2021年5月21日 衆院厚生労働委員会 メーカー参加求めよ 建設石綿被害の基金

提出資料 出典:厚生労働省アドバイザリーボード(5月19日)
提出資料 出典:WHOホームページ
提出資料 出典:厚生労働省
提出資料 出典:東京都ホームページ
提出資料 現代ビジネス2021年5月19日付より抜粋
提出資料⑧ 出典:首都圏建設アスベスト神奈川訴訟原告団他「建設アスベスト訴訟について国との基本合意書締結にあたっての声明」、2021年5月18日
提出資料 出典:与党建設アスベスト対策プロジェクトチーム
提出資料 出典:厚生労働省資料

 宮本徹議員は21日の衆院厚生労働委員会で、最高裁が国と建材メーカーを断罪した建設アスベスト(石綿)被害をめぐり、救済のための補償基金制度に建材メーカーも参加するよう国から強く働きかけるよう求めました。
 宮本氏は、最高裁判決を受けて国と原告団が補償基金制度の創設で合意したものの、基金に建材メーカーは参加せず、メーカーからの賠償は裁判を経ないとなされないと指摘。「基金への参加を企業や業界団体に働きかけ、国の責任で全面解決が図れるようにすべきだ」と迫りました。
 田村憲久厚労相は「与党のプロジェクトチーム、関係省庁と連携して対応していきたい」と述べました。
 宮本氏は、メーカーの基金への拠出割合を決めるのに必要だとして求めていた、メーカーごとの建材生産量と建材ごとのアスベスト使用量の調査状況を質問。経済産業省の柴田敬司大臣官房審議官は、各工業会に5月10日までにデータを提供するよう3月26日付で依頼したが、「『統計をとっていない』『メーカーごとの内訳を保有していない』『個社の了解でデータの提供はなされなかった」と答えました。
 宮本氏は、建材メーカーの無責任な姿勢を批判。「各メーカーに直接聞けば分かるはずだ。最高裁判決をふまえ、国が改めて調査すべきだ」と強調しました。

以上2021年5月27日付赤旗日刊紙より抜粋

≪2021年5月21日 第204回衆院厚生労働委員会第21号 議事録≫

○とかしき委員長 次に、宮本徹君。
○宮本委員 日本共産党の宮本徹です。今日は、尾身会長、お忙しい中ありがとうございます。まず、尾身会長にお伺いしますけれども、アドバイザリーボードの西浦先生が配付した資料もお配りしているんですけれども、インドで確認された変異株、B1・617の系統、1、2、3とあるわけですが、これはB1・617・2というのがずっと増えているわけであります。 だから、これがかなり感染力が強いのかなというふうに思うんですけれども、国内でも、今、B1・617系統が市中感染をしているというので、幾つかの都道府県から出てきているわけですけれども、国内で市中感染が始まったのはこのB1・617・2でいいのかということを確認したいのと、あと、今の日本の現状からして、今はイギリス株が広がっているわけですけれども、このインド株に置き換わるとしたらどれぐらいの期間で置き換わると見られているのか、教えていただけるでしょうか。
○尾身参考人 Bの1・617の1、2、3、どれが多いかということですけれども、現状では、検疫を含めて日本全体としてでは、私は1・617の2が今のところ多いというふうに思います。それから、どのぐらいの割合でインド株がイギリス株に取って代わるかというのは、これはもちろん、ほかの国とそのまま比較することは、ワクチンの接種状況も違うし、感染状況も違いますけれども、一番これの状況が分かっているのがイギリスですね。イギリスの場合は、イギリス株が多かったわけですけれども、正確には、一・三か月、一か月半ぐらいでイギリス株が全体の、全体というのはイギリス株ですから、大体の目安ですけれども、これの三割近くに今のところ一・半か月ぐらいで行っているぐらい。イギリスにおいても、イギリス株からインド株に替わるスピードが比較的速いので、日本においても、そういうことを警戒しておく必要があると思います。
〔委員長退席、大岡委員長代理着席〕
○宮本委員 今の数字、ちょっと分かりにくかったです。お配りした西浦先生の資料を見ると、配付資料二枚目でイギリスを見ると、Bの1・617が、これは一・三か月ぐらいで一割ぐらい占めるというふうに読めばいいんですかね、先ほどのお話。
