2021年4月9日 衆院厚生労働委員会 放課後ディ減収 保育士の専門性認める報酬を

提出資料 厚生労働省資料
提出資料 厚生労働省資料
提出資料 国土交通省提出資料
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宮本徹議員は9日の衆院厚生労働委員会で、障害福祉関係の2021年度報酬改定によって、障害のある児童・生徒が通う放課後ディサービスの事業者から大幅減収の悲鳴が上がっている強調し、子どもに寄り添った手厚い支援が続けられるようにすべきだと求めました。
宮本氏は、東京都内の定員10人の事業所は年約500万円の減収で、1人分以上の人件費に相当すると指摘。全国で「人手が減ることで外出機会を少なくせざるをえない。『DVDを見せるだけ』と批判を受ける事業者の支援内容に近づかざるをえない」などの声が出ていると告発しました。
加配加算を減らしたうえ、保育士を専門的支援加算の対象外とした問題で、「厚労省は指針で『個別支援と同時に集団活動が大事』と言いながら、なぜ集団活動のスペシャリストの保育士を入れないのか」と追及。田村憲久厚労相が「(報酬全体の中で)保育士をまったく評価していないわけではない」と釈明したのに対し、宮本氏は「児童発達支援事業では保育士も専門的支援加算として認めており、放課後ディで認めないのは筋が通らない」と批判しました。宮本氏は速やかな実態把握を求めると、田村厚労相は「関係団体から話を聞きたい」と答えました。

以上2021年4月20日付赤旗日刊紙より抜粋

≪2021年4月9日 第204回衆院厚生労働委員会第10号 議事録≫

○とかしき委員長 次に、宮本徹君。
○宮本委員 日本共産党の宮本徹です。質問をいたします。まず、同一労働同一賃金について、この四月一日から中小企業についても適用が開始される、パートタイム・有期雇用労働者法の改正の適用が始まります。ところが、幾つかの職場では、正社員に支給されている精勤手当だとか物価手当、こうしたものを基本給に組み込むということで非正規労働者への同一支給を逃れようとする動きが出ている、こういう話を伺いました。こうした法の潜脱は、私は許されないと思うんですね。これは実態を調査して、指導すべきじゃありませんか。大臣に。
〔委員長退席、長尾(敬)委員長代理着席〕
○坂口政府参考人 お答え申し上げます。個々の事案についてのお答えは差し控えさせていただきますけれども、一般論といたしまして、パートタイム・有期雇用労働法におきましては、基本給、賞与、諸手当など全ての待遇について正社員と非正規雇用労働者との間の不合理な待遇差や差別的取扱いが禁止されております。このため、正社員のみに支給される手当を廃止して基本給に組み込んだとしても、それをもって同法の適用を免れるものではありません。基本給における均等・均衡待遇ということが求められるということとなります。すなわち、基本給として待遇差を見て、不合理性があるやなしやということを見ていくということで、職務の内容、あるいは職務の内容、配置の変更の範囲、その他の事情、このその他の事情には、労使交渉の経緯といったようなもののうち、当該待遇の性質及び目的に照らして適切と認められるものを考慮して、不合理な相違を設けてはならないということで判断をしていくというものでございます。法の履行の確保のためには、私ども都道府県労働局におきまして管内の企業の状況を確認しております。法違反が確認された場合は、助言、指導等を適切に行ってまいりたいと思います。
○宮本委員 法違反があれば指導していくので、そういういろいろな手当をこの際基本給に入れちゃって逃れようというのは駄目なんだというのが今の趣旨だったと思うんですけれども、それなのにやられているという話も聞くわけですね、労働組合ルートなんかでは、私。これはちゃんと、そういうのは事実上の脱法行為ですよ、許されないですよという周知徹底をかなりこの段階でやらなきゃいけないと思うんですが、それを是非大臣にお願いしたいんですけれども。
○田村国務大臣 周知は、今まで、施行される前もずっとやってまいりました。今も話がありましたとおり、労働局、それぞれ管内を持っておりますので、管内企業に関してはそういう状況を見つけ次第対応していますし、場合によっては、いろいろな情報を仕入れるだけじゃなくて、端緒等々、なかなか言えないわけでありますが、そういうものがある中において、管内の企業に対しては是正指導等々も含めて対応しておるということであります。
