2020年12月9日衆院厚生労働委員会 PCR検査プール方式導入を 国の支援迫る

提出資料① 出典:第7回新型コロナウイルス感染症対策分科会配布資料
提出資料② 出典:東京新聞2020年12月7日付
提出資料③ 出典・日本年金機構HP
提出資料④ 出典:厚生労働省

日本共産党の宮本徹議員は9日の衆院厚生労働委員会で、感染拡大地での「Go To トラベル」の一時停止、介護・医療施設などで頻回のPCR検査を国が支援して実施するよう迫りました。
宮本氏は、新型コロナウイルスの感染拡大が広がる中「医療現場は緊急事態だ」と指摘。政府の分科会が「Go To トラベル」の一時停止を提言したにもかかわらず、これを無視する政府の姿勢が今日の事態を招いたと批判し、「提言を全面実践すべきだ。菅義偉首相に『Go To トラベル』を停止するよう説得を」と強く迫りました。田村憲久厚労相は「提言は総理にも伝わっている」と述べるだけでした。

以上2020年12月10日付赤旗日刊紙より抜粋

≪2020年12月9日 閉中審査衆院厚生労働委員会 議事録≫

○橋本委員長代理 次に、宮本徹君。
○宮本委員 日本共産党の宮本徹です。まず、きょうは、GoToトラベルが来年度の年金改定に与える影響について伺います。資料三ですけれども、年金カット法が施行され、来年度から年金改定のルールが新しいものが適用されます。物価改定率がプラスで賃金改定率がマイナスの場合は、これまでは据置きでしたけれども、来年度からは賃金改定率に合わせて年金を引き下げるということになります。そして、資料の四ですけれども、この賃金改定率というのは、計算方法、二から四年度前、三年度平均の実質賃金変動率プラス物価変動率プラス可処分所得変化率、これは〇・〇だと聞いております。賃金改定率も、物価が下がるとそれだけ下押しされる。御承知のとおり、総務省の統計で、GoToトラベルが消費者物価指数を大きく引き下げております。私、試算をしてみましたが、結論から言いますと、来年度の年金は、GoToトラベルの影響でマイナスとなる可能性がかなりある。まず、十一月、十二月の物価、まだ確定値は出ていないわけですが、東京都区部の十一月速報値の水準まで下がった場合について試算をしました。実質賃金変動率はマイナス〇・二と仮置きして計算すると、物価改定率はプラマイ・ゼロ、賃金改定率はマイナス〇・二となります。よって、年金はマイナス〇・二の改定ということになります。これは、仮にGoToの影響がなければ、物価改定率はプラス〇・二、賃金改定率はプラマイ・ゼロで、年金は据置きになっていたはずだということなんですね。実質賃金変動率をマイナス〇・一と仮置きした場合でも、GoToがなければ据置きのはずだった年金が、GoToトラベルの影響でマイナス改定となります。物価変動のもう一つのパターンとしては、十一月、十二月の数値が十月並みだった場合というのも考えられるので、これも試算してみました。実質賃金変動率がマイナス〇・二なら、これもGoToの影響で、年金はマイナス改定になります。実質賃金変動率がマイナス〇・一のときは、マクロ経済スライドの調整率がどうなるかにもよりますが、上がるはずの年金が据置きになるケースもあるということなんですよね。大臣にお伺いしますけれども、このGoToトラベルの影響で年金がマイナス改定になってしまう、こういう可能性があるということは否定できないですよね。
○田村国務大臣 年金の改定率ですけれども、総務省の全国消費物価指数、これを使っています。これを見ますと、今、一月から十月はプラス〇・二という状況で来ておりますが、この後どういう数字になっていくかというのは、これから出てくる数字等々に反映されるものだというふうに思います。この中に宿泊だとかエネルギーだとか、そういうものが入っておりまして、こういうものが今、マイナス要因であろうというふうに推測はされております、推測といいますか、今の足元で。そういう意味からいたしますと、法律上、全国消費物価指数を使う、年金の改定率にということでございますから、事実として、当然、これがマイナスになればマイナス要因になる。一方で、GoToトラベルのお話がありました。このたてつけは、これは国土交通省でお考えになられておりますので、厚生労働省といたしましては、事実の中においてこれから推移を見守っていくということであります。
○宮本委員 GoToトラベルがマイナス要因になるということで、来年の年金がマイナス改定になる可能性があることは否定できないというのが大臣の答弁だったと思うんですよね。このGoToトラベルを始める際に、年金にまで影響が及ぶということは想定されていましたか。