○尾身参考人 目安がなかなかあれで、正確には言えませんけれども、一・三とか四とか五か月ぐらいで大体三〇%ぐらいにイギリスではなっているということであります。
○宮本委員 一・五か月で三〇%ぐらいになっているということは、日本でも、もちろんワクチンの接種状況が全然違いますけれども、かなりの勢いで広がる可能性がある、オリンピックの頃にはかなり広がっている可能性もあるというふうに見てよろしいんでしょうか。
○尾身参考人 ウイルスの動きというのはなかなか、人知を超えているところがありますが、いろいろなことを総合的に考えたり、過去の武漢株、ヨーロッパ株等々の経験を踏まえると、しかも、現状は、インド株は国内にもう入っているわけですよね。国内で、もう数例確認されている。こうしたことを考えると、日本でもインド株がイギリス株に取って代わっていくことに、そんなに、何か月ということはなかなか、一度広がり出すと、このウイルスは生存に適しているウイルスということだと思いますので、こういうことでどんどんイギリス株に替わっていくということを十分想定しておく必要があると思います。
○宮本委員 分かりました。そういう点でいえば、ワクチン接種を本当にスピードアップしていくのが大事だということだと思います。あわせて、今入ってきているインド株の量を減らしていくという点で、もう先ほど来議論になっている水際対策が私は極めて大事だと思うんですけれども、WHOのレポートを見ても、世界全体、これは三ページ目に配っておりますけれども、週を追ってインドの変異株が確認されているという状況であります。それに対して、日本も徐々に対象国を増やしているというのが今の現状だというふうに思いますが、先ほど来の議論でもありますけれども、一つ、やはり何日待機していただくのか。これは、やはり私は二週間。前回も申し上げましたけれども、ホテルはオリンピック用にたくさん押さえてあるんですから、それを回せばかなりのことができるんじゃないかというふうに思います。あと、対象国ですね。これも、例えば、まだ、この西浦先生の表を見たら、イギリスなんか、感染者自体はかなり減っているというのはありますけれども、その中でインド株の比率が高まっているわけですけれども、日本の対策には何も入っていないのが現状なわけです。やはりそういう世界の感染状況をよく見て、更に水際対策ですね、対象国という点でも広げて対応する必要があるんじゃないかと思いますが、その点、大臣、いかがですか。
○田村国務大臣 おっしゃるとおりでございまして、インド株の動向が分かり次第、ここは厳しいということであれば、もうすぐに指定していくということが重要であろうというふうに思います。今、尾身先生おっしゃられましたが、残念ながら、もうこれは、インド株なるものが非常に危険だという前から、インドと我が国とではいろいろな交流があるわけでありまして、もちろんビジネスとか全部止めていましたけれども、しかし、在留資格のある方々は入ってこられておったということもありますので、一定程度は国内にもう入ってきております。英国株、たしか、私、一月でしたか、一月か二月の頭、ここで質問をされて、お答えしたときに、なるべく蔓延を遅らせる中において、いろいろな対策をやっていかなきゃならぬということを申し上げたんですが、あれからもう四か月ぐらいたって、日本でもN501Yがもうほぼ八割、九割ぐらいになってきておりますから、数か月たつとまた広がるという可能性は十分に想定しながら、ワクチン接種でありますとか水際もそれをなるべく遅らせるためにやらなきゃなりませんし、病床の確保等々、いろいろな、しっかり対応していかなきゃならないというふうに考えております。
○宮本委員 もう一点、尾身会長にお伺いしたいんですけれども、東京の緊急事態宣言の効果についてお伺いしたいと思うんです。この間、いろいろな資料を見ていまして、増加は何とか、本当にこの間の都民の皆さんの頑張りもあって、事業者の皆さんの協力もあって、抑えております。この八日間でいえば、一週間前の感染者数を下回るというのは、新しく確認された数ではなっているのかなと思います。あと、陽性率を見ても、八・八%から五・八%まで下がってきている。ですが、押谷先生の資料を拝見させていただきましたけれども、孤発例は一方で何か増えている感じだったんですよね、アドバイザリーボードの資料を見ましたら。それはちょっと懸念するところなのかなと思いますけれども、東京の今の現状をどう見ていらっしゃるのかということと、東京に対してどう臨んでいく必要があるというふうにお考えなのか、尾身会長の意見を聞かせていただきたいと思います。