○宮本委員 当然、是正指導。だけれども、周知してきて、実際起きているわけですから、改めてこの段階で、それは明示的に、こういう、この際、正社員だけに出ていた手当を基本給に入れちゃおうということで逃れようという、今回の同一労働同一賃金の法改正の適用を逃れようというのは駄目ですよと、明示的に、是非啓発していただけませんかというお願いをしておりますが。
○田村国務大臣 基本給、賞与、手当、それぞれにおいて、やはりこれはしっかりとした、正社員と非正規社員の間で均等・均衡待遇をしていかなきゃならないということでございますので、それははっきりと、この場をおかりいたしまして、私の方から再度申し上げたいというふうに思っております。
○宮本委員 徹底的に、こうしたことは許されないんだという立場で臨んでいっていただきたいと思います。それからあと、今日、二つ目ですけれども、資料もお配りしておりますが、放課後等デイサービスの報酬体系の改定で、これまで手厚く支援を行ってきた事業者から、大幅な減収になるということで、悲鳴の声がたくさん上がっております。これまで区分一、区分二とあったわけですが、区分一だった地元の放課後デイ、幾つかにお話を伺いましたけれども、大体定員十人の放課後デイで四百万から五百万ぐらいの減収という話であります。一人分以上の人件費に相当するという減収なんですね。あと、放課後連の皆さんが全国の数十事業者に今聞き取りをやっているということで、少しお話を伺ったんですけれども、全国の法人でいえば、二つ事業所を持っているところだったら一千万の減収になりますし、どうするのかということになっているわけですよね。人を減らすのか、賞与をゼロにするのか。人を減らしたら今までのような支援ができなくなるということで、大変なことになっております。それで、幾つか声も紹介したいと思いますけれども、例えばこういう声があります。一人減らすとなると、今までやっていた活動はできなくなる。たくさん歩いて体を動かすこと、お金を持って駄菓子屋さんに行って自分で選んだお菓子を買うこと、少し難しいけれども挑戦したいと思う気持ちを後押しすること、仲間づくりをすることなどなど。支援が必要でない子は一人もいない、必要でない子は放デイに来ていない。最低の人数でやればいいというやり方では質の悪い事業所をつくり出すことになってしまうという声だとか、あるいは、人手が減ることにより、公園などの外出の機会は少なくせざるを得ない。結果として、室内で安全に過ごすことがメインとなり、DVDを見せるだけという批判を受けている事業所の支援内容に近づいていかざるを得ないという声だとか、そういう、今まで手厚く支援してきたところからは、本当に一人一人に寄り添ってやってきた支援活動ができなくなってしまうという悲鳴の声がたくさん上がっているわけであります。なぜそうなるのかというので、この資料ですけれども、区分一、区分二。区分一の場合は、これまでは二人まで加配の加算が認められていたわけであります。今度の見直し後は、加配の加算は基本は一人まで、もう一人、専門的支援加算というのに変わります。ただ、この専門的支援加算というのは理学療法士等ということになっていまして、ここには保育士さんは入らないということなんですね。今まで、現行の方、現行と書いていますね、今までの方は、一、理学療法士等加配加算で二百九単位というのは、これは保育士さんも入っていたわけですよ。ところが、今度は、専門的支援加算では、保育士さんはここには入らないということになってしまったわけです。厚労省の放課後等デイサービスのガイドラインを見ても、個別への支援と同時に集団活動が大事だということが書いてあるわけですよね。もちろん、理学療法士だとか作業療法士の皆さんなんかは個別への支援、訓練という点ではプロだと思いますけれども、集団活動という点でいえばやはり保育士さんがスペシャリストということだと思います。なぜこの保育士さんを専門的支援加算に入れないのかというのが、全く、放課後デイというのをどう考えているのかという声も上がっているわけですね。それで、資料二の方も見ていただきたいんですけれども、これは放課後デイの前ですね、児童発達支援事業所の報酬等の見直し。こっちも同じように専門的支援加算というのが一人変わるわけですけれども、こちらは、保育士さんあるいは児童指導員で五年以上児童福祉事業に従事した方は専門的支援加算として認めているわけであります。最低でもこの児童発達支援と同じように、放課後デイでも保育士さんについて専門的支援加算に認めるということをやらないと、これまでやってきた支援は、手厚く支援をやってきたところはできなくなってしまう。あるいは、本当に今でも物すごい低い給与で皆さん頑張られているのは大臣も御存じだと思いますけれども、もう賞与をカットするだとか、そういうことをせざるを得なくなるということになってしまうわけであります。ちょっと大臣、至急に事態を把握していただいて、改善していただけませんか。
