2021年6月9日 衆院厚生労働委員会 デルタ株広がるイギリスの教訓は。業界別ガイドラインの改定を、沖縄便など国の責任で検査を。後遺症の労災認定迅速に。予防接種健康被害救済制度の丁寧な周知を

提出資料 出典:2021年6月8日 Eruc-Ding氏のTwitterより
提出資料 出典:厚生労働省ホームページ
提出資料 出典:2021年5月20日「理研の非正規雇用問題を解決するネットワーク」要請書

≪2021年6月9日 第204回衆院厚生労働委員会第26号 議事録≫

○とかしき委員長 次に、宮本徹君。
○宮本委員 日本共産党の宮本徹です。尾身会長、今日も、お忙しいところ大変ありがとうございます。緊急事態宣言は六月二十日までというのが一つの期限でありますので、その後、解除すれば、人の動きができて、また感染が増えていく可能性もあるわけであります。そういう中で、感染リスクをできるだけ下げていかなきゃいけないということだと思うんです。この間、報道を見ていますと、札幌ではコールセンターのクラスターが頻発していまして、五月八件、六月三件起きているんですね。何でこんなに起きているのかなと思って、札幌の保健所長さんにお話を聞きましたら、元々札幌はコールセンターが日本一多いんだというお話もしていました。誘致もしてきているんだという話もありましたけれども、古いビルでも起きているけれども、新しいビルでも起きているんだということ。古いビルだと換気設備がどうなのかというのもありますし、新しいビルだと一〇〇〇ppmの基準がどうなのかという問題も投げかけているのかなとも思いました。当然、コールセンターですから話し続けるということですから、エアロゾルが常に出続けているということになりますので、ウレタンマスクだったので漏れたのかもしれないというお話、そのマスクの材質の問題もあるかもしれないということもおっしゃっていました。また、休憩室でマスクを外していたとか、オペレーターが密だっただとか、こういう話も伺いましたけれども、やはり更に対策をしなきゃいけないと思うんですよね。あと、岐阜でも大きなホットヨガのクラスターが出まして、これも報道を見ましたら、換気を一時間していなかったということでかなり大きなクラスターになったという報道でした。やはり変異株を踏まえて、感染力が上がっているわけですから、マスクの着け方、マスクの質、換気の徹底、換気設備の点検、CO2モニターなど、全ての業界について業種別ガイドラインを改めて見直してバージョンアップをしていく必要があるんじゃないか、そしてそれを徹底していく必要があるんじゃないかと思いますが、まず、内閣官房に今日は来ていただいていますので、よろしくお願いします。
〔委員長退席、門委員長代理着席〕
○梶尾政府参考人 お答え申し上げます。感染拡大防止と社会経済活動を両立させます上では、事業の実態に合わせて感染防止策を講じていくということが重要でありまして、現在、様々な業界で、専門家の意見も聞きながら、内閣官房のホームページに百九十三掲載してございますけれども、感染拡大防止ガイドラインを作って実践をしていると承知しております。この業種別ガイドラインの徹底、そして改定については、PDCAを回していくということが必要でございまして、昨年十一月に、コロナの分科会での議論も行われまして、関係省庁を通じまして関係団体に対して、新たな知見に基づく業種別ガイドラインの改定を促し、また、その後も累次にわたって依頼をしております。その際、マスクの着用あるいは換気などの感染防止策に関する記載が不十分なものもございましたので、そういった記載をしてくれ、やってくださいということのお願いもしております。また、基本的対処方針にも、クラスターが発生している分野を対象にした業種別ガイドラインについて、見直し、強化を図り、徹底するというふうに記載してございます。御指摘のとおり、最近では、感染力の強い変異株の影響もあり、アクリル板の設置あるいは換気を行っていても感染者が出たり、これまで感染者が出ていなかった事務所などでもクラスターが発生するなどの報告も受けておりますので、引き続き、関係省庁を通じまして、改定などの必要な働きかけを継続していきたいというふうに考えております。
