2017年2月15日 財務金融委員会 米兵器開発に大学動員

日本共産党の宮本徹議員は15日の衆院財務金融委員会で、トランプ米大統領と安倍晋三首相による日米共同声明(10日)に「防衛イノベーションに関する二国間の技術協力を強化する」と明記された問題を取り上げ、大学研究が日米の兵器共同開発に動員される危険を告発しました。
宮本氏は、防衛省の「防衛白書」にある米国の「国防イノベーション構想」のなかで、同国が軍事作戦上、技術上の優位性を維持拡大するために民生技術の活用と民間部門との緊密な連携を打ち出していることを指摘。「防衛省が始めている、大学の研究者を軍事研究に巻き込む『安全保障技術研究推進制度』の研究成果が、日米の武器共同開発に利用されることになるのでは」と追及しました。
若宮健嗣防衛副大臣は、「研究成果を活用するかどうかは、今後の研究成果やいかなる日米共同開発を行うべきかを踏まえて検討する」と述べ、利用の可能性を認めました。
宮本氏は、学術会議の議論の中でも、軍事研究に対し多数の研究者から否定的な意見が上がっているとして、「世界で違法な無人機攻撃などを繰り返す米国の兵器開発に、日本の大学研究を巻き込むことは許されない」と述べました。

以上2017年2月17日付赤旗日刊紙より抜粋

≪193回 衆院財務金融委員会 第2号 2017年2月15日議事録≫

○御法川委員長 次に、宮本徹君。
○宮本(徹)委員 日本共産党の宮本徹です。大臣所信について質問いたします。麻生大臣は所信で歳出改革の取り組みを強化するとおっしゃいましたが、私も再三指摘しておりますが、軍事費は聖域になっております。先日行われました日米首脳会談の共同声明でも、「日本は同盟におけるより大きな役割及び責任を果たす。」とされました。日米同盟の中での日本の役割の強化が打ち出され、軍事費が一層増大する危険がメディアでも指摘されているという状況であります。安倍総理は共同記者会見で、東シナ海、南シナ海、インド洋、いずれの場所であろうとも、航行の自由を認め、法の支配に基づく国際秩序が貫徹されなければならない、こう述べられました。南シナ海、そしてインド洋、これが東シナ海と並列で述べられたわけですが、一体、南シナ海、インド洋で、どんなより大きな役割を日本が果たそうというんでしょうか。
○若宮副大臣 お答えさせていただきます。委員御指摘の、日米共同声明におきますところの「日本は同盟におけるより大きな役割及び責任を果たす。」という旨が発表されました。これは、我が国といたしましては、国際協調主義に基づきます積極的平和主義の立場から、我が国の安全及び国際社会の平和と安定及び繁栄の確保にこれまで以上に積極的に寄与していこうという方針でございまして、日米同盟の中でもみずからが果たし得る役割の拡大を図っていくことを述べたものでございます。また、日米防衛協力のための指針、いわゆるガイドラインでございますけれども、この中で、宇宙とかサイバーですとかこういった新たな分野、これはまさに国境がなくなって、非常に、どこから来るかわからないというようなものでございますので、我が国といたしましては、これまで以上に役割を果たすことによって日米同盟全体の抑止力、そしてまた対処力というのを強めていかなければいけないのではないかなという考え方でございます。いずれにいたしましても、今回の共同声明につきましては、我が国の役割について、今委員が御指摘になられましたような具体的な地理的な範囲というものを決めたわけではないというふうに御理解いただければと思っております。
○宮本(徹)委員 地理的な範囲を決めたものでないと言いながら、総理は共同記者会見で、南シナ海、インド洋、こういうところまで東シナ海と並べて言っているわけですよね。安保条約で定めている極東の範囲からはるかに広い地域ですよね。インド洋といえば、アメリカの第七艦隊が守備範囲としているところですよ。そこまで含めて自衛隊が一緒になってどこまでも活動していくという方向に踏み出そうとしているんじゃないか、こういう懸念があります。麻生大臣にお伺いしますが、日本が同盟におけるより大きな役割及び責任を果たす、こういうことになれば、この間膨れ上がってきた防衛省予算、軍事費が一層増大する、これは必定なんじゃないですか。