〔長尾(敬)委員長代理退席、委員長着席〕
○田村国務大臣 御承知のとおり、障害福祉サービス事業者経営実態調査をいたしました。結果、平均が五・〇%プラスだったところが、この放課後デイはプラス一〇・七%ということがございました。限られた財源の中で、それぞれ厳しいところに対してもつけていかなきゃならぬということがある中で、そうはいいながらも、やはり質の高い放課後デイサービスを提供いただいているところに関しては加算をつけさせていただくということで、委員がおっしゃられましたけれども、専門性の高いといいますか、そういう方々に関しての加算でありますとか、あとは、ケアニーズの高い障害児の皆様方を預かっていただいているところに対する加算でありますとか、虐待のおそれがある障害児の皆様方に対する加算等々、あと、医療的ケア児に対する、これは加算ではなくて基本報酬、これも創設をいたしました。今委員おっしゃられたところの専門的支援加算というのは、言うなれば、今、理学療法士という話がございましたが、ここはそうなんですが、その下の児童指導員等の加算、加配加算、ここは保育士も入っておるわけでありますし、そもそも基準人員のところに保育士が入っているわけでございます。そういう意味では、保育士を全く評価していないというわけではございませんので、評価はしっかりさせていただく中において、より専門性の高い方々を評価しようという形で今回見直しを、よりといいますか、要はその専門性、理学療法というような専門性の高いところ、そういうところに対しての評価をしようということと同時に、スタートしたばかりでございますので、状況をまた我々もしっかりと把握をさせていただきたいというふうに思っております。
○宮本委員 先ほど申し上げていましたように、今まで加配二人、保育士さんで取っていたところは、今度のものでは加配は一人しか取れなくなってしまうわけですよ。支援ができないじゃないですか、今までと同じ支援が。首を切るんですか、辞めてくれと言うんですか。でも、そういうわけには、そういうことを絶対求めちゃいけない話なわけですよね。じゃ、給料をカットしてくれと言うわけですか。三百万円とかそういうレベルですよ、本当に。三百数十万円とか、本当に低い年収で、本当に誇りを持って、この子供たちの発達、成長にやりがい、生きがいを持って支援している方々なわけじゃないですか。しかも、私、先ほどから言っていますけれども、確かにリハはリハで、個別のいろいろな訓練という点でいえば、そういうことができる方々というのは、そういう面での専門性はあると思いますよ。でも、学校じゃないんですからね、放課後デイサービスというのは。小学校でいえば学童に相当するわけじゃないですか、特別支援学校の放課後デイサービスというのは。元々は、この仕組みが始まる前から、放課後活動ということで、多くのお子さん、障害があるお子さんを預かって集団活動をやってきたところがこの放課後デイを担っていっているわけですから、そういう放課後の豊かな集団活動の場、のんびり過ごして遊ぶことも含めて、そういう中で、いろいろな、できることを一つ一つ増やそうということを支援してきているわけですよ。そのスペシャリストであるわけですね、保育士さんは。区別するのはおかしいじゃないですか。だって、先ほども言いましたけれども、児童発達支援事業所の方では、もう一つの方では、保育士さんも専門的支援加算として認めているわけですから、区別する必要はないんですよ。何で児童発達支援事業所だけ保育士さんを専門的支援加算として認めて、放デイの方では認めないのか。これは全く私は筋が通らないと思いますよ。
○田村国務大臣 先ほど申し上げましたけれども、実態調査というのをやっているのは委員も御承知だというふうに思います。その中において、障害福祉サービス事業所、いろいろな種別がありますけれども、その中で一〇・七%という数字が出てまいりました。こういうものを見ながら、それぞれ改定期に見直していくわけでございまして、低いものもあれば高いものもあるわけであります。限られた中で、収支差が高いところがあれば、若干なりともそれを、財源を出させていただいて低いところに対応させていただくということも必要であろうということでございます。ただ、その中で、やはり質の高いサービスを提供していただいているところに関しては、一律に減らすというのではなくて、しっかりとそれを評価していくということは大切であろうということでございますので、今般のような見直しをさせていただいたということであります。
