2018年3月20日 衆院財務金融委員会 シェアハウス投資、早急な行政指導を

日本共産党の宮本徹議員は20日の衆院財務金融委員会で、賃貸シェアハウス投資の問題を取り上げ、融資したスルガ銀行の異常な融資を告発し、被害を受けたオーナーに対する無理な負債取り立てをやめさせるなど早急な行政指導を求めました。
オーナーにシェアハウスを建築させて一括で借り上げるサブリースを展開する「スマートデイズ」は、家賃収入を30年間保証するとしていましたが、今年1月から1円も支払われていません。オーナーは、スルガ銀行からの融資を受け、1棟1・5億円程度で物件を購入。一部オーナーによっては毎月70万円もの返済をスルガ銀行から迫られています。
宮本氏は「金融庁の森信親長官は地方銀行のビジネスモデルとしてスルガ銀行を評価していた。金融庁は実態を把握していたのではないか」と指摘。融資審査にかかわりオーナーの資産状況が改ざんされたり、過大な担保設定がされたり、融資と抱き合わせで7・5%もの高率で1000万円のフリーローンを契約させたりしていた実態を示し、「スルガ銀行の優越的地位の濫用や審査体制はきわめて問題だ」と追及しました。
麻生太郎財務相は「個別の金融機関に関わることはコメントを差し控える」としつつ、「仮に問題が認められたら、立ち入り検査や報告命令を活用し、必要な改善策の策定実施を求める」と答えました。
宮本氏は「早急な立ち入り検査、行政指導が必要だ。サラリーマンのオーナーに大きな負債の返済は続かない。遅延損害金を取ったり、無理な返済を求めることは許されない」と強調しました。
麻生財務相は「個別の案件は答えられないが、調査する」と答えました。

2018年3月22日付赤旗日刊紙より抜粋

≪2018年3月20日 第196回財務金融委員会第8号 議事録≫

○小里委員長 次に、宮本徹君。
○宮本(徹)委員 日本共産党の宮本徹です。本日二度目の質問です。まず、一千人とも言われる大きな被害が出ておりますスマートデイズなどによるシェアハウス投資をめぐる事件について取り上げたいと思います。スマートデイズなどのサブリース会社は、三十年間一括借り上げで家賃収入を三十年間保証することを売りに、数年で業績を一気に拡大をしました。このスマートデイズは、昨年十月にオーナーに賃料を減額すると言い、ことし一月からは賃料は一円も払えないと説明し、現在、オーナーへは賃料が一切支払われていないという状況になっています。オーナーの大半は普通のサラリーマン。そして、このオーナーの一〇〇%近い人がスルガ銀行から融資を受けて、一棟当たり大体一・五億円ぐらいでシェアハウスを購入しております。賃料が一円も入らなくても、毎月七十万円ぐらい返済はせねばならないと。先日、被害者の皆さんのお話を聞きましたけれども、もう心中するか自己破産だ、こういう話も伺ってまいりました。ちなみに、このシェアハウスの入居率は今四割程度だということが言われていまして、およそビジネスとして成り立たない。実態は自転車操業で、初めから計画倒産を狙っていたのではないか、こういう指摘も出ております。配付資料、表面を見ていただきたいんですが、シェアハウス投資が確実に利益が出て、何億融資しても返済可能なビジネスモデルであると仮にスルガ銀行が判断していたら、上の図のように、スマートデイズ自体に直接融資を行って事業を支援すればいいわけですよね。しかし、現実には、間に個人の投資家をオーナーとして介在させ、事業のリスクをオーナーが負うビジネスモデルということになっております。麻生大臣にお伺いしたいと思いますが、金融庁自身は、アパートローンの拡大に警鐘を発してきておりました。一方、森金融長官は、スルガ銀行をこの間評価していたんですね。昨年五月の講演で、森長官は、地方銀行のビジネスモデルについてこう言っていたんですね。地域のサービス業へのコンサルティングや融資を通じ収益を確かなものにすることも一つのビジネスモデルだ、こう述べて、先駆けてニッチな分野を開拓し収益を上げている、こう言ってスルガ銀行を評価しておりました。お伺いしたいのは、金融庁は、このスルガ銀行の高い収益あるいは預貸率がこのシェアハウス投資のようなアパートローンから生まれている実態というのは把握されていたんじゃないですか。
○麻生国務大臣 この報道というもの自体は承知しておりますけれども、御存じのようにこれは個別金融機関にかかわることですので、ちょっとコメントとしては差し控えさせていただきます。その上で、一般論として申し上げさせていただきますけれども、これは金融機関において、いわゆる顧客の信頼を損ねるということがないように利用者保護とか法令などを遵守するというのは、これは当然のことなんだというように考えております。