○田村国務大臣 それは国土交通省と総務省の方にお聞きいただきたいと思います。
○宮本委員 いやいやいやいや、だって、さっきGoToトラベルの延長の話もされていましたけれども、これは年金にまで影響が出る事態なのに、国土交通省に聞いてくれという話じゃないと思うんですよね。全然そういうことも考えずにこの政策を始めてしまったということだと思うんですよ。いや、田村大臣も恐らく今の事態の推移を見て、ええっ、こんなことになるのかと心の中では思っているんだと思いますけれども。私は、はっきり言って、このGoToトラベルで年金が下がるというのは極めて理不尽な話だと思いますよ。今、GoToトラベルを見た場合に、例えば、国民年金だけで本当に切り詰めて生活されている方というのは、このGoToトラベルとは全く無縁な生活をやっています。さらに、東京でいえば、六十五歳以上の高齢者の皆さんはGoToは自粛してくださいと言われているわけですよね。まあ、私は全部停止した方がいいと思っていますけれども、少なくとも政府だってそう言っている。GoToに無縁な年金生活者、高齢者、こういう方々がGoToトラベルの影響で年金がマイナスになってしまう。私は、これは許されないと思いますよ。私は、特例措置をつくることも含めて、こういう影響が高齢者に及ばないようにすべきだと思いますが、大臣、いかがお考えですか。
○田村国務大臣 物価はいろんなものが構成されて出てくるわけでありまして、宿泊費だけではなくて、先ほども申し上げましたエネルギー、いろいろなものがあります。コロナ禍においていろいろなものが物価が下がっているということもございます。その中において、最終的に全国消費物価指数を使うという話でございます。重ねて申し上げれば、何か特例という話がありました。以前、特例でおとめしました、年金を下げるのをとめましたが、結果的に、年金制度上、その後その分、後世の方々が年金の引下げになっているわけでありまして、そういう意味では、特例を使って何らかの形で、年金がまだ下がると決まったわけではありませんが、下がるところを仮にとめたとしても、結果的には、それは後世との公平感、負担感の公平感みたいなものにかかわってまいりますので、なかなか、委員からの御提案、これは一般論として、年金が下がったものをとめるというわけにはいきませんし、そもそも、マクロ経済調整等々がいろいろかかる中によって、本来上がるものが上がらなかったりというようなことはもう既に起こっておるわけでございますから、これは年金を維持するための政策として、今そういうふうな特例は考えておりません。
○宮本委員 私は、マクロ経済スライドの問題も意見を持っていますけれども、それにしても、今回みたいな事態で、政府の政策で人為的に物価を下げたわけですよ。自然現象で下がっているわけじゃないわけですよ。しかもそれは、その事業によって恩恵を受けない方々の年金が下がっちゃう。私は極めて理不尽だと思いますよ。その理不尽だという思いすら大臣は共有していただけないというのは極めて残念ですね。しかも、先ほど来議論になっていますけれども、七十五歳以上の医療費を二割に引き上げようということをやっているわけですよね。年金は引き下げて、高齢者の皆さんの窓口負担は引き上げていく。踏んだり蹴ったりじゃないですか。私は、これは本当はちゃんと検討しなきゃいけない話だと思いますよ。それはぜひ、そのことだけ申し上げておきたいと思います。その上で、医療についてお伺いしたいと思いますが、きょうもずっと議論になっておりますけれども、新型コロナの感染拡大が広がる中で、医療は、自衛隊まで動員しなければいけないという緊急事態になってきております。分科会は、先ほど来議論になっていますように、感染拡大地とそうでない地域の人の移動はやめてほしい、GoToについてもそういう地域では一時停止の英断をしてほしいということをずっと言ってきているわけですよ。ところが、それを無視している、それでこういう事態を招いているというのは、そういう点では、本当に私は政権の姿勢が今日の事態を招いているというふうに言わざるを得ないと思いますよ。更に言えば、こういう事態になっても分科会の皆さんの提言を全面実践しようとしない、私は、今の医療機関の本当に危機的状況に対する大臣の認識そのものが甘過ぎるんじゃないかと思いますが、そうなんじゃないですか。