○宮本委員 そうおっしゃるんですけれども、コールセンターのガイドラインでいえば、これは昨年五月二十一日から一度も変わっていないわけですよね。それぞれ、去年のままのガイドラインもかなりたくさんあるのが現状で、いろいろな形で専門家の皆さんからも発信していただいて、マスクのことを気をつける方も増えてきているとは思いますし、いろいろなところでいろいろな努力をされていると思いますけれども、やはり、全体にベルトをかけていく上で、業界ごとにガイドラインを作って職場から徹底されていくというのは、国民全体の感染対策を更に変異株に対応したものにする上で非常に大事だと思いますので、その取組を本当に徹底してやるというのは非常に大事じゃないかと思います。その点、ちょっと尾身会長にも御意見をお伺いしたいと思います。
○尾身参考人 おっしゃるように、換気の徹底等をしっかりやるような、必要であればガイドラインの改定ということも必要だと私は思います。
○宮本委員 全ての省庁で業界団体に対してしっかり話し合ってやっていただきたいと思います。次に、ちょっとデルタ株の評価を改めてお伺いしたいと思っているんですけれども、イギリスで置き換わりがかなり進んだという下で、イギリスの感染者が増え続けているんですよね。一時期千五百人を切るところまで行っていたんですけれども、今、一日六千人を確認されるところまで来ております。イギリスはワクチンの接種もかなり進んでいる国だと思うんですけれども、なぜイギリスでこういう事態が生まれているのかということについて、現状と要因についてどういうふうにお考えなのか、尾身会長、よろしくお願いいたします。
○尾身参考人 イギリスの今の現状は、実は、私は、今の日本にとっても非常に有益な教訓を与えてくれると思います。つまり、イギリスはかなりもうワクチンの接種率が高いわけですよね。それにもかかわらず、ここに来て新規の感染者が増えているわけです。このことはなぜかというと、私は二つあると思います。一つは、感染が下火になって、ロックダウンしたんですけれども、これをかなり解除をしちゃったということで、人々の行動が緩くなってきたということと、それから変異株のことがある。つまり、これは、ワクチンは当然有効で、実際にイギリスなんかでも重症者、死亡者数は減っているんですよね。だけれども、比較的若い人の、四十歳未満のワクチンの接種率は高齢者に比べてまだ低くて、恐らく一〇%ぐらいだと思うんですけれども、ともかく、ワクチンがどんどん接種されるから、それによって、ワクチンの万能感、これがあるからもう社会は完全に今までどおりに戻していいというようなことをするとこういうことが起きるので、日本の場合も、ワクチンをしっかりと接種を向上率を上げて個人をプロテクションすると同時に、やはり感染対策は当分の間しっかり続けるということが重要で、イギリスの今回の新規感染者の増加ということは我々にとって非常に有益な教訓を与えてくれていると思います。
○宮本委員 イギリスで、今、一回目の接種が終わった方は五九%で、完了した人が四一%、それぐらいのレベルではまだまだしっかりと感染対策を続けなければ感染者がまた急増していく可能性があるということで、これは本当に、今、日本も、高齢者のワクチン接種が進み始めると、何となくもうマスクはしなくていいのかなという気分も、暑くなってきたしというのもありますけれども、そこはそうじゃないんだということ、これは政府からも是非徹底をしていただけたらなというふうに思います。もう一点、イギリス、私もネット情報をちょっと見ただけなんですけれども、子供への影響なんですよね。子供の入院率が一%ぐらいあるんだ、入院者に占める子供の比率が七%ぐらいだ、こういうネット上の情報も見たんですけれども、このデルタ株の重症化リスクをどう見ているのか、そして、その中での子供への影響というのはどう見ているのかというのを、これもお伺いしたいと思います。
○尾身参考人 いろいろな情報を集めますと、確かに、デルタ株は感染力が強いので、子供だけをターゲットにして感染をしているわけじゃなくて、その他の大人の年齢層にも感染が行って、たくさん行けば子供にも行くので、そういう中で子供の感染者が多くなっているというふうに考えておりまして、いわゆる、これによる子供を含めて重症度がどうなっているのかということについては、今のところ、しっかりとしたまだエビデンスというのがないので、これからのいろいろな検討にまつ必要があると思います。