○尾身参考人 これは従来から申し上げていますけれども、やはり、東京、大阪、東京の人口、これだけの国際都市、ここの感染の状況が今までも重要だったし、これからも重要ですね。今委員おっしゃるように、今の状況は、言ってみれば一進一退といったところだと思います。実効再生産数が一の前後をずるずる、ずっと、これはかなりこの状況が続いていまして、私は、東京は、ある程度下がると思いますけれども、東京がなかなか、あり得るということは、下げ止まる可能性もあって、一体なぜ東京はすっきりと下がらないのかというのは、やはりこれから物すごく重要だと思います。そこの一つの原因が、今委員おっしゃる、孤発例のお話をしましたけれども、実は、これは誰のせいというわけじゃありませんけれども、検査だとかワクチンとかいうこと以外に、これはプロフェッショナルの中での話で一般の人は余り興味がないかもしれませんけれども、疫学の情報の、これはもう前から、一年以上、一年近く言っているわけですけれども、クラスターの様々な情報が現場ではあるんですけれども、それが実は、広域に人は動きますから、東京都内でも区を越えて動く、これが自治体の境を越えて迅速に共有されていないというこの問題が実は根深く残っているんです。これが解決されない限り、もちろん、検査が重要、ワクチンが重要、人々の協力、行動変容というのをやってもらって、これも重要ですけれども、実は、私どもが一番の改善すべき課題の一つとしては、疫学情報が、クラスターのいろいろな情報、これがあるんですけれども、これがいろいろな、行政的な、あるいは個人情報の問題、都道府県と政令市の問題等々と、前から申し上げている問題がなかなか解決されないで、このためにアクションが遅れる。あるいは、何が起きているか分からないというよりは、実は、これはプロフェッションの間での、最大の我々の認識の一つで、これについては、もうそろそろ、いろいろな経過があって、制度上の問題、法律上の問題、人々の気持ちの問題、様々な複雑な問題で、今、改善されないままになっているわけです。ここだけは、今回はもう、いずれ解除しますよね、解除してからやるんじゃ遅いので、ここは本当に強い気持ちを持って、この長い間解決されなかった問題を、検査なんというのは少しずつ解決されている、ここの問題はそれに比べて非常に深刻な問題が続いているので、ここは是非、国と自治体、あるいは自治体間の覚悟を決めた改善をよろしくお願いしたいと思います。
○宮本委員 田村大臣、国と自治体の覚悟を決めた改善、情報の共有ですよね。恐らく、クラスターがどこで起きているのかというのが、全部突き合わせたら見えてくるものが見えていないというのが今の状況で、なかなか手だてが取れない、あるいは遅れるというのが今の尾身会長のお話だったと思うんですが、いかがでしょうか、その点。
○田村国務大臣 情報をしっかり共有して、大本、いつもこれは尾身先生がよく言われるんですが、隠れたというか、温床のようなところがあるんだろうという話はよくされるわけで、なかなかそこは、検査を積極的にやってもらえなかったり、なかなか難しい問題がいろいろとあるわけで、表に出ない中において、なかなかいろいろな要請もお聞きをいただけないというような部分もあるかも分かりません。そういうところにどう対応していくのかというのは、ある意味、覚悟を決めながら対応していかなきゃならぬだろうなというふうな部分でありますが、そういう部分に関しても何らかの手だてを講じていかなければ、結果的には、一旦収まっても、そういうところがまた、多分、そういうところは不特定多数の方々が感染を繰り返すというような可能性が高いわけでございますので、そういうところに対してもしっかり対応するようなことを、また専門家の方々からもいろいろな御助言をいただきながら我々としては検討していかなきゃならぬというふうに考えております。
