提出資料① 根間収入分五位階級別エンゲル係数の推移
提出資料② 財務省、総務省資料をもとに作成
提出資料③ 法人税収の推移

日本共産党の宮本徹議員は24日の衆院財務金融委員会で、消費支出に占める食品の割合を示すエンゲル係数が2016年に約30年ぶりの高水準になったことについて、安倍晋三首相の認識をただしました。
宮本氏は、第2次安倍政権発足前の12年と安倍政権4年目の16年を比較し、2人以上世帯の消費支出が3981円減額した一方、食費が5659円増額していることを指摘。円安、消費税増税など安倍政権の政策がエンゲル係数上昇の大きな一因になっているという自覚があるか」とただしました。
安倍晋三首相は、「収入の状況を注視していく必要がある」と述べつつも、エンゲル係数の上昇理由を「ライフスタイルの変化などのため」などと強弁しました。
宮本氏は、「生活スタイルの変化では説明がつかない」と指摘。12年以降の4年間で可処分所得の伸びよりも食費支出の伸びの方がはるかに大きいことを示し、「安倍政権の政策で生活水準の低下がもたらされている」と批判しました。さらに宮本氏は、世帯年収がより低い層ほどエンゲル係数の上がり幅が高いことを示す総務省家計調査を示し、「国民のくらしに目を向け、消費税増税ではなく応能負担の税制に転換すべきだ」と迫りました。

以上2017年2月25日付赤旗日刊紙より抜粋

≪2017年2月24日 衆院財務金融委員会第6号 議事録≫

○御法川委員長 次に、宮本徹君。
○宮本(徹)委員 日本共産党の宮本徹です。まず、総理の本会議での答弁にかかわって何点か聞きたいと思います。総理は、本会議で、アメリカ製の兵器の購入について、結果として米国の経済や雇用にも貢献するもの、こう答弁をされました。日米同盟の中で日本の役割を拡大すると、防衛費、軍事費がふえるのではないかと国民の中で懸念が広がっております。時事通信の世論調査では、防衛費増に賛成と答えた方が一八・七%、反対は七四・五%に上っております。総理は、この防衛費増額に反対多数という世論調査の結果をどう受けとめられていますか。
○安倍内閣総理大臣 御指摘の世論調査が今月上旬に実施された時事通信のものを念頭に置かれているのであれば、その内容は承知しております。世論調査の結果について逐一コメントすることは差し控えたいと思いますが、あえて気づきの点を申し上げれば、この世論調査は、防衛費の増額についてどうかというストレートな質問ではありません。この質問は、トランプ政権が一層の防衛費負担を求めてきた場合の対応についてという設問でございますから、純粋に、日本の安全保障上の必要について、防衛費をふやすべきかどうかというものを問うているのではなくて、米国から言われたらどうするのかということだろうと思います。言うまでもなく、およそ一国の防衛というものは、他国に言われて左右されるものではありません。我が国の防衛力の強化と防衛費の増額は、あくまでも我が国の主体的な判断に基づくものであります。安全保障環境が一層厳しさを増す中において、国民の命と平和な暮らしを守り、領土、領海、領空を守るために不可欠なものであります。実際は、防衛力の強化と防衛費の増額は、安倍政権発足後、平成二十五年に閣議決定した防衛大綱及び中期防に明記されているとおり、一貫して取り組んできているものでありまして、一方、先般のトランプ大統領との首脳会談では、我が国の防衛費については全く議論が出なかったということは申し添えておきたいと思いますし、また、今後ともこのような我が国としての主体的な取り組みについて国民の皆様の一層の御理解が得られるように努めてまいりたいと考えております。
○宮本(徹)委員 トランプさんが求める、求めないにかかわらず、防衛費増に反対だ、これが世論の多数なわけですよ。なぜ反対が多数なのかというのをしっかり受けとめなきゃいけないと思いますよ。多くの国民の皆さんは、これだけふやしてきた防衛費をさらにふやしていけばさらに暮らしのための予算を圧迫するんじゃないかということを懸念しているわけですよ。そして、アメリカの戦争の支援体制をさらに強めていくことにも懸念をしているわけですよ。何で日本が空中給油機だとか専守防衛からかけ離れたものを買っていくのか、こういう懸念を持っているわけですよね。国民の世論をしっかり受けとめるべきだということを強く求めておきたいと思います。それからもう一点、総理は本会議での答弁で、防衛省の安全保障技術研究推進制度の研究が日米間の防衛技術協力の対象となることは想定されません、こう答弁されました。ここの委員会で私何度か議論してまいりましたけれども、この防衛省の安全保障技術研究推進制度で得られた研究成果が今後の日米の兵器共同開発に活用される可能性、これは否定できないですよね。