○麻生国務大臣 共同声明で述べられております、日本の日米同盟におけますより大きな役割及び責任とは、日本として、国際協調主義のもとで、いわゆる積極的な平和主義という立場から、日本の安全及び国際社会の平和と安定及び繁栄の確保というものにこれまで以上に積極的に寄与する方針であります。したがって、日米同盟の中でもみずからが果たし得る役割の拡大を図っていくとの決意を表明したものだと理解をいたしております。したがって、共同声明におけるこのような決意の表明によって直ちに防衛関係費が増大するとの御指摘は当たらないと存じますし、いずれにいたしましても、防衛力に係る経費につきましては中期防衛力整備計画で定める総額の枠内で計画的に予算編成を行っているのは、御存じのとおりです。
○宮本(徹)委員 直ちにふえることはないというふうにおっしゃいますが、実際は中期防以上のペースで防衛費はふえているというのを私は何度も指摘してきましたし、補正予算まで使って防衛費は積み増しを毎年毎年されているというのが現状であります。トランプ大統領は、会談後の共同記者会見でこうおっしゃいました。日本と米国がともにこの同盟に大量の投資を続け、防衛体制と防衛力を増強することが重要だ、インベスト・ベリー・ヘビリーということをおっしゃっているわけですね。この発言にかかわっての産経新聞の報道を見ますと、日米政府筋の話として、貿易不均衡の解消の秘策として、F35戦闘機といった最先端の武器の大量調達に加え、新型兵器の共同開発を水面下で模索、こういうふうに書かれております。アメリカ製の兵器の購入を一層ふやしていく、これを水面下で模索している、こんな検討はされているんでしょうか。
○若宮副大臣 今委員が御指摘になりました二月十二日の産経新聞の報道につきましては、私も承知をいたしているところでございます。今委員が御指摘になりました戦闘機F35を初めとする私どもの防衛省・自衛隊の装備品でございますけれども、これは基本的に、防衛大綱、そしてまた中期防衛力整備計画に基づきまして、我が国の防衛を全うするために必要不可欠なものを計画的に取得いたしまして、着実に防衛力を整備しているところであります。したがいまして、今委員が御指摘になりました、貿易不均衡の解消策としてF35戦闘機ほか何らかの装備品などを大量に調達するとかそういったことは全くございません。
○宮本(徹)委員 メディアの報道を見ていますと、次期の防衛大綱を前倒しして改正しようということが報道されているわけですよね。そして、それに合わせて中期防を改定するときにアメリカ製の兵器をさらに買い増していく、こういうことなんじゃないですか。そういうことは絶対ないと言えますね。
○若宮副大臣 今委員が御指摘になられたようなことは全くございません。
○宮本(徹)委員 では、防衛大綱を前倒しして改正していく、これもないということでいいわけですね。
○若宮副大臣 私ども、我が国日本を取り巻きます安全保障環境が厳しさを増しているのは委員ももう御承知のとおりだと思っておりますが、我が国の防衛力のあり方、これはやはりさまざまな点で不断の検討を行うということは必要であろうかと思っております。ただ、現時点で、防衛計画の大綱の見直しですとか、あるいは具体的な検討ということを行っているということでは全くございません。また、中期防につきましても、現時点におきましては、自衛隊の体制あるいは防衛関係費の見直しを直ちに行う必要があるとは考えておりませんで、現在の中期防を見直すということは全く検討していない。引き続き、安全保障環境を十分に、日々、時々刻々と変わっておりますので、このあたりは注視しながら、着実な防衛力整備を図っていきたい、このように考えているところでございます。
○宮本(徹)委員 防衛大綱を前倒しで変えるということを否定はされないわけですよね。先日、稲田大臣もグアムにTHAADの視察に行かれておりますが、日米同盟の中での役割を日本が強化するとなったら、これはアメリカ製の兵器だってさらに買っていくということになるわけですよね。私、何度も指摘しましたけれども、安倍政権のもとで兵器の調達が急激にふえているわけですよ。後年度の負担も、安倍政権のスタート時は三兆一千億円だったのが、来年度予算案、これでいけば四兆八千億円になるわけですよね。こういう勢いで後年度負担が伸び続ける中でさらに兵器の調達を増大させるということになったら、ほかの予算、暮らしのための予算を圧迫していく、こういうことになるのは明白じゃないですか。麻生大臣、どうですか。
