以下2018年2月25日付赤旗日刊紙より抜粋

日本共産党の宮本徹議員は23日の衆院財務金融委員会で、国際観光旅客税(出国税)について質問しました。同税は、観光施策のための特定財源として創設される新税で、出国時に千円の負担を求めます。
宮本氏は、新税の出国税創設について全国紙が問題を指摘する社説をそろって出したことを示し、「総選挙でも語られず、政府税調での議論もなく、国民的議論はなかった」と批判。財務省の星野次彦主税局長は、一昨年から政府内で検討してきたとしながら、「新税をつくるという議論はなかった」との宮本氏の指摘に明確な答弁をしませんでした。
宮本氏が、観光予算確保が重要なら、国土交通省の優先課題とし、不要不急の公共事業を削ればいいと主張すると、同省の水嶋智観光庁次長は「苦しい予算の中、観光財源が必要」と新税創設を正当化。宮本氏は、公共事業費を削りたくないので新税に頼るだけだと指摘しました。
宮本氏が、出国税は観光政策の“目玉”のカジノを含む統合型リゾート(IR)関連にも使えるのかとただしましたが、水嶋氏は「法案作成中」を理由に明らかにせず、支出の基準が合えばIRに使えるのではとの指摘に対しても否定しませんでした。

≪2018年2月23日 第196回財務金融委員会第4号 議事録≫

○小里委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。再開に先立ちまして、立憲民主党・市民クラブ、希望の党・無所属クラブ、無所属の会所属委員に対し御出席を要請いたさせましたが、御出席が得られません。再度理事をして御出席を要請いたさせますので、しばらくお待ちください。速記をとめてください。
〔速記中止〕
○小里委員長 速記を起こしてください。理事をして再度御出席を要請いたさせましたが、立憲民主党・市民クラブ、希望の党・無所属クラブ及び無所属の会所属委員の御出席が得られません。やむを得ず議事を進めます。質疑を続行いたします。宮本徹君。
○宮本(徹)委員 日本共産党の宮本徹です。二十六年ぶりの新税の創設、そういう重大な審議をする委員会が、与野党の合意もなく、委員長の職権で立てられるということになりました。この異常な事態を引き起こした委員長に対して、厳しく抗議をしたいというふうに思います。この国際観光旅客税は、一九九二年の地価税の創設以来、二十六年ぶりに国民に新たな負担を求める新税ということです。新たな税負担を求める法律をつくる以上、税の必要があるのか、合理性があるのか、目的や負担の影響など、しっかりとした審議時間を確保しなきゃいけないというのは当然のことだと思います。二十六年前に地価税を創設した際、国会では、衆議院では三日間、十四時間五十二分審議しております。連合審査も行っております。国民の声を聞くために、参考人質疑も一時間五十分行っております。私たち野党は、国民に新たな税負担を求める法案をやる以上は、しっかりとした質疑時間を確保することを求めてまいりました。連合審査もやるべきだ、参考人質疑を行って国民の声を聞くべきだと求めてまいりました。そして、日切れ法案ではないんだから、所得税法とは審議を分けて、四月にしっかり時間をとって議論すればいいじゃないかと求めてまいりました。ところが、与党の側は、ほんの数時間でこの新たに国民に税負担を求める法案の審議を済まそうとしております。私は許されないというふうに思います。そして、与野党の合意がないまま、委員長職権で午後の委員会が立てられるということになりました。私は、こういうわずかな議論で新税の議論を済ませるというのは国会の形骸化だ、国会の自殺行為だと言わなきゃいけないというふうに思います。こういうやり方は到底認められない。委員長、短時間の質疑で終わらせるのではなくて、連合審査や国民の声を聞く参考人質疑も含めてやるべきじゃありませんか。
○小里委員長 私のまさに不徳のいたすところであります。円満な委員会の運営になっておりませんことを大変残念に思っております。御意見を真摯に受けとめまして、さらなる審議の時間確保にも努めながら、今後に生かしてまいりたいと思います。
