2020年11月19日衆院本会議 予防接種法及び検疫法の一部改正案に対する討論


 私は日本共産党を代表して、予防接種法及び検疫法の一部改正に対する討論を行います。
 新型コロナウイルス感染症の拡大が急速にすすんでいます。ただちに、実効ある感染拡大防止策が求められます。医療・保健所・検査体制の強化が必要です。感染拡大のリスクを高めるGoTo事業については、見直しを決断すべきです。また、営業時間短縮等の要請にあたって、一店舗、1日2万円の支援ではまったく足りません。予備費も活用し、しっかりと営業と雇用を守る策をとることを強く求めます。
 さて、新型コロナウイルスワクチンについては、感染症も未解明の部分が多い上、きわめて新しい技術が用いられており、何よりも有効性、安全性の確認が重要であります。
 政府は海外で開発のすすむワクチンについて、国内での第三相試験なしで承認を考えています。一方、厚生労働委員会の参考人質疑では、コロナ分科会の岡部信彦内閣参与からは、「基本線からいえば、ルール通りの第三相の試験は必要だと思っています」との指摘がありました。また、免疫学の権威である宮坂昌之・大阪大学教授からは、第三相試験を飛ばして薬を認可し、多くの方が肺炎でなくなった抗リウマチ薬のアラバの経験が紹介され、「第三相試験については、やることをやはり原則とした方が良いと思います」と発言がありました。
 薬害の痛苦の歴史を繰り返さないために、こうした見解をしっかり受け止めることを政府には強く求めます。
 また、接種の努力義務について、参考質疑において、岡部内閣参与からは「ノーと言える権利は必ず確保すべきもの」との見解、釜萢敏・日本医師会常任理事からは、「個人の判断ということがさらにしっかり担保されなければならない」との見解も示されました。宮坂教授や薬害オンブズパーソンズの水口ますみ弁護士からは努力義務をつけてスタートするべきではないとの指摘がありました。
 法律上、接種の努力義務は、接種開始前に適用を外すことも可能です。海外で有効性、安全性が確認されたワクチンであっても、それが日本人でも同じ有効性、安全性を保障するものではありません。国内での第三相試験をおこなっていないワクチンの接種に努力義務をつけるべきではないことを指摘し、本法案に対する賛成討論を終わります。