2020年11月11日 衆院厚生労働委員会 75歳以上医療費2割化反対 さらなる受診抑制に

提出資料①
提出資料② 日本医師会作成資料

 日本共産党の宮本徹議員は11日の衆院厚生労働委員会で、75歳以上の医療費窓口負担の2割化をやめるよう迫りました。
 宮本氏は、75歳以上の受診率がそれまでの年齢に比べ「外来で2.3倍だ」と指摘。高齢者の収入に対する医療費負担率は現状でも高いとして、さらなる受診抑制につながるようなことは絶対にあってはならないと強調しました。
 すでに行われた介護保険の年収280万円以上の人の2割負担化で利用控えはどの程度おきたのかと宮本氏がただすと、土生栄二老健局長は「3.8%の人がサービスを減少・中止」したと答弁。さらに宮本氏が、要介護者・要支援者認定者のうち2割負担・3割負担の人の割合をそれぞれ聞いたのに対し、土生老健局長は「2割負担は5%、3割は3.8%」と答えました。宮本氏は「75歳以上の医療では、介護保険の2割負担の対象よりも広く原則2割などの声がでている」として、2割負担では受診控えがおき、命に直結すると批判しました。
 田村憲久厚労相は「必要な医療を受けていただけるような範囲で負担を進めていかないとならない」と答弁しました。宮本氏は「必要な医療を受けていただくというなら、2割負担はやめるべきだ」と批判しました。

以上2020年11月12日付赤旗日刊紙より抜粋

≪2020年11月11日 第203回衆院厚生労働委員会第2号 議事録≫

○とかしき委員長 次に、宮本徹君。
○宮本委員 日本共産党の宮本徹です。新型コロナ第三波が始まりました。感染拡大しているわけですけれども、やはり、寒い中で暖をとるために密閉空間が生まれている、換気が大事だということだと思うんですね。私、質問通告で、ちゃんと換気ができているかどうか確認するためには、CO2モニターだとか、活用は大事じゃないかということを月曜日のお昼にしていたんですけれども、その日の夜に分科会の緊急提言で、CO2濃度を具体的に定めてモニターすることが大事だという提言が出されていまして、以心伝心ではないですが、同じことを考えているんだなと思ったところでございます。それで、問題は基準をどうするかということなんですけれども、きょうは配付資料でありますけれども、これはイギリスの、イギリスにも厚労省のアドバイザリーボードみたいなのがあるわけですよね。この緊急科学アドバイザリーグループの、あるところで出た提言ですが、この中では、二酸化炭素の濃度について、エアロゾルの発生率が高まる可能性がある空間、歌うだとか大声で話すだとか、そうしたところについては八〇〇ppm以下へ十分に維持するのが大事なんだ、これが感染のリスクを下げる上で大事だということが書かれています。一方、日本のビル管理法というのは一〇〇〇ppmですね、基準は。学校は、八千平米以上だとビル管理法の適用になりますけれども、多くの学校はそれよりも小さい場合が多いんですが、その場合は一五〇〇ppmなんですね、今の学校の環境基準というのは。環境衛生基準が一五〇〇ppmなんですね。ですから、このイギリスの科学者の皆さんの提言からしても、日本の基準というのは高くて、リスクがあるのではないのかというふうに思うんですね。ですから、ちゃんと世界のやはり科学的な知見をしっかり踏まえて、これで十分なのかどうかもまだわからないということをこのイギリスの中でも言われていますけれども、少なくとも八〇〇ppm以下にすべきではないかというふうに思っているんですけれども、その辺を厚労省はどうお考えなんでしょうか。
○正林政府参考人 お答えします。もう先生触れられていますけれども、CO2をモニターするというのは、既に分科会から緊急提言で出されておりますし、内閣官房の方で、専門家の意見を伺いながら、CO2センサーで二酸化炭素モニターを含めた寒い環境での換気の実施について、ポイントとしてまとめております。御指摘の点ですけれども、確かに、今、ビル管法の基準を踏まえて厚生労働省で作成しているリーフレット上では、三十分に一回の換気とか、それから、CO2濃度を一〇〇〇ppm以下に保つといったことで周知をしております。WHOのガイドラインにおいては、医療機関における一時間に六回以上の換気を推奨しているとか、あと、先生御指摘のイギリス政府の見解は八〇〇ppmとか、そういったことを承知はしております。厚生労働省としては、引き続き、WHOとか専門家などの科学的知見についての情報収集に努めてまいりたいと考えております。
