2022年4月15日衆院厚生労働委員会(1回目質疑と2回目・対総理質疑) 薬機法改正案可決 社会活動との両立へ換気の強化を。高齢者施設 検査頻回に

1回目質疑配付資料 出典:厚生労働省ホームページ
1回目質疑配付資料 出典:厚生労働省提出資料
1回目質疑配付資料 出典:薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会(2,014年2月3日〕議事録
2回目・対総理質疑配付資料 出典:第80回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(2022年4月13日)資料3-6髙山先生提出資料

 薬機法改正案が15日の衆院厚生労働委員会で、全会一致で可決されました。
 質疑で日本共産党の宮本徹議員は、新型コロナワクチン接種後の死亡事例を評価する専門家の情報が公開されておらず、委員の自己申告だけでは利益相反の有無を検証できないと指摘。国民がチェックできる仕組みが必要だと迫りました。厚労省の鎌田光明医薬・生活衛生局長は、「公平、中立な評価に支障をきたす恐れがある」などと答えました。宮本氏は、2009年の新型インフルエンザ流行時には専門家情報は公開されていたとして、再考を求めました。
 宮本氏はさらに、同委員会の参考人質疑(12日)で、これまでの医薬品承認の批判的総括が必要だとの指摘があったとして、安倍晋三元首相が、アビガンを科学的根拠もなく159億円も投じて200万人分まで追加備蓄した経過を質問。アビガンは、14年の承認の際の薬事・食品衛生審議会でも高病原性のインフルエンザに有効だとする理由が不明だとする指摘が相次ぎ、異例の承認だったとして「どのような検討を行ったのか」とただしました。
 「政府として閣議決定した」としか答えない後藤茂之厚労相に、宮本氏は政治主導で選んだなら問題だと述べ検証を求めました。
 今後の対策について宮本氏は、重症化リスクの高い高齢者施設などの職員に週2回以上の頻回検査を要求。岸田文雄首相は「頻度を上げることは大事だ」と答えました。

以上2022年4月16日付赤旗日刊紙より抜粋

≪2022年4月15日 第208回衆院厚生労働委員会第14号 議事録 1回目質疑抜粋≫

○橋本委員長 質疑を続行いたします。宮本徹君。
○宮本(徹)委員 日本共産党の宮本徹です。配付資料をお配りをしておりますが、新型コロナワクチンの副反応の症例評価をしていらっしゃった専門家のお一人から、再任時に薬事関係企業に従事しているとの申出があって、内規に抵触するということで、専門委員の委嘱を取りやめたという発表が一昨日ございました。資料の三ページ目につけておりますけれども、リーフレットを見て当人が気づいて申出があったということです。もしリーフレットを勘違いしたり、あるいは見ていなかったりということがあればどうだったのかなということも思います。利益相反の確認というのは自己申告だけでいいのかということも感じました。この間、新型コロナワクチン接種後の死亡事例について評価不能などと個別症例を評価している専門家の情報というのは公表されておりません。これでは利益相反の有無も国民は検証がしようがないということになっております。これは、国民がチェックできる仕組みが必要なんじゃないでしょうか。
○鎌田政府参考人 まず、御指摘のPMDAの副反応評価に係る外部専門家の利益相反につきまして、十分なチェックができなかったことにつきましては、おわび申し上げます。その上で、先生がお配りしていただきました、これは十三日、おとといの部会に報告したものでございますけれども、この方が関わった評価につきまして、再度、他の専門家も含めて評価しましたところ、まず問題はなかったということは一言申し上げさせていただきます。そこで、今、どのようにチェックするのか、分かるのか、公表するなどして透明性を高めるべきじゃないかという御趣旨かと思いますが、外部の専門家につきましては、まず、どのような方が外部の専門家になっているかということについて、PMDAのウェブサイトにおきまして名簿を公表しております。