2022年3月9日 衆院厚生労働委員会 求職者守る体制こそ 情報サイト偽情報で

配付資料 出典:2022年1月8日付「読売新聞」夕刊
配付資料 出典:厚生労働委員会提出資料
配付資料 出典:首都圏青年ユニオン、東京地方労働組合評議会作成資料
配付資料 出典:厚生労働省提出資料
配付資料 出典:警察庁提出資料

 宮本徹議員は9日の衆院厚生労働委員会で、求人情報サイトに偽情報を掲載し、求職者を食いものにする悪質なグループの実例を紹介し、求職者を保護するための実効ある規制と体制整備を求めました。
 職業安定法改正案では、募集情報等提供事業者に募集情報等を正確かつ最新の内容に保つための措置を講ずる義務を課しています。
 宮本氏は、求人情報に偽りがないか「求人サイトも事前にハローワーク並みのチェックをするのがベストだ」と強調。「募集情報の内容が虚偽であることについて事業者が知らないまま情報提供を行った場合、『改善命令』や『業務停止』の対象になるのか」と質問しました。後藤厚労相は「虚偽であることを知らなかった場合でも、必要な対応等を怠っている場合、指導や改善命令等の対象になる」と述べました。
 宮本氏は、求人サイトをめぐるトラブルについて労働局での相談窓口をつくることを求めました。
 後藤厚労相は「新たな組織を厚労省に設置する等の体制強化をはかる」と答えました。
 宮本氏は、増員を前提に「労働基準監督官に職安法違反に関わる司法警察官の職務を行わせるべきだ」と主張しました。

