2018年2月28日 衆院財務金融委員会 違憲の攻撃型空母保有へ 海自が具体的研究

日本共産党の宮本徹議員は28日の衆院財務金融委員会で、政府が「攻撃型空母」の保有に向けた調査・研究を行っている問題について、新たに入手した防衛省資料を示し、「憲法違反であり断じて許されない」と批判しました。
宮本氏は、海上自衛隊最大のヘリ搭載型護衛艦「いずも」などにおける「新種航空機の運用」のために、海上自衛隊が建造会社「ジャパン・マリンユナイテッド」に調査研究を委託する際の「仕様書」(2017年3月1日付)を示して追及。仕様書には、「いずも型護衛艦」などでの「航空機の長期間、多数機、多機種による連続運用」のための「能力向上に必要となる装備品を検討する」とし、その「費用、工期、課題」を「分析し、評価する」と明記されています。
宮本氏は「空母保有に向けた具体的な検討そのものだ」と指摘。検討している「新種航空機」に該当するのは、「敵基地攻撃能力」をもつ戦闘機F35Bではないかとただしました。
安倍晋三首相は「具体的な研究は承知していない」としながらも、現在保有している装備の「今後の拡張性」や、現在保有していない装備の「運用可能性」などの「基礎的な調査研究を行うことは当然」などと述べました。
宮本氏は「攻撃機を運用する攻撃型空母の保有は憲法上許されない」とする政府見解をあげ、「『新種航空機』に敵基地攻撃能力をもつF35Bが含まれるなら、明らかな憲法違反だ。調査研究はストップすべきだ」と批判しました。

以上2018年3月1日付赤旗日刊紙より抜粋

≪2018年2月28日 第196回財務金融委員会第5号 議事録≫

○小里委員長 次に、宮本徹君。
○宮本(徹)委員 日本共産党の宮本徹です。本会議での私の質問に対する総理の答弁にかかわって、きょうは二点質問したいと思います。一点目は空母の保有の検討について、もう一点は法人税引下げ競争の問題ということです。まず一点目ですが、防衛省が、昨年四月から、護衛艦「いずも」、ここで、新種航空機の運用についての調査研究を「いずも」を建造したジャパンマリンユナイテッド社に委託して行っていることが明らかになっております。予算委員会で小野寺大臣は、この研究について、私に報告があるような案件ではないと思います、こう答えておりました。総理にも聞きたいんですけれども、総理は、この護衛艦「いずも」での新種航空機の運用についての調査研究を行っていることをいつお知りになりましたか。
○安倍内閣総理大臣 今後の防衛力のあり方については、さまざまな検討を不断に行っています。護衛艦「いずも」の将来の活用方策に関する基礎的な調査研究や情報収集についても、防衛省において、その判断のもと、かねてより行ってきているものと承知をしています。さまざまな検討状況については、必要に応じ適宜報告を受けているところであります。委員御指摘の研究とは、DDHの航空機運用能力向上に係る調査研究のことと思われますが、本件については、防衛省より、いまだ調査研究の途上であるとの報告を受けており、具体的な研究成果についての報告は受けておりません。具体的な研究調査の内容等々が必要であれば、政務官から答弁させたい、このように思います。
○宮本(徹)委員 いや、報告、結果が出ていないのは私も知っているわけですけれども、新種航空機を運用している研究をやっている、まだ報告が出ていないけれども、そういう研究をやっているということについて、総理は先ほど適宜報告を受けているということをおっしゃっていましたけれども、その適宜報告を受けている中に、新種航空機の運用を「いずも」でやるための研究をやっていると聞いていたわけですね。
○安倍内閣総理大臣 今答弁申し上げましたように、かねてよりこの調査研究、情報収集は防衛省の方において行っているわけでありますが、さまざまな検討状況について、必要に応じて適宜報告を受けているところでございます。
○宮本(徹)委員 ですから、その必要に応じて適宜受けている中に、新種航空機の運用の研究をしているという報告もあったということでいいわけですね。
