日本共産党の宮本徹議員は5日の衆院財務金融委員会で、待機児童問題をとりあげ、待機児童となっている保育士のこどもの優先入所の手立てを急いでとることを求めました。
宮本議員は、都内の保育園長らからの聞き取りをリアルに紹介しながら、国が「保育士のこどもの優先利用」の事務連絡を自治体宛にだしたにもかかわらず、保育士自身のこどもが待機児童になり、職場にもどれず育休を延長になった人が相当な人数にのぼると指摘。
保育士確保が大事なときに、このまま育休の期限がきて職場にもどれなくなる。早急に実態調査をおこない、保育士が職場にもどれるよう対策をとることを求めました。
三ッ林裕巳厚労政務官は、「保育士のこどもを優先利用の対象とすることは保育の受け皿確保に資する。自治体への周知徹底を図り、今後実態把握につとめたい」と述べました。
宮本議員は、「自治体からは『国ががっちり制度をつくってほしい』という声がでている」と指摘。自治体まかせの通知を繰り返すだけではなく、国がイニシアチブを発揮して、こどもが待機児童となり復職できていない保育士について、自治体を通じて全て把握し、具体的な対策をとるようせまりました。
三ッ林政務官は「各自治体の取り組みをうながして、早急に対応したい」と述べました。

以上2016年4月8日付赤旗日刊紙より抜粋

日本共産党の宮本徹議員は5日の衆院財務金融委員会で、相続税を支払うために農地を売らざるをえなかった清瀬市や東久留米市の農家の実情を示し、都市農業を守るための税制上の措置を強く求めました。
加藤寛治農林大臣政務官は、策定中の都市農業振興基本計画で「農業者の要望を踏まえて、保全すべき農地の資産価値や農業収入に見合った保有コストのありかた、生産緑地などを貸借する場合における相続税の納税猶予のあり方について検討している」と述べました。
宮本議員は、「政府の検討項目だけでは都市農業を守るためには不十分だ。農家には農地以外にも、納屋、屋敷林、農作業の場所もあり、これらについても、固定資産税の抜本的軽減や相続税増税猶予制度の適用が必要だ」と求めました。
加藤政務官は「都市農業基本計画案にかかるパブリックコメントでは、相続税納税猶予の適用を求めるものが一定数あったのも事実であり、課税の公平性等に考慮しながら、慎重に検討したい」と述べました。
宮本議員が都市農業を守るための税制について、次年度の税制改正でふみきることを求めたのに対し、麻生大臣は都市農業が多様な機能を発揮している認識を示しながら、「都市農業の相続税の猶予や市街化区域の農地の保全など、関係省庁と詰めていく」と述べました。

以上2016年4月9日付赤旗日刊紙より抜粋

≪第190回 衆院財務金融委員会 号 2016年4月5日 議事録≫

○宮下委員長 次に、宮本徹君。
○宮本(徹)委員 日本共産党の宮本徹です。まず初めに、きょうは保育士の子供の待機児童の問題について少しお伺いしたいと思います。新年度が始まり、保育園も新しい園児を迎えました。しかし、保育士の子供が待機児童になって、保育士さんが育休から復帰できないまま新年度を迎えた保育園もたくさんあります。私の近所のある民間の認可保育園の園便り、ここにも悲鳴が書かれております。園の保育士も自分の子供を入園させるのに悪戦苦闘、一人は保育園に入れられず育休延長、もう一人は何とか自治体基準の地域型保育園に入れたものの、認可保育所と違い、制約が大きく、フルタイム勤務が困難な状況ですということが書かれております。同じ目黒区内の別の民間の認可保育園の園長さんにもきのうお話を伺いましたが、ここは、育休三人のうち二人は復帰できたけれども、もう一人は、手だてを尽くしたけれどもどこにも入れずに、育休を延長せざるを得なかったということです。東京だけでも認可保育所、認証保育所で三千近くありますので、こういう方は相当な数に、千の単位になるというふうに思います。保育園の側は、今、延長保育が求められていますから、夜八時十五分ぐらいまでやっているところも少なくありません。そうすると、早番、遅番のシフト、残った保育士さんが回数がふえて、保育士さんの労働環境は厳しくなる。保育士確保が大事なときに、逆に保育士を続けるのが困難な状況が生まれております。そして、育休を延長した保育士さんも、育休ですから、どこまでも延長できるわけじゃないわけですよ。きのう伺った話では、その保育士さんは、育休延長したけれども、期限は七月までだ、ここまでに復帰できなければ、本人の意に反して潜在保育士になってしまうということであります。厚労省と内閣府は、ことしの二月十五日に事務連絡を出して、「保育士等の子どもを対象とする保育所等の優先利用等について」という文書が出ていますが、出たのは二月十五日ですから、第一次の入園選考が終わるころで、これは遅過ぎたと思うんですよ。三月末に発表された政府の緊急対策でも「保育士の子どもの優先入園」というのが掲げられておりますが、今の待機児童問題解決にとっても至急実効ある手だてをとっていく必要があるというふうに考えております。厚労省にお伺いしますが、実際に、保育士の子供の優先利用ができている自治体というのはどれだけあるのか、あるいは、育休から復帰できないあるいはフルタイム復帰できない保育士がどれぐらいいるのか、早急に実態をつかむ必要があると思いますが、いかがでしょうか。