他方、公平かつ中立的な立場から意見が述べられますように、個別の評価につきましては、誰であるかまでは、評価していないところでございます。したがいまして、今般、この方、何度か、たまたまこの方は、お配りいただいた資料にございますように、医薬品に関係ない企業の健康管理のアドバイザー、嘱託だったということもございまして、最後はやはり御自身で、どのような企業で働いているか、あるいは給与なりをいただいているか、最後は御本人の方で確認していただくしかないものですから、こうした確認を繰り返し繰り返しすることによって、透明性の確保というか、利益相反のないようにしてまいりたいと考えているところでございます。
○宮本(徹)委員 公平中立な評価のために公表を一人一人についてしていないというお話だったんですけれども、公平中立な評価をするためには利益相反がないということがやはり大前提になるわけですよね。しかし、それが今は自己報告任せだということになっていて、国民は、本当にそれが利益相反があるのかないのかというのは確かめようがないというわけですよ。二〇〇九年の新型インフルエンザの頃は公表されていたというお話も伺ったんですけれども、やはりちゃんとやるべきじゃないですか。
○鎌田政府参考人 お答えいたします。今委員から御指摘ございましたように、二〇〇九年の新型インフルエンザワクチンに関する審議会資料につきましては、評価結果とともに、評価を実施した専門家の氏名というものを掲載してございました。ですが、その後、やはり評価に関わった専門家の名前まで書くということにつきましては、公平かつ中立的な立場での科学的評価に支障を来すおそれがあると考えられましたので、まず専門家のリスト一覧という形で公表するとともに、また、当然、個別の評価というものは出して、それをまた審議会なり、あとは他の専門家で併せてチェックするとかいうことで保っておりますし、自己の、最終的には、どんな利益相反関係があるか、どういった会社に就職等しているかについては、最終的に御本人に確認の必要があるということで、御本人にそうした利益相反に対する考え方なり手続を徹底するという方針を取っているところでございます。
○宮本(徹)委員 ですから、何度も申し上げますけれども、自己申告だけではチェックし切れないというのが、やはり私は今回のことの一つの教訓だと思いますので、その点は是非再考を願いたいというふうに思います。情報不足で評価不能と判定されたという方が今回の新型コロナのワクチンでもたくさんいらっしゃるわけですけれども、もしその中に、あってはいけないことですけれども、判定を評価している人の中に利害関係者がもし仮にいたとしたら、これはもう遺族の方からしたら本当に納得できない話になっちゃうわけですから、是非ここは本当によく考えていただきたいなということを申し上げておきたいと思います。次に、参考人質疑で、薬害オンブズパースン会議の水口弁護士から、制度目的にふさわしい取消しを行う上で、緊急承認ではなく緊急使用許可がよいのではないかという指摘がございました。アメリカの緊急使用許可の場合は、例えば、ロナプリーブがオミクロン株への有効性が低いとして現在使用は許可されていません。ゼビュディもオミクロン株BA・2への有効性が低いとして現在使用は許可されていません。緊急承認では、こうしたケースはどのように対応されるんでしょうか。
○鎌田政府参考人 まず、事実関係でございますけれども、アメリカでEUAを受けた中和抗体につきましては、取消しということはされておりませんで、許可の対象の制限という形で、当該中和抗体薬が感受性のない新型コロナウイルスにより感染症が引き起こされていると考えられる地域は許可の対象外という扱いで、そこで使ってはならないというふうな扱いになっていることで、それは、EUAのときは、許可を取り消す場合には、英語でリボークと言うらしいのですが、それとは異なるというものと承知しているところでございます。その上で、日本におきましても、特例承認いたしました中和抗体につきまして、承認条件に、有効性が減弱するおそれがある変異株が流行している場合には、適正な使用が確保されるよう必要な措置を講じることとしております。これに基づきまして、ロナプリーブにつきましては、オミクロン株に対して有効性が減弱するおそれがあることから推奨されないという注意喚起をしたという事実関係でございます。それで、緊急承認制度においても、変異株の感染状況等を踏まえて、それによって対応は異なりますが、中和抗体薬が適正な使用が確保されるように取り組んでいきたいと考えているところでございます。