○宮本(徹)委員 金融庁がつかんでいなかったはずはないと思うんですよね。そして、裏面に、資料の二、配付資料を見ていただきたいんですが、スルガ銀行の融資の実態というのは本当に恐ろしいものです。これは通帳のコピーで、これも改ざんなんですね。公文書の改ざんはとんでもない話ですけれども、通帳のコピーが改ざんされています。実際の通帳は六百万円の預金なのに、銀行から被害者の皆さんが取り寄せた、調べたら、通帳のコピーは二千六百万円、二千万円ふえているということがありました。これは通帳だけじゃないんですね。きょう質問すると言ったら、被害者の方が急遽確定申告の控えも届けてくれましたけれども、これも、改ざん前、改ざん後、ちょっと黒塗りだからあれですけれども、六百九十万円の給与が一千九十万円に改ざんされているという話なんですよね。被害者の皆さんが銀行から融資の際の資料を取り寄せたら、こういう資産状況の改ざんというのがいっぱいあった。スルガ銀行が、このビジネスモデルでも普通のサラリーマンに億の単位の融資をするために、審査基準を満たすように改ざんをしたものを利用したということです。この通帳の方の記憶では、融資のときに仲介会社の担当者が同席していたと。通帳のコピーをとってきますと言って、三十分ぐらいたってコピーを銀行の担当者に渡したそうです。銀行の担当者自身は、直接通帳の原本は見なかった、確認しなかった。そして、このコピーだけ見て、このコピーをもとに融資の判断をしていったということなんですね。大体、普通、銀行が通帳の原本を確認しないというのは考えられない。ましてや、第三者がコピーをとってくる、その場で。これはもう本当におかしい話だと思います。更におかしいのは、オーナーの皆さんが購入したシェアハウスというのは市場価格に比べて数割割高なんですね。割高な建築コストを得た建築会社からのキックバックがスマートデイズの自転車操業の元手となった、こういうふうに言われております。ですから、追い詰められて今オーナーが建物を売っても、多くの負債が残るというのが今の状況です。そして、不思議なことに、スルガ銀行の側の担保の評価も、近隣の不動産売買価格を大きく上回ってこの物件に対してつけているというんですね。大体、融資のプロが、市場価格とかけ離れた売買で何も言わずに過大な担保価値を設定するというのは全く解せない、摩訶不思議な話ということになっています。さらに、これもひどい話なんですけれども、被害者の皆さんの話を聞いたら、お金を借りる際、利率七・五%という極めて高いフリーローン、一千万円、この融資を抱き合わせで契約させられているという話です。しかも、その一千万円をそのままスルガ銀行の定期預金にしてほしいと言われた方もいて、そのまま定期預金にした人もいます。そうすると、今、定期預金だってほとんど利子はつかないですからね。七・五%の金利をただで払っている、こういう状況があるわけですよね。本当にひどい話なんですよね。ちょっと金融庁に確認しますけれども、アパートローンのような融資の際にフリーローンをセットにして契約させるというのは、これは独禁法の優越的地位の濫用に当たる、はっきりしているんじゃないですか。
○遠藤政府参考人 お答え申し上げます。委員御指摘の独占禁止法及び銀行法におきまして、取引上の優越的地位を不当に利用して、取引の条件又は実施について、顧客に対し不利益を与えてはならないというふうにされております。また、我々の監督指針におきましても、この優越的な地位の濫用など、正常な取引慣行に反する不適切な取引の発生をどのように防止しているかといった規定を置きまして、金融機関に対して適切な体制整備を求めているところでございます。一般論として、優越的地位の濫用に該当するかどうかという判断は、これは個別案件ごとの状況に応じて判断されるものだというふうに考えております。ちなみに、金融機関がこの優越的な地位にあると解釈される場合というのは、金融機関との取引継続が困難になることが取引先の事業経営上大きな支障を来すために、金融機関が著しく不利益な要請等を行っても受け入れざるを得ないというような状況にあることと一般的に解釈されております。そうした状況を総合的に勘案しながら、個別案件ごとに判断されることになると考えております。いずれにせよ、金融機関が顧客の信頼を損ねることがないように、利用者保護や法令等を遵守して業務運営を行うことが求められております。適切な内部管理体制を整備する必要があるというふうに考えております。
○宮本(徹)委員 個別案件ごとに監督していかなきゃいけない、指導していかなきゃいけないということですから、これはしっかり指導していただかなきゃ困る話だというふうに思います。麻生大臣にもお伺いしたいと思いますが、スルガ銀行の融資の審査体制、やっている中身についても、私が被害者からお伺いした中身をお伝えしましたけれども、こういう優越的な地位の利用、過剰な融資、ずさんな、でたらめな審査体制、これは極めて問題だと思いますが、大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