以上2022年3月16日付赤旗日刊紙より抜粋

≪2022年3月9日 第208回衆院厚生労働委員会第4号 議事録≫

○橋本委員長 次に、宮本徹君。
○宮本(徹)委員 日本共産党の宮本徹です。今日は、職安法の改正について伺います。配付資料を見ていただきたいと思います。悪質なグループが求人サイトを利用して求職者を食い物にしております。Aさんは、求人情報サイトで、ゼロからITエンジニアへ、未経験でも月収三十万円という求人情報を見て応募しました。ところが、求人サイトの記載にない自社のプログラミングスクール受講が採用の条件とされ、四十八万円支払った。しかし、プログラミングは何一つ教えられず、経歴詐称のスキルシートの作成を強要され、無給で営業の電話かけをさせられたと。このグループは、追及されると、フロンティア、クライムゲート、サクセスなど、社名、所在地を次々変え、今、青年ユニオンの皆さんが相談に乗っている被害者だけで十人いるというお話でございます。資料の二ページ目を見ていただきたいんですけれども、ハローワークの場合は、求人情報を公開する前に、労働者保護のために虚偽記載の排除のためにチェックをしっかり行うということになっております。求人内容の点検項目の資料をいただいたら、今日は一ページ目だけつけていますけれども、八ページにわたるものでございました。そこでお伺いいたしますが、今回の法案では、情報を提供するときは、当該情報について虚偽の表示又は誤解を生じさせる表示をしてはならないとありますが、募集情報等提供事業者には、求人を出した事業者の求人情報の内容が偽りでないのか事前に確認することを義務づけるんでしょうか。
○後藤国務大臣 ハローワークにおいては、求人者から求人を受理するに当たって、法令違反の確認や指導、正確で明確な求人条件の明示のための確認や指導を行っております。この確認に当たっては、事業者からの聞き取りのほか、必要書類の提出を求めるなどを行っております。また、法案においては、募集情報等提供事業者に対しまして、募集情報等を正確かつ最新の内容に保つための措置を講ずる義務を課しております。その内容は、それぞれの事業者の募集情報等の収集、提供の態様が異なること等を踏まえまして、募集情報等提供事業者が行うべき確認の在り方については、今後、労働政策審議会においても御議論をいただき、省令でお示ししてまいりたいというふうに思います。
○宮本(徹)委員 事前に確認することを義務づけるという答弁はなく、今後省令で検討していくということでございますが、やはり求人サイトも、本来ならばハローワーク並みのチェックをするというのがやはり労働者保護の立場でいえばベストだと思います。ちなみに、資料の三ページ目、四ページ目につけておりますが、この案件の被害者の相談に乗っております青年ユニオンはいろいろ提案をしております。例えば、登記簿の存在の確認の義務づけ、あるいは、過去に募集情報に偽りがあるとクレームがあり、改善されていない場合は求人情報の掲載を行わないことの義務づけなどなどでございます。大臣、是非、これから省令や指針を作っていく際に、こうしたものを参考にして求職者を守るすべを検討していただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。うなずいているので、次の質問に行きます。法案は、罰則規定及び改善命令などの規定を設けます。募集情報の内容が虚偽であることについて募集情報等提供事業者が知らないまま情報提供を行った場合には、刑事罰が科される、虚偽の広告をなし、若しくは虚偽の条件を提示して募集情報等提供を行った者に該当するんでしょうか。
○後藤国務大臣 法案においては、虚偽の広告をなし、若しくは虚偽の条件を提示して募集情報等提供を行った場合について罰則の対象としております。この罰則は故意犯を処罰するものでありますので、虚偽であることを知らなかった場合は犯罪は成立しないと解されます。
○宮本(徹)委員 つまり、Aさんのようなケースは、求人サイトの側は知らずにそのまま載せているわけですね。来た情報をそのまま載せているということだけですから、罪には問われないということになるわけですね。それでは、この募集情報の内容が虚偽であることについて募集情報等提供事業者が知らないまま情報提供を行った同様のケースの場合、改善命令やあるいは業務停止、こうした対象にはなっていくんでしょうか。
○後藤国務大臣 募集情報の内容の正確性の責任は、一義的には求人企業にありますが、今回の改正で、募集情報等提供事業者に的確表示の義務を課し、正確な内容に保つための措置を講じなければならないこととしております。したがって、求人内容が虚偽であった場合、指導対象としては求人企業と募集情報等提供事業者の双方が考えられます。募集情報等提供事業者については、虚偽であることを知らなかった場合であっても、求人内容の正確性を確認するために必要な対応を怠っているような場合等は指導や改善命令等の対象になると考えられます。また、事案に応じた対応になりますけれども、改善命令に従わない場合は事業停止命令の対象になり得るということでございます。
○宮本(徹)委員 指導の対象にはなるということであり、場合によっては改善命令、業務停止の対象にもなり得るということでございます。ただ、そういうことをちゃんとやっていこうと思ったら、やはり初めのルールが大事だと思うんですよね。求人サイトに情報を掲載されるときのルールをどう作っていくのかということがしっかりしていないと、なかなかその先の指導には実際には行きにくいのかなと思いますので、その点もしっかり改めてお願い申し上げたいと思います。あわせて、やはり、先ほど、午前中の柚木さんの質問にもございましたけれども、実際は、物すごい数の虚偽といいますか、実際の労働条件と違うものがあふれているというのが今の求人サイトの状況です。そこにしっかり行政指導をやっていくんだということになると、相当な体制をしっかりつくっていかないと、こうした被害は繰り返されていくというふうに思うんですね。ですから、本当にしっかりとした体制づくりをお願いしたいというふうに思います。その点で、今回のこのAさんたち被害者は、労働局にも相談した、警察にも言ったんですね。でも、警察に相談しても、こういう労働の案件というのはなかなか分からないということで、労基署に言ってほしいとか、たらい回しにされたと言っていました。消費者庁に言ってもなかなからちが明かなかったというお話もされていました。