○宮本委員 情報収集は大事なんですけれども、もうどんどん感染が広がる状況で、寒い中、やはり換気をどうしようかというのは本当に皆さん悩んでいるわけですよね。どういうふうにやればいいのか、ちゃんとどこまでやればいいのかとあるわけですから、早急に、やはりここまでは最低でも換気をしなきゃいけないという新たなガイドラインを策定していただきたい、そして国民に知らせていただきたいと思いますが、いかがですか。
○正林政府参考人 おっしゃるとおりでして、北海道は、換気と一言に言っても、マイナス何十度というところですので、簡単に換気はできないかなと思います。そうした中でどうしたらいいかということを、専門家の先生方の御意見も聞きながら、対応策を考えていきたいと思います。
○宮本委員 ですから、しっかりと数値も含めて決めていただきたいというふうに思います。それから、CO2モニターの機器購入の支援ですね。業者に対してもそうですし、あと学校なんかも、学校なんかは本当に、窓を閉め切って十分たったら一五〇〇ppmを超えます。そういう話を聞きました。もうちょっとたったら三〇〇〇ppmというふうになっていくわけですよね。寒い中でどういうふうにやるのかという工夫と同時に、やはり、ちゃんと換気ができているのかという点でいえば、そういうところまで含めて、まあこれは文科省に聞いているわけじゃないから、学校の話はここであれなのかもわからないですけれども、ですけれども、基準を、必要だと示すのはやはり厚労省ですから、こういうことが、そこはしっかり、田村大臣の方でいいですので、政府全体で換気対策をしっかりと、CO2のモニター、そしてそれができる財政的な援助も含めて政府として出していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○田村国務大臣 英国の事例を委員は御提示いただいて御説明いただいたわけでありますが、どれぐらいの濃度ならばどうなのだということを含めて、ちょっと専門家の皆様方に御意見をお伺いさせていただいて、一つの考え方がまとまれば国民の皆様方に周知をしてまいりたいというふうに思います。
○宮本委員 財政的なところもよろしくお願いします。
○田村国務大臣 必要に応じて検討してまいります。
○宮本委員 次に、七十五歳以上の医療費の窓口負担の問題についてお伺いいたします。先ほども議論がありましたが、年を重ねれば重ねるほど、当然、病院にはみんな多く通うようになるわけであります。受診率は、七十五歳以上というのはそれまでの年齢に比べて、外来で二・三倍、入院で六・二倍と。きょう、配付資料の裏面に日本医師会作成の資料を載せておきましたけれども、やはり病院にかかる頻度が多くなりますので、収入に対する患者の負担率というのは、現状でも高齢者は大変、ほかの世代に比べて七十五歳以上というのは高くなっていっている、一割負担でも高いというのが現状なわけですよね。ですから、これは二倍に引き上げていって受診抑制につながっていくということがあっては絶対ならないと私は考えております。それで、お伺いしたいんですけれども、介護保険については、既に年収二百八十万円以上の方は二割負担というのが導入されておりますが、この介護保険では、二割負担の導入で利用控えというのはどの程度起きたんでしょうか。
○土生政府参考人 御説明させていただきます。介護保険制度におきましては、高齢化が進展する中で、必要な給付を行うとともに制度の持続可能性を高めるという観点から、平成二十七年八月からは、一定以上の所得がある方に対して二割の利用者負担をお願いしているということでございます。この当時、一定の居宅介護支援事業所を通しまして抽出調査をしたという調査結果が残っております。この調査では、平成二十七年七月末時点と比較しまして、二割負担を導入した同年八月から十二月までの五カ月間の週間の利用単位数の変化を調査したというものでございます。あくまで抽出調査ということでございますけれども、その結果、二割負担者全体の中で利用単位数が減った、ないしはサービスを中止したとされた方は、二割負担者全体の三・八%ということでございまして、その中で、さまざまな理由がある中ではございますけれども、複数回答も含めまして、介護に係る支出が重くサービス利用を控えたと回答された方は、二割負担者全体の中に占める割合は約一%であったという調査結果がございます。