○麻生国務大臣 繰り返しになりますけれども、スルガ銀行等々、個別の金融機関に関しての事項について、これはちょっとコメントを差し控えさせていただきますが。今、宮本先生がおっしゃられましたように、これは一般論として申し上げれば、今、遠藤の方から申し上げておりますけれども、金融機関の業務運営というのは、これは適切に確保するという観点から、いわゆる、先ほど公正取引とかいろいろ言っていましたけれども、必要な場合におきましては、銀行法上、報告徴求命令というものとか、それから立入検査とかいうものを活用して私どもとしては対応させていただきますが、仮に問題が認められた場合に対しましては、金融機関に対して必要な改善策というものを我々としては策定、実施を求めるということになります。
○宮本(徹)委員 個別のことは言えないからあれなんですけれども、先週末の報道では、報告徴求を金融庁がスルガ銀行に対して、ここまで行ったというお話があります。早急に立入検査も行っていただいて、そして行政指導も行っていっていただきたいと思います。この問題で大事なのはスピードだと思っています。というのは、ほとんどのオーナーさんはサラリーマンです。私も、アパートローンの話は、私の地元なんかはやはり農家のおじさんたちのところに来てという話がありましたけれども、そういう別の食いぶちがある人とはまた別の話で、サラリーマンですから、収入は自分の月給しかないわけですよね。その方が多額の負債を背負って毎月七十万円返済しなきゃいけないということになったら、本当にそう続かないです。この間、被害者の皆さんの集まりでも、あと一カ月、二カ月で私たちはどんどん倒れていかなきゃいけない、自己破産に追い込まれていく、こういうお話がありました。今、スルガ銀行は返済の延期にも一部応じているという状況は生まれていますけれども、遅延損害金だとか、取らないということは言わないわけですよ。そうすると、今は返済延期に一部、一時的に応じたとしても、後で利息つきでどかっと求められるんじゃないかという不安も被害者の皆さんは持たれている。大変不安な状況ということになっております。大体、改ざんされた通帳コピーに基づいてでたらめな融資を行っている側が損害遅延金まで取っていく、私は、こういうことは絶対許されない、道義的にも許されないと思います。無理な返済を求めることも許されないというふうに思います。ぜひ、早急な立入検査、そして早急な行政指導、改善命令、お願いしたいと思いますが、よろしくお願いします。
○麻生国務大臣 きょうび金利が七%というのは、そんなふざけた話に乗りますかねというのが、正直、今聞いた話の実感ですね。金利七%で金借りぬでしょう、今は。私だったらそう思いますけれども、それでも借りている人がいるということですわな、今の話だと。多分そうなんだと思いますよ。そういうのにひっかからぬのが普通なのに、こんな高いものにひっかかりますかねと思いますけれども。いずれにいたしましても、状況というものは私ども、今の段階で、個別の案件ですので何ともお答えできませんけれども、調査をさせていただきます。
○宮本(徹)委員 七%は本人たちが借りたくて借りたんじゃなくて、セットで、一・五億円のシェアハウス投資のためのお金を借りるんだったらこの高い七・五%のフリーローンもセットで借りてくれ、こうやられているわけですよね。ですから、本当にひどい話だということですので、ぜひ早急な対応をお願いしたいというふうに思います。そして、続きまして、残りの時間で森友学園の問題について質問をさせていただきたいというふうに思います。連日、日がわりのように、メディアの報道で新しい話が出てまいります。三月十六日の日は、先週の金曜日は、私も国会で取り上げましたけれども、ごみの深さについて虚偽の報告書の作成を国の側が業者に促していた、こういう報道がありました。そして、きのうは、交渉記録は破棄したと私たちには説明されてきたわけですが、実際には近畿財務局職員が保存し、本省にも報告していた、こういう報道がありました。さらに、きょうの報道では、これまではごみの撤去費用は国交省が見積もったと言ってきたのが、実際には学園側の業者にごみ撤去費用の見積りを依頼していた、こういう報道が出ております。本当に、次から次へと、この間国会で説明されてきたことを覆す証言が報道として出る状況になっております。この事態について、太田理財局長はどう受けとめていますか。
○太田政府参考人 この事態についてというお問合せですが、要すれば、こういうふうに報道が次から次へと出ていることについてということだと思いますが、報道が出るのは、基本的に、報道機関の方が何らかの情報を得て報道されているということだと思いますので、私は報道機関ではございませんので、それは私の方ではわかりかねるということでございます。
○宮本(徹)委員 そういうことを聞いているんじゃないんですよ。政府が説明してきた内容を覆す、それに反する証言が次から次へと出ているわけですよ。これまでの政府の説明が本当に正しかったのか、全て私は洗いざらい総点検しなきゃいけないと思いますよ。私はそういうことが求められる事態だというふうに思います。それで、先ほど来議論になっていることについて、私も幾つか確認していきたいと思いますが、三月十六日の毎日新聞の報道であった、ごみの深さについて国の側が業者に虚偽の報告を促したということについて、近畿財務局の職員に確認された中身を先ほど太田理財局長から答弁がありました。この近畿財務局の職員というのは、この間国会で名前が挙がってきた池田さん、三好さんということなんでしょうか。