○宮本委員 都道府県の情報の共有ですね。都道府県というか、東京の場合は保健所が二十三区の区ごとにあり、あとは町田と八王子にあり、あとは東京都管轄ということになっていますので、そこの情報共有を本当にしっかりやるというのをお願いしたいと思います。あわせて、東京でどうするのかというのはあるわけですけれども、私が前からずっと申し上げていることの一つですけれども、クラスターが発生するであろうところは、大きなものになるというのは、やはり換気が悪い可能性が高いわけですよね。以前、医療機関の研究をして、エアロゾル感染だということで、医療機関の換気対策をやられた先生方、チームが、そういう夜のお店についても調べたり、やはり換気状況ということがなかなかあるということもお伺いしていますので、そういうところの換気対策もどうやっていくのかというのは具体化が要ると思います。あと、広く、私は、もっといろいろなところで、換気が悪いところで大きなクラスターが、見えないクラスターが起きているのかなというふうにも思うんですよね。それは、飲み会とか、そういう居酒屋に限らず、昼間の、換気がそれほどよくないようなところでも起きているんじゃないかなというふうに思いますので、この緊急事態宣言の間に何をやるのかといったときに、検査の問題もあるし、情報の共有もあるけれども、やはり大きなクラスターにしないための換気対策というのをですね。千代田区なんかは、CO2モニターを飲食店に無料で配るというのを始めたんですよね。いつも、私がこの話をすると、政府は、補助金があるからそれを申請してくれればいいんだという話をするんですけれども、補助金を使って買ってくれじゃ、なかなかそういうのは取組は広がらないですよ。やはり、これはもう、そんな高いものじゃないんですから、国はそういうことも含めて換気対策もしっかりやっていって、人々の行動の変容が一番大事なんですけれども、行動の変容のためのメッセージを発しながらも、やはりどう環境を変えていくのか。行動制限だけで変えるというのは、やはり限界があると思いますよ。みんなも本当に大変ですよ。やはりリスクをどう下げるのかというところももっとやっていかなきゃいけないのかなと思っております。それからもう一点、尾身会長にお伺いしたいんですけれども、先日のアドバイザリーボードの資料を見ましたら、医療機関でのクラスターの比率が下がってきているので、これはワクチンの効果も出てきているのかなというふうにも見ております。医療従事者に打つことで医療機関でのクラスターが減っていくということを考えた場合に、同じように介護でも、高齢者の接種を進めていますけれども、介護の分野でもしっかりどんどん打っていくというのは、職員の方に打っていくのが非常に大事だということになると思うんですけれども、今はどうなっているかというと、入所系については、入所している皆さんと一緒に職員の方もワクチンを打っていく。デイサービスだとか何だとかというのは、基本的には対象外となっていますね。ですけれども、私、前から申し上げていますけれども、デイサービスなんかでもクラスターは、この第四波の中でも、あっちこっち、全国で起きているわけですよね。高齢者の大きなクラスターも出ております。ですから、居宅介護系のところでも、やはり介護の事業所で働く皆さんのワクチンの接種順位を上げていく必要があるんじゃないかというふうに一つ思っています。それと、あわせて、今、特養ホームは、入っている方と職員と一緒に打っているところが大半ですけれども、実は、特養ホームというのは、居宅介護系の事業も同じ建物でやっているわけですね。デイサービスやっている、ショートステイやっている、訪問介護やっている、ケアマネやっている。でも、その人たちは多くの場合は対象外、同じ施設を使っておきながら。国は、やってもいいよということは言っているわけですけれども、実際は、私どもの地元なんかでもやられていないですね。ですから、そういうところをもっとしっかりワクチン接種の優先順位を上げていくということが大事なのかなと思うんですけれども、その点、尾身会長のお考えをお伺いしたいと思います。
○尾身参考人 委員おっしゃるように、併設しているところがありますよね。そこは、どうせやるわけですから、そこで一緒にやるというのは合理的で、これは政府の方もやってはいけないと言っているわけじゃないので、そこはしっかりと、むしろやってくださいという、併設しているところですよね、その方が効率的ですから。それは、そんな大したことじゃないと思うので、やったらいいんじゃないかと私は思います。
