第206回特別国会 国会議員団総会 草の根から世論と運動で政治変える新たなたたかいを

 総選挙を受けた第206回特別国会が10日、召集され、首相指名選挙で岸田文雄首相が選出されました。岸田首相は同日、第2次岸田内閣を発足。外相に林芳正元文科相を起用し、その他の閣僚はいずれも再任しました。日本共産党の志位和夫委員長は、党国会議員団総会のあいさつで、日本共産党と立憲民主党が共通政策、政権協力に公党間で合意し、国民に対する公約にもなっているとして、首相指名選挙では「合意と公約を誠実に順守する立場から立憲民主党の枝野幸男代表に投票する」と表明。「岸田政権の行動一歩一歩が、国民が退場を求めた安倍・菅政治の継承となる。あらゆる分野で草の根から国民的な世論と運動を起こし、その力で岸田政権を包囲し、政治を変える新たなたたかいに臨もう」と決意を述べました。特別国会の会期は12日までの3日間です。
 志位氏は、総選挙の結果の全体をどう見るかについて、「4年前の総選挙と比較し、政党間の力関係がどう変わったかを冷静に分析することが大切」と指摘。「与党勢力」が比例得票数では増やしたが議席数を減らしたこと、「与党の補完勢力」が比例得票数でも議席数でも減らしたのに対し、「共闘勢力」は比例得票数でも議席数でも増やしたと強調し、「市民と野党の共闘が、さまざまな困難や逆流をのりこえながら、国会内外で共闘の努力を積み重ねてきたことの確かな成果が示されている」と述べました。
 その上で志位氏は、今回の総選挙における市民と野党の共闘の成果と課題について語りました。
 成果について志位氏は、野党が初めて、共通政策、政権協力、選挙協力の「3点セット」の合意を実現してたたかった選挙だったと強調。その結果、全国59の小選挙区で「共闘勢力」が一本化をはかった候補者が勝利し、33の小選挙区で「共闘勢力」の候補者が自民党候補者の得票の90%以上を得る善戦・健闘の結果となったと力説しました。
 課題について志位氏は、野党共闘への攻撃に対して野党が「共同の反撃の論陣を張るまでにはいたらなかった」ことや、「共闘の大義・魅力」を伝える上では共闘態勢の構築が遅れたことが大きな弱点となったと反省点をあげました。
 志位氏は「日本の政治を変える道は共闘しかない。共闘を揺るがず発展させるために、あらゆる知恵と力を尽くす」と決意を表明しました。
 志位氏は、総選挙での訴えについて、コロナから命と暮らしを守る政策的提案、自公政治からの「四つのチェンジ」(新自由主義からの転換、気候危機打開、ジェンダー平等の日本、憲法9条を生かした平和外交)が、どの訴えも国民の利益にかない、共感を広げたと語り、公約実現への強い決意を表明しました。
 そのうえで志位氏は、「岸田政権とどうたたかうか」と問いかけ、選挙後のわずかな期間の岸田政権の動きを見ても、安倍・菅政治と基本において変わることのない政権であることが明瞭になっているとして、三つの点をあげました。
 一つ目は、沖縄に対する強権政治です。志位氏は、辺野古新基地建設は計画自体が二重三重に破綻していると指摘。にもかかわらず岸田政権が基地建設を「唯一の解決策」として押し付ける方針を繰り返していると批判。「このような強権政治は絶対に許してはならない」と「オール沖縄」への連帯のたたかいを呼びかけました。
 二つ目は、気候危機に対する無責任きわまる対応です。岸田政権が石炭火力の使用継続姿勢をとっていることなどによって、気候行動ネットワークが国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)で「化石賞」を贈ったことをあげ、「日本共産党が『気候危機打開の2030戦略』で批判した日本政府の対応の致命的弱点が、国際舞台でも厳しく批判される結果となった」と指摘。国内外の運動への連帯したたたかいを呼びかけました。
 三つ目は、憲法改定をめぐる新しい危険に正面から立ち向かうことです。志位氏は、自民党が総選挙公約に改憲4項目を掲げ、選挙後には岸田首相が「憲法改正に向け、精力的に取り組んでいく」と発言したと指摘。また、日本維新の会が来年の参院選での国民投票の実施に言及するなど、改憲策動の先兵の役割を果たしていると批判し、「改憲勢力の危険なたくらみを打ち砕くために、国民的な世論と運動を急速に広げることを呼びかけるとともに、日本共産党はこのたたかいの先頭に立って奮闘する」と決意を語りました。

以上2021年11月11日付赤旗日刊紙より抜粋