○宮本(徹)委員 徹底した審議を行って、予算と一緒に上げなきゃいけない、そういうものじゃないんですから、しっかり審議を尽くすことを求めたいと思います。予算と一緒という点でいえば、歳入法案である所得税法等改正案なんですから、こちらこそ、まだまだ、私も通告した残りがたくさんありますので、大臣とも議論したいと思っていますので、時間をとっていただきたいと思います。では、法案について質問させていただきます。今回の国際観光旅客税の創設は、多くの国民からすれば、突然出てきた、大変唐突感があるものです。経過が極めて不透明です。国民的議論もないわけですね。昨年の秋に突然出てきて、どどどどどという形で法案が出てきました。与党の選挙公約の中でも、出国税をつくりますという公約はなかった、このことも私は本会議でも指摘をさせていただきました。そして、新税をつくるのに、普通は政府税調でも議論されるわけですが、政府税調の議論も全くないわけですよね。これは何で政府税調ですら議論もしていないんですか。
○星野政府参考人 お答え申し上げます。観光財源の確保につきましては、一昨年三月の観光ビジョン、また、昨年六月の未来投資戦略二〇一七において明記をされ、政府内で検討を進めてきたところでございます。昨年九月からは、観光庁検討会の場で、関係事業者のヒアリングも交え、あらゆる選択肢を念頭に丁寧に検討を行った上で提言が取りまとめられたところでございます。その後、与党の税制調査会において御議論いただいた結果、今般、税制改正大綱に国際観光旅客税の創設が盛り込まれ、それを受ける形で今回の法案になっているわけでございます。御指摘の政府税制調査会、これは、総理の諮問のもと、中長期的観点からあるべき税制のあり方について審議を行う機関でございます。毎年度の税制改正の審議を直接行うということは必ずしも求められているものではございません。政府税制調査会における議論の有無にかかわらず、毎年度の税制改正につきましては、政府・与党が緊密に連携し、与党における議論を踏まえた上で具体的な税制改正案を閣議決定し、法案を国会で審議することとしておりまして、政府税制調査会で議論をしなかったことについて問題があるとは考えておりません。
○宮本(徹)委員 与党税調でやったからいいんだというような答弁ですけれども、政府税調は「租税制度に関する基本的事項を調査審議すること。」ということであるわけですが、二十六年前の新税の地価税のときは政府税調でも議論したんじゃないですか。
○星野政府参考人 お答え申し上げます。御指摘のとおり、地価税の創設、平成三年度の改正に当たりましては、当時、政府税調においても議論が行われたところでございます。当時、平成元年十二月に土地基本法が成立し、その中で土地についての基本理念が定められたほか、税制面におきましても土地に対する課税の適正化が求められていたことなどを踏まえまして、土地税制全体の総合的な見直しが必要となったというような背景がございます。他方、今般の観光財源につきましては、ただいま私から申し上げましたとおり、一昨年の観光ビジョンにその確保を目指すと明記され、観光庁を中心に検討され、その後、昨年の秋以降の検討を受けて今回の法案に至っているということでございます。
○宮本(徹)委員 前回の新税は税調で議論したけれども、今度はそういう手続すらとっていないわけですよね。メディアの報道を見ましたら、官邸から、菅官房長官の肝いりで、一気に昨年の九月から進んだということも報じられているわけです。先ほど、観光ビジョンに明記して政府内で検討を進めてきたというお話がありましたが、この観光ビジョンをつくる際にやった明日の日本を支える観光ビジョン構想会議の議事録要旨が出ていますが、これを見ましたが、新税の必要性だとか受益者負担の妥当性にかかわる議論というのは全くなかったんじゃないですか。国交省、どうですか。
○水嶋政府参考人 お答え申し上げます。この税の検討の経緯につきましては、先ほど主税局長の方から御答弁があったところでございますけれども、私ども観光庁に置かれました次世代の観光立国実現に向けた観光財源のあり方検討会等におきまして議論を積み重ねてまいったところでございます。この検討会におきましては、新たな財源が野方図な歳出の拡大につながらないよう、法律その他の措置により税収の使途が規定されているような事例も参考に、今後必要な措置を講ずることでございますとか、財源を充当する施策の見える化などを行い、その効果検証を不断に行うことなどが提言として取りまとめられておるということでございます。また、昨年十二月、観光立国推進関係閣僚会議というところにおきまして、税収を充てる施策についても、硬直的な予算配分とならず、毎年度洗いかえが行えるよう、民間有識者の御意見もいただきつつ検討を行うといったことが決められておるということでございます。