○宮本委員 これはしっかりと更に今後データを集めて分析をしていかなきゃいけないということになるかと思います。ありがとうございます。あともう一点お伺いしたいのは、国内でいえば沖縄がかなり感染が大きく広がって、医療体制も大変で、田村厚労大臣からも医療者を沖縄に支援していただいているということになっているわけですが、少しピークアウトが始まったのかなというところだと思うんですけれども、それでもまだ感染のレベルはかなり高いと思います。それで、沖縄の感染拡大の要因についてですけれども、これはどう分析されているのか。そして、その要因の中に、いち早く暑い季節を沖縄は迎えているわけですけれども、これによって換気の悪い室内が生まれやすくなっているとか、そういうことも関係しているのかとか、その辺りをちょっとお伺いしたいと思うんですが、いかがでしょうか。
〔門委員長代理退席、委員長着席〕
○尾身参考人 沖縄の場合には、幾つかの複合的な要因があると思いますけれども、一つ重要なのは、やはり、東京か何かから来る人もそうですし、それから、沖縄の人が東京なんかに来て帰る帰省、この数がかなり増えていて、我々が持っているデータでも、やはり沖縄に、沖縄の人か東京の人か首都圏の人かはともかく、人流が今回増えたことによって感染が拡大したということは間違いないと思います。それに加えて、沖縄の場合には、土地柄もあるんでしょうけれども、お酒を飲む文化というものが確かにあって、これがもう一つの感染拡大の要因だと思います。それに加えて、換気が夏で湿っぽくなっているということもあるし、また、沖縄は、都会にというか東京なんかに比べて世代間の交流なんというのも比較的多いので、感染がしやすい環境になっているということで、こういうことが複合的に重なって今回の感染拡大につながったと私は考えています。
○宮本委員 ありがとうございます。一つ一つそれに応じた対策を取らなきゃいけないと。ちょっと、今、飲食店も閉めようということでやっていますけれども、自治体の方からは、事業者への補償といいますか、支援する上でももっと県への財政的な支援を求める声が上がっていますので、それも田村大臣の方からしっかり総理の方にも言っていただきたいというふうに思います。あと、暑くなっているという問題、これは、今後、多分全国でまた同じようなことが試される時期を迎えるのかなと思っています。あわせて、初めに人の移動ですね、東京からの人の移動、東京から行く人。ゴールデンウィークの観光客も物すごかった、あるいは帰省する人の数も物すごかったというお話も伺っております。そういう点で、去年から沖縄県からはずっと要望が出ているのは、沖縄行きの航空便について、出発前の検査について国がしっかり取り組んでほしいということを言われてきているんですよね、県の方からは。この点については、国交省は、どうするとかこうするとか、検討は進んでいるんでしょうか。
○平嶋政府参考人 搭乗前の検査につきましては、現在、航空会社が独自に検査機関と提携しまして、航空券の予約者等を対象にして、希望者に対して搭乗前の検査を受けられるオプションサービスを提供する事例が増えてきております。また、その中には、比較的利用しやすい価格帯のオプションも設けられております。そうした利用実績も増えてきているところであります。また、町中の民間検査施設や郵送での検査サービスも増えておりますし、羽田空港の国内線ターミナルにも民間検査施設が開業するということで、旅客等がより検査を受けやすい環境となっているところであります。さらに、国におきましても、今年三月に搭乗前検査の実証調査を実施いたしました。感染者数が多い大都市部から航空が主な交通手段となっている沖縄、九州、北海道へ向かう直行便を対象にしまして、任意の参加者を募って、利用者に事前に検査を受けてもらう場合の課題、また利用者の意見等について調査を行ったところであります。こうした利用しやすいオプション等も提供されつつある状況でありまして、国交省としましては、今回の実証調査の結果等も生かしつつ、また、様々な検査サービス、航空会社が提携しているところも含めて、様々な検査サービスが提供されているということを利用者により広く知っていただき、搭乗前の検査をより多くの旅客に利用してもらえるよう、会社等とも連携して啓発に取り組んでまいりたいと思っております。