○田村国務大臣 非常に、医療の現場、それからクラスターが起こっている介護の現場は厳しいものがあるというふうに認識いたしております。私自身、今このような状況で、新規感染者数が移動平均で多分二千百名、二百名というところだと思うんですが、一週間の、これが更にふえるということも前提に置いて医療提供体制を考えていきませんと、いろいろな移動の制約をかけても、一方で、気温が下がる、そういうような要因も出てまいります。ですから、我々厚生労働省としては、更に感染拡大が起こった場合でも医療提供体制をしっかりと維持できるような方策、これもしっかりと今検討をいたしております。いずれにいたしましても、決して私、今の状況を甘く考えておるわけではございませんでして、感染が拡大をしている地域、この地域に対しては大変な危機感を持っております。
○宮本委員 大変な危機感があるんだったら、今一番やらなきゃいけないのは、感染者数そのものをふやさないための策を専門家の皆さんの提言にのっとってやることなんですよ。感染症の対策というのは、何よりもやはり専門家の皆さんの知見が一番大事なわけじゃないですか。それを無視して、それをやらずに、やらないから中途半端なことになっちゃうわけじゃないですか、勝負の三週間と言いながら。私は本当にもう何度も同じことを言っていますけれども、分科会の提言はやはり全面実践すべきだということを、田村大臣自身が菅総理と会って説得しなきゃいけないですよ。それをやろうとしない。それをやりますとここで答弁してくれればいいですよ。
○田村国務大臣 私が提言するというよりかは、分科会の御提言というものは、これは総理にも伝わっておりまして、だからこそ、各都道府県の知事さんらともお話をさせていただいて、感染拡大している地域、今、例えば札幌、大阪市、それから東京、東京都も島嶼部は別かもわかりませんが、例えば夜間の営業の自粛、こういうようなこともやっていただいておりますし、GoToイートに関しても食事券等々は新規発行しておりませんし、それからGoToトラベルに関しても制約をかけておるということでございます。でありますから、分科会からの御提言をしっかりいただきながら、それを進めさせていただいておるというふうに認識いたしております。
○宮本委員 分科会は、皆さんのやり方が余りにも中途半端だから、わざわざデータまで示して、若い人たちが感染を広げているんだと。そんな手間まで専門家の皆さんにとらせないでくださいよ。皆さんが初めから分科会の提言どおりやらないから、ああいう計算までしなきゃいけない事態になっているわけじゃないですか。それで、その上で、どう感染拡大を防止していくのか。分科会の提言全面実践というのが基本だと思いますが、きょうも旭川の話がかなり出ておりますけれども、本当に旭川は深刻な事態ですよね。大きな病院で二つのクラスターが出、さらに旭川赤十字病院も新しい感染者が出たということで一部機能停止という本当に深刻な事態で、これ以上クラスターを絶対発生させないと、可能な限り発生させないためのあらゆる手だてを私はとらなきゃいけないと思います。基本は、それぞれの医療機関での感染拡大防止策を更にやっていく、換気もやる、私は空調も予防的にとめた方がいいと思いますけれども。それとあわせて、政府自身が言ってきた、感染拡大地域での医療機関、介護施設での職員の頻回の検査ですね。私は、こういう旭川みたいなところでこそ国も支援してやらなきゃいけないんじゃないかと思いますよ。そういう認識は、大臣、ございますか。
○田村国務大臣 だからこそ、政府の方もそういう通知を何度も発出をさせていただいて、感染拡大地域において、例えば介護施設等々の従事者、入所者に関しては検査をしっかりとやっていただきたいということを申し上げておりますし、当然医療機関も同じであります。しっかりとやっていただく中において、それでも、全てが全て抑え切れないかもわかりませんが、しかし、やることによって、やらないよりかは一定程度感染拡大を防いでいけるものというふうに認識いたしております。
○宮本委員 ですから、通知を出して、できているのかという問題があるわけじゃないですか。きょう、資料一ページ目に、ちょっと大分前の分科会で配られた資料ですけれども、検査の頻度、それから検査から隔離の遅延日数、そして検査精度についての海外の研究についてのグラフが出ておりますが、これをちょっとわかりやすく説明していただけますか。