○宮本(徹)委員 私の聞いたことに答えていないんです。その次世代の観光立国実現に向けた観光財源のあり方検討会は昨年九月からの話じゃないですか。菅官房長官が動き始めてだだだっとやって、そこで設けられた話でしょう。そうじゃなくて、その前の、主税局からの答弁ですか、観光ビジョンに明記されたという話があったから私は観光ビジョンの議事録を見ましたけれども、そこでは新税の必要性や受益者負担の妥当性にかかわる議論というのは全くなかったんじゃないですか。新税の必要性の議論はどこでもやられていないんじゃないですか。そして、突然、新税をつくるんだという方針が上から降ってきて、九月から議論が始まった、これが経過なんじゃないですか。
○水嶋政府参考人 お答え申し上げます。観光施策をより高次元なものにしていくために必要な財源を確保するべきであるということがこちらの観光ビジョンの中に書かれておるということでございます。観光施策をより高次元なものにしていくためにさまざまな検討を行いました結果、今日の税法の提出に至ったというものと承知しております。
○宮本(徹)委員 財源確保が明記されているだけで、新税をつくろうという話は二〇一七年の時点では何もなかったわけですよね。突然、降ってわいてきたというのがこの新税なわけです。航空機を利用する旅客に税負担を求めることについては、外務省が九年連続で国際連帯税の新設を要望してきました。感染症対策や地球温暖化の対策などを目的としたものですけれども、こちらは税制改正の要望はずっと重ねられてきました。国民にも見えていました。これはずっと蹴られてきたわけですけれども。ところが、こっちは蹴られて、突然、官邸から降ってきたものは、どこでどう検討されたのかもはっきりしないまま具体化されていったということです。国民的な議論だとか手続が透明でないことだけじゃないですよ。国民的合意も私はないと思いますよ。ちょっと社説も、振り返って私は見ました。朝日から読売、産経までそろって懸念を表明されております。朝日「出国税 あまりに安直で拙速だ」、毎日「出国税による観光促進 なぜ必要なのか見えない」、読売「「出国税」 結論ありきでは理解得られぬ」、日経「「出国税」は本当に要るのか」、産経「出国税 使い道の説明が足りない」。そろって全国紙が批判し、懸念を表明しているというのがこの出国税ということです。麻生大臣、新税の創設で全国紙がそろってこれだけ懸念、反対を表明した例というのは、過去どうだったんでしょうか。
○麻生国務大臣 過去の報道についてつまびらかに承知しているわけではありませんけれども、この税の創設に当たって十分な検討がなされていないのではないかというような御指摘のように聞こえますけれども、観光財源の確保というのは極めて重要なものなので、これはたしか一昨年の三月の、たしか観光ビジョンとか、また、昨年の国会が終わった、六月だったかな、六月の未来投資戦略二〇一七等々でこれは明記されていましたので、政府部内で検討が進められてきたと存じております。その後、与党の税制調査会において精力的な御議論をいただいた結果、平成三十年度の税制改正大綱に国際観光旅客税の創設が盛り込まれたと思うのであって、今のような御指摘は当たらぬと思っております。
○宮本(徹)委員 国民的合意がないんじゃないか。これだけメディアも含めて各紙社説が批判しているのに、指摘が当たらないどころか、私の指摘どおり、国民的合意は全くないと言わなきゃいけないというふうに思います。観光財源の確保、観光財源は大事ですよ、しかし、そのためにこういう形で新税をつくるということとは全く別の問題じゃないですか。いろいろな各方面の指摘を見ていましても、国交省が観光予算をつくるのであれば、国土交通省の公共事業などの予算を削りその一部を充てればいいじゃないか、こういう批判の声もたくさん出ているわけですよね。なぜ、大事な観光予算だったら、国交省の不要不急の事業を見直して、優先度の低い事業よりも必要な観光財源を優先させるという策をとらないんですか。いかがですか。