○宮本委員 是非、やはり国の責任で、もっと検査を皆さんが受けていただけるように積極的に推奨する、あるいは財政的な支援も行っていく。やはり、沖縄の場合は離島もたくさんあるわけですよね。そういうところで感染が広がったら、医療体制というのも本当にないところも多いわけですから、大変なことが現に起きているわけですから、そういう点でいえば、国の責任でもっと、航空会社任せではなかなか進まないと思います、国の責任でしっかり進むようなことを考えていただきたいというふうに思いますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。それから、あともう一点、これは通告していないんですけれども、尾身会長にお伺いしたいんですけれども、午前中の質疑の中で、早稲田議員の方から、イギリスのタイムズに押谷先生のコメントが出ていたという紹介がありまして、私もちょっと見てみたんですけれども、押谷先生はオリンピックについて、ワクチンがない発展途上国もありますよ、現時点でウイルスがそんなに広がっていない国もありますよ、そういうところに広がっていくリスクもありますよという、オリンピックはゼロリスクではないんだという話をされているんですけれども、その中でこういうことを言っているんですね。リスクを検証する上でも、どの国から何人が訪れてくるのかも分からない、リスクを検証するための必要な情報が寄せられていないということを言っているんですね。オリンピックについてリスクを評価するための必要な情報がないということを言われておりますが、今先生方でオリンピックのリスクについて様々な点から検証されていると思うんですけれども、そういう情報はいろんなところからちゃんと提供されているんでしょうか。
○尾身参考人 検疫の情報等々は、例えばオリンピック関係で来る人はそれぞれの省庁でやっていて、省庁ごとの管轄ということで、この前も、いろいろ合わせるとデータが出てくるわけですけれども、我々は、理想的には、こういうのは各省庁がそれぞれ管轄を持っているんですけれども、比較的リアルタイムで、どういう人が何人来て、どこの国からの陽性率が何%ということは、これはこれからの国内対策とも関係しますから、それから、検疫の体制をどう早く迅速に対応できるというのはやはり情報が非常に重要なので、そういう情報を省庁の枠を超えた見える化というのは是非お願いできればと思っています。
○宮本委員 大臣、先ほどの尾身会長の意見について、是非、各省庁の縦割りを超えて一本化して見える化してほしいというお話がありましたけれども、政府としての御努力をお願いしたいんですが、いかがでしょうか。
○田村国務大臣 やれる限り努力してまいりたいと思います。
○宮本委員 よろしくお願いしたいと思います。以上をもちまして、尾身会長、本日もありがとうございました。残りについてお伺いしたいと思います。まず、これは大臣についてですけれども、こういう相談がありました。介護施設でクラスターが発生して、陽性者である入居者の対応をしていた介護福祉士の方がコロナに罹患をされ、療養中は労災認定されたんですけれども、その後、後遺症で仕事に行けずに無収入なのに労災認定が遅れている、生活に困窮している、貯金を取り崩し会社に毎月社会保険料を四万円払わなきゃいけない、こういう話なんです。もう今月お金がありません、限界です、ちゃんと働いて、一生懸命介護福祉士として働いて頑張ってきました、今生命の危機です、こういう悲鳴だったわけですよね。労災を申請しているわけですから、ほかのいろいろな制度は使えないわけであります。ですので、後遺症も含めて労災の対象であるということは当然のことなわけですから、ちゃんと労基署に徹底していただいて迅速な救済をしていただきたいと思いますが、いかがですか。
