性暴力第三者委調査を 元自衛官、防衛省に署名提出

 自衛隊の訓練中に受けた性被害を実名で告発している元陸上自衛官の五ノ井里奈さんが31日、防衛省を訪問し、自身が受けた性被害について第三者委員会による公正な調査の実施を求めるオンライン署名10万5296人分を提出しました。
 五ノ井さんは、2021年6月、8月に複数の男性自衛官から性暴力を受けました。自衛隊の警務隊に被害届を提出するも不起訴処分となり、検察審査会に不服を申し立てています。
 五ノ井さんは、署名とともに自衛隊関係者146人から寄せられたハラスメント経験に関するアンケート結果を木村次郎政務官に提出。「第三者委員会を立ち上げ、厳正な再調査や処分、謝罪を求める。この声を無駄にせず、隊員が安心して勤務できる環境をつくってほしい」と訴えました。
 提出後の会見で、五ノ井さんは「孤独でたたかい、先が見えない状況だった。多くの人の協力をいただき、署名を提出できたことを感謝します」と語りました。10万人超の署名について、「多くの方が勇気を出して署名していただいた。いろんな方の思いがこもった署名だ」と強調。五ノ井さんによると、木村政務官は第三者委員会の設置について「意見は受け止める」と述べるにとどめたといいます。
 要請には、日本共産党の宮本徹、本村伸子両衆院議員をはじめ立憲民主党、社民党、れいわ新選組の国会議員が同席。宮本氏は会見で「国会で防衛省内での人権侵害がなくなるよう取り組みたい」と述べ、本村氏は「勇気をもって告発した五ノ井さんを孤立させないために超党派で支援したい」と語りました。

以上2022年9月1日付赤旗日刊紙より抜粋