○岡西政府参考人 お答え申し上げます。国土交通省の平成三十年度予算におきましては、主に四つの分野に重点化しつつ、必要な予算を計上しているところであります。まず第一に、東日本大震災、熊本地震や九州北部豪雨などの大規模自然災害による被災地の復旧復興、次に、防災・減災、老朽化対策や戦略的海上保安体制の構築など、国民の安全、安心の確保、三つ目に、ストック効果を重視した社会資本整備など、生産性の向上と新需要の創出による成長力の強化、そして、コンパクト・プラス・ネットワークの推進など、豊かで活力のある地域づくり、これら四つの分野に重点化しつつ、厳しい財政状況の中、必要な予算を計上しているところであります。他方、二〇二〇年の訪日外国人旅行者数四千万人など、観光ビジョンに掲げられた目標達成にはいまだ道半ばであり、また、今後の東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催も踏まえれば、より高次元な観光施策を展開していくことが急務となっております。このため、受益と負担の関係も踏まえ、国際観光旅客税を創設し、出国旅客に負担を求めることにより、観光庁関係のみならず政府全体として、こうした観光施策の充実に必要な財源の確保を図るものとしたものであります。
○宮本(徹)委員 本当に必要性が高い施策をやるんだったら、普通の省庁は、そのための予算をまず確保して、これはちょっと削ろうかという話になるわけですよね。国交省の予算を見ましても、採算のとれない高速道路に税金をじゃぶじゃぶ入れているわけじゃないですか。東京でも行われていますよ。あるいは、戦災復興計画で決められた七十何年前の都市計画道路、住民が反対して訴訟になっているものもたくさんありますが、こんなものにも税金じゃぶじゃぶ投入しているじゃないですか。住民がやめてくれと言っているものにじゃぶじゃぶ税金を投入しながら、新しい税をつくりましょう、私は話が違うと思いますよ。それから、談合もありますよね、談合。昨年、外環道の談合問題を国会でも取り上げさせていただきましたが、私の指摘どおり、疑惑払拭できずということで今入札中止になっていますけれども、談合で食い物にされている税金もあるわけですよ。いろいろなところをちゃんと見直すということをまずやるというのが先の話ですよ。公共事業の予算は五兆円あるわけですよ。一%見直せば出てくるような今度の財源じゃないですか。今まではいろいろなことをやってやりくりして出したものが、なぜ出せないのか。結局、国交省の予算から観光予算を捻出すると他の公共事業の予算が圧迫される、公共事業を削減したくない、これが今度の新税をつくる一つの目的ということになっているんじゃないですか、違いますか。きょう、国交省、政務官も来ていただきましたが、どうですか。
○麻生国務大臣 現政権におきましては、観光の成長戦略というのは、観光を成長戦略の一つの柱と思っております。地方創生という意味で考えましても、少なくとも今から、AIとかIoTとかいうものが発達した時代において、それに置いていかれていく、ついていけない、そういったところを考えたときに、この観光という新しい産業ともなり得るべきものは極めて大きな柱になるんだ、私どもはそう思って、これは精力的に取り組んでいくということが地方創生の意味においても極めて有効だ、そう考えております。したがって、今後、二〇二〇年に四千万人の観光客の目標やら、いわゆる東京のオリンピックだパラリンピックだのの開催を踏まえれば、私どもはこの時期により高次元な観光施策というのを急いで展開していくというのは、今後にとっても必要なんだ、そういう意味で極めて急務なんだと思っておりますので、この際、観光旅客税を創設させていただいて、こういった観光施策というものの充実に必要な財源の確保を図るということにしたものであって、御指摘は当たらぬと思っております。