○宮本(徹)委員 私も念のためFDAのホームページを見て、リボークというのが取消しで、あと、今のロナプリーブはノット・カレントリー・オーソライズドと、今は許可されていないというのは確認はして、違う扱いになっているというのは確認しましたけれども、臨機応変に、効果がなくなったらこれは推奨できないんだというのをしっかり徹底する運用にしていただきたいと思います。次に、これも参考人質疑で指摘された点ですけれども、緊急承認制度の前に、この間の批判的総括が必要だという指摘がございました。そこで、アビガンが追加購入されることになった経過についてお伺いをいたします。二〇二〇年四月七日に当時の安倍首相が記者会見で、観察研究の仕組みの下、希望する患者への使用をできる限り拡大する、そのためにアビガンの備蓄量を現在の三倍、二百万人分まで拡大する、こう述べられました。百五十九億円の税金を使って二百万人分を備蓄しました。しかし、その後、アビガンは、新型コロナウイルス感染症に対する有効性を国内の試験でも海外の試験でも示すことができておりません。そして、元々このアビガンは、強い催奇形性など副作用が様々指摘されていたわけでございます。私、参考人質疑の水口弁護士の指摘を踏まえて、改めて、承認時、二〇一四年二月三日の薬食審の議事録を読んでみました。今日、資料で、五ページ目から八ページ目まで、抜粋してつけておりますので、是非皆さんも見ていただけたらと思いますが。とにかく委員からは、高病原性のインフルエンザウイルス感染症に有効だとする理由が不明だという指摘が相次いでおります。PMDAの側も、御指摘の部分はまだ明確になっていない、こう回答しているんですね。結局、いろいろ議論して、あしたにも来るかもしれないパンデミックに備えてこれは一刻も急がなきゃいけないんだということで、一般に流通するわけではないからといって承認したというのがこのアビガンだったわけです。そこで、お伺いしたいんですけれども、安倍首相がこうやって二〇二〇年の四月七日、もう二年前になりますけれども、アビガンを更に追加購入していくんだということを決めた際に、この二〇一四年の二月三日の薬食審の議論のようなことはどこまで皆さんの中で共有をされていたのか、閣僚レベルまでちゃんと伝わっていたのか、科学的エビデンスが委員から疑問を呈されていたものだったというのは知っていたのか、この点をお伺いしたいと思います。
○後藤国務大臣 アビガンについては、平成二十六年二月三日に開催された薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会において、新型又は再興型インフルエンザウイルス感染症の治療薬としての承認の可否について審議をされております。審議の結果、他の医薬品と同様に有効性、安全性が確認されて承認を可とされたものと承知をいたしております。また、令和二年四月七日に閣議決定された新型コロナウイルス感染症緊急経済対策において、アビガンは新型インフルエンザの治療薬として承認を受けているが、その効能や副作用、使用上の注意事項について十分な周知が必要であることに留意しつつ、令和二年度内に二百万人分の備蓄を目指すこととされました。これを受けてアビガンの追加購入を行っており、閣議決定の過程において、当時の総理及び厚生労働大臣に対しても適切に報告がなされたものと承知しております。
○宮本(徹)委員 適切にの中身をお伺いしているんですね。薬食審で決まっていますよというふうに、単なるそういう形で伝えたのか、あるいは、先ほど通常と同じようにやったという話ですけれども、議事録を読む限り、こんな形で承認したことはないという発言が委員の中から相次いでいるわけですよ。極めて異例な承認がやられたわけでございます。そういうことをちゃんと伝えていたのかということをお伺いしているんです。