○大野大臣政務官 恐れ入ります。ただいま御質問いただきました件でございますけれども、まず明確に申し上げておきたいのは、総理の指示を受けて調査研究を始めたというものではございません。その中において、先ほどもお話がありましたとおり、適宜、総理には報告をさせていただいている、こういう状況でございます。まず、念のため、この調査について一度整理してお答えをさせていただきたいと思っておりますけれども……(宮本(徹)委員「聞いていないのに答えないでくださいよ、時間がないんだから」と呼ぶ)では、後ほど。
○宮本(徹)委員 はっきりさせたいんですけれども、総理の指示で始めたわけじゃないけれども、適宜報告していると。総理は、新種の航空機の運用の研究を「いずも」でやっているということについて報告は受けていたわけですね。
○安倍内閣総理大臣 適宜、いろいろな場において報告を受けております。
○宮本(徹)委員 ですから、それは新種航空機の運用についても入っているということでいいわけですね。
○安倍内閣総理大臣 今、一般的に、どういう報告を受けているかということについては、適宜、さまざまな調査研究についての報告を受けているということでございます。
○宮本(徹)委員 聞いたことに答えていないですよ。さまざまな報告を受けている間に、新種航空機はF35Bじゃないかということを言われているわけですよ。空母化の検討を今まで行っていないというのは、総理の答弁ですよ。この新種航空機がF35Bだったら、今までの総理の説明は全くの大うそとなるわけですよ。ですから、新種航空機の運用を「いずも」でやるための調査研究をやっているということを、そこも適宜報告された中には入っていたということでいいわけですね。
○安倍内閣総理大臣 委員御指摘のこの研究でございますね、ヘリ搭載護衛艦の航空機運用能力向上に係る研究調査のことだと思いますが、本件については、防衛省より、いまだ調査研究の途上であるとの報告は受けておりまして、いわば、まだこれは調査研究の途上であるという報告は受けております。さまざまなことを研究しているということでありますが、しかし、それは、調査研究の途上であるという報告は受けておりますが、具体的な研究成果についてはまだ報告は受けていないということであります。
○宮本(徹)委員 それは、研究成果がまだ出ていないですから、成果についての報告を受けていないのは当然なわけですけれども、問題は、一月の段階で、本会議で、空母の保有の検討は行っていないと、総理は、私どもの志位委員長の代表質問に対して答弁されたわけですよ。しかし、その後、予算委員会で、私は、防衛省はこういう研究をしているじゃないか、新種航空機の運用の研究をやっているじゃないかということを言ったわけですよ。ですから、いつ知ったのかということですよ、これを。私が予算委員会で質問して、その後、本会議でもこの問題をお伺いしました。その時点でこういう研究をやっているということをお知りになったのか、その前から知っていたのか、どちらですか。
○安倍内閣総理大臣 今御紹介いただいたんですが、私の答弁でございますが、これまで政府として護衛艦「いずも」の空母化に向けた具体的な検討を行ってきたとの事実がないことは、累次答弁しているとおりでございます。他方で、今後の防衛力のあり方については、さまざまな検討を不断に行っているところであり、この点も政府として累次申し上げているところでございます。護衛艦「いずも」の将来の活用方策に関する基礎的な調査研究や情報収集などは、防衛省においてかねてより行ってきているものと承知をしております。
○宮本(徹)委員 ですから、その研究をしている中に新種航空機の運用の研究をやっているということは、予算委員会でこういう研究をやっているじゃないかと私たちが質問する前は総理は知っていたのか、報告を受けていたのか、そこを聞いているわけですよ。
○安倍内閣総理大臣 研究を行っているという報告を受けております。この研究の中身については、これは一々報告を受けていないということであります。いずれにいたしましても、今申し上げましたように、空母化ですね、護衛艦「いずも」の空母化に向けた具体的な検討を行っていたとの事実がないのも答弁で申し上げているとおりであります。政府として、現在保有している装備について今後の拡張性に関する客観的なデータを把握したり、現在保有していない装備について我が国での運用可能性を調査するなど、基礎的な調査研究を行うことは当然であろう、こう考えております。