○宮本委員 併設をしていないところについてはどうでしょうか。併設していないデイサービスなんかでもクラスターは起きているんですけれども、そういうところで働いている介護従事者の皆さんについてはワクチン接種の順位を上げるという点はどうでしょうか。
○尾身参考人 それも効率の問題で、やはり、クラスターが起きている、あるいは、そこで感染が起こると、高齢者は重症化ということがあるので、そういういろいろな、キャパシティーなんかで可能であれば、そこは、やらないという理由はないので、私はやったらいいんじゃないかと。あとは、制度設計というか、考えるということですよね、そういうことだと。やらないより、絶対やった方がいいですけれども、それは、あと、方法を考えるということだと思います。
○宮本委員 尾身会長からそういう発言がありましたけれども、大臣、いかがですか。
○田村国務大臣 これは、コロナ禍で、居宅介護の皆様方も在宅対応をしていただいたりなんかしておりますので、そこで、在宅の対応等々に、基準にのっとって接種順位が上げられるのであれば、もう打っていただいて結構であります。それから、併設しているところは、もうこれは当然のごとく、業務で入所者の方々とも接する、若しくは入所者の方々に何かあったときには御対応いただくということになりますでしょうから、打っていただければ結構だというふうに思います。併設していないところという形で、コロナの対応になったときに、患者の方に全く対応されないということであれば、これはなかなか理屈上難しいんですが、しかし、併設していなくても、コロナ患者になられた場合にも対応する可能性があるということであるならば、それは市町村の御判断で対応いただけるということでありますから。今まではワクチンの数が限られておりましたので、そういう意味ではなかなか自治体も対応しづらかったのかも分かりませんけれども、もう連休明けからワクチンの方は潤沢に供給が始まり出しましたので、そこはもう臨機応変に対応いただければ結構だというふうに思います。
○宮本委員 自治体任せ風な言い方じゃなくて、尾身会長は、併設しているところについては積極的にやってくださいというふうに言った方がいいというのが尾身会長の意見だったと思いますし、併設していないところについても、クラスターになる可能性があるんだったら、コロナの患者の対応をする、しないじゃないですよ、高齢者のクラスターになる可能性があるところだったら、これは絶対やった方がいいという話なんですから、もっと前向きに国としてやっていただけませんか。
○田村国務大臣 そのように分科会の方でおっしゃっていただくということでございますれば、それは専門家の御意見でございますので、我々もそれを参考にさせていただいて対応させていただきたいというふうに思います。
○宮本委員 ありがとうございます。では、尾身会長、お忙しいところ、ありがとうございました。残りの問題について質問させていただきます。一つは、ワクチンの副反応、副反応疑いについてお伺いしますけれども、これまでの新型コロナワクチンで予防接種健康被害救済制度に申請のあった件数と認定件数を教えていただけるでしょうか。
○正林政府参考人 お答えします。予防接種健康被害救済制度に基づく申請は、まず市町村から都道府県に進達をされ、それから都道府県から国に進達をされる、そういう仕組みになっていますが、今回、この新型コロナワクチン接種後の健康被害に関して、これまで厚生労働省に進達された申請はございません。
○宮本委員 これまたゼロ件というのも大変驚きなんですけれども、かなり重篤な有害事象が起きた方も、たくさん副反応部会でも報告されているわけですよね。これはやはりしっかりこの予防接種健康被害救済制度の周知というのをもっとやらなきゃいけないんじゃないかというふうに思いますけれども、その点、いかがですか。