○鎌田政府参考人 先生御指摘の、そしてまた資料としてお配りいただいた二月三日の薬食審の議事録でございますけれども、これは確かに審議の過程においてアビガン錠の有効性を示す臨床試験の成績が乏しいというような否定的な意見が表明されましたが、そうした議論を経まして、まさに新興あるいは再興インフルエンザの感染症治療薬として、使用条件を付して承認するというふうになったものでございます。様々な条件がございますけれども、そのうちの一つが、追加の臨床試験が確認されるまでは製造してはならないというものがございまして、実はその追加の試験が幾つか行われまして、その試験におきまして、例えばプラセボ対照で有効性が確認されたとか、あるいは、追加試験で新型インフルエンザに関しても高有効性が再確認されたとかいうことができましたので、この承認は是とされたというか、改めて審議されなかったことでございますので、今大臣が申し上げましたように、そうした薬食審で承認されて、使用上の注意ですとかそういったものを伝えれば、十分にその内容が伝わっているものと考えるところでございます。
○宮本(徹)委員 この二〇一七年の追加の試験、二つのうち一つは、ちゃんとした有効性が示されていないんじゃないですか。一方は示されたそうですけれども、もう一方はちゃんとした有効性がはっきり示されていなかったんじゃないですか。
○鎌田政府参考人 追加の試験、これは添付文書にも記載してございますが、二つの試験がございまして、一つは、有意差があると確かに出ております。もう一つについては、統計上の有意差というものに達しませんけれども、本剤群、つまりアビガン投与群とプラセボ群を、投与すると、アビガン投与群の方が有意な結果であるというふうに読めるというものでございます。
○宮本(徹)委員 二つのうち一方しか統計上の有意差は示さなかった、それぐらい、ちゃんとした有効性というのは示せていなかったわけですよ、その後の臨床試験でも。元々、普通のインフルエンザに効かないものが何で新型インフルエンザだったら効くのかという根本的な疑問が薬食審でも出されていたわけですよね。その後の臨床試験でもなかなかはっきりしない、すかっとした有効性が示せなかったわけですよ。そういうものだということを、本当にちゃんとどこまでみんなで共有していたのか。あるいは、知っていて、いや、アビガンは効きそうですよということで、政治家が先頭になって社会に向かってあおるようになっていったというのだったら、本当に大変問題な経緯だったというふうに私は思います。私はこの経過というのは検証が必要だと思いますよ、検証が。そのことを強く申し上げておきたいというふうに思います。ちなみに、最後に一点だけアビガンの問題で確認しますけれども、二〇二〇年の四月のこの安倍元首相のアビガン追加購入に至った判断というのは、誰がイニシアチブを発揮して決めたことなんですか。
○後藤国務大臣 アビガンは、新型インフルエンザの薬として備蓄していたところ、新型コロナウイルス感染症の治療薬の候補として更に追加で購入し、その治療薬として現時点で約二百万人分を保管しております。アビガンについても既に新型インフルエンザ用治療薬として薬事承認されておりまして、一定の安全性が確認されていたことを踏まえまして、今回のパンデミックの初期段階に危機管理の観点から購入することとしたものでありまして、政府として、令和二年四月七日に新型コロナウイルス感染症緊急対策を閣議決定し、備蓄を行いました。