○宮本委員 ですから、そういう質が高いことをやってきているところですよね。元々、人は加配してでも是非やることを考えてくださいというのが放課後デイサービスの厚労省の作っているガイドラインですよ。そういう中で人も加配をしてやってきた。確かに、もうけ本位のところというのはこの間たくさん出てきていますよ。そういうところがあるがために、見た目の利益率が高い事業所があるがためにそういうふうに映っているのかも分からないですけれども、それは利益率が高い事業所についてそういうふうに見ればいいわけであって、多くの真面目に人を配置して丁寧な支援をやっているところからいったら、本当に、これまでやってきた、子供に寄り添っての、子供を一歩でも二歩でも成長させようという支援ができなくなっちゃうわけですよ。そういうことを厚労省は目指しているんですか。違いますよね。そこをちゃんと、実態を聞いてもらえませんか。
○田村国務大臣 だから、先ほども、冒頭申し上げましたけれども、要は、改定したばかりでございます。ですから、そういうような状況も関係団体からいろいろとお話はお聞きをさせていただきたいというふうに申し上げているわけでありまして、決して話を聞かないと言っているわけではございませんから、お話もお聞かせをいただきたいというふうに思っております。
○宮本委員 本当に、しっかり聞いて、速やかに改善を図っていただきたいというふうに思います。私から話を聞くよりも当事者の皆さんから話を聞いた方がよく分かると思いますので、強く求めておきたいと思います。それから、障害者への支援に関わって、もう一点。今日、資料をお配りしておりますが、その次のページで、公共交通機関における精神障害者等に対する運賃割引についてもお伺いします。関係者の要望を基に、高橋千鶴子議員もこれはずっと取り組んできた問題なんですが、資料三ページ目のグラフにありますように、少しずつ精神障害者についての公共交通機関での運賃の割引の実施率は広がってきておりますが、身体障害者や知的障害者と比べれば、まだまだ差がある状況でございます。ただ、この間の大きな変化では、ほとんどやっていなかった航空業界がこれを一気に取り組み始めたということでございます。この辺の経過について教えていただけますか。
○大高政府参考人 お答え申し上げます。障害者に対する公共交通機関の運賃割引については、事業者の自主的な判断により行われている中で、精神障害者割引についても、機会を捉えて、公共交通事業者等に対し、理解と協力を求めてきたところでございます。こうした取組の結果、精神障害者に対する運賃割引を実施している交通事業者は増加傾向にあり、令和二年四月現在、鉄道、軌道事業で九十三者、乗り合いバス事業で八百八十四者、タクシー事業で二万三千八百二者、旅客船事業で二百十九者、航空事業で十七者となっております。先生御指摘の航空業界についても理解と協力を求めてきたところでございまして、平成三十年十月以降、大手航空会社二社が導入したことが契機となって、業界に広く普及したものと承知をしております。
○宮本委員 大手がやり始めて全体に広がったということですが、鉄道でいうと最も大きなJRが進んでいないわけですよね。資料を四ページ目につけていますけれども、これは国会で採択された請願ですけれども、JRを、しっかり名前も明記して、精神障害者についても交通運賃の割引制度の適用対象にされたい、これは国会の意思としてなったわけですが。これは、JRにはどういう働きかけをやっているんですかね。航空業界でここまで進んでいるわけですから、これは航空局に比べて鉄道局の努力が足りないということなんですかね。
○大高政府参考人 お答え申し上げます。精神障害者割引については、先生が今、お話にあったように、令和元年の第百九十八回通常国会において、精神障害者の交通運賃に関する請願が採択されたところでございまして、我々、大変重く受け止めております。鉄道局におきましても、JRに対して精神障害者割引について理解と協力を求めるよう、しっかり取り組んでおります。国土交通省といたしましても、精神障害者割引の導入が広がっていること、そして、障害者団体等から度重なる要請があることについて、JRも含めて、交通事業者等の関係者に幅広く周知するとともに、機会を捉えて、交通事業者に対し、理解と協力を求めてまいりたいと考えております。
○宮本委員 JRは、この間、身体障害者でいえば、新幹線に車椅子用のスペースを拡大したりという努力もしているわけですよね。何でこっちが、精神障害者の運賃割引についての対応が進まないのかなと思うんですけれども。ちょっと本腰を入れて、国交省からしっかり働きかけをやっていただけませんか。やはり三障害差別なく取組をしていただくというのは当然だと思いますので、本腰を入れて、びしっとやっていただけますか。
