違法派遣 積極指導、法改正を 非正規全国会議 厚労省に要請

 非正規労働者の権利実現全国会議は16日、厚労省要請を行いました。裁判で偽装請負・違法派遣だと認定される事例でも、労働局が認定せずに労働者救済が遅れていると指摘し、改善するよう強調。違法派遣の場合の派遣先への「直接雇用申し込み みなし制度」を適用しやすく派遣法を改正すべきだと訴えました。
 村田浩治弁護士は、「この間、高裁で偽装請負が認定される事例が相次いだが、どちらも労働行政が違法派遣だと判断していない。労働局の対応を改めてほしい」と述べました。
 日本貨物検数協会(日検)では裁判で偽装請負が認められましたが、会社は労働者の直接雇用要求を無視して秘密裏に派遣契約に切り替えたため「みなし制度」適用が難航しています。当事者の男性は、「労働局に相談したが動いてくれなかった」と発言しました。
 建材メーカー、東リの偽装請負を認定する判決を勝ち取った男性は、「偽装請負を告発したら職場から排除され、苦しいなか裁判をたたかった。行政がやってくれれば解決する」と訴えました。
 厚労省の担当者は、行政対応と判決の食い違いについて、「判例を参考により適切に対応する」と回答。労働者に秘密裏に派遣契約に切り替えることについて、「労働者に労働条件などを伝えなければならず、労働者の同意なしに契約を切り替えることは派遣法違反になる」と指摘しました。
 村田弁護士は、「労働局で、偽装請負の認定条件を厚労省が弱めたといわれるが、事実か」とただしました。厚労省の担当者は、「そのような事実はない」と答え、現場に周知徹底するとしました。
 日本共産党の宮本徹衆議議員、倉林明子参院議員、立憲民主、れいわの国会議員が出席。宮本議員は、「非正規雇用労働者が裁判をたたかうのは大変だ。労働行政が積極的に是正・救済すべきだ」と強調しました。

以上2021年12月17日付赤旗日刊紙より抜粋