第2回「建設アスベスト被害者救済へ!」野党合同ヒアリング 建設石綿 補償基金制度一日も早く

 建設現場でアスベスト(石綿)を吸い込み、健康被害を受けた元労働者や遺族が国に創設を求めている補償基金制度の実現に向け、野党合同ヒアリングが12日、国会内で開かれました。野党は石綿建材メーカー側に、基金創設のため必要な資料を国の責任で出させるよう求めました。
 首都圏建設アスベスト訴訟をたたかう原告団、弁護団が参加し、日本共産党の穀田恵二、笠井亮、宮本徹、田村貴昭の各衆院議員、立憲民主、社民両党の衆参議員が出席しました。
 穀田氏は「多くの人がなぜいまだに解決できないのかという思いでいる。超党派で一日も早く解決しよう」とあいさつしました。
 元建設労働者らが国や企業に損害賠償を求め全国で係争中の建設アスベスト訴訟は、国の責任を認めた判決の確定が続いています。
 水口洋介弁護士は、判決で損害賠償額が分かれているため、国と企業の拠出金で基金をつくり、平等に被害者に補償する制度の必要性を訴えました。
 宮本氏は、企業側の賠償負担割合を決めるために、各メーカーが建材市場にどの程度シェアをもっていたかについて資料の提出を要求。経済産業省の担当者は「建材メーカーが加盟する各工業会で統計がとられている」と述べたのに対し、宮本氏は「工業会に提出を求めるべきだ」と迫りました。笠井氏と立民議員も「国には資料を出させる責任がある」と求めました。
 首都圏建設アスベスト訴訟統一原告団の宮島和男さん(91)は、200人近い仲間が判決を待たずに亡くなったとして「一日も早く国会の力で基金の成立を」と呼びかけました。

以上2021年3月13日付赤旗日刊紙より抜粋