということですね。その転職の一番の理由というのは賃金ということになっているわけです。ですから、やはり本当に賃金、とりわけ中小企業、そして赤字の中でも頑張っている中小企業も含めて賃金を伸ばせるようにしっかり応援していく、こういう政策こそ私は必要だというふうに思います。そこで、報道で言われているところの、租特の、今度、場合によっては打ち切るというむちの方についてもお伺いしますが、賃上げに消極的な企業には租特を打ち切ると今回出されました。これは非常に注目されているわけですけれども、これが実際に適用される見込みというのはどれぐらい見込んでいるんでしょうか。
○星野政府参考人 今回のこの措置でございますけれども、企業収益が過去最高となる中で、賃上げや投資に消極的な企業に対しては果断な経営判断を促していく必要がございます。このため、大企業に対しまして、所得金額が前年より増加しているにもかかわらず、賃金の引上げ、最低限の国内設備投資、これは減価償却費の一割でございますけれども、このいずれも行わない場合は研究開発税制などの生産性の向上に関連する租税特別措置を適用できないことといたしております。今般の見直しにつきましては、本税制によって、企業行動を変えてほしい、変化が生ずることが見込まれるという制度でございますので、具体的にこれでもって態様を変えずにこれだけ適用になるといった適用を見込んでいるわけではございません。したがいまして、改正による増収も見込んでいないところでございます。
○宮本(徹)委員 見込みはなしということですね。ただ、こういう形で租特、私たちは研究開発減税自体は大企業にまでやる必要はないという立場をいつも述べていますが、こういう形で租特をむちとして使うという発想はかなり新鮮なものとして受けとめました。大企業は、社員には賃上げしながら一方で下請企業に単価切下げというのはかなりやられています。そうすると、中小企業の賃金は上がらないわけですよね。ですから、私は、こういう租特の打切りというのを、いろいろな場合にあり得るという考え方に立つんでしたら、例えば下請二法違反だとか不当な単価切下げ等を行っている企業についてはこうした租特を適用しない、こういうことも考えていくということも必要じゃないかと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○麻生国務大臣 下請企業との間の単価の取引の決定、これは官と民の話でもない、官官の話でもない、民民の話でしょう。それに税務署が介入しろ、国税庁が介入しろという話でしょう、推し進められる話は。ちょっと、うちは自由主義経済をやっていますので、市場経済をやっていますから、全然ピントが違うと思いますけれどもね。この種の話は、公正取引委員会というところの適切な執行によって行われるべきものなのであって、課税という手法でやるのには必ずしもなじまないというのが基本的な考え方じゃないですかね。いずれにいたしましても、そういった企業の行動というものに変化を生じて、こういったのは、下請に対してどうのこうのという話は、いつの時代でも、ずうっと過去七十年間、経営者をやっているときからやらされていましたので、しょっちゅうある話なので、私どもとしては、こういったような話は、民民の間でお互いに切磋琢磨してやられるのであって、余り不当なものであれば、これは公取等々が介入するというのが基本なのであって、財務省が介入するという種類の話とはとても思えませんけれども。
○宮本(徹)委員 財務省が介入してくれという話をしているわけじゃなくて、公取が当然取り締まるわけですよ。公取が、それで、これは下請二法違反だということを例えば認定した企業というのがあるわけですよ。そういうところについては租特の適用をやらないということも私は検討課題にしていいと思いますよ。私は、別に公取を押しのけて財務省が調べて回れという話をしているわけじゃなくて、公取が判断した上で、その判断結果を租特の適用にも活用をぜひしていただきたい、検討課題にしていただきたいということを申し述べておきたいというふうに思います。それから次に、きょうは宮川政務官に来ていただきました。非婚の一人親へ寡婦控除が適用されない問題について、これは昭和の時代から野党が取り上げてまいりました。婚姻歴のあるなしで差別を設けるべきではないと是正を求めてきました。私も、二年前ですかね、本委員会で取り上げました。 