○正林政府参考人 健康被害救済制度は大変大事な制度ですので、御本人やそれからその御遺族の方が申請に関して必要な情報が得られるように、まず、申請書類をホームページに掲載するほか、接種の案内リーフレットで周知を行うとともに、予診票において、同制度の存在があることについて接種医が説明を行う、そういった対応を行うことにより、引き続き丁寧な周知に努めてまいりたいと考えております。
〔大岡委員長代理退席、委員長着席〕
○宮本委員 何らかのハードルがあって出していない人もいるのかも分からないですけれども、やはりこれは本当に、何かあったらこれが頼みの綱になるわけですから、徹底した周知をお願いしたいと思います。それと、あわせて、予防接種健康被害救済制度の認定の考え方なんですけれども、やはりこれは本当に広く救済するというのを基本にしてほしいと思うんですね。因果関係が明確に否定できない場合、あるいは、例えば、年代別、性別ごとに見て一般的な病気の発症率よりもワクチンで出た有害事象の方が多い場合、こういう場合については、これは積極的に認定していくという姿勢が私は必要なんじゃないかと思いますが、その点、いかがですか。
○正林政府参考人 疾病、障害認定ですけれども、疾病・障害認定審査会、審議会のようなものですけれども、そこで審査が行われて認定手続をしております。その審査会における審査に関しては、請求された疾病と予防接種の因果関係の判断に当たっては、厳密な医学的な因果関係までは必要とせず、接種後の症状が予防接種によって起こることを否定できない場合も対象とする、そうした考え方に基づいて行われております。
○宮本委員 今までは、そうはいっても、認定の状況を見ても、必ずしも、みんなが救われているのかなというのは、新型コロナじゃないですよ、これまでの予防接種について、そういうふうな意見もいろいろな専門家から私もお伺いしますので。今回、本当に国家的事業で、ある意味、第三相試験をすっ飛ばして新型コロナワクチンの接種を始めているわけですから、そこはこれまで以上に救済されるようにしていただきたいと思います。あと、あわせて、先ほど、周知の問題なんですけれども、やはり重大な有害事象が出た方については医療機関からその時点で知らせていただくというのも私は大事だと思うんですよね。いろいろな重篤な有害事象が出た段階で、こういう制度があるんですよと。そういうのも是非徹底していただきたいというふうに思います。あと、建設アスベストについてお伺いしたいと思います。先日、最高裁判決が出ました。国と建材メーカーが断罪されるということになりました。私の地元でも、兄弟三人で左官業を営んでいて、兄二人は、一人は肺がん、一人は石綿肺で亡くなって、そしてもう一人の方が、本当にせきが止まらず苦しい中、裁判をずっと闘ってきております。十三年の裁判の中で七割の原告が亡くなるということになっております。原告団、弁護団は、提訴していない人、これから発症するであろう被害者も含め、全ての被害者の補償制度の早期確立を求めてきたわけでございます。十八日の基本合意では、まず、国の補償制度がつくられることになりました。これ自体は大変大事なことだというふうに思います。一方で、この枠組みでは、建材メーカーの賠償については裁判をしなければならないということになって、課題が残ったわけですよね。最高裁の判決の中では、建材メーカーの共同責任を認めているわけですよ。そもそも、原告団、弁護団は、建材メーカーも被害者への補償金を拠出するよう、建設被害補償基金制度の創設を求めてきましたし、これからも求めていくということをおっしゃっておられます。これは、田村大臣、しっかり取り組んでいただきたいんですけれども、国としても、建材メーカーがこうした補償基金制度に参加できるよう、しっかりメーカーやあるいは業界団体に働きかけていっていただきたい、そこを目標にしていただきたいと思いますけれども、いかがですか。
○田村国務大臣 最高裁の判決が確定をいたしました。本当に、被害を受けられた皆様方には心からおわびを申し上げたいというふうに思います。これは、与党の建設アスベスト対策プロジェクトチームで御議論をいただいて、その上で、特に建材メーカーのことに関しては更に検討をするということでございました。我々といたしましては、この検討の中において、関係省庁、具体的には経済産業省になると思いますけれども、ここと連携して対応してまいりたいというふうに思っております。もとより、先般の合意書を締結させていただいたときにも、原告団また弁護団の方からこれに関してもいろいろなお話をいただいております。与党PTと連携しながら対応してまいりたいというふうに思っております。