○宮本(徹)委員 ですから、それだけ急務だったら、国交省の予算の中で優先順位を上げるというのが、本来、筋の話です。観光産業を大事だと思っているのは、多分、与野党全く変わらないですよ。しかし、そのためになぜ新たな新税をつくるのか、そこが問題になっているわけですよね。国全体の観光予算は、三千億円を超えています。それと、国交省、観光庁以外にも、文化庁や農水省だとかいろいろなところにもまたがって似通った事業をやっているんじゃないか、こういう指摘もあるわけですよね。観光財源をつくるためには、まず、現行の観光予算に重複がないかどうか、こういう点検をやることこそ先じゃないか、こういう意見も出ているわけですね。お伺いしますが、次世代の観光立国実現に向けた観光財源のあり方検討会だとか、明日の日本を支える観光ビジョン構想会議だとかで、現在の観光予算に重複などがないかというのはどういう点検をやったんですか。
○水嶋政府参考人 お答え申し上げます。一般的に、政策的な予算に無駄や重複がないかという点につきましては不断の見直しが必要であると考えておるところでございまして、このため、一般論としては、毎年度の予算編成過程において財政当局との議論が積み重ねられ、また、行政事業レビューなどを通じたPDCAの検証が行政としても行われているものというふうに考えております。観光庁予算につきましても、政府全体の行政事業レビューの場におきまして、平成二十七年度から毎年度見直しが図られておるところでございます。今般の税の創設をめぐる議論の中におきましても、例えば、次世代の観光立国実現に向けた観光財源のあり方検討会におきまして、新たな財源が野方図な歳出の拡大につながらないよう、法律その他の措置により税収の使途が規定されている事例も参考に、今後必要な措置を講ずること、また、財源を充当する施策の見える化を行い、その効果検証を不断に行うことが提言としてまとめられておるということでございます。
○宮本(徹)委員 聞いたことに答えていないんですよ。だから、実際、その検討会の中で、新たな財源をつくるという際に、今各省がやっているところに重複があるんじゃないかという指摘がされているんだから、重複がないかどうかという検討をしたんですかということを聞いているわけですよ。新税ありきだったんじゃないですか。ちゃんと、重複している事業がないか、財源があるところはないのかという点検はやったんですか。
○水嶋政府参考人 お答え申し上げます。観光関係の予算に無駄や重複がないかといった点につきましては、先ほど申し上げましたような仕組みを通じて、これまでから議論が積み重ねられてきたということでございます。この検討会におきましては、予断を持たずに、有識者の方々に、安定的な財源を確保するためにふさわしい施策とは何かということを御議論いただきまして、今日のような結論に至ったというものと承知しております。
○宮本(徹)委員 つまり、日常的な政府の点検以外に、新たな財源をつくる、その検討会をやる際に、その検討会の中では何の点検もしなかったということじゃないですか。国民に新たな負担を求めるという議論をする際に、いや、ほかにも財源をつくれる方法があるんじゃないかという検討は全くやらずに、新税ありきで検討が進められたというのははっきりしましたよ。とんでもない話だと思います。次に聞きたいのは、この税収規模の四百三十億円の根拠なんですけれども、根拠は何ですか。
○星野政府参考人 お答え申し上げます。本税の創設によりまして、御指摘のとおり、平年度ベースで四百三十億円の増収を見込んでおります。本税の創設に係る平年度ベースの増収額を見込むに当たりましては、国交省におきまして、直近の終了年度であります平成二十八年度の出国者数の実績値である約四千三百万人を用いまして、これに税額千円を乗じることにより算出しているところでございます。
○宮本(徹)委員 いや、私は、そういう見積りの根拠を聞いたというよりも、普通、こういう目的でこれだけの施策をやるから四百三十億増税しなきゃいけない、そういう政策目的上の根拠ですよ。なぜ四百三十億の財源をつくる必要があるのか、そこを伺っているんですよ。そこは財務省じゃないんじゃないですか。国交省、お答えください。