来年度から、厚労省に関係する保育料などは子供の福祉の観点から調整するということになって、非婚の一人親にも寡婦控除のみなし適用が始まることになりました。しかし、大もとの税制は変わらないままなんですよね。与党は、来年度に結論を出すということを大綱の中で盛り込まれました。寡婦控除が適用されれば非課税世帯になるという場合もあるわけですよね。そうなれば、例えば、新しくできた給付制奨学金の制度も受けられる世帯というのも出てまいります。ですから、私は、本筋でいえば税制改正を先送りせずに直ちにやるべきだというふうに思います。同時に、税制改正は来年度に先送りされる、結論を出すのが。そういうもとで、寡婦控除が適用されないために、本来寡婦控除があれば非課税世帯になれるのに課税世帯になってしまって給付制奨学金を受けられない、こういう世帯を私は救う必要があると思うんですよね。国交省は住宅について対応をとりました。それで、厚労省も今度適用を始めるということになりました。文科省、税制改正待ちにならず直ちに、今度五月からですか、給付制奨学金の次の募集が始まってまいりますけれども、そこで対応できるように検討すべきじゃないでしょうか。
○宮川大臣政務官 今年度より新しく創設いたしました給付型奨学金については、来年度から本格的に制度を開始するところであります。指摘の点については、現行制度の運用状況を見つつ、ほかの制度の事例もしっかり研究しながら、逆転現象などが起きないよう、慎重に検討していきたいと考えております。
○宮本(徹)委員 いや、慎重な検討だと、せっかく国交省もやって文科省もやって、もう大勢としては婚姻歴のあるなしで差別するのはやめようという流れになっているわけですから。子供のことを考える厚労省、そして文科省も同じように、子供の未来がお金があるなしによって左右されちゃいけない、そういう立場で給付制奨学金をつくったわけですから、慎重じゃなくて急速に検討すべきじゃないですか。
○宮川大臣政務官 給付型奨学金の制度設計に私もかかわってきた一人として、逆転現象が起きないということが大変重要だというふうに思っております。ですので、さまざまいろいろな制度を見ながら、また、これまでの給付型ではなくて貸与型の奨学金のあり方も考えながら、慎重に検討していきたいと思っております。
○宮本(徹)委員 慎重だと時間がかかって、税制改正ができるまでできないということになっちゃいますよ。ですから、積極的に検討していただきたいというふうに思います。残された時間が少なくなってまいりました。金融所得課税についてもお伺いしたいというふうに思います。二〇一四年度に、一〇%に軽減されていた証券優遇税制を正して本則の二〇%に戻したわけですが、いつも、これを戻す、この税率引上げを議論するときというのは、関係業界から反対があるわけですね。株式市場に悪影響があるんじゃないかということがあるわけですが、前回、一〇パーから二〇パーに戻したときに、株式市場への悪影響というのはなかったんじゃないですか、麻生大臣。
○星野政府参考人 事実関係にかかわる話でございます。私の方から御説明をいたします。まず、株式市場の動向自体は、金融所得に対する税率の水準や変動のみで決まるものではございません、さまざまな要因で動くということだと思います。例えば、株価には需要と供給が大きな影響を与えるために、債券市場を含む株式市場以外の市場の動向も影響を及ぼし得ます。また、税率引上げに際しては、例えば駆け込み売却が生じ得るわけですけれども、同じ株式を買い戻す、いわゆるクロス取引が行われれば株価は維持されるというようなことにもなります。こうした点も踏まえれば、上場株式等の配当、譲渡益について、軽減税率を廃止し、二〇%の本則税率に戻したことによる株式市場への影響を一概に申し上げることは困難ではございますけれども、株価について見ますと、二〇%の本則税率に戻した平成二十六年一月をまたいで大きな変化はなかったというふうに理解をしております。
○宮本(徹)委員 つまり、株価については大きな変化はなかったわけですよね。ですから、これを引き上げることに反対する業界があるわけですけれども、やはりここはしっかり、垂直的公平という話も先ほど来されているわけですから、金融所得課税の税率については引き上げていくということをやっていただきたい。麻生大臣も、野田委員への答弁で、外国は三〇%だというお話もされておりましたので、それぐらいまで引き上げても垂直的公平という点では足りないぐらいだというふうに思いますので、検討をお願い申し上げまして、質問を終わります。