○安倍内閣総理大臣 我が国の高い技術力は防衛力の基盤であります。安全保障環境が一層厳しさを増す中、安全保障にかかわる技術について、その優位性を維持向上していくことは、将来にわたって国民の命と平和な暮らしを守るために不可欠であります。とりわけ、近年の技術革新の急速な進展は防衛技術と民生技術のボーダーレス化をもたらしており、防衛にも応用可能な先進的な民生技術、いわゆるデュアルユース技術を積極的に活用することが重要となっています。安全保障技術研究推進制度は、こうした状況を踏まえ、防衛分野での将来における研究開発に資することを期待し、先進的な民生技術について研究を公募するものであります。本制度に基づく研究自体はあくまで基礎研究分野に限られることから、そのまま防衛装備に適用できるものではなく、したがって、本制度に基づく研究自体が日米政府間の防衛技術協力の対象となることは想定されません。他方、政府として、本制度に基づく研究成果について、将来の防衛装備の研究開発への応用を検討することは、これは当然のことであります。そのような防衛装備への応用の一環として日米間の共同研究開発に活用するか否かについては、今後の具体的な研究成果や日米間でいかなる研究開発を行っていくべきかといったことを踏まえ、今後検討していくことになると考えるところであります。加えて、先ほどの世論調査についてさらに一言つけ加えさせていただきますと、トランプ政権が一層の防衛費負担を求めてきた場合の対応について、防衛費増に反対であり、現状維持でよいというのが五四・三%でありまして、共産党は全て自衛隊を廃棄せよという、政権をとった場合、民進党と政権をとるかもしれませんが、その場合は廃棄せよという考えでありますが、それには国民の皆様は反対だということは申し添えておきたいと思います。
○宮本(徹)委員 日米共同開発に含めて、この安全保障技術研究推進制度の研究成果が活用されていく可能性があるということは、これは否定されなかったということは確認しておきたいと思いますが、私は、無法な無人機攻撃だとか国際法違反のことをやっているアメリカの兵器開発にまで日本の大学研究を巻き込んでいくことは問題だということを重ねて総理にも言っておきたいと思います。それから、我が党は政権をとったら自衛隊を廃棄するということは、私たちの綱領には書いてないです。麻生大臣は前に、あそこで、我が党の同僚の宮本岳志議員から綱領を渡されて、ふむふむとマーカーを引きながら読まれていたと思いますので、総理にも後で手渡しておきたいと思いますが、私たちは、安保条約廃棄は、これは政権をとったらやりますけれども、自衛隊の問題については、政権をとっても、安全保障環境が変わる中、好転する中で、国民の合意に基づいて一歩一歩段階的に縮小していく、こういう方針をとっているわけでありまして、政権をとったらすぐなくすかのような、我が党の綱領にも書いていないようなデマ宣伝を公式な委員会の場でされるのは今後一切やめていただきたいということを求めておきたいと思います。言っている間に質問時間がなくなってしまいますので、次に行きます。税制について伺いますが、トランプ大統領は選挙中から法人税の一五%への引き下げを主張しておりました。アメリカ発の法人税引き下げ競争が非常に懸念されております。一昨日、麻生財務大臣ともこの問題をやりとりさせていただきまして、麻生財務大臣からは、具体的にアメリカからそういう話が出てきた段階では法人税引き下げ競争の問題点をアメリカにしっかり伝えていく、こういう御答弁をいただいておりますが、総理からも、トランプ大統領に対しては、法人税引き下げ競争というのは税源を失っていく大問題なんだ、国際的にこれは非常に問題があるんだということをしっかり伝えていただきたいと思いますが、どうでしょう。
○安倍内閣総理大臣 選挙中に私は志位さんに、自衛隊は憲法違反ですか、合憲ですかと聞いたら、憲法違反だと明確におっしゃったわけであります。自衛隊に向かって君たちは憲法違反だと言っておきながら、いざというときは命をかけろ、そんなことは皆さん、できませんよ、現実問題として。そういう中で、しかし、恐らく民進党と政権をとったらどんどん減らしていくということなんだろう、このように、だんだん一体化が進んでおるということだそうでございますが、この公の場で申し上げておきたい、こう思う次第でございます。そこで、米国新政権の具体的な税制改正案の内容は明らかではないため、現時点で米国の法人税改革について具体的なコメントをすることは差し控えたいと思います。なお、一般論として申し上げれば、税率を含め法人税制をどのように組み立てるかは基本的に各国の責任に属する事柄であると考えていますが、各国においても法人税収は税源調達の上、重要な役割を担っており、こうした中で極端な税率の引き下げを続ければ税制が立ち行かなくなるとの事情は各国ともに同じではないかと考えているところでございます。いずれにせよ、米国新政権がどのような経済対策をとるかについては、今後の動向を注視してまいりたいと思います。