○宮本委員 二割負担でサービスを控えた方が実際に介護保険でもあったということであります。ちなみに、介護保険では、要介護、要支援認定者の中で、二割負担、三割負担の方というのはどれぐらいいらっしゃいますか。
○土生政府参考人 お答えいたします。こちらの方は直近の数字ということで御説明させていただきますけれども、厚労省で実施しております介護保険事業状況報告によりますと、本年八月末時点で、要介護及び要支援認定者数は、全体で六百六十一万二千人ということでございます。このうち利用者負担割合が二割の方は三十三・三万人で全体の五・〇%、それから、現在では三割負担も導入されておりまして、三割の方が二十五・三万人で全体の三・八%となっております。
○宮本委員 今、介護保険については、二割の方が全体の五%、三割の方が三・八%。二割と三割合わせて八・八%というのが介護保険の現状と。それ以外の九割以上の方は一割というのが介護保険なんですよね。今、きょうずっと議論になっていますけれども、一定の所得以上の人を二割負担ということを言われているわけですけれども、七十五歳以上の医療費の窓口負担について。この一定の所得以上というのは、介護保険の二割負担よりも範囲を広げるということなんでしょうか。
○田村国務大臣 委員のただいまの御質問ですけれども、昨年十二月の中間報告、これは全世代型社会保障検討会議でありますけれども、ここで一定所得以上の後期高齢者について、医療費の窓口負担を二割とするとともに、具体的な施行時期、所得基準、長期にわたり頻繁な受診が必要な患者の高齢者の生活等に与える影響を見きわめ、適切な配慮について検討を行うこととされる、こうなっておるわけであります。今委員は、介護の二割負担と比べてどうなんだというようなお話がございましたが、それも含めて今検討している最中でございますので、年末に向かって議論をしっかりとやっていただきたいというふうに思っております。
○宮本委員 介護保険は、二割、三割の人を合わせて八・八%ですよ。一割未満の方が二割、三割になっているわけで、それでも二割に引き上げたら利用控えが起きてしまったというのが先ほどの数字であったわけですよね。それで、医療で受診控えが起きるということになったら、これは命の問題に直結する場合があるわけですよね。私は、それは絶対にあってはならないと思うんです。ところが、この一定の所得以上をめぐって、今、本当にいろいろなところから、できるだけ思い切って広くするんだとか、原則二割だとか、そういう話がいろいろな団体から出てきているわけです。ですけれども、そういうことをやったら、この二割負担の導入というのは受診抑制につながっていくんじゃないですか。そういう認識はありますか、大臣は。
○田村国務大臣 さまざまな団体がいろいろな御意見をおっしゃっておられます。我々といたしましては、必要な医療を受けていただかなければならないということは重々認識いたしておりますので、必要な医療を受けていただけるような範囲の中において、今般のこの負担というもの、これを進めていかなければならないというふうに思っております。
○宮本委員 ですから、必要な医療を受けていただかなきゃいけない。介護は、何度も繰り返すが、介護は一割未満の方が二割、三割負担だけれども、一定の利用控えというのは生んでしまった。医療で介護保険以上にもっと負担を広げていったら、当然受診抑制が生まれていく。先ほど、必要な医療が受けられないようになってはならないと大臣はおっしゃったわけですから、その考え方は非常に大事なわけです。その前提に立ったら、私は二割負担というのはやめるべきだというふうに思いますよ。それで、あともう一点お伺いしたいんですけれども、今、このコロナのさなかで二割負担の検討がされているわけですけれども、ウイズコロナ時代の医療費というのはどうなっていくのかなということも考える必要があるんじゃないかと思うんですけれども、そういう検討というのは何かなされているんですかね。