○大高政府参考人 お答え申し上げます。身体障害者、それから知的障害者、精神障害者、それぞれの方が社会に進出できる環境をつくるということは大変重要だと思っております。JRに対してもしっかりと協力と理解を求めてまいりたいと思います。
○宮本委員 次回はこういう質問をしなくていいように、よろしく取組をお願いしたいと思います。次に、厚労省のことについてお伺いしますが、パワハラ相談員がパワハラを行っていたという報道もあり、そして先日は大変ショッキングな週刊誌の報道もありました。厚労省の改革若手チームの提言なんかも出ているわけでありますが、パワハラを受けたことがある方というのはかなりたくさん厚労省の中でもいらっしゃるわけですよね。ずっとパワハラが繰り返されている。これは、ハラスメント問題の研修というのは十分なのか。あるいは、ハラスメントや健康だとかいろいろなことについて気軽に相談できる体制、ケアする体制というのは十分なのか。この点、どうなっていますか。
○山田政府参考人 ハラスメントの防止のためには、管理職向けの幹部研修、それから階層別の研修、それからEラーニングによる全職員の研修等をしております。それで、ハラスメント相談員について、各部局の人事担当の課長補佐級から選定していて、そのハラスメント相談員に対しても一定の研修をしておるところであります。最後に先生が言われた健康、メンタルヘルス等への対応については、精神科医、保健師、精神保健福祉士等の医療スタッフ職員による相談体制、それから二十四時間年中無休での相談体制をしいております。今回の事案も踏まえまして、新たにパワハラ相談のあった事例について定例的なフォローアップを行う措置を導入することにしておりまして、そういったことでパワーハラスメントの防止を図ってまいりたいと思います。
○宮本委員 今回の事案を踏まえてというお話でありますけれども、厚労省の若手の皆さんの改革提言を見ると、こういうことを書いているんですよね。人事評価の基準を明確にしてほしいと。セクハラやパワハラを行っている幹部、職員が昇進を続けているというのが今の現状だと見ている人がかなりいらっしゃるわけですよね。そういう下で、やはりこういうハラスメントをした人については、あるいはハラスメントをするということについては、人事評価、昇進にしっかり反映する。こういう、人事評価について改革が必要だ、厳正に評価すべきだという提言が出ているわけですよね。これは私、至極もっともな提言だと思うんですよね。これは検討は進んでいるんですか。
○山田政府参考人 先生の方の御指摘があった若手チームの提言を踏まえた改革工程表の中で、いろいろな研修だとか相談体制のことも書いてありますが、直接人事評価ということではないですけれども、数年前に入れた、部下から上司を評価するという仕組みを入れておりますが、そうした部下のコメントの方から、あるそういった上司に対して、パワハラ等の傾向が認められる者については、その本人に対して面談を行ってその旨を伝達するとともに、怒りをちゃんと静めることが自分でできるようにというアンガーマネジメント研修等の受講勧奨を実施するといった取組を導入しております。
○宮本委員 そうじゃなくて、部下からの評価じゃなくて、厚労省自身の人事評価として、ハラスメントをやる人が昇進するというのはおかしいじゃないかという声が上がっているわけですよ。そこはちゃんと直さなきゃいけないんじゃないですか。これは、大臣、そこの検討をちゃんとしっかりやらなきゃいけないんじゃないですか。人事評価として、ハラスメントをしている人については厳しい評価をしていく、こういうことを考える必要があるんじゃないですか。
○田村国務大臣 今話があったのかも分かりませんが、評価の仕方で、上の者が評価するだけではなくて、下も含めて全体で評価をするというような方式に変わってきています。その中で、そのような話があれば、当然のごとく、そういう評価というものがその中で考慮されるわけでございますので、そういう意味では、評価の方法という意味からすると、ただ単に上にいい顔をして、下に対してパワーハラスメントをするというような者が、言うなれば、隠れて出世していけるというような、そういう仕組みにはなっていない。どんどん評価の方法は変わってきておる。そういう形の中で、今言われたようなことの危惧のないように我が省としても人事評価を行ってまいりたいというふうに思います。