○宮本(徹)委員 トランプ大統領に対しては問題点をしっかり伝えるということでよろしいんですね。
○安倍内閣総理大臣 いわば経済対話については、ペンス副大統領と麻生副総理との間で経済対話を行い、両国がともに裨益するような姿はどういう姿であるかということについてしっかりと議論していただきたい、このように思っております。その中で、税制等々の議論が出れば、当然、麻生副総理から我が国の考え方を相手方に申し述べるということになっていくのではないか、このように思います。
○宮本(徹)委員 もちろん、麻生財務大臣とペンス副大統領の間で問題点を指摘するのは大事なことだと思いますけれども、トランプ大統領と非常に個人的な関係も築いてきているというお話なわけですから、それは大いに生かして、やはり先ほどの総理の認識をしっかりトランプ大統領にも伝えていくということを求めていきたいと思います。それから、私たちは、自衛隊は憲法違反だと当然言っておりますよ。今、憲法違反の問題というのは日本社会にたくさんあるわけですよ。はっきり言って、今の高過ぎる大学の授業料だって、憲法二十六条から考えたら憲法違反の状態にあると私たちは考えていますよ。教育の機会均等を踏みにじる状態ですよ。ですから、私たちはこれを下げていかなきゃいけないと考えていますよ。そういう憲法違反の状況を自民党政治がつくり出している、これを一歩一歩解決しようというのが私たちの立場だということを重ねて言っておきたいというふうに思います。反論していると私の質問時間がどんどんなくなりますので、質問にだけ答えていただきたいというふうに思います。次に、税制がどうあるべきか、国民の暮らしから問いたいと思います。先週発表になりました総務省の家計調査によりますと、二〇一六年のエンゲル係数が二十九年ぶりの高水準になりました。総務省、きょう来ていただいておりますが、なぜエンゲル係数が上昇しているのか、この上昇要因について説明していただけるでしょうか。
○千野政府参考人 お答えいたします。総務省の家計調査におきまして、二人以上の世帯のエンゲル係数は近年上昇傾向にございます。二〇一四年から二〇一六年までの直近二年間で一・八ポイント上昇しております。今回エンゲル係数が上昇した背景には、生鮮食品の価格高騰などの物価上昇のほか、外食や調理食品、飲料、乳卵類などへの支出志向が高まっていることがございます。これらによってエンゲル係数が上昇したと考えられます。なお、我々総務省統計局の試算では、二〇一四年から一六年までのエンゲル係数の上昇幅一・八ポイントのうち、食料価格上昇の寄与が〇・九ポイントとなってございます。
○宮本(徹)委員 今、二〇一四年から一六年のエンゲル係数上昇の原因の説明がありました。私は、安倍政権前の二〇一二年と二〇一六年を比べてみました。二人以上世帯で見ますと、消費支出は三千九百八十一円減っております。その一方で、食費を見ると五千六百五十九円ふえております。ですから、この四年ぐらいのスパンで見ますと、食料品価格の上昇、これは円安と消費税増税が影響を与えている、消費支出の低下も、これも消費税増税が影響を与えているのは間違いないということが言えると思います。総理にお伺いしたいのは、安倍政権のもとでエンゲル係数がここまで上がってきていることについて、安倍政権の政策がこの一因になっている、こういう受けとめ、認識はございますか。
○安倍内閣総理大臣 エンゲル係数については、先ほど政府参考人から答弁をさせていただいたとおりでありますが、家計調査結果から見たエンゲル係数の経年変化については、物価変動のほか、食生活や生活スタイルの変化が含まれているものと承知をしております。今回、エンゲル係数が上昇した背景としては、天候不順などの影響による生鮮食品の価格高騰などの物価上昇のほか、高齢者世帯や夫婦共働き世帯の増加を背景に、外食や総菜など調理食品への支出志向が高まっていることなどによるものと認識をしております。いずれにせよ、家計消費の動向については、エンゲル係数を含め、各種統計数値の動きを見守ってまいりたいと思います。
○宮本(徹)委員 生活スタイルの変化だとかだけではとても説明がつかない上がり方をこの四年間でしてきているわけですよね。実際の額を見ましても、生活スタイルの変更で調理品がふえているとかお話がありますけれども、それは食料品の中のごく一部の話ですよ、実際の数字で見れば。それ以外の要因の方がはるかに大きいというのが総務省の分析にもなっているわけですよね。円安と消費税増税などの安倍政権の政策がエンゲル係数増大の一因になっている、この安倍政権の政策との関係はお認めにならないんですか。