○田村国務大臣 どれぐらいかかっておられるのか、ちょっとよく分からないんですけれども、もしあれですれば、それこそ緊急小口資金やいろいろなものをつないでいただくという話になると思いますが、労災は、これは新型コロナウイルスですよね。ですから、職務上新型コロナにかかられた後で、多分、様々な後遺症が出られているのであろうというふうに思います。本来からいえば、療養補償でありますとか休業補償、こういうようなものを支給いただくわけでありますが、その可否の判断は、あれは以前、先週でしたか、事務方の方に委員の御質問があったと思いますが、たしか、傷病の病名等々が変わったりでありますとか、症状や治療、こういうものが変わってくると、うまく継続して、要するに後遺症なのかどうなのかというのがなかなか分かりづらいということで、時間がかかっているということもあるんだと思います。ちょっと個別具体的な話に関してなかなか今ここで私が申し上げるわけにいかないわけでありますけれども、基本的に、新型コロナウイルスの症状といいますか、これは長期にわたって継続するということがございますので、そういう意味からいたしますと、そういうことは我々としてはQアンドAなんかにも書いておりますし、それこそ迅速な処理を行うように徹底してまいりたいというふうに思いますが、もし個別具体的なことがあれば、またお話をいただければというふうに思います。
○宮本委員 個別具体的には、当然、今担当の方には言ってやっていただいている最中なんですけれども、コロナの後遺症の労災というのは、それぞれの労基署によっては、件数がまだ初めてのところなんかもあるかも分からないんですよね。ですから、いろいろ言われたという話も、会社経由ですけれどもその人は言われているんですよね、大分時間がかかりますよみたいな話を。それだと本当に生活が行き詰まっちゃいますので、これはもう本当に迅速に対応するということをしっかり徹底をしていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。それから次に、予防接種健康被害救済制度についてお伺いいたします。これも、申請を受けた経験のない自治体も少なくないんですよね。ですから、こういう話もあったんですけれども、相談に行ったら、これは治療が終わってから申請すればいいんじゃないですかというふうに言われたという話も聞いておりますが、どのタイミングで申請をすればいいのかというのについても、相談を受けた自治体もよく分かっていない、その自治体もあちこちの自治体に電話をかけて聞きまくったという話をしておりましたけれども、そういう話を聞いております。自治体が市民の相談に丁寧に乗れるように、自治体向けのQアンドAのようなものを作っていく必要があるんじゃないかと思いますが、いかがですか。
○正林政府参考人 お答えします。新型コロナウイルス感染症に係る健康被害救済制度については、その申請の受付、必要な調査、給付については住民と直に接することになる市町村、それから、医学的、科学的知見を踏まえた上で行うべき因果関係の認定については厚生労働省、それぞれが行うことにしていますが、新型コロナウイルス感染症に係る予防接種に限らず、その他の定期接種に係る健康被害救済給付の申請についても、平時より市町村が受け付けているところでございます。市町村に対しては、手引において健康被害救済の申請に関する詳細についてもお示ししているほか、市町村から個別の照会に対して回答するなど、円滑な申請受付や住民からの手続等に関する問合せに対応できるよう支援を行っているところでございます。ちなみに、先ほどありました、治療の後なのか前なのか、そこは問わずに、どのタイミングでも申請は可能であります。加えて、この救済制度については、申請書類をホームページに掲載したり、それから、接種の案内、リーフレットで周知を行ったり、あと、予診票において同制度の存在があることについて接種時に説明を行うなどの対応を行うことによって、接種を受ける方への丁寧な周知も行っているところでございます。厚生労働省としては、引き続き、健康被害救済制度の周知を図るとともに、市町村への支援を行ってまいりたいと考えております。
○宮本委員 手引は私も見ました。先ほど局長はどのタイミングでも申請可能ですよと言うんですが、でも、そのことも書いてないんですよね。どのタイミングで申請してもいいですよというようなことも書いてないわけですよね。だから、自治体の担当者は、市民の方から相談を受けても、書いてないからこうなのかなと、ほかの自治体に聞いた過去の例を聞いて、そういうことで答えるということも起きたりしてしまっているわけですよ。だから、ちゃんとしたQアンドAみたいなものが自治体にないと市民から相談があったときに困るんじゃないですかということを申し上げているわけです。
