鉄道遺構「高輪築堤」の大規模保存を求める港区議団の文化庁要請に同席

 鉄道創業期の遺構「高輪築堤(たかなわちくてい)」(東京都港区)の保存について、日本共産党の宮本徹衆院議員、野口ひろき党港地区都政くらし・福祉の相談室長、港区議団は29日、文化庁から検討状況を聞き、全面的な保存へ尽力を求めました。
 高輪築堤は1872年(明治5年)に日本初の鉄道が新橋ー横浜間で開業した際、海上に線路を敷設するために築かれた鉄道構造物です。JR東日本が進める山手線高輪ゲートウエイ駅付近の再開発事業で一昨年4月に出土し、JR東日本の有識者会議が保存方策を検討、区と協議しています。日本考古学協会などは全面的な保存を要望。JR東日本は一部を現地保存する考えです。
 文化庁文化審議会文化財分科会は23日、築堤の一部である第7橋梁(きょうりょう)部などが現地保存されれば史跡の指定に値するなどと建議しました。
 参加者は、発掘地が旧国鉄の用地で「遺構は国民共有の財産だ」と指摘。一部保存ではなく全面的な保存へ文化庁が役割を果たすよう要望。見学会の旺盛な開催へ努力を求めました。
 文化庁の担当者は「JRと区との協議が建設的に行われるよう支援していく」とし、「ここまで話題になった遺跡は近年なかった。残せるなら、なるべく広い範囲で残した方がよい」と答えました。

以上2021年4月1日付赤旗日刊紙首都圏のページより抜粋