○麻生国務大臣 防衛関係費につきましては、これは後年度負担というものも含めて、中期防衛力整備計画などを含めて計画的に予算編成を行うこととしておりますので、際限なく膨張するかのような批判は全く当たらぬと思っております。平成二十九年度の予算においても、翌年度以降の予算の硬直化ということにつながらないように、装備品の価格低減を通じた調達効率化などによって新規後年度負担額の抑制を行っているところであります。
○宮本(徹)委員 新規後年度負担額抑制といったって、第三次補正予算に新規後年度負担分を回しているだけじゃないですか。だから後年度負担が、昨年、二十八年度予算の時点では四兆六千億だったのが、今度四兆八千億になるわけですよ。抑制していたらふえることはないわけですね。ふえているというのは、どんどん後年度負担をふやしているということですよ。しかも、この後年度負担が余りにもふえ過ぎたために、毎年の当初予算では対応できない規模になっているわけですよね。この間の第三次補正予算のときも指摘しましたけれども、税収が減って赤字国債を発行せざるを得ない、こういう事態になっているにもかかわらず防衛省の予算を計上する、その中身の大半は、後年度負担のツケを払うためのものだったわけですよね。異常な状況ですよ。財政規律からいっても、本当に大変な事態だというふうに思います。私は、未来にわたって暮らしのための予算を奪っていく、こういう兵器の購入の拡大は断固としてやめるべきだということを求めておきたいと思います。さて、日米共同声明を見ますと、こういう文言があります。「防衛イノベーションに関する二国間の技術協力を強化する。」とあります。午前中、参議院の本会議でこの中身について総理は問われて答弁しておりますが、軍事技術の優位の確保のために、具体的にはこれから中身は進めていくということでした。アメリカの側の狙いは何なのか。私も改めて防衛白書を見ましたら、アメリカの第三のオフセット戦略というのが書かれておりまして、その中ではアメリカの国防イノベーション構想が紹介されております。アメリカとしては、軍事作戦上及び技術上の優位が徐々に失われつつあることから、優位性を維持拡大するために国防イノベーション構想を発表したと。その中で、民生技術を注視、活用していくために民間部門との緊密な連携を打ち出していると防衛白書には書いてあります。つまり、今、アメリカは、軍事技術上の優位を保つために民間の研究をごっそりすくい上げていこう、こういう方針を打ち出しているわけですね。そういう中で、今度の日米共同声明の中身であります。そうしますと、これからアメリカと日本が共同開発をする、技術協力の強化を武器の開発で進めていく、こういうことになりますと、防衛省が今始めている安全保障技術研究推進制度、この研究成果も日米間の武器の国際共同開発に利用されていく、こういうことになっていくんじゃないですか。若宮さん、どうですか。
○若宮副大臣 今委員が御指摘になりましたポイントというのは非常に大事なところだと思っておりまして、先ほども申しましたように、安全保障環境が非常に厳しくなってまいります中、やはり、新たな脅威に対応するためには、戦略的に重要な分野において技術的な優位と優越を確保するということは、非常に大事な、喫緊の課題だというふうに認識をいたしてございます。先ほどの、指針と申し上げましたガイドラインにおきましても、日米両国間におきまして実効性をさらに向上させるがために、安全保障あるいは防衛協力の基盤として、防衛装備ですとか、あるいは技術協力の分野を発展させ、強化させていこう、こうした旨も示されているところでもございます。今おっしゃられた安全保障技術研究推進制度、この研究成果がどうなるのかというような御指摘でございますけれども、この制度自体は、この成果を将来の防衛装備の研究開発に活用することを目的として、その基礎研究についての公募と委託を行っているものでございます。平成二十七年度の創設時から研究成果を全て公表できることといたしてございまして、これは民生分野でも活用していただくということを大いに期待いたしているところでもあります。この公表されました研究成果につきましては、これはもちろんのこと、一般の研究者の皆様方、あるいは民間企業の方、あるいは国民の皆様、広く誰もが活用できるというものになろうかと思います。これは、いわゆるほかの競争的な資金制度による研究というふうなものと同様というふうにお受けとめいただければと思っております。こうした点をさらに明確にすることが適切だろうという観点から、本制度におきましては、この契約書では、研究成果の公表を制限しないことなどを明らかにするということで、その契約書のひな形などは防衛装備庁のホームページにも公表させていただいているところでございますので、委員の御指摘にはちょっと当たらないかなというふうに考えているところでございます。