○宮本委員 ですから、評価基準として明確化した方がいいのではないですかというのが若手の皆さんの提言だと思いますので、今までやってきたことでも、なかなか、このハラスメントが繰り返されているということなわけですから、更にどうするのかというのを、真剣にこの機会に考えていただきたいということを申し上げておきたいと思います。それから、ワクチンについてお伺いしたいと思います。先ほど、今日の副反応の部会で、ワクチン接種後に亡くなられた例が六人というお話がありました。資料を拝見いたしますと、脳出血関係ですね、くも膜下も含めて脳出血関係で亡くなられた方が四人、いずれも女性ということになっているわけでありますが、これは海外に比べて日本は多いとか、こういうことはあるんでしょうか。
○鎌田政府参考人 まず、ワクチンの接種による副反応でございますけれども、接種対象者ですとか、報告制度が違いますですとかあるので、発症の件数などで単純に比較することはなかなか難しいのではないかというふうに考えております。それで、今先生御指摘の脳出血についてですが、死亡四例を含めまして、今日新たに死亡四例が報告されてございましたが、本日、審議会でちょうど行われたところでございまして、申し訳ございません、審議会での御意見は存じ上げておりません。いずれにいたしましても、今後とも、副反応の疑いを収集して、評価するとともに、先生御指摘のように、海外における情報についても収集してまいりまして、国民の皆様に適切な情報提供に努めてまいりたいと存じます。
○宮本委員 早急に海外との比較というのをやっていただきたいというふうに思います。あと、脳出血以外に、海外と比べて国内での接種の方が接種人数比で多く出ている大きな副反応というのは何かあるんでしょうか。
○鎌田政府参考人 繰り返しで恐縮でございますが、ワクチンの接種による副反応の単純な国際比較は難しいところでございまして、あと、まだ、先生、その大きいというのがどの程度かでございますけれども、例えば、前回の三月二十六日に開催した審議会におきまして、アナフィラキシーについては、国内の報告件数は欧米で公表されている報告件数と比較して多いと考えられるけれども、海外の報告についても、接種開始当初は報告の頻度が高かったことですとか、あるいは丁寧に報告を求めた研究報告においては発生頻度が高かったなどの御指摘もあり、やはり海外との単純な比較は難しいという御意見をいただいたところでございます。
○宮本委員 国内治験、第三相をやらずに接種を始めているということがあるわけですから、やはり海外との比較というのは、副反応についてはしっかり日本政府の責任でやらなきゃいけないことだと思いますよ。それで何らかの傾向があるんだったら、その方に既往症があったり何とかがあるんだったら、それはちゃんと調べて、こういう場合は注意しましょうという情報提供もしなきゃいけなくなるわけですよ。それをしっかり、その点を取り組んでいただきたいというふうに思います。あわせて、この間、突発性難聴のお話を前回させていただきましたけれども、二週間前の報告で二名で、今回も二名なんですよね。これは何かおかしいんですよね。その事例の二名以外に、私自身が突発性難聴で相談を受けた方がおりますので、少なくとも三名はいるはずなわけですけれども。これは、いろいろな副反応がしっかり全部反映する仕組みという点でちょっと疑問が生じているんですけれども、集計漏れが起きるだとか、あるいはそういう副反応の集約の仕組みでちょっとどこか目詰まりが起きているとか、何かあるんですか。
○鎌田政府参考人 突発性難聴、先生前回お尋ねになりまして、私の方からそのときに二例ということで、先生はもう一例あるのではないかということですが、今回は御指摘のとおりに、御報告はございませんでした。それで、目詰まりがあるかどうかということでございますが、私どもといたしましては、医療機関から報告があったものを全て審議会に出しておりますので、目詰まりという点はないというふうに考えてございます。
○宮本委員 では、医療機関の方で精査してから、後で上がってくる可能性があるということで、どこかで目詰まりはない、あるいは集約漏れがないという理解でいいわけですね。じゃ、いずれ出てくるのではないかというふうに思います。あと、たくさん通告していたんですけれども、ちょっと時間切れが迫っていまして、あと五分ありますね。今、感染拡大がずっと広がっている下で、この間、陽性者や濃厚接触者への所得保障が大事だというのを私はもうずっと前から言い続けているわけです。去年の二月の予算委員会から同じことを言っているんですけれども。介護施設で社会的検査が行われているわけですよね。どうも検査日と発症日が同じというケースが結構あるという話が、アドバイザリーボードでもあったという話を伺いました。