○浜谷政府参考人 お答えいたします。新型コロナウイルス感染症拡大以降における、まず現状、医療費の伸びを見ますと、対前年同月比で、令和二年四月はマイナス八・八%、五月はマイナス一一・九%ということで、一〇%程度の減少となりましたけれども、六月は少し回復いたしまして、マイナス二・四%の減少にとどまっております。今後でございますけれども、新型コロナウイルス感染症の状況次第で医療費は一定程度の影響を受けるものと考えられますけれども、現時点で今後の医療費の見通しを立てることは困難でございます。今後、新型コロナウイルス感染症が医療費に与える影響を注視してまいりたいというふうに考えております。
○宮本委員 ですから、これから、換気をやる、マスクもやる、手洗いもやるというふうにみんな生活がなって感染症なんかが減って、阿部さんの議論じゃないですけれども、小児科にかかる子供たちも物すごく減っているわけですよね。だから、医療費全体がどうなるのかというのが見えない中で、負担だけふやしていくという議論をするというのも私はちょっと違うんじゃないかなということを指摘しておきたいと思います。次の問題に行きたいと思います。介護報酬についてです。三年に一度の介護報酬改定の議論が進んでおります。この間も、コロナ禍の中で、デイサービスが閉まった、じゃ、ヘルパーさんにお願いしようと思ってもヘルパーさんが見つからないと。この間のヘルパーさんの人手不足が、対応できないという事態を生み出してしまったわけですけれども、やはり、余りにも介護の分野で働いている皆さんの処遇が低いということが、今回のコロナの対応でもいろいろな困難を生み出しているというのは言えるというふうに思います。やはり、この間、いろいろな現場の皆さんにお伺いしても、過去の介護報酬引下げの影響がずっと重くのしかかっているというお話も伺います。その上、今度のコロナでデイサービスなんかは大きな減収が生まれた。ちょっと特例をつくりましたけれども、その特例も大変利用者に負担をかけるということで、大きな批判が上がっているとおりなわけですね。これも見直さなきゃいけないと思いますけれども。やはり、必要な介護サービスの基盤を確保して人手もしっかりと確保していくということを考えたら、今回の介護報酬は、プラスで底上げをするということがどうしても私は必要だと思うんですよね。そこは、田村大臣の決意が大事だと思うんですよね。プラス改定で介護報酬を引き上げていく、断固としてそのために頑張るということを表明していただきたいと思います。
○田村国務大臣 処遇改善という意味からしますと、民主党政権時も含めて、七万五千円ほど処遇改善を進めてきた上に、さらに、例の八万円というような、一千億円の形の中で処遇は改善を、まだ十分ではないにしても進めてきたというような経緯があることは御理解をいただきたいというふうに思います。その上ででありますけれども、いろいろとコロナの状況もあります、経営状況、経営実調等々、これも踏まえた上で、介護事業者がしっかりと運営できるような報酬を決めていかなければならないというふうに思っておりますので、その考えのもとで報酬改定に臨んでまいりたいというふうに思っております。
○宮本委員 しっかり運営できるというのは、心の中では絶対プラスにしたいんだというふうに思っているというふうに理解していいんでしょうかね。そういうふうに理解して、次の質問に行きます。生活支援についてお伺いいたします。求職者支援制度の問題について、こういう相談があったんですね、都内の方から、町田のお住まいの方なんですけれども。この制度は、授業の出席率が八割を超えないと十万円の給付金が出ない、新型コロナで保健所から濃厚接触者として自宅待機を求められて学校を休んだと。現状は、その場合は、授業日数から待機期間は引くという特例になっているんですね。ですけれども、この現状の特例では、実は救われないケースがあるということなんですね。その分母と分子、分母もちっちゃくなっちゃいますから、分子で、一日通院して病院に行ったら、その比率が非常に大きくなっちゃうということで、本来であれば、濃厚接触者にならずに授業に出席していれば十万円が給付されていたケースでも、濃厚接触者になったために給付が受けられないというケースが生まれております。私は、行政の側の要請で、濃厚接触者だから感染拡大防止のために待機してもらった、そういう方が、本来受給できた給付金を受けられないというのは大変理不尽なことだと思うんですね。ですから、これはコロナ特例を設けて給付金を受け取れるようにすべきではないかと、月曜日に担当者に話をして、二日間考えてくれと言っておりますので、大臣、どうなったでしょうか。