○宮本(徹)委員 私が指摘したのは、これは、安全保障技術研究推進制度の成果も日米間の武器の国際共同開発に利用されていくんじゃないですかということを聞いているわけですよ。それを否定されないわけですよね。
○若宮副大臣 この研究推進制度は、あくまでも、研究の成果を防衛省におけます将来の研究開発に活用することを目的といたしてございます。日米共同研究開発におきまして、この研究成果を活用するかどうかにつきましては、今後の研究成果や、今後いかなる日米共同研究開発を行うべきかといったことを踏まえて検討するような問題になろうかというふうに考えております。
○宮本(徹)委員 つまり、今後の検討によっては活用していくこともあり得るというのが今の答弁だったと思います。極めて重大ですよ。今、学術会議で、御案内のとおり、軍事研究の是非が議論されております。この防衛省の制度をめぐっては、やはり軍事研究に大学人を巻き込むのは問題だということで、否定的な意見が多数だということで、メディアでも報じられているわけですよね。しかも、アメリカは、世界で無法な無人機攻撃などを繰り返しているわけですよね。こういうところにまで大学の研究を巻き込んでいくようなことは絶対に許されないということを指摘しておきたいと思います。さらに、次に進みますが、日米同盟の中での日本の役割の拡大ということで、先日の日米防衛会談では、具体的に、南シナ海への関与の強化で一致をいたしました。そして、昨年、日本・ASEAN防衛協力イニシアティブでは、防衛協力の手段として防衛装備協力が掲げられております。そして、今国会には、財政法九条の特例として防衛省の保有する装備品について無償譲渡を可能にする法案が出されております。法案の中身を見ますと、譲渡を求める申し出があれば、武器弾薬以外の装備品は無償譲渡できるということになっています。確認しますが、掃海艇だとかの船舶だとかあるいは航空機、武器がついていても、これは武器を外せば譲渡は可能になるということですね。
○若宮副大臣 今委員が御指摘になりました、今般新設をさせていただくことといたしております改正自衛隊法第百十六条の三に基づきます装備品等の無償譲渡、これはいかなる場合にいかなる装備品について実施が可能であるかということにつきましては、いわゆる外為法の運用基準でございます防衛装備移転三原則、これも踏まえまして、個別具体に検討することになろうかと思います。ですから、今御指摘になられました例は、例示されましたのですが、一概に申し上げるということはちょっと難しいということを御理解いただければと思っております。従来から可能でありました適正な対価を受けた上での装備品の他国への譲渡につきましては、これは財政法第九条の一項の特例として無償または低価で行い得るということになってはございます。また、実際に装備品等を譲渡するに当たりましては、これはやはり先ほどの三原則を踏まえましてその可否を判断することになってこようかと思いますけれども、いずれにいたしましても、防衛装備の海外移転につきましては、日本として平和国家としての基本理念をきちっと維持しつつ、厳正かつ慎重に対処していく方針には全く変わりはないというふうに申し上げられるかと思います。
○宮本(徹)委員 一概に言えないということですけれども、対潜哨戒機P3Cがあります。これは、武器を搭載していなければレーダーやソノブイだとかをつけたまま譲渡するということは、一概に言えないという話だったので個別に聞きますが、P3Cは可能ですか。
○中村政府参考人 お答え申し上げます。今委員から御指摘のございました、P3Cについて、武器を除けばレーダーやソノブイをつけたまま譲渡可能かという件でございますが、先ほど副大臣からも御答弁申し上げましたとおり、いかなる場合にどのような装備品の無償譲渡が可能になるかということにつきましては、防衛移転三原則なども踏まえまして、あくまでも個別具体的に検討する必要があろうかというように考えてございますので、この点について確定的にお答えすることは差し控えたいというように考えてございます。いずれにいたしましても、先ほど副大臣から御答弁申し上げましたとおり、防衛装備の海外移転につきましては、平和国家としての基本理念を維持しつつ、厳正かつ慎重に対処する方針に変わりはございません。