○正林政府参考人 そうした市町村がお困りの場合は、先ほど申し上げましたが、問合せは受け付けておりますので、そういった個別の照会に対してしっかり回答するようにしておりますので、そのようにして今後対応したいと思っております。
○宮本委員 市町村が問い合わせればいいですけれども、問い合わせずに違うことを答えている場合も、私はこれは自分が聞いた相談だからそのケースで話していますけれども、千何百の市町村ではそういうことがほかにも起きているんじゃないかと思うわけですよ。だから、私のところに来た相談は当然厚労省ともつないで、担当課の人とつないで相談してやっていますけれども、そうじゃないのもあるんじゃないかと思うから私は申し上げているわけですので、そこは検討してください。それから、もう一点、この予防接種健康被害救済制度なんですけれども、資料を今日お配りしておりますけれども、HPVワクチンのものとコロナのものと配っているんですけれども、HPVワクチンのものについては、厳密な医学的な因果関係までは必要とせず、接種後の症状が予防接種によって起こることを否定できない場合も対象とするという方針で審査していますよということがちゃんと市民向けのパンフレットに書かれておりますが、新型コロナのリーフレットにはその文言がないんですよね、同じ文言が。でも、方針は同じでやっているはずなわけですけれども、その文言がないんです。ですから、自治体の担当者にしろ、新型コロナワクチンとの関係というのはどうなんですかというようなところの戸惑いも出てきてしまっているという話も伺っております。ですので、ちゃんとHPVワクチンでもこう書いているわけですし、国会答弁でも何度もこの方針は述べられているわけですから、そのことが自治体の担当者や医療従事者、市民に分かりやすく周知されることが必要じゃないかと思いますが、いかがですか。
○正林政府参考人 御指摘のように、厳密な医学的な因果関係は求めないとか必要としないとか、それから、接種後の症状が予防接種によって起こることを否定できない場合も対象とする、こういった政令、審査などが行われておりますが、このお示しいただいているHPVのリーフレットは実は二パターン作っていまして、簡略版とそれから詳細版とありまして、これは恐らく、詳細版の方にはこういうことを書いているんですけれども、簡略版の方にはこういった記載は載せておりません。それは、余り詳細なものを、今回のコロナもそうですけれども、お配りしても読んでいただけないことがあるので、短時間で御理解いただくために、HPVの簡潔版みたいな形で今回のコロナもリーフレットを作成しています。情報発信はなかなか難しいんですけれども、正しい情報をきちんと伝えるという意味では、それはもちろん詳細に伝えた方がいいんですけれども、詳細であればあるほど読んでいただけなくなるので、その辺はいろんなことを考えながら今までは作ってまいりました。ちなみに、こういった審査における姿勢については審議会の資料では公開していて、それはホームページ上でも公表していますので、それは御覧いただくことが可能であります。
○宮本委員 審議会の資料をホームページで見る人はそんなにいないですから、それはやはり、少なくとも自治体担当者、医療従事者、それからあとワクチン接種を受ける方々にはちゃんと伝わるというのは、いろんな副反応もいっぱい出ているわけですから、それはお願いしたいと思いますので、大臣、いかがですか。
○とかしき委員長 田村厚生労働大臣、申合せの時間が来ておりますので、簡潔にお願いいたします。
○田村国務大臣 何かございますれば、それはいろいろと御相談をいただくということが大事だと思いますので、自治体の窓口等々を踏まえて御相談いただき、その上で申請をいただくということであります。申請いただいた上で、それが審査を通るかどうかというのは、基本的に、今局長が言ったとおり、明確な医学的なそういうような知見がなくても対応するということでありますから、そこは審査会でしっかりと御判断いただく話だというふうに思っております。
○とかしき委員長 宮本徹君、申合せの時間が来ております。
○宮本委員 ですから、その医学的な明確な厳密な因果関係がなくても申請ができますよということが伝わっていないわけですよ、皆さんに。そこを求めていますので、よろしくお願いを申し上げて、質問を終わります。