○宮本(徹)委員 先ほど、知っていたというお話ですけれども、重大ですよ。将来の拡張性だとか運用可能性とか言って、今まで憲法上、空母は保有できないと言ってきたんですよ。それを拡張性だとか何だとかと言って、F35Bも含めて運用する方法を研究していると言ったら、これまでの政府の憲法解釈からいっても大問題じゃないですか。では、念のため確認しますけれども、この新種の航空機とは何なのかというのは、総理御自身は、報告はまだ、報告書は見ていないということですけれども、新種の航空機は何なのかということについての報告は受けているんですか。
○安倍内閣総理大臣 ただいま答弁をいたしましたように、例えば「いずも」の活用に関する基礎的な調査研究、情報収集などは、防衛省において行っているということについては承知をしておりますが、今御質問のあった具体的な研究については、私は承知をしていないということであります。
○宮本(徹)委員 ですから、具体的な研究は知らないと。さっきは知っているようなことを言って、今度は具体的な研究は知らないという話を言いますけれども、では、新種航空機とは何なのかということについて、私はF35Bだったら問題だという質問を本会議でさせていただきましたけれども、その後、この新種航空機とは何なのかという確認は総理はされたんですか。
○安倍内閣総理大臣 新種航空機がF35Bということで今具体的におっしゃっておられますが、いわばF35Bについての調査報告を行い、そしてその結果が出ているという報告は受けていないということであります。
○宮本(徹)委員 ですから、新種航空機が何なのかということについての報告は受けていない、確認もしていないということでいいわけですね。
○安倍内閣総理大臣 それは、そういうことであります。
○宮本(徹)委員 なぜ確認しないんですか。F35Bだったら、これは文字どおり空母化ということになるわけですよ。総理は、空母の保有の検討を行っていないということを、この間、繰り返し答弁されてきたわけですけれども、この新種航空機がF35Bだったら、文字どおり空母化じゃないですか。憲法違反の研究ということになるわけですよ。それから、基礎的な研究ということをおっしゃいますけれども、結構踏み込んだ研究をやっていますよ。私は、このDDHの航空機運用能力向上に係る調査研究を委託する際の、契約のときの仕様書を防衛省からいただきました。こう書いていますよ。「役務の内容」として、「ひゅうが型及びいずも型護衛艦について、航空機の長期間、多数機、多機種による連続運用に係る官の指定する能力向上に必要となる装備品を検討する。」空母として、実戦での運用に向けた検討ですよね。しかも、もう一点、こう書いていますね。「前号で適合と導出された検討結果について、ひゅうが型及びいずも型護衛艦に適用する場合の費用、工期、課題及びその他必要事項を分析し、評価する。」具体的な改修に向けて、費用や工期まで検討しているんですよ。これは、基礎的な調査と言いながら、この新種航空機がF35Bだとしたら、空母化に向けてどれだけ改修費用がかかるのか、どれだけ改修の期間がかかるのか、こんなところまでもう着々と研究を進めているということじゃないですか。これは空母の保有に向けた具体的な検討そのものじゃないですか。
○安倍内閣総理大臣 護衛艦「いずも」に関して平素から行っている調査研究は、結論を予断するものではなく、あくまでも客観的な基礎情報を収集するものであります。政府として、F35Bの導入や、護衛艦「いずも」への搭載を決めた事実はありません。いずれにせよ、政府としては、性能上専ら他国の、専ら他国の国土の壊滅的な破壊のためにのみ用いられる兵器、例えば、大陸間弾道弾ミサイルICBM、長距離戦略爆撃機、あるいは攻撃型空母については保持することが許されないと考えており、今後ともこの見解には変更はございません。
○宮本(徹)委員 その見解に変更がないと言いながら、実際、空母化に向けた検討を行っているじゃないですか。この新種航空機がF35Bだとしたら、改修まで含めた検討を、もう実際に、「いずも」を建造した会社ですよ、今この研究を請け負ってやっているのは。そこに委託してやっているわけでしょう。これは憲法上大問題だと言わなきゃいけないですし、憲法上、空母は保有を許されない、これからも保有しないんだ、見解を変えないんだと言いながら、着々とやっているじゃないですか。大体、空母については、先ほども答弁があったとおり、攻撃型空母の保有は憲法上許されないという答弁を重ねてきました。この攻撃型空母について、一九七八年の答弁では、この攻撃型空母というのは、攻撃機を主力とする空母を攻撃型空母といいますというふうに政府は答弁されております。攻撃機を主力とする空母。F35は、AであれBであれ、これは攻撃機ですよね、総理。総理はF35の能力をよく御存じですよね。かつて国会でも答弁されていますが、F35は攻撃機である、間違いないですね。
