2017年4月24日の決算行政監視委員会の質疑で、基地騒音訴訟の賠償金をアメリカが1円も払っていない問題を取り上げました。

米軍基地の騒音訴訟は、東京の横田基地、神奈川の厚木基地、沖縄の嘉手納基地、普天間基地、で周辺住民が何度も、飛行の差し止めと騒音の賠償を求めてたたかってきています。自衛隊基地でも小松基地周辺の住民のみなさんが訴訟をたたかってきています。裁判所は騒音については基本的に毎回、国に損害賠償を命じています。日米地位協定では米軍の責任に起因するものはアメリカが75%負担することになっていますが、これまでにアメリカは基地騒音訴訟について1円もはらっていません。日本政府がすべてたてかえています。違法な騒音をまきちらし、住民の生活に被害をあたえておきながら、地位協定で定められた負担もおこなわない。是正が必要です。

質問では岸田外務大臣自ら、アメリカ側と交渉することを求めました。岸田大臣からは、「日本政府としては、米国政府に対して損害賠償金の分担を求める。ご指摘のレベルも含めて、日米間で意思疎通を図っていくことが重要」との答弁がありました。

以下は、速記録から、質疑のやり取りの中心がわかりやすいように、質問・答弁を一部抜粋したものです。

○宮本徹 基地の騒音訴訟で確定した賠償額の総額は幾らで、うち遅延損害金は総額幾らになって
いるのか。

○豊田(防衛省・大臣官房長) 基地騒音訴訟の確定判決に基づきましてこれまでに国が原告に支払った損害賠償金の総額は約二百六十二億円、遅延損害金の総額は約七十三億円、合計約三百三十五億円。

○宮本徹 地位協定のルールに基づけば、この騒音訴訟の賠償額のうち、本来アメリカが負担すべきものは幾らで、そのうち幾らアメリカが支払っているんでしょうか。

○岸田外務大臣 米軍機による騒音に係る訴訟に 伴う損害賠償金の日米地位協定に基づく分担のあり方ですが、妥結を見ていません。日米地位協定においては、第十八条5において、米軍関係者の公務執行中の行為等、または米軍が法律上責任を有するその他の行為等で、日本国政府以外の第三者に損害を与えたものから生ずる請求権の処理について、米国のみが責任を有する場合は、裁定、合意、または裁判により決定された額の二五%を日本が、その七五%を米国が負担するとされています。そして、日本及び米国が責任を有する場合には、裁定、合意、または裁判により決定された額を両国が均等に分担する旨定めております。

○深山(防衛省・地方協力局長)騒音訴訟の判決に示された賠償金を米側が分担した例はございません。日本政府としては、米国政府に対して損害賠償等の分担を要請するとの立場で引き続き協議を重ねてまいりたい。

○宮本徹 アメリカのとっている姿勢というのは極め て問題だと思うんですよね。地位協定に照らして違反だとはっきり迫っていく必要があると思うんですが、岸田大臣、どうでしょう。

○岸田外務大臣 日米地位協定上は、第二十五条1において、「この協定の実施に関して相互間の協議を必要とするすべての事項に関する日本国政府と合衆国政府との間の協議機関として、合同委員会を設置する。」とされています。日米地位協定の実施に当たって協議が必要な事項については、日米間において、この合同委員会等において協議がなされること、これがそもそも想定されています。
 日本政府としては、米国政府に対して損害賠償金の分担を求めるという立場でありますが、こう いう立場で、引き続き、日米合同委員会あるいは それ以外の非公式な協議等を通じて協議を続けていかなければならないと考えています。

○宮本徹 ここまで決まっていないわけですから、日米合同委員会だとか非公式の場だと かそれだけじゃなくて、大臣みずからも、強固な 日米同盟というんですから、直接ティラソンさんなどに働きかけていく取り組みも必要になるんじゃないですか。

○岸田外務大臣 協議を要する事項については、先ほど申し上げさせていただきました地位協定二十五条1にこの対応が定められています。この規定を中心に、日米間でしっかり意思疎通を図っていきたいと存じます。あらゆるレベル、御指摘のレベル等も含めて、日米間で意思疎通を図っていくこと、これが重要であると考えます。

○宮本徹 御指摘のレベルも含めてという答弁がありましたので、しっかり言っていって いただきたいというふうに思います。

※4月27日、防衛省から電話があり、「米軍機の騒音で、比内地鶏が圧死した件で、平成22年に防衛省が補償をおこない、米側から75%償還してもらった件が1件ある」という連絡がありました。米軍機による低空飛行訓練にともなう被害について米側も払っているのですから、騒音訴訟について米側が払わない理屈はたたないはずです。