○宮本委員 与党PTと連携して取り組んでいくということなんですけれども、その取り組んでいく方向性というのは、当然、原告団、弁護団の思いを受け止めて、基金制度をつくってほしい、この思いと、あと、最高裁判決で建材メーカーの責任も断罪された、これを踏まえてやっていくということでいいわけですよね。確認させていただきます。
○田村国務大臣 与党PTの中で、そのような判決等々を踏まえた上で検討をしていくということでございます。その検討の中で、我々も経産省と連携しながらしっかり対応してまいりたいというふうに考えております。
○宮本委員 国の責任で、やはり国自体が断罪されているわけですから、もちろん与党と政府は一体な面はあるわけですけれども、国の責任でやはりちゃんと全面解決が図れるようにしていっていただきたいと思うんですね。今のままだと、国の側には、お金を申請すれば最大一千三百万円。半分は出ますよ。残りの半分については、また、未提訴の人も含めて、裁判を起こさなきゃいけないことになるわけですよね。それは、今度は十三年かからないかも分からないですけれども、最高裁まで行っていますので。でも、何年かかるかも分からない。でも、その何年の間に本当に多くの人が亡くなっていくわけですから、それを考えたら、本当に国がしっかり責任を果たして、今のままだったら、建材メーカーは、裁判で負けた分だけ払えばいいや、こういう発想なわけです。こういうのを放置しておいたら、私は絶対政治としては駄目だと思いますので、しっかり取り組んでいただきたいと思います。今日、経産省、来ていただいていますけれども、建材メーカーの共同不法行為という点では、シェアに応じた負担ということを、元々、原告団、弁護団の皆さんはおっしゃっておられました。以前行った野党合同ヒアリングで、建材メーカーのシェア比率の調査を求めたわけですけれども、五月十日締切りで調べていたと思いますけれども、これはちゃんと調べられたんでしょうか。
○柴田政府参考人 お答えいたします。御指摘いただいた調査につきましては、三月二十六日付で、経済産業省から各工業会に対しまして、メーカーごとの建材の生産量、そして建材ごとのアスベストの使用量、これにつきまして、先ほどおっしゃったとおり、五月十日までにデータを提供するよう依頼したところでございます。各工業会からは、当該統計を取っていない、メーカーごとの内訳を保有していない、個社の了解が取れない等の理由によりまして、依頼したデータの提供はなされなかったところでございます。
○宮本委員 統計が残っていないとか、個社の了解が取れないと。個社の了解が取れないなんて、私はある意味ふざけた話だと思いますけれども、こういう最高裁で責任が問われた会社が、国がデータを求めても、個社の了解が取れないって、何で了解しないんですか。大体、それぞれのメーカーについては国は分かっているわけですから、もっと、今度の最高裁の判決を踏まえて、改めてしっかり調査する必要があるんじゃないですか。
○柴田政府参考人 お答え申し上げます。先ほど答弁させていただきましたように、各工業会から、当方からの依頼に対して、当該統計を取っていない等々の回答がなされたということで、依頼したデータの提供はなされていないということでございます。今後、メーカーの責任と対応の在り方につきましては、与党において検討がなされていくと承知しております。経済産業省といたしましても、この建設アスベストに係る問題の早期解決、これに向けまして、建材業界を所管する立場からどのようなことができるのか、しっかり検討していきたいと考えているところでございます。