○三ッ林大臣政務官 宮本委員にお答えいたします。平成二十六年九月の内閣府、文部科学省、厚生労働省の三府省連名の通知におきまして、保育士の子供については保育園等を優先的に利用することができることを自治体宛てに示しております。また、本年二月にも再度、保育士の子供についての優先利用に関する周知を事務連絡により行うとともに、同月に開催された全国児童福祉主管課長会議の場においても周知を行ったところでございます。保育士の子供を優先利用の対象とすることは、保育士確保につながり、保育の受け皿拡大にも資するものと考えており、引き続き周知徹底を図っていくとともに、実際にそのような運用を行っている自治体について、今後その実態把握に努めてまいりたいと考えているところでございます。
○宮本(徹)委員 それで、自治体の側がなぜその仕組みをつくっていないのかというのも少し聞いたんですけれども、これだけ待機児童がいる中で、保育士を優先する制度をうちの区でつくったとしたらクレームが来るんじゃないか、こういうちゅうちょがあるというんですね。ですから、自治体に連絡を出して、やれるところはやってくださいというんじゃなくて、保育士は優先的に入れるようにするんだ、そういうがっちりした制度を国としてつくってほしい、こういう要望があります。ですから、周知するだけじゃ足りないと思っているんですね。事は具体的ですから、どこの園の○○先生が入れなくて待機児童になっているというのをやはり自治体を通じて全部具体的に把握するというのが必要だと思うんですよ。それで、きのう話を伺ったのは目黒区内の保育士さんですけれども、住んでいるのは横浜市ということです。だから、居住地と勤め先の保育園が都県をまたいでいるというのは、東京の場合、たくさんあります。ですから、国が相当なイニシアチブを発揮して、急いで実態をつかんで、保育士さんが職場に戻れるようにする対策を打つ必要があると思うんですが、いかがでしょうか。
○三ッ林大臣政務官 お答えいたします。保育士が自身の子供を保育園などに預けて保育現場で働けるよう環境整備を行うことは、保育士確保につながり、より多くの子供の保育の利用を可能とするものと考えております。こうしたことから、与党からの提言も受け、三月二十八日に厚生労働省が公表した「待機児童解消に向けて緊急的に対応する施策について」においても、「保育士の子どもの優先入園を推進する。」旨を盛り込んだところでございます。また、平成二十七年度補正予算におきましては、保育士修学資金貸付等事業に、新たに未就学児のいる保育士に対する保育料の一部を貸し付けするメニューを創設し、一定期間勤務すれば返済を免除するとともに、保育士の子供を優先入園させるよう調整等を行うこととしております。国としても、自治体に向けた周知のさらなる徹底を図るとともに、引き続き各自治体の取り組みを促してまいりたいと考えているところでございまして、早急に対応したいと思っております。
○宮本(徹)委員 ですから、柱立てができているのはわかるんですけれども、自治体への周知だけじゃなくて、やはり、国として制度をつくっていく、そこまで踏み込んでいかなきゃいけないと思いますし、もう育休が延長しても切れちゃう人たちがいるわけですよ。そうなる前に復帰できるように具体的な策を検討していただきたいというふうに思います。続きまして、きょうは都市農業と税制の問題についてもお伺いしたいというふうに思っております。昨年、都市農業振興基本法が制定されました。長年、政府の政策では、都市の農地は宅地化しようという方向があったわけですけれども、この法律をきっかけに、都市の農業はあるべきものだ、保全しなきゃいけないという方向に転換をいたしました。東京でいえば、この十年間で農地は二割、約一千ヘクタール減っております。一番の原因は、相続のときに相続税を払うために農地を売らざるを得ないからです。ですから、都市農業は三代で消えるというふうに言われております。先日話を伺った清瀬市の農家の方も、相続のときにウン億円払うために農地四分の一を手放さざるを得なかったとおっしゃっておりました。東久留米でも、話を聞いた方は、以前はホウレンソウ農家、市内でも中心の農家だったわけですけれども、相続で農地は今は数分の一になって、市場出荷もしなくなっているという状況です。今、都市農業振興基本計画が検討中ですが、パブリックコメントでも一番多く寄せられた意見というのは、税制上の措置をしっかりとってほしいということでした。農水省にお伺いしますけれども、都市農業を未来にわたって守るためにはどういう方向での税制上の措置が必要だとお考えなんでしょうか。