○安倍内閣総理大臣 防衛計画の大綱の見直しに当たっては、従来の延長線上ではなく、新たな課題や対応策について幅広く検討していく考えでありますが、専守防衛は検討に当たっての当然の大前提であるということは申し上げておきたいと思います。いかなる場合であっても、性能上専ら、専ら他国の国土の壊滅的な破壊のためにのみ用いられる兵器を導入することはないということでございます。
○宮本(徹)委員 いや、攻撃型空母の保有は許されないというのが国会で重ねられてきた答弁なんですね。だから、確認します。F35Bは攻撃機ですよね。敵基地攻撃能力がありますよね、総理。これは御存じですよね。F35は、AもBもCであっても、対地攻撃能力、敵基地攻撃能力を持っていると。
○大野大臣政務官 恐れ入ります。基本的には、例えば、今、F35Bの話を中心にお話をされておりますけれども、先ほど申しかけましたけれども、まず、35Bを前提として何か運用を想定して、計画をしてやろうといった事実があるわけでも全くございません。その部分については、まず御理解を賜れればと思います。そして、今お尋ねの35Bでありますけれども、基本的に、対地攻撃能力という意味では、35Aも35Bも持ち得る機体で、マルチロール機と言われているものでありますけれども、対地攻撃能力という意味ではAの方がすぐれている、一般的にはこのように言われているところでありますけれども、いずれにせよ、35を「いずも」に載せて運用しようという具体的な計画があるわけでは全くございません。
○宮本(徹)委員 対地攻撃能力はあるんですよ。AとBだったらAの方がある。それは、艦載機だから、中に積める爆弾の量はBの方が若干少ないです。二割ぐらい少ないと言われていますけれども、しかし、相当なミサイルが積める。防衛省の資料でも出ているとおりであります。敵基地攻撃能力はある。対地攻撃能力はある。総理は、かつて国会でこう言っていますよ。「敵基地攻撃について言えば、私の問題意識としては、それをずっとアメリカに頼り続けていいのだろうかということなんだろうと思います。ですから、F35を導入するのであれば、F35の能力もあります、そういうものも生かしていくことができるかどうかということについての検討はしなければならない。」二〇一三年、国会でこう言われているわけですよね。総理は、よくF35の能力も御存じなわけですよ。敵基地攻撃もできる、そのことを認識した上で、そして、空母化に向けた検討をやるなんというのはもってのほかというふうに言わなければならないというふうに思いますが、総理、この新種の航空機がF35Bを含んでいるかどうか直ちに確認していただきたい。そして、F35Bが入っているんだったら、これこそ空母化を目指すものですから、今までの総理の答弁とも違うんですから、直ちにこの調査研究はストップすべきだと思いますが、いかがですか。
○安倍内閣総理大臣 いわゆる敵基地攻撃については、日米の役割分担の中で、米国の打撃力に依存しており、今後とも日米の基本的な役割分担を変更することは考えていないということはまず申し上げておきたいと思います。そして、先ほど大野政務官から既に答弁をさせていただきましたが、F35AとBを比べれば、BよりもAの方が対地攻撃はすぐれているわけでありますが、いずれにせよ、これは、憲法の範囲内で我々はそうした実力を行使をしていくところでございます。いずれにいたしましても、最初に申し上げましたように、そもそも、今後の防衛力のあり方については、さまざまな検討を不断に行っていくことは当然だろう、こう考えております。
○宮本(徹)委員 時間が来ましたので、二点目のところまでたどり着けなかったのが大変残念ですが、またの機会に質問をしたいと思いますが、空母化に向けた検討などは断じて許されない、憲法違反だということを強く指摘して、質問を終わります。