赤旗日刊紙主張より 「いずも」の改修 「攻撃型空母」への変質は明白

 安倍晋三政権は昨年末に決定した新「防衛計画の大綱」と「中期防衛力整備計画」に基づき、海上自衛隊の「いずも」型護衛艦(以下、「いずも」)を改修し、短距離離陸・垂直着陸(STOVL)機のF35B戦闘機を搭載できる空母にしようとしています。「専守防衛」を建前にしてきた自衛隊を「海外で米軍と肩を並べて戦争する軍隊」に変貌させようとする重大な動きの一つです。「いずも」の空母化は、「攻撃型空母」の保有をめぐる過去の政府答弁に照らしても憲法に違反することは明らかであり、許されません。
 政府はこれまで、「攻撃型空母」の保有について、「自衛のための必要最小限度の範囲を超えるため憲法上許されない」との見解を示してきました。「攻撃型空母」とは「性能上専ら相手国の国土の壊滅的破壊のためにのみ用いられる」ものとされてきました。安倍政権は、「いずも」の空母化は日本の領空・領海を防衛するためであり、「攻撃型空母」の保有には該当しないと繰り返しています。
 しかし、日本共産党の宮本徹議員は8日の衆院安全保障委員会で、政府がかつて次のように答弁していたことを指摘しました。
 「例えば1万トンのヘリ空母ができまして、それがヘリコプターを搭載するために造られたものであり、…仮に20機積んでおりましても、これは憲法上認められるところであろうと思います。しかしながら、同じように1万トンの船でありましても、これが例えば(垂直離着陸攻撃機の)ハリアのようなものであって、しかもハリアが将来、性能が向上いたしまして…それが例えば海外の領域を攻撃するような任務を与えられるようなものとして設計され、造られておるということであれば、これは一種の攻撃型空母に変質するということではなかろうか」(1972年5月31日、衆院内閣委員会、久保卓也防衛庁防衛局長=当時)
 艦首から艦尾まで一つにつながっている飛行甲板(全通甲板)を持った「いずも」(全長248メートル)は最大でヘリコプター14機を搭載可能とされ、「ヘリ空母」とも呼ばれています。基準排水量は1万9500トンです。F35Bは、前掲の政府答弁が言及している「ハリア」の改良・発展型であるAV8BハリアーⅡのさらなる後継機として米軍が導入しています。
 昨年9月、米軍のF35Bはアラビア海上で、全通甲板を持った強襲揚陸艦エセックス(全長253メートル)から飛び立ち、アフガニスタンで空爆を行っています。「いずも」を改修し、F35Bが搭載可能になれば、文字通り「海外の領域を攻撃する任務」を遂行できる能力を持つことになります。
 改修された「いずも」から米軍のF35Bが発進し、他国を実際に攻撃することも可能になります。
 岩屋毅防衛相は宮本議員の質問に対し、安保法制=戦争法に基づき、海外での紛争である「重要影響事態」や「国際平和共同対処事態」で、戦闘作戦行動に発進準備中の米軍のF35Bが「いずも」で給油や整備を受けることも「排除されない」と答弁しました。
 「いずも」の空母化は、政府が憲法上許されないとしてきた「攻撃型空母への変質」に他なりません。計画は撤回すべきです。

以上2019年3月12日付赤旗日刊紙より抜粋