○宮本(徹)委員 私は、誰がイニシアチブを取ったんですかというお話を伺ったんですよね。政府としてというふうに答えられたら、大変困る答弁なんですね。だって、様々、当時治療薬の候補が挙がっている中で、アビガンだけが選ばれていったと。しかも、調べれば調べるほど、大変、薬事承認の過程から科学的エビデンスに疑問を呈されてきたものだったわけでございます。これは本当に検証が必要だと思いますよ。是非、その点、政治が何らかの力でこれを特別視して選んでいたとしたら大変問題だと思いますので、しっかり検証していただきたいと思います。残された時間で、電子処方箋についてお伺いをしたいと思います。今回、電子処方箋の発行、利用は、保険証で受診した場合もマイナンバーカードの場合も、どちらでも利用可能ということとされております。現実には、今、多くの人がなじみのある保険証を使っているというのが医療機関にかかるときの実態だと思います。そうであるならば、保険証の受診時にも、医療機関等が直近の処方、調剤情報等の閲覧をできるようにすべきではないのか、あるいは、マイナポータルで得られるような過去の処方内容を本人が確認できるようにすべきではないかと思いますが、いかがですか。
○鎌田政府参考人 お答えいたします。御指摘のとおり、マイナンバーカードでの本人確認ができない場合、いわゆる被保険者証だけで受診された場合には、他の医療機関での過去の処方ですとか調剤情報は閲覧できないこととなります。ただ、これは、過去の処方、調剤情報というものが要配慮個人情報に該当すると。要配慮個人情報の閲覧については、個人情報の保護の観点から、医療機関等であっても本人同意を得る必要があるということでございまして、これは電子処方箋に限らず、他の電子的なアクセスで個人情報にアクセスする場合も同じような扱いになっているということでございます。なお、先生からもちょっと御紹介いただきましたが、患者本人は、処方内容を確認できますように、マイナポータルでそれができるようにしますし、また、当分の間は紙の処方情報をお渡しするという対応をしたいと考えているところでございます。
○宮本(徹)委員 保険証の場合も本人同意を得る仕組みをちゃんとつくればいいだけではないかというふうに思いますので、その点の改善を求めまして、時間になりましたので質問を終わります。

≪2022年4月15日 第208回衆院厚生労働委員会第14号 議事録 2回目・対総理質疑抜粋≫

○橋本委員長 次に、宮本徹君。
○宮本(徹)委員 日本共産党の宮本徹です。総理に基本的な認識をまずお伺いしたいと思います。ペーパーを見なくても大丈夫です。新型コロナの感染経路、とりわけ重視すべきはエアロゾル感染か、飛沫感染か、接触感染か。総理はどうお考えですか。
○岸田内閣総理大臣 急な御質問ですが、私の認識を申し上げるならば、たしか飛沫感染からエアロゾル感染の可能性は専門家も指摘をしていると思います。空気感染についてはいろいろな議論があったと記憶しております。
○宮本(徹)委員 今、ホワイトハウスのホームページも、エアロゾル感染が主要な感染経路だというふうに、今書かれるようになってきているのが現状であります。それも前提にしながら、今現状では、都市部では高い感染者数が続いております。そして、資料をお配りしておりますけれども、アドバイザリーボードに出ていた資料ですが、沖縄県では、感染が広がる中で、高齢者施設での感染が再び増えてきているのが現状です。入所者の皆さん、通所施設も出ていますけれども、ワクチンの効果が早くも落ち始めているのではないのか、こういう懸念の声も出ております。高齢者施設が再び主戦場になるのではないか、こういう指摘も出てきております。命と医療体制を守りながら、同時に、行動制限は必要最小限にして日常を取り戻していく。この上で本当に大事な点が幾つかあると思いますが、基本は、当然、この間議論されていますように、希望される方々へのワクチンの接種を進めるというのはあるんですけれども、同時に、重症化リスクが高い方々が多い高齢者施設への集中的な感染対策、あわせて、社会全体でのエアロゾル感染対策の抜本的な強化というのが私は必要だということを、ずっと、それこそこの二年、申し上げ続けてきております。そして、高齢者施設の感染対策という点でいえば、もちろんワクチン接種も当然あるわけですが、これは今進めているところでございます。あわせて、換気をもっと徹底してやらなきゃいけない。そして、あわせて、感染源対策としての検査ですよね。ここの場で尾身会長からは、高齢者施設の職員の検査については週二回、これは理想だという答弁はいただきましたが、なかなか大臣からは現場との関係では苦労しているんだという答弁だったのを覚えております。ですけれども、やはり、ニューヨーク州なんかはもう二〇二〇年の段階から、高齢者施設は感染拡大期は週二回の検査をやっていたんですよ、職員の方々に。日本でできないはずがないと思うんですよね。是非、高齢者施設で感染拡大を封じて命と医療を守っていく、そのためにも頻回検査、週二回以上、これを検討していただきたいと思うんですね。総理、いかがですか。