ですから、この求人サイトのトラブルについては労働局でしっかり相談に乗る体制をつくってほしいというふうに思います。資料の五ページ目に、この十年で、虚偽の広告、虚偽の条件の提示で職業紹介、労働者の募集、求人の申込みを行った者への行政処分は、改善命令で五件、業務停止が二件と。そこまで行ったものもあるということなんでしょうけれども、実際はこの背景に物すごい大きなたくさんの被害があると思います。今回の法案では、求人サイトの事業者に苦情へ迅速に対応する体制を求めることになります。あわせて、労働局でも相談体制を強化して、こういう問題はしっかり相談に乗りますよというのを広く知らせていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○後藤国務大臣 今般の改正において、募集情報等提供事業を行政処分の対象に加えるとともに、一部に届出制を創設したことに伴いまして、募集情報等提供事業の実態把握や指導監督を行う新たな組織を厚生労働省本省に設置する等の体制強化を図る予定です。新たな規定に基づく届出情報等を基にした指導監督などに適切に対応できるように準備してまいりたいと思いますし、そうした体制の整備とともに、それぞれサービスの向上につながるようにしっかりと取り組んでいきたいと思います。
○宮本(徹)委員 本省にも体制をつくっていくということでございますけれども、例えば、専用の相談窓口なり相談ダイヤルなり、こういうものも含めて是非つくっていっていただきたいと思いますが、いかがですか。
○田中政府参考人 今、後藤大臣が答弁させていただいたとおり、本省に新たにそうした対応をする組織、室をつくるということでございますし、また、それに併せて、労働局での体制も強化をしていきたいというふうに思います。様々なことを考えておりますけれども、基本的には、新たに募集情報等提供事業についてルールの整備がされるということで、まずはルールの周知を図り、また、ルールに対して違反をするとかそうでないというようなことについて、事業者あるいは求職者からの相談を承り、かつ法違反あるいはそれに近いような指導事案があれば、それに対して的確に対応していくということでございます。今回、そうした実効性を確保するために、新たに立入調査の権限なども労働局の職員に付与する法律の内容にしておりますので、そうした権限も必要に応じてしっかりと活用していきたいというふうに考えております。
○宮本(徹)委員 そういう権限もいろいろ付与して、本省にも体制をつくって、労働局もということになったら、やはり人自体を増やしていかないとそれはできないと思いますので、抜本的な人員増の体制もしっかりつくっていただきたいと思います。あわせて、ハローワークの拡充というのは、やはり本来ならここが本流でなきゃいけないと私は思うんですよね。やはり、求人サイトだとかこういうものは、民間が採算ベースでやろうとすると、それは当然どうしてもいろいろな弊害が生じてきます。ですので、やはり、求人情報について虚偽がないか、そして労働条件もしっかりチェックしているハローワークを拡充していく、このサービスの拡充こそが一番やらなきゃいけないことだということを併せて申し上げておきたいと思うんですね。そして、ハローワークインターネットサービスのことも今日議論になっておりましたけれども、これも、人がいろいろなものを、就職、探そうと思って検索しても、上には出てこないんですよね、グーグルなんかで検索しても出てこないんですよ。ほかの民間のサイトの方がずっと上に出てくる状況がございますので、やはり、安心してみんなが職探しができるハローワークインターネットサービスがグーグルの検索で上位に出るようにすることも含めて、サービスの拡充をしっかり図っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○後藤国務大臣 今、委員御指摘のように、労働者を募集する事業主がハローワークをより利用しやすくなるようにすることは重要でありますし、オンラインで求人提出や職業紹介ができるようにするなどのオンラインサービスの充実など、サービスの強化に努めているところです。また、ハローワークインターネットサービスやハローワークの各種サービスが必要な方に広く利用されるようにすることが重要でありまして、引き続き周知広報に努めてまいりたいというふうに考えております。また、雇用情勢の変化等に明確に対応できるように、引き続きハローワークの必要な体制の確保にも努めていきたいと思います。
○宮本(徹)委員 時間がなくなってきたんですけれども、もう一つ、こうした問題、トラブルがあったときに、先ほど、警察に相談してもなかなか労働問題の案件というのは相手にしてくれないという状況も現実にはあります。一番後ろに、警察が職安法違反でどれぐらい対応したのかというので数も載せてありますけれども、幾つかこれはありますが、多分、この職安法違反で対応した多くは、風俗店のスカウトだとかそういう問題じゃないかと思うんですね。今回のような、求人サイトでの情報が虚偽だとかそういう案件ではないんじゃないかなと思います。そういう点でいえば、労働基準監督官の抜本的な増員を前提に、労働基準監督官に職安法違反に関わる司法警察権の職務を行わせる、こういうこともしっかりと労働者を保護していく上では必要なことになるんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
○田中政府参考人 労働基準監督官の職務については、まさに事業所の現場で労働者が働いているところに立ち入ってその労働条件を現実に確保していくという重要な任務がございまして、そこを中心に、今なかなか人数が足りない中でその体制の充実に努めているところでございます。そのような中で、職業安定法に関する司法警察権を労働基準監督官に付与することまでは考えておりませんけれども、先ほど申し上げましたが、本法案の施行に向けては、募集情報等提供事業の実態把握や指導監督を行う新たな組織を本省に設置する予定であり、新たな法規定に基づく届出情報等を基にした指導監督などに適切に対応ができるように準備してまいりたいと考えております。
○宮本(徹)委員 時間になりましたので終わりますけれども、とにかく、マンパワーの体制を抜本的に拡充することが労働者、求職者の保護につながりますので、その点、強くお願いいたします。終わります。