○田村国務大臣 私、担当者ではないんですが、厚生労働省の責任者として、先生のおっしゃっている意味、いろいろと考えさせていただきます。求職者支援制度におけるこの職業訓練の受講給付金でありますが、本来ですと、全ての日数、出席をいただかなければ出ないわけでありますが、やむを得ない場合には八割という、八〇%という特例を設けています。今言われたとおり、コロナ等々の濃厚接触みたいな話になりますと、当然分母から外すというような一応配慮はしておりますが、結果、それでも救われないといいますか、方々がおられると。一方で、もちろんこの求職者の方々の生活等々を考えた場合に、しっかりと対応しなきゃいけない部分もあるんですが、濃厚接触でありますから、感染を防いでいくという意味からも、出席をしていただいては困るという側面もあるわけであります。そういう側面も含めて、今先生がおっしゃられたこと、担当者の方から私の方も話を聞いておりますので、検討をさせていただきたいというふうに思います。
○宮本委員 救済するという方向で考えるというふうに受けとめさせていただきましたので、よろしくお願いしたいというふうに思います。あと、生活支援でもう一点ですけれども、これは本会議でもお伺いしたんですけれども、緊急小口資金の特例貸付けというのは最長七カ月で、四月から借り始めた人は十月で、十一月は借りられないとなっているわけですね。十一月も借りられるようにせよとは私は言わないです、やはり。返さなきゃいけないというのは、膨れ上がるのはよくないと思います。ですけれども、その際、じゃ、十一月を迎えて、まだ仕事が見つかっていない、生活が再建できていない場合、どうするのかと。総理からは生活保護で対応するというお話がありましたけれども、ですけれども、本当に生活保護を利用する上で多くの人のネックになっているのは、扶養照会が本当にどうしてもこれだけは嫌なんだ、親兄弟に照会されたくない、それをされるぐらいだったら使いませんという方が本当にいるわけですよ。これはやはりコロナ特例で、思い切って扶養照会を当面やらない、こういう扱いにしていただきたいと思うんです。そうしないと、今、きょうも自殺率の話が出ていますけれども、本当に、住宅確保給付金でも同じなんですよね。生活保護を使わずに住宅確保給付金で頑張っている人はもう切れちゃうわけですけれども、その人なんかも、私たちが生活保護があるじゃないかと言っても、どうしても扶養照会をされたくないんだと。そういういろいろな家族関係の方もいらっしゃるわけですから、ここはやはりコロナ特例をぜひ設けていただきたいと思いますが、大臣の決断をよろしくお願いいたします。
○田村国務大臣 扶養義務者の扶養は保護に優先する、これは法律に規定されていて、この原則は、やはりどうしても明記されておりますので、曲げられないのは、これはもういたし方がない話であります。一方で、そういう意味では、扶養関係といいますか、もう家族関係が完全に壊れているような場合があります。例えば、二十年間音信不通、こういう場合、また一方で、配偶者から暴力、DVなんかで、知られてしまうと御本人の自立を妨げる、こういう場合もあります。いろいろな事情があると思いますので、そういうものをしっかりとお聞かせをいただいて、そういうような、もう完全にこれは扶養されるような家族関係でないなという場合には、これは照会をしないという運用をさせていただいておりますので、まずは、しっかりとお話をお聞かせをいただきながら対応させていただきたいというふうに思います。