○渡邊(昇)政府参考人 御説明申し上げます。御指摘されている研究事例は、アメリカの大学がことしの夏ごろのアメリカの感染状況をベースに、一万人ぐらいの規模の架空の集団をつくってシミュレーションを行ったものでございます。そういう意味で、個別の介護施設への適用ということではございませんけれども、このグラフの見方は、左のグラフが、横軸が検査頻度でございまして、右の方が十四日に一回、二週間に一回ですね、左の方は毎日検査をするという感じでして、検査頻度が高いほど感染者が減るということでございます。一つのグラフが六本の棒グラフのセットになっていまして、左の三本が検査精度が高い、右の三本は低い、検査精度が高い方が感染が少なくなるんですけれども、もう一つは、ゼロ、一、二というのがありまして、これは、検査後すぐに隔離するのがゼロ、一日後に隔離するのが一ということでして、頻度が高い方が感染者数が減るということにあわせて、検査後すぐに隔離をする方が感染者が減るということが、左のグラフはそういうグラフでございます。右のグラフは、横軸は検査の間隔、頻度でございまして、縦軸は感染者数でございまして、同じ検査頻度であれば、検査精度が高い方が感染者数を減らせますけれども、検査間隔が六日以下になってくると、検査精度によらず感染者数をほぼゼロに抑えることができる、こういうシミュレーションを行ったものでございます。
○宮本委員 検査頻度を上げるということ以外に感染拡大防止にとって有効な検査というのはなかなかないのかなというのを示しているのがこの検査だと思うんですよね。やはり、旭川みたいなところでは、これ以上クラスターを出したら本当に対応し切れないですから。今だって、圏外に手術だとかのお願いをしなきゃいけない事態になっているわけですよね。そうすると、検査を頻回に、ここで示されているように頻回に、ニューヨークは一時期、介護施設、週に二回やっていました。そういう頻度でやって、本当に医療体制を崩壊させないための手だてを、通知を出して済ますんじゃなくて、国自身が一緒になって相談して体制をつくらないと、本当に医療が崩壊するんじゃないかという大変な危機感を私は持っておりますが、そういうところまで、通知を出すんじゃなくて、手だてを打っていただきたいんですけれども、いかがですか、大臣。
○田村国務大臣 そういう意味で、検査費用に関しても、これは本来交付金から出ますが、自己負担部分に関してもしっかり手当てをするということでそれに対応いただくということになっております。感染拡大しているところにおいては検査をやはり定期的にやっていただきたいということを、再度我々もお願いをいたしておりますし、どういう状況であるかというのは、今それぞれの地域の検査状況等々も調査をしておる最中でございますので、やがてそういうものが出てくる中において、さらなる、こちらの方からお願いをしてまいりたいというふうに思っております。
○宮本委員 全体の検査もそうですけれども、まずは今起きている事態を、どう事態の打開を図っていくのかというので、個別に、どこが大変だとわかっているわけですから、そこでどうするのかというのを、マンパワーの投入も含めて考えていただきたいというのがきょうの私からのお願いであります。それと、全体を考えた場合に、頻回の検査をやろうと思ったら、私は、プール方式を導入するしかないと思いますよ。私は加藤大臣のときからそのことをお願いしてまいりましたけれども、それは感染研でいろいろ確かめてという話は聞いているわけですけれども、この内閣府の資料でも、精度よりも頻度なんですよ。精度よりも頻度。それをやるために、ぜひ、プール方式、導入を決断してください、大臣。
○田村国務大臣 私も、大臣の前、もう四月ぐらいから、プール方式をぜひとも、精度がどれぐらいあるのか、やって実効性があるのか確認してもらいたいということを厚生労働省に、まだ大臣前でありますから、お願いをし、感染研でやってきていただいておるということであります。プール検査に関しましては、検査性能については、例えば再検査を含む総コストや時間等について、いろいろと、何といいますか、一定のそういうコストや時間にいろんな問題があるでありますとか、また、キットによってその性能が異なるでありますとか、さらには、複数の検体を一つにまとめなきゃいけないということで、そのときに手間がかかる、非常に時間がかかるというような問題点はあるというふうに、これは感染研の方からお聞きはいたしておりますが、再度、このプール検査というもの、最終的には、私はその精度とコストの問題になってくると思います。そこで有効かどうかということを改めて評価をする必要があると思っておりますが、早く結論を出さなきゃいけない。これは、実は私もそう思っているんですが、各自治体からもそういうお声もいただいておりますので、早く評価をさせていただきたいというふうに思っています。
○宮本委員 早急に決断していただきたいということを申し上げまして、質問を終わります。ありがとうございました。