○加藤大臣政務官 お答えいたします。都市農業に重要な農地の保全と税制は密接な関連がありますので、その保全を図るために税制のあり方を検討することは重要な課題と認識をいたしておるところでございます。このため、現在、農林水産省及び国土交通省で策定をしている都市農業振興基本計画の案においては、農業者等の要望を踏まえて、保全すべき農地の資産価値や農業収入に見合った保有コストのあり方、そしてまた、生産緑地等を貸借する場合における相続税の納税猶予のあり方について、課税の公平性、政策的意義、土地利用規制とのバランス等を踏まえて検討することといたしております。今春をめどに都市農業振興基本計画を政府として決定をした後に、土地利用規制等の措置を含めた法制度、都市農業の継続に必要な税制上の措置について検討を進めてまいりたいと考えております。
○宮本(徹)委員 今お話しあったように、生産緑地の相続税納税猶予は、貸し出した場合も含めて対象にしようという検討、あるいは、生産緑地に指定されていない市街化区域内農地の固定資産税の軽減などが検討をされているわけですけれども、これだけでも足りないというふうに思うんですよ。農家は、自宅の敷地も広いわけですね。納屋もあります。農作業の場所もある。屋敷林がある場合も少なくありません。ある都内の農家の方、家族六人で農業をやって、収入は五百万だと。だけれども、固定資産税は幾らか、百万かかるということでした。東京の多くの農家は、農業収入だけでは暮らせませんので、多くの場合、アパートやマンション、不動産を持っています。不動産収入と合わせて暮らしているわけですよ。そして、相続のときにはこれにも相続税がかかるということになりますから、大体、不動産を売るのか農地を売るのか、こういう悩みに突き当たるわけですよ。ですから、可能な限り相続税を軽くする支援をしないと、都市の農地を守ろうと思っても、どんどん減っていくということが続くと思います。そこで、お伺いしますけれども、やはり事業用宅地だとか農業用施設用地だとか屋敷林についても、固定資産税の抜本的な軽減だとか、あるいは、相続税納税猶予制度の適用というのが必要になってくるんじゃないでしょうか。いかがでしょうか。
○加藤大臣政務官 お答えいたします。農業用施設用地や屋敷林などは、農地と比べて、権利移転等に係る厳しい規制が存在するわけではございませんので、このような現状では、相続税の納税猶予のような税制上の措置は、課税の公平性という観点から問題があるのではないかと考えておるところでございます。一方、都市農業振興基本計画案に係るパブリックコメントでは、農業用施設や屋敷林への相続税納税猶予の適用等を求めるものが一定数あったことも事実であります。このため、農業用施設用地や屋敷林等については、課税の公平性等を考慮しながら慎重に検討を進めてまいりたいと考えております。なお、都市農業振興基本計画案においては、屋敷林について、「緑地保全制度の活用等を促進するとともに、地域住民の参画による農業景観の保全活動の展開を推進する。」こととしておるところでございます。
○宮本(徹)委員 パブリックコメントで一定数意見が寄せられたとおっしゃいましたけれども、私もパブリックコメントの概要を見ましたけれども、一番多く寄せられている意見の一つが、農業用施設用地だとかも含めて相続税納税猶予を適用すべきだという意見でした。ですから、慎重に検討じゃなくて、どうやったら都市農業がしっかり残っていくのか、こういう見地で積極的に検討をしていただきたいというふうに思います。先ほどのお話でも、いよいよ都市農業振興基本計画が閣議決定されるということになりますので、今検討されているものについては次年度の税制改正ということで俎上に上ってくるのかなと思いますけれども、麻生大臣、都市農業をしっかり守っていくために、次年度には、税制改正そして予算で必要な措置をとっていく、この決意を伺いたいと思いますが、いかがでしょうか。