○宮本委員 そこを更に踏み込んでいただきたいというふうに思いますので、もう一つ、ぜひ考えていただきたいと思うんです。そこまでやっているのは、それはもう私も知っているわけですけれども、それでもという方々がいらっしゃるわけですよ。総理は弾力的と答弁していましたから。長妻さんのおっしゃるとおりで、更に弾力的に考えていただきたいと思います。あとは、次に、雇用の問題をちょっとお伺いしたいと思いますが、休業手当、休業支援金についてお伺いします。この間、大企業についてはどうなのかというのがいろいろなところで議論になっています。政府からは、休業手当不払いを把握した場合は、雇調金を活用した休業手当の支払いについて、しっかりと働きかけてまいります、こういう答弁がされているわけですけれども、しかし、現実には、労働局が働きかけても、労基署が働きかけても休業手当を支払わないケースというのは、大企業についていっぱいあります。労働組合だとかいろいろなところに相談しておられて、私も厚労省の担当者にはいろいろお話をしておりますけれども、例えば、はとバス。ある契約社員は、シフトによるとの契約で、三月末からずっと休業手当なしが続いております。また、九月末まで休業手当が出ていた、これはシフトによるよりももうちょっと、契約書に何日というのがあったので、休業手当が出ていた非正規の方々のうち、有期の方は数十名、九月末で雇いどめになりました。無期転換をしていた非正規の方々は、解雇かシフトゼロへの契約変更を迫られました。労働組合をつくって団交して、解雇は撤回しましたが、いまだ休業手当は出ておりません。労基署が会社に改善を促しておりますけれども、会社はいまだに休業手当は払わない状態が続いているわけですね。ですから、政府がしっかり働きかけてまいりますと言っても、出さないわけですよ。どうしてくれますか。
○田中政府参考人 お答えいたします。雇用調整助成金につきましては、労働基準法二十六条の休業手当の支払い義務を事業主が負わないような場合でも、経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされた場合において労働者を休業させる場合には支給対象とする、そういう運用を確立してきております。事業主にこうした義務のない休業手当につきましては、雇用調整助成金を有効に活用して休業手当を支払っていただくよう、しっかりとお願いをしていくという形をとらせていただきます。ただ、この中には、今申し上げましたように、労働基準法二十六条の「使用者の責に帰すべき事由による休業の場合」が含まれております。労働基準法にこういう事業主の責任のある休業手当の支払い義務があるということをしっかりと雇用調整助成金活用のお願いとあわせて周知徹底をしているところでございます。また、同一労働同一賃金の観点からは、正社員に休業手当を支払う一方で、雇用形態が非正規雇用であることのみを理由に非正規雇用労働者には一律に休業手当を支払わないような場合、パートタイム・有期雇用労働法等の規定に違反する可能性がございます。同法の違反が認められる場合には、都道府県労働局による助言指導等を行っていきたいと考えております。
○宮本委員 ですから、それはもう何回もその話は聞いているんですよね。それでも、労働局から雇調金を勧めても、大企業の場合は七五パーですから、負担が残るので、体力がなくなってきたらどうしようかという問題が起きているわけですよ。これは、はとバスだけじゃないですよ、いっぱいあるわけですね。例えば、イベント関連業界大手のシミズオクト、オリンピック関連も受注していますけれども、Aさんは、働く三日前に仕事が確定するシフト制というので、ほぼフルタイムで二年半働いてきましたが、三月後半からほぼ全てのイベントが中止、延期になって収入はゼロだ、会社からは日々雇用だから休業という概念はないということで休業手当は支払われない。労基署が雇調金を使っての手当支払いを要請したけれども、会社は、行政指導があれば払うがないから払わないと居直っていると。ずっと払っていないままです。政府、労基署がやっても払わないところがいっぱいあるんですよ。救われないままの方々が大企業に非正規で残っている。これに対して政治はこのままでいいのかということを私、本当に日々感じております。大臣も、どうすればいいと思いますか、こういう事態について。