○岸田内閣総理大臣 重症化リスクが高い方々が入院、入所している高齢者施設や医療機関において確実に感染対策を行っていくこと、これは重要であり、より頻回の検査を実施することは有効であることをお示しし、そして定期的な検査、これは進めるべきだと思います。ただ、その頻度等については、専門家あるいは厚生労働省の判断において、具体的にどれだけの頻度で行うのか、これは是非詰めてもらいたいと思っています。
○宮本(徹)委員 一年前にここで尾身さんと議論して、週一回までは来たんですよね、できるだけ週一回と。だけれども、オミクロン株というのは、世代間隔というのは二日台だと言われているわけですね。AさんからBさんにうつるのが二日台なんですよ。それはデルタ株以前とは違って短くなっているわけですね。ですから、より一層、頻回検査というのは頻度を上げなければ、有効性は落ちているわけですよ。そこはもう総理の決断だと思うんですよね。総理の決断。是非、ここをしっかり守っていくということができたら、もちろん高齢者の方々の命を守る上でも、そして医療体制にとっても物すごい負荷がかかるということは減らせると思うんですね。是非、総理の御聡明な判断をいただきたいと思います。
○岸田内閣総理大臣 今申し上げたように、定期的な検査、この重要性、必要性、これは認識をいたします。そして、どれだけの頻度が有効なのかということについては、今たちまち私も材料を持ち合わせておりませんので、是非、専門家の意見も聞きながら、頻度を上げていく、こうしたことは大事だと思います。そして、高齢者施設におけるこうした定期検査と併せて、社会全体を考えた場合に、抗原定性キットを始めとする検査キットを活用することで、社会全体の安全性と、そして社会経済活動を動かしていく、こうしたことについて努力をしていく、こういった姿勢は重要であると思っています。
○宮本(徹)委員 頻度を上げるのは重要だという答弁をいただきました。専門家の意見を聞いてと言いましたけれども、尾身さんはこの場で、週二回の方が理想的ですという答弁は既にいただいておりますので、科学的には結論ははっきりしているということを申し上げておきたいと思います。もう一点ですけれども、社会全体のエアロゾル感染対策で、ここでも前に紹介したことがあるんですけれども、アメリカのバイデン政権は、新型コロナ対策の計画の柱の一つとして換気対策を掲げました。三月十七日にアメリカの環境保護庁も室内空気清浄チャレンジというのを公表して、予算もつけて換気対策を進めていくということを示しているんですね。政府の戦略として、どう換気を進めていくのか、そのことによって感染しにくい社会づくりをどう進めるのか、こういう探求を是非していただきたいと思うんですが、総理のイニシアチブを発揮してください。よろしくお願いします。
○岸田内閣総理大臣 新型コロナの感染経路につきましては、飛沫やエアロゾルの吸入、接触感染であると認識しており、引き続き、国民の皆様には、マスクの着用、手洗い等の手指消毒、三密の回避、換気への協力を呼びかけているところですが、政府としましても、飲食店など不特定多数の人が利用する施設等を対象に高機能換気設備の導入を支援するなどの取組を行っているところです。是非これからも、この換気対策についても、政府としてしっかりと取り組んでいきたいと考えます。
○宮本(徹)委員 是非、経済対策の中でも、換気対策、これは本当に、命を守る上でも経済を回す上でも極めて大事だと私は思っておりますので、補正予算を組んで、しっかりつけていただきたい。そのことを申し上げまして、質問を終わります。