○宮本委員 工業会に本当にもし残っていないんだったら、それぞれのメーカーに直接聞けば分かるはずですから、それもしっかりやっていただきたいというふうに思います。残りの時間が少なくなりましたので、話が随分飛びますけれども、歯科技工の問題についてちょっと聞きます。歯科技工士のなり手不足が大変深刻で、歯科技工士の養成校の入学者が四半世紀で七割減っております。二〇一八年以降だけでも七校が募集停止をしている。一方で、歯科技工士の高齢化が進んでおりまして、半数は五十歳以上。離職率は七〇%以上。根本には長時間労働、低収入というのがありますので、処遇改善を抜本的に図らなきゃいけないということなんですけれども、あわせて、この間、関係団体から、関係者の皆さんから、こういう要望が出ているんですね。歯科技工学校の閉校が相次ぐ中、地域での歯科技工養成を継続できるよう、歯科技工養成機関への助成制度や学生支援の奨学金制度の創設など、喫緊に対応策を実施するよう求めますと。都道府県によっては、今日、配付資料でも配っておりますけれども、国の地域医療介護総合確保基金を使って支援を行っているところもありますけれども、全体ではないわけですよね。ちょっと本当に、どんどんどんどん閉校していって、なり手がいなくなったら、五十歳以上が過半数ということですから、将来の国民の歯の健康、口腔の健康ということを考えても、深刻な事態になりかねないと思いますので、ここは国の責任でしっかり支援していくということが必要だと思いますが、大臣、いかがですか。
○田村国務大臣 歯科技工士の養成所でありますけれども、言われるとおり、入学者自体が減少しておるということ、それから、若い方々を中心に、歯科技工士になられても離職をされる方々も多いということでありまして、そういう意味で、今言われている高齢化が進んでおるという現状があるというふうにお聞きいたしております。今言われた地域医療介護総合確保基金、これから、そういう意味では、そういうような、歯科技工士の方々が必要な能力をつけたりするための養成所に対してしっかりとした支援をしていくということをしておるわけでありますし、また一方で、若い方々が離職をされるということでございますから、そういう方々に即した技能、技術、こういうものを身につけるための、そのような学校、養成所に対しても、施設の整備、運営という形で支援をいたしております。昔と大分技術が変わってきているということもあるわけでございますが、非常に職種として魅力がないと言われるような方々もおられるわけでありますので、そういう意味では、魅力向上に向かって、いろいろな形で我々としても対応していかなければならないなというふうに思っております。
○宮本委員 本当に危機感を持って、この分野は、具体的に国としてやはり目標を持って、どれぐらいの人を確保しなきゃいけないのかという問題も出てくるわけですから、それにふさわしい手だてを是非具体化していただきたいと思います。残り時間が短くなりましたので、最後。今日、防衛省、来ていただいておりますが、山井さんへの答弁で、大規模接種センターのどこに間違いがあったのかというお話がありました。私のところにも相談がありました。そういう相談がありましたというふうに言ったら、ネット上で私のところに、接種券番号を打ち間違えたら、エラーメッセージが出て、訂正しても先に進めなくなったという話だとかがあったので、さっきのお話はそういうことなのかなというふうに思いました。ただ、同時に、別の方は、送られてきた個人のコード番号を入れても、何度も入力エラーとなって、予約ができなかった。本人は、全く悪気はなくて、試しに別の区の市町村コードを入れてやってみたら、うまくいったということなんですね。もし、先ほどの点だけがまずいんだったら、それは改修して済むと思うんですけれども、本当にそれだけで説明ができるのかどうかというのが、私、先ほどの答弁を聞いて、私が受けている相談事例からいって、そうなのかなというのが分からないものですから。ちゃんと、ほかにもミスがないのかと、寄せられた声も含めてしっかり分析をしていただいて、間違いがないように、本当に、一生懸命やったのに予約が取れないだとかそういうことが起きないようにしていただきたいんですけれども、いかがですか。
○椎葉政府参考人 受付のコードでございますけれども、市町村コードにつきまして、これも、実在しないコードを入れるとそのまま入っていたようでございますので、こういった見直しだとか、あと、生年月日なども含めて、システム改修を手がけているところでございます。
○宮本委員 では、全面的にしっかりチェックをしていただきたいということを申し上げまして、時間になりましたので質問を終わります。ありがとうございました。