死別や離婚のひとり親家庭に税制が優遇される寡婦(夫)控除。2018年度から、保育料や児童扶養手当、高等職業訓練促進給付金など厚生労働省がかかわる25事業で、結婚歴がないひとり親家庭も、みなし適用を受けられるようになります。

今回のみなし適用は、15年の政令改正で、公営住宅の入居や家賃決定の際に、寡婦控除のみなし適用がされるようになったことに続くものです。
結婚歴のないひとり親には寡婦(夫)控除の適用がないため、税や保育料などで離婚・死別のひとり親に比べ、負担が重くなります。保育料だけで年収200万円で年10万円以上負担が重くなる場合もありました。
厚生労働省の統計では母子世帯数は推計123万2000世帯。そのうち、未婚(非婚)は8.7%で約11万世帯。年々割合が増え、11年から死別(8%)より多くなっています。

保育料の軽減も

16年の国民生活基礎調査では、ひとり親世帯の子どもの貧困率は50.8%にも。母子世帯の平均収入は348万円で、国民生活基礎調査による児童のいる世帯の平均所得を100とした場合、約半分の49.2%です。そのなかでも非婚は332万円と離別(356万円)より低くなっています。
09年に非婚の母親3人が日弁連に人権救済を申し立て、13年に日弁連が寡婦控除のみなし適用を関係省庁や自治体に要望。日本共産党の地方議員団も改善を求め、保育料のみなし適用は16年8月には23.5%の自治体に広がりました。
こうしたとりくみが広がる中同年11月に日本共産党の宮本徹衆院議員の質問に対し、古屋範子厚労副大臣は「子どもの福祉の観点から検討し、内閣府と十分に調整をしてまいりたい」と表明していました。

所得税法改正を

10年前から適用を広げる運動を進めてきた沖縄県母子寡婦福祉連合会の与那嶺清子会長は「所得が低い中で、みなしではあるが、保育料の軽減が全国で行われるのは大きな成果」だと話します。
そして根本的な解決として、所得税法の改正を求めます。「死別でも離婚でも非婚でも、社会を構成している一員です。所得税法の寡婦(夫)控除の対象に未婚を加えてほしい。変わるまで国に粘り強く訴え続けます」
子どもの貧困対策センター・公益財団法人あすのばも税制改正を求めます。小河光治代表理事はいいます。「寡婦(夫)控除が適用されれば住民税が非課税になり、高校や大学で給付型奨学金が受けられているのに、という悔しい声を聞いてきました。子どもに不利益があってはなりません。子どもの貧困を解決し、多様な家族のあり方を認める立場で党派を超えて取り組んでほしい」

家族の形に中立的に 弁護士で日弁連・両性の平等に関する委員会副委員長の金澄道子さんの話

今回さらにみなし適用の範囲が広がることで、ひとり親家庭の貧困解消に役立つことが期待されます。最終的には所得税法を改正してひとり親すべてに寡婦控除が適用されるべきですが、検討事項とされたまま議論が進んでいません。家族観が多様化している中、家族の形に中立的な税金の制度が望まれます。

差別解消へ引き続き 日本共産党の宮本徹衆院議員の話

今回、厚生労働省の関係する25の制度については、寡婦控除がみなし適用されることとなり一歩前進です。大本の税制改正については与党は次年度に結論を先送りしました。法律婚歴のあるなしでの差別を解消するため引き続き取り組みます。

以上2018年2月20日付赤旗日刊紙より抜粋