○安倍内閣総理大臣 例えば、消費税については、二〇一四年から二〇一六年にエンゲル係数が一・八ポイント上昇しておりますが、消費税の引き上げは二〇一四年の四月であることから、その影響は限定的であろうと思います。基本的に、先ほど申し上げましたように、生鮮食品の価格が高騰していることは事実でございます。それと、基本的にデフレから、いわば、もはやデフレではない、インフレに変わったのも事実でございますが、これはデフレであればいいということでは全くないわけでございまして、デフレ、そしてまた行き過ぎた円高となれば、これは仕事そのものがなくなるわけでございまして、収入源が絶たれるという大きな問題が生起するということは、かつて経験した私たちがよく承知をしていることであろう、このように思われるわけでございます。先ほど申し上げたとおり、女性の就業率が高まっていく中においては、これはどうしても総菜品を買って食卓を囲むという場合も多くなるわけでありますし、高齢者世帯にもその傾向があるということから、分析を述べさせていただいたところでございます。
○宮本(徹)委員 ですから、その部分というのは本当に少ないわけですよ。それから、きょう私は年間収入五分位階級別のエンゲル係数の推移を持ってまいりましたけれども、これを見ればわかりますけれども、一三年から一四年を見たら上がっているわけですよ。消費税増税で上がっているのは、これはグラフを見ればはっきりしているじゃないですか。先ほど、一四年から一六年の話は総務省さんがそのスパンで分析されましたけれども、私は、一二年から一六年の数字のお話を先ほど申し上げました。そして、きょう持ってきたグラフは、もうちょっと長いスパンですよ。これははっきり、安倍政権の政策によってエンゲル係数の増大がもたらされている、生活水準の低下がもたらされているということが言えると思います。ちなみに、この二〇一二年から一六年の間、総務省の家計調査で可処分所得がどうなっているか見ましたが、二人以上の勤労者世帯でいうと、可処分所得は四年間で三千六百九十二円伸びています。しかし、さっき紹介しましたように、食費の伸びは五千六百五十九円なんですね、この四年間。ですから、可処分所得よりもかなり大きく食費の方が伸びているというのが、総務省の家計調査からもはっきり言えることなんですね。そして、上がり方、先ほどこのグラフをお示ししましたけれども、年収の階級を五階層に分けて見れば、青い棒が一番所得が少ないそうですけれども、この上がり方が急激に上がっているわけですよね。安倍政権のもとで、このグラフを見てもはっきりしていると思いますけれども、低所得者世帯の生活は厳しくなってきているというのは間違いないんじゃないですか。どうですか。
○安倍内閣総理大臣 低所得者世帯の状況がどうか、こういう御下問でありますが、常に我々は注視をしていく必要があるんだろう、このように思っているところでございますが、格差を示す指数、相対的貧困率については、足元で減少傾向にあるわけでございますし、子供の相対的貧困率、これはよく議論になったところでありますが、十五年間とっている統計が初めて安倍政権になって低下した、しかも、幅が二ポイント低下をした、そういう指標もあるわけでございます。大切なことは、働きたい人がしっかりと働く場所があるということと、賃上げをしっかりと進めていきたいと思います。また、例えば最低賃金につきましても、我々が政権をとってから、十五円、十六円、十八円、そして二十四円と、これは相当高い水準で我々は引き上げを行ってきているところでございますし、過去最高の賃上げも続いているわけでございまして、この四月にも、各企業の協力をいただいて賃上げが、ベースアップが行われることを期待したいと思いますし、中小企業の賃上げもしっかりと進んでいくことを期待したいと思います。例えば、パートの皆さんの時給は過去最高にもなっているわけでございまして、こうした方々の収入の状況というのもしっかりと注視していきたいと思います。
○宮本(徹)委員 ですから、若干、可処分所得がふえてきているということは私も紹介しました、それは政府の統計でも出ておりますが。それを上回って食料品などの物価が上がっている、消費税増税の影響もある、円安の影響もある。可処分所得のふえよりも食料品の伸びの方が大きかったら、生活が厳しくなっていくのは当たり前の話だと思うんですよね。やはり、先ほど総理はほかの指標を出されましたけれども、相対的貧困率というのは中央値が変わればまたこれは変わっていくんですよ、数の出方は。それだけをもって、自分の使えるデータだけ取り出して安倍政権の成果を誇るんじゃなくて、こういう総務省がしっかり出している家計調査にも向き合っていくということが必要だと思います。こういうエンゲル係数がどんどん上がっているという上で、これから税金の集め方でいえば、安倍政権はいつも消費税と言うわけですけれども、消費税を上げていくということになったら、低所得者の生活はますます大変になる。税金の集め方は、やはり国民の暮らしにしっかり目を向けて、力に応じた税制に転換すべきだ、応能負担に転換すべきだ、そのことを求めまして、時間になりましたので、質問を終わります。