パートの人なんかが、体調が少し悪くてもいろいろな事情で休めない、社会的検査で受けたときに、そういえばという話が、なるという話があったというふうに伺っております。つまり、いろいろな事情で休めない、少々体調が悪くてもいろいろな事情で休めないうちの一つというのは、やはり収入面だと思います。場合によっては、職場によってはやはり解雇というのも起きています。私の地元なんかでも、非正規の人が陽性になったということで解雇というのも起きた例もあります。ですから、そういうのが本当に起きない社会にしていかなければならないですし、やはり、陽性になった場合や濃厚接触者になった場合のしっかりとした所得保障がなされていかないと、ちょっと体調が悪くても働くということになってしまうんじゃないか。今、傷病手当、国保については一定部分つくっていただいていますけれども、これは三分の二ですからね、収入の。これでいいのかとか思いますし、個人事業主やフリーランスについてはないわけですよね、いまだに。やはり、私も本当に一年以上言い続けている感じもするんですけれども、アドバイザリーボードだとか、あるいは分科会でも議論になったかも分からないですけれども、調子が悪くても休めなくて、検査も受けに行かない、こういう事態をどう解決するのか。そこを一つ解決していかないと、感染拡大防止ということでいえば、やれることをやり切ったということは、全部やったということは言えないと思うんですよね。是非、考えていただけませんか、大臣。
○田村国務大臣 一つは、介護従事者は、今委員の言われた傷病手当という形になるんだと思います。それから、これも、私もそのときアドバイザリーボードに出ていたんですが、それだけじゃなくて、ああ、あの症状だったのかというような人も中にはいるんだと思います。何を言いたいかというと、やはり、それだけ定期的に検査をやることによって、早めに見つけて、そして療養いただいて、何といっても介護施設ですから、入所者の方々は重症化するおそれがありますので、早く感染管理をしていくということ、これが重要であろうというふうに思っております。
○宮本委員 介護施設は、とにかくこれは頻回なんです。これも去年からずっと私は言い続けていますけれども、頻回、できれば毎週これをやっていただくというのが大事だと思うんですけれども、社会全体の感染の広がりということを考えた場合は、調子が悪くても働いているというのは別に介護施設だけの話じゃないわけですよね。これまでの感染事例でもたくさんあったわけですよ。やはりそこは、もっとしっかりとした所得保障をやっていく、フリーランスや個人事業主も含めて。そこを是非考えてください。そこを改めて申し上げておきたいと思います。あと、最後ですけれども、これは通告していないですけれども、この間のこの場での尾身会長のいろいろな発言を聞いて、私も本当に、改めてお願いしたいことは、やはり政府の本気の必死のメッセージが国民に伝わるというのが、そのための努力をもっとしなきゃいけない、そういう思いを本当にいつも尾身会長の発言から感じるんですよね。そういう点で、やはり私は、菅総理が本当に必死になって、国民に、尾身さんと一緒に並んで連日記者会見をやる、それぐらいやって、国民とコミュニケーションをやって、本当に今極めて重大なところに感染状況は来ていると思うんですよね。やはりワクチンを高齢者が打ち終わる、そこまでが一つの山なわけですから、そこが山なんだ、そこまでみんな一生懸命こうしようじゃないかというのを、連日、必死に、尾身さんと一緒になって菅総理が会見をする、こういうことを私は是非やっていただきたいと思っているんですよ。何か去年から同じことを言っている気もするんですけれども、是非大臣から進言していただけませんか。
○田村国務大臣 やはり総理は、必要なときにしっかりと国民の皆様方に、危機感を訴えていただきながら、一方で御協力いただかなきゃならないところは多々ございますから、しっかりとお願いをいただく、大変重要なことだというふうに思います。日々は、担当大臣の西村大臣が毎日のように会見をいただいておりますので、そこでしっかりと現状等々、状況を御報告をいただいて、要所要所で総理がしっかりと国民の皆様方にお願いをしていく、大変重要なことだというふうに思っております。
○宮本委員 西村大臣は連日会見をされて、本当に立派だと思います。頑張っていると思います。でも、メディアは余り報じてくれません。総理が出て、尾身さんが並んでやれば、専門家の皆さんの知見も含めて国民に毎日伝わる、こういう状況になっていくわけですよ。是非そういうことを考えていただきたいということを重ねて申し上げまして、時間になりましたので質問を終わります。ありがとうございました。