○宮本(徹)委員 個別に判断するという話ですけれども、NSCで判断するということに最後はなるんでしょうけれども、事前のレクでは、法律上はP3Cは可能だという話を伺っております。P3Cは、海の中の潜水艦を捜索して一隻一隻見分ける大変高い能力を持っています。武器を外して譲渡しても、いざとなれば、後で自前で武器を搭載すれば、攻撃も可能な兵器ということになります。そうすると、P3Cのような航空機を譲渡すれば、それに伴って、搭乗員の訓練やあるいはメンテナンスの援助も自衛隊がやり、他国軍隊の育成に大きく踏み込んでいくことになるんじゃないですか。若宮さん、どうですか。
○若宮副大臣 繰り返しになって本当に恐縮なんでございますけれども、装備品の譲渡等に関しましては、何よりもまず、外為法の基準でありますところの防衛装備の移転の三原則、これを大前提に踏まえまして、本当に具体的に、相手国のニーズですとか、それからどういった内容かというのをまさに個別具体に、その場その場で状況を検討しなければなりません。ですから、今、漠然と、例えばその機種のこれがというふうな形でおっしゃられましても、これは一概に申し上げるのが困難であることを御理解いただければと思っております。また、いろいろな運用ですとかメンテナンスとかで他国の軍隊の育成に踏み込むのではないかというようなお話がございましたけれども、こういった形でやることが他国の軍隊の育成に大きく踏み込むということには、私どもでは全くならないというふうに認識をいたしているところでございます。
○宮本(徹)委員 きのう総理は予算委員会の中で、パッケージとしてやるのが大事だという話をやられていましたよ。訓練だとかメンテナンスも一緒にやっていくんだと。そういうことになれば、当然、他国の軍隊を育成していくことになるわけですよね。アメリカは戦後、世界戦略として、世界各地で親米国の軍隊を武器も供与しながら育成してきました。日米同盟の中で日本の役割の拡大といってこんなことまでアメリカの役割の肩がわりをしていくというのは、憲法九条の理念に全く反するということを言っておきたいというふうに思います。そして、最後、一問だけお伺いします。昨年二月、海上自衛隊のP3C二機がベトナムを訪れております。朝日新聞の報道では、こう書いています。P3Cはベトナム海軍が将来的な導入に期待を寄せる、海上自衛隊はベトナム軍に機内を見学させP3Cの使用を想定した初の合同図上捜索訓練も実施した、緊迫する南シナ海情勢を念頭にした両国の防衛力強化だ。こう報じられております。現在、法案上、防衛大臣が装備品等を提供できる国はインドとフィリピンということになっていますが、南シナ海の関与の強化ということになりますと、こういう法律をつくっていって、譲渡できる国をさらに拡大していくということですか。これは最後の質問です。
○若宮副大臣 委員の御指摘でございますけれども、海洋国家であります私ども日本といたしましては、これまでも地域の平和と安定、また繁栄の観点から、シーレーンの要衝に位置いたしますASEAN諸国との防衛装備、技術協力というものは重視をしているところは御承知のとおりかと思います。また、昨年の十一月に、今後の日本とASEAN防衛協力の指針として表明をいたしましたビエンチャン・ビジョンにおきましても、ASEAN全体の能力向上のために、装備品や技術の移転、また防衛装備、技術協力に係る人材の育成、それから防衛産業に関するセミナーなどの開催を進めていくことともいたしているところでもございます。防衛装備の移転につきましては、日本の平和国家としての戦後の歩みもございます。そしてまた、基本理念をきちっと維持しつつ、厳正かつ慎重に対処していく方針には全く変わりがないということを申し上げておきたいと思います。
○宮本(徹)委員 私たちのこの国の平和憲法の理念とは全く違う方向で今進もうとしているわけですよ。こういう形でP3Cを南シナ海の紛争当事国の一方に上げていくということになれば、この地域の軍事的緊張を高めることにしかつながらないですよ。今、フィリピンはドゥテルテ大統領になって、中国との関係の改善という新しい動きも生まれているわけですよ。私は、外交的にこの地域の問題は解決していく、このことにこそ日本政府は努力すべきであって、一方の側に軍事的に肩入れするなどもってのほかだということを強く申し上げまして、質問を終わります。