○麻生国務大臣 都市農業が必要だという話は、これは、新鮮な農産物の提供とかいう簡単な話から、いわゆる防災空間の確保という面も最近多く言われるところでもありますし、緑等々、農業体験の場の提供、いろいろ多様な機能というのを発揮しておりますので、重要な課題であるんだと認識をいたしております。したがいまして、都市農業振興基本計画というのを踏まえまして、今農林水産省の方から説明があっておりました都市農業に係る相続税の納税猶予のあり方とか市街化区域内の農地の保有に係る税負担のあり方等々について、税制改正のプロセスにおいて関係省庁とよく詰めてまいりますが、今、納屋等も対象にすべきだというお話があっていましたけれども、行ってみたら納屋に外車がとまっていたり、難しいんですよ、これはいろいろ現場を見ると。だから、そういったものをよく詰めませんと、現場に行ってみないとなかなかわからぬというのが実態であるということも頭に入れてやらないかぬところだと思っております。
〔委員長退席、松本(洋)委員長代理着席〕
○宮本(徹)委員 いや、私も都内の農家をよく回りますけれども、納屋に外車がとまっているのは一度も見たことはありません。本当に少ない収入の中で、懸命にやはり農家としての誇りを持ってやられている方ばかりですので、都市農業を守る重要性は麻生大臣もおっしゃっていますので、必ず次年度の税制改正をしっかりやっていただきたいというふうに思います。最後、残された時間で消費税の問題について一言質問をしたいと思います。四月一日に発表された日銀短観で、大企業のDIが大幅に悪化をいたしました。この原因について、先ほどのやりとりでは、アジアの新興国の経済が弱いからだという話もありました。外需頼みのやり方ではだめだということも言えるんだと思います。この間、大企業を応援するんだということで法人税減税をやりましたけれども、設備投資にも賃上げにも下請にも回らず、内部留保がふえただけでした。中小企業のDIも悪化しております。ですから、アベノミクスでは、トリクルダウン、経済の好循環はもう起きなかった、これが今度の日銀短観でも示されているんじゃないでしょうか。
○麻生国務大臣 先ほども話があっておりましたように、日銀の短観での話で、ディフュージョンインデックス、いわゆる業況判断が悪いパーセンテージがずっと並んでおったのは事実なので、弱さが見られるということも事実なんだとは思います。景気というのは、もう御存じのように、これは海外要因を含めてある程度循環があるのは事実ですので、例えば政権交代前と比べて見ますと、二〇一三年十二月の調査以降、いわゆる業況判断、プラスというのはゼロ以上ということですけれども、これが、中小企業のプラスがとにかくこれだけ長く、何年続いているんですかね、ずっと続いておりますのは、バブル期以来これだけ続いたことはありませんので、そういった意味では、いろいろなものの情勢というのをしっかり判断しつつ、民需主導の好循環というものができ上がっていくという方向に向けて取り組んでいかないかぬと思っております。私どもは、最初から、トリクルダウンなんといった話はよくされますけれども、トリクルダウンというのは言ったことはありませんので、経済全体のパイを大きくするという話をずっと申し上げ、賃金を引き上げるなどをやっていかねば経済の好循環が回っていかないんだということを申し上げてきたんだと記憶します。
○宮本(徹)委員 それで、中小企業のDIがプラスがこんなに長い間続いたことがないというふうに今おっしゃいましたけれども、日銀短観を見ましても、中小企業製造業はマイナス四になったわけですね、今回。そして、先行きはマイナス六ということで落ち込んでいるわけです。そういう見通しになっているわけですよ。しかも、国民生活を見れば、実質賃金は低下している、実質の可処分所得も大きく減っている。個人消費が大きく落ち込んでいることが、経済の好循環が生まれない根底にあるわけですよ。ここまで日銀の短観でも経済状況は悪化してきているわけですから、消費税増税はきっぱり中止すべきじゃないですか。
〔松本(洋)委員長代理退席、委員長着席〕
○麻生国務大臣 これは、先ほども同様の御質問がありましたのでお答えをしておりますとおりでありまして、総理がこれまで述べられておられます方針について、いわゆるリーマン・ショック、また大震災等々の大きな状況変化が起きない限り、こういったものに対しては、基本的に我々は、その他の指標を見ましても、経済状況としてはファンダメンタルズはしっかりしておると思って、一年半前とは極めて状況は違っておるという認識を持っております。
○宮本(徹)委員 ファンダメンタルズはしっかりしていると言いますけれども、日銀の短観でもここまで悪化してきているわけですよ。ですから、国際金融経済分析会合で学者さんの意見を聞くのも大事なことかもわからないですけれども、世界の経済分析だけじゃなくて、やはり日本の経済の現状、国民の暮らしの現状にしっかり目を向けて、消費税増税は中止すべきだと申し上げまして、質問を終わります。