○田村国務大臣 非常に難しい問題でありまして、休業支援給付金に関しましては、雇用保険法の特例で、これは要は中小企業に限ってでありますけれども、大企業ほど雇調金の制度自体をよく御理解いただいていなかったり、それだけの申請書等々の手続に人員を割けない等々、いろいろな理由がある中で、中小零細企業が雇調金を申請しない、できないという状況の中で何とか対応しようということでこの特例法をつくったわけであります。一方、大企業の場合はそれがやれるだけの能力があるわけで、そういう意味からすると、大企業までこれをまた広げますと、今やっていただいている部分に関してまで、じゃ、それとの公平性はどうなるんだとか、いろいろな問題が出てくると思います。やれる能力のあるところにはしっかりとみずからの責任等々を全うしていただきたいという思いで、我々もそういうような応対を、例えば総合雇用相談センター等々、いただきましたら、しっかりと企業等々に物を申し上げて、しっかりと対応いただくように大企業の皆様方には申し上げている次第でございます。いずれにいたしましても、働く方々が休業等々で収入が得られないというのは大変つろうございますので、ぜひとも雇調金を使っていただいて、ぜひとも大企業においては対応いただけるように、今後ともしっかりと我々周知をしてまいりたいというふうに思っております。
○宮本委員 その答弁だと、本当に自分たちのところはまた何も変わらないやという思いで聞いていると思いますよ。今、見ているかどうかちょっとわからないですけれども。これは、ちょっと与党も野党も、もう一つやはり知恵を出し合わなきゃいけないんじゃないですかね。大企業の非正規労働者の人たちは本当の大穴があいたままです。はとバスだって、雇調金を当初は使って払っていたんだけれども、やはり七五パーというのだときつくなったというのもあるわけですよね。じゃ、雇調金を思い切って引き上げるのか。そうでなければ、業種だとか、あるいはいろいろなことを加味して休業支援金の対象を拡大するのか。これはぜひ考えていただきたい。ぜひ与党の皆さんでも議論していただきたいというふうに思います。だんだん時間がなくなってまいりましたけれども、もう一点、新しいこの間のコロナ対応の制度で、小学校休業等対応助成金・支援金があるわけですけれども、これは予算の執行率は今幾らですか。
○坂口政府参考人 お答え申し上げます。お尋ねの小学校休業等対応助成金・支援金の執行状況でございますけれども、十一月六日時点で約十三万八千件の支給決定を行い、約三百五十九億円の支給を行っております。執行率という意味では、予算は初めてのことで、十分な額ということを計上いたしましたので、それを分母に計算いたしますと、執行率は二〇・九%ということになっております。
○宮本委員 執行率二〇・九%ということで、八割の予算がまだ使われていないわけですよね。これもさっきの話と同じなんですよね。フリーランスの方は個人で申請する仕組みになっていますけれども、雇用されている方は、事業主が申請しなければ使われない。保護者が事業主に使ってくださいと言っても使ってくれない。しようがないので労働局に行って、うちの会社は使ってくれないので労働局から指導してくださいと。労働局からその会社に働きかけても使わない。こういうところが幾つもあるんですね。本当にもう何カ月間も闘い続けているという保護者の方々がいらっしゃるんですね。これは参議院の予算委員会でも議論になっていましたね。田村さんも答弁されていましたけれども、菅総理が前向きな答弁をされていましたよね。菅総理の答弁。とにかく、申請者、対象者に届くような政策というのをできるだけ丁寧にいろいろな角度から検討してみたいとおっしゃったんですね。総理の答弁を受けて、総理がいろいろな角度から検討してみたいというふうにおっしゃっているんですから、ぜひ、今までの答弁とは違い、検討してほしいと思うんですよ、総理の答弁ですから。総理から指示されているようなものですね、あの答弁は。基本は、やはり企業で働いている方についても個人申請が可能になるような制度変更をするしかないというふうに思いますけれども、ぜひ、菅総理の答弁を受けて、検討してみたいということを言っていただけるでしょうか。
○田村国務大臣 事業主が助成金を利用してくれないという声があるというのは我々も認識いたしておりますが、事業主に、要するに、助成金の支給要件となる有給の休暇制度導入等の積極的な働きかけをこちらから今行っている最中であります。やはり、事業主がまず有給の休暇というような形で対応いただいて賃金を払っていただくものに対して国が助成をしておるという制度でございまして、直接個人に支給をしている、そういうたてつけではないわけでございますので、やはり事業主が申請をしていただかなければならない。そのためには事業主がお支払いをいただかなければならない。こういうことでありますので、総理からいろいろなお話がございますので、丁寧に事業主の皆様方にこういう制度を御利用いただきたいということを周知をしてまいりたいと思いますが、それではなかなか先生も御理解をいただかないのでありましょうから、またしっかりと、これは担当者を行かせまして先生の御意見等々をお伺いさせていただきたいというふうに思います。