○水嶋政府参考人 先ほど来申し上げておりますように、さまざまな検討の過程におきまして、より高次元の観光施策を実現する上で、厳しい財政制約のもとで新たな安定的な財源を確保していく必要があるという結論を得たところでございます。ちなみに、政府の観光ビジョン関連施策といたしましては、関係省庁施策の内数として整理されているものを除きましても約七百億円程度の予算が計上されておるということで、これぐらいの規模の観光関係予算で私ども今まで観光立国を進めてきたわけでございますけれども、二〇二〇年四千万人、あるいは消費額八兆円といった、より高次元の目標、高次元の観光施策を実現していくために、新たな安定的な財源を確保することをお願いしたいということでございます。
○宮本(徹)委員 高次元の施策をやるために、具体的にどういうことをやるのにこれだけかかるからこれだけの税金をお願いしましょうというのが筋であって、今の話だと、高次元の施策の中身は何にも決まってなくて、まずお金が欲しい、それだけの話じゃないですか。全く、どれだけ必要な額があるのか、だから負担をお願いしなきゃいけないという、そういう話になっていないわけですね。残された時間が少ないので、通告をたくさんしていますけれども飛ばしてお伺いしますが、今回の目的は、ストレスフリーで快適に旅行できる環境の整備、我が国の多様な魅力に関する情報の入手の容易化、地域固有の文化、自然等を活用した観光資源の整備等による地域での体験滞在の満足度の向上、こういうものに使うということになっております。安倍政権は、観光政策の目玉としてIRというのをこの間掲げてきているわけですよね。そうすると、この観光旅客税というのはIRの関連にも使われていく、こういうことになるんですか。
○水嶋政府参考人 お答え申し上げます。まず、国際観光旅客税の税収の使途につきまして何ら議論がなされていないかということでございますが、決してそういうわけではございませんでして、この国際観光旅客税の税収の使途につきまして、しっかりとこれまで議論が行われてきたところでございます。昨年十二月の観光立国推進閣僚会議におきましては、二〇二〇年四千万人といった目標に向けて、この税収を三つの分野に充当するということをきっちりと定めていただいております。具体的には、第一に、ストレスフリーで快適に旅行できる環境の整備、第二に、我が国の多様な魅力に関する情報の入手の容易化、第三に、地域固有の文化、自然等を活用した観光資源の整備等によります地域での体験滞在の満足度の向上ということでございまして、この税収はこれらの三つの分野に充当するということがこれまできっちりと議論されておるということでございます。なお、IRについてのお話がございましたが、お尋ねのIRにおきましては、現在、内閣官房において具体的な制度の設計に関する検討がなされておるものというふうに承知をしておりまして、現時点ではその具体的な内容が明らかになっておらないということだと思いますので、観光庁としてお答えすることは差し控えさせていただきたいと思います。
○宮本(徹)委員 いや、IRの問題は、この間国会でも大変問題になってきたわけですよ。カジノ、そんなものがどこが成長戦略なんだということで議論になってきたわけですよね。そして、今のお話だと、答弁差し控えるということですけれども、この三つに当てはまればIRにだって使えるということになるんじゃないですか。使えない、IRなんてとても使えない、カジノの推進のためにはこれは使えないんだと言えないんですか。
○水嶋政府参考人 お答え申し上げます。IRだって使えるという委員の御質問の趣旨がちょっと正確に私、必ずしも理解できておらないところでございますけれども、IRにつきましては、現在、内閣官房において法案策定に向けて作業中というふうに承知しております。関連する歳出の中身が現時点で確定しているわけでもございませんので、予断を持ってお答えすることは困難ではないかというふうに考えている次第でございます。
○宮本(徹)委員 つまり、カジノみたいなものであっても、この三つに当てはまるというふうに解釈をすれば国際観光旅客税は使えるという話じゃないですか。私はとんでもない話だと思いますよ。もう質疑時間が来ちゃいましたからこれで終わりますけれども、たくさん通告しておりました。本当だったら、こういう特定財源のようなやり方は無駄遣いを生むんじゃないか、ここが一番大きな論点になっているわけですから、そこも議論しようと思っていたんですが、これは徹底した審議が必要だということを申し上げまして、質問を終わります。