3月23日(木)に行われた衆議院本会議で、宮本徹議員が行った討論の概要は以下の通りです。

私は日本共産党を代表して、日米、日豪、日英のACSA3協定に反対の立場から討論を行います。
本協定の審議のさなか、日報隠蔽問題で新たな事態が発覚しました。南スーダンPKOの自衛隊部隊の日報のデータが、日報を廃棄したと説明してきた陸上自衛隊内にも、保存されていたのであります。国会でわが党が指摘した通りだったわけです。驚いたことに、これまでの説明とつじつまを合わせるために、統合幕僚監部の防衛官僚の指示でデータを削除しのと報道されています。許しがたい防衛省・自衛隊ぐるみの組織的な隠蔽ではありませんか。
そもそも、当初、防衛省は、日報は廃棄ずみといい、今年2月には統幕に全部あったといい、そして最後は陸自にもあったという。当初の廃棄という説明は、まったくの虚偽だったということではありませんか。
日報隠蔽問題は、安倍政権が南スーダンへの自衛隊派遣を継続し、「駆けつけ警護」など安保法制にもとづく新任務付与を強行、実施するために、昨年7月の首都ジュバの「戦闘」を生々しい実態を国会と国民に隠蔽したものであります。
国会に対して、虚偽の答弁を重ねてきた稲田大臣の責任はきわめて重大だといわなければなりません。
さらに、この日報問題で明らかになった重大問題は、稲田大臣が、防衛省・自衛隊をまったく掌握できていないということであります。実力組織である自衛隊が大臣を平然と欺く、きわめて由々しき事態、まさにシビリアンコントロールの危機であります。防衛省・自衛隊をコントロールできない、稲田大臣に大臣の資格はないといわなければなりません。
防衛省の隠蔽はこれだけではありません。一昨年の安保法制審議の際に、わが党は内部文書、河野統幕長の訪米会談記録を入手して追及しました。ところが、政府は国会答弁で文書の存在を否定し、隠蔽し続けたのであります。
安保法制を強行するときも、発動するときも、派遣中も、都合の悪い情報は、組織ぐるみで隠蔽し、国民を欺くことは、断じて許されません。
国会の責任で、防衛省・自衛隊の隠蔽体質をでただす必要が有ります。河野統幕長、岡部陸幕長をはじめ、関係者を証人喚問して、真相を徹底して究明し、責任を明らかにしようではありませんか。
次に、ACSA3協定に反対する理由を述べます。
本3協定は、世界規模で展開する米軍の軍事作戦の遂行に不可欠な物資や役務を、米軍が必要とするとき、いつでも調達できる集団的軍事支援網を構築するためのものであります。
アメリカは、1980年の「相互兵站支援法」の制定以来、世界各国とACSA締結を追求してきました。本3協定は、「多国間の軍事協力の推進・強化」を明記した新ガイドラインのもと、米軍を頂点とする日米豪英4カ国の軍事態勢を強めるものであります。
この間、アメリカのおこした戦争は、アフガニスタン報復戦争であり、イラク侵略戦争であります。この無法な戦争は、罪なき多くの市民の命を奪うと同時に、地獄の門をひらき、テロの温床を広げる結果となりました。こうしたアメリカの無法な戦争に世界的規模で兵站支援をおこなうなど断じて許されません。
本3協定は、安保法制=戦争法の内容を反映し、平時から、集団的自衛権の行使を認めた「存立危機事態」に至るまで、自衛隊が、あらゆる場面で他国軍に兵站支援できる枠組みに拡大するものです。補給や輸送、修理・整備などの活動は、武力行使と一体不可分の兵站そのものであり、戦争行為の必要不可欠の要素をなすものです。本協定は、従来の「非戦闘地域」の建前さえも取り払い、政府自身が憲法上慎重な検討を要するとしてきた弾薬の提供や戦闘作戦行動のために発進準備中の航空機に対する、給油・整備を可能とするものです。
政府が「重要影響事態」や「国際平和共同対処事態」と認定すれば、戦闘作戦行動へ発進準備中の米軍オスプレイへの給油が可能となります。断じて許されません。
すでに政府は、オスプレイにも給油可能な、1機200億円以上もする新型空中給油機の取得をすすめています。この間、沖縄の米海兵隊のオスプレイの操縦チェックリストに、空中給油中に給油ホースの分離が不可能になった場合、「壊滅的な影響」が生じる危険が記載されていることが明るみにでました。空中給油機、オスプレイなど、日本全国ですすめている米軍と自衛隊の一体化や基地強化はやめるべきであります。
日米同盟第一をとる安倍政権のもとで、今回の協定をテコにして、米軍の前方展開拠点をかかえる日本を足場に、アメリカと同盟国の軍事態勢を強化することは、周辺諸国に脅威を与え、軍事対軍事の悪循環を招くだけであります。
侵略戦争の反省のもとに、二度と戦争を繰り返さないことを誓った戦後の出発点である日本国憲法に立ち返り、アジアに平和的環境をつくる外交の道こそすすむべきです。
憲法違反の安保法制は廃止、集団的自衛権容認の閣議決定の撤回、ACSA3協定の撤回を強く求め、反対の討論とします。