○宮本委員 いや、別に担当者とのやりとりじゃなくて、これは大臣が決断すればいいんですよ。だって、総理はいろいろな角度から検討してみたいと言ったんですから、今言った話は、今までやってきた話なんですよ。更に検討をいろいろな角度からしてみたいと言っているんですから、正面から検討してみてください。お金がないわけじゃないんですから。予算はついて、八割も余っているんですから。それで困っている人がいるんですから。だって、もともと一斉休校というのは安倍さんが突然言い出して、私は、何の根拠があるんだということを詰めましたよ。政治判断だと。これに伴う責任は全て政府が負うといってやったのに、責任をとられていないんです。詐欺じゃないですか。起きていることはそういうことだと思いますよ、これは。とりわけ、いろいろなつくった制度はありますけれども、この小学校休業等対応助成金については、本当に政府が責任をとらなきゃいけないというふうに思いますので、よろしくお願いします。それと、最後、時間になっちゃいますので、一点だけお伺いしたいと思いますが、西村さんからもお話がありましたけれども、十月に正規、非正規の格差についての一連の最高裁の判決がありました。手当や休暇については、これは不合理な格差は許されないという非常にすばらしい判決が出ましたけれども、退職金やボーナスが一円も出ないことについて相違があることは不合理とまでは言えないという、大変私からすれば不当な判決が出ました。やはり、正規と非正規、どこで格差が大きいかといったら、基本給で格差が大きい。退職金なし、ボーナスなしでは、ここはもっと格差が大きいわけですよ。本当に正規と非正規の格差を正そうと思ったら、退職金そして一時金での格差を正すために政治がもう一歩頑張らなきゃいけないと思うんですね。司法が、今の法律でいえばああいう解釈をしてしまうということなんですから、そういう法解釈をさせない、格差是正に更につながる法改正を政治の責任でやる必要があるんじゃないかと思うんですよ。その点についてはいかがお考えかということをお伺いして、質問を終わります。
○田村国務大臣 先ほども西村委員の御質問にお答えしたんですけれども、今般の判決でありますが、賞与、退職金も含めてでありますけれども、その相違が旧労働契約法第二十条に言う不合理と認められるものに当たる場合はあり得る、こういうことも言っているわけでありまして、そういう意味では、決して、必ずそのような形で不合理なものに当たらないということはないわけでありますので、そういう意味からしますと、委員の言われている部分というものは、司法の判断の中においても起こり得るといいますか、委員の主張がなし得ることもあり得るんだというふうに思います。そのような意味からいたしましても、十四条の二項に、事業主から労働者への待遇差の内容や理由の説明、これは、本人から申出があればこの理由を説明しなきゃならないという義務があります。それから、均等、是正等に係る相談、助言、これに関しても、労働局がしっかり受けなければならない。それから、ADR等々、これに対しての対応、これもあるわけでございますので、我々といたしましては、同一労働同一賃金というものは、これはしっかりとこれからも実現をしていかなければならないと思っておりますので、ガイドライン等々でさらなる周知を図ってまいりたいというふうに思っております。
○宮本委員 メトロコマースの件でいえば、契約社員の人の方が働いている期間が長かったわけですよ。正社員の人たちというのは、メトロから、途中で、五十代後半とか六十になってから来た人たちで、本当に何でこの格差が最高裁で正せなかったのかというのは、本当に、原告の方も崖から突き落とされたような気分だということをおっしゃっていましたけれども、そういう判決だったんですよね。やはり、一つ一つの中身を見たら、あのメトロコマースの事件であんな判決が出るんだったら法律を変えるしかないということを再度訴えまして、質問を終わります。ありがとうございました。