○太田政府参考人 お答えを申し上げます。先ほど今井委員の御質問にお答えしたことと同じ内容でございますが、お答えを申し上げます。御指摘の報道は、近畿財務局の職員に確認をいたしましたところ、捜査の関係もあり、どこまで話してよいかはわからないが、少なくとも、工事業者とのやりとりについてどのように解釈するのか、いろいろな考え方はあるかもしれません、ただし、当方としては、損害賠償も迫られる逼迫した状況のもとで、瑕疵をきちんと見積もるために資料や情報を得るのに必死であったことは確かでありますが、工事業者に対して架空の資料や虚偽の報告書をつくるよう依頼したつもりはないということでございましたということでございます。今ほど申し上げたことが全てでございまして、今、委員が、誰かというようなことは、今御報告を申し上げたことで御賢察を、御賢察をというか、申し上げられないということが御賢察をいただけるというふうに思います。
○宮本(徹)委員 名前はおっしゃるわけにはいかないということのようですが、当時の担当者というのはもう国会でも名前が出ているわけですよね。そして、その方々というのは、この間、太田理財局長も確認された音声データの中で、業者の側が三メートルより深いところにはごみはないと言っているのに対して、深いところにごみがあることにしようと。その場に同席していた方々じゃないですか。私は、近畿財務局の職員に聞くだけじゃだめだと思いますよ。これは、先週金曜日の議論では業者に確認すべきだという話だったと思いますが、業者の側には確認されたんでしょうか。
○太田政府参考人 お答えを申し上げます。工事業者は、国にとって契約当事者では、御案内のとおり、ございません。第三者でございます。また、この間、委員が引用された報道によれば、工事業者も捜査で聴取を受けてという報道で委員は質問されたと思います。仮にそうなりますれば、お互いに捜査を受けている身ということで、大阪地検に、そういう者同士が話をするというのは、それはある意味捜査妨害になることでございますから、我々は捜査に全面的に協力をしないといけない、そういうことで臨んでおりますので、そういう立場として、そのようなことはいたしかねるというふうに思っております。
○宮本(徹)委員 お互い捜査されている同士でも、この間、国政調査権の発動だということで、改ざん文書については調査してきたわけじゃないですか。その説明は全く成り立たないですよ、今の説明は。私は、業者に対しても確認をすべきだということを重ねて申し上げておきたいというふうに思います。それから、きのうの新聞にあった、交渉記録が実際はある、本省にも伝えていたということですが、これは調べるということなんですけれども、何か、きょうの話もきのうの答弁も、ずっと聞いていますと、何となく、改ざん問題の調査が終わってから、一段落してから調べるみたいな話になっているんですけれども、これはすぐに調べられる話じゃないんですか。交渉記録、あるのかないのか。近畿財務局にあるという証言も出ているわけですから。これは、なぜすぐ調べないんですか。
○太田政府参考人 お答えを申し上げます。先ほどもお答えを申し上げましたが、今回の十四件の大変申しわけない書きかえのことについて、我々なりには一生懸命調べて、三月の十二日に報告をいたしました。それでも国会の先生方からは、遅い遅いと厳しい御批判をいただきました。そういう中で必死になって、ある意味で急いでやった結果とは申し上げませんが、その後、十四日には更に一枚、十九日には更に一枚という状況であります。そういう状況のもとで、まずこれだけ御議論をいただいています書きかえの問題をきちんと確認をし、さらに、御党も含めて一番御質問をいただいているのは、誰がどういう理由でどういうことでこういうことをやったのかということを解明せよということでございますので、まずそれを最優先でやらなければいけないと思っております。我々は、先ほども御答弁を申し上げましたが、こういう報道があったからというよりも、今回、こういう作業をしてみて、要すれば、我々の通常の、通常のというか、普通やっていて目に入らないところでこういうことが、ある意味で、今回、捜査機関の御協力も得て発見をするということが起きましたので、そういう意味で、絶対にないという断言をすることはできないという考え方のもとで調べようということを思っておりますので、まずは、御党も随分、その前のところの話について、他の委員会でも厳しく御指摘をいただいております。その厳しい御指摘を踏まえないで、それがきちんとできないでというわけにはいきませんので、そこは御理解をいただきたいというふうに思います。
○宮本(徹)委員 それは、並行してできる話だと思うんですね。なぜなら、誰の指示でやっているのかという調査を、今、理財局の手を離れて大臣官房を中心にやられているというのがこの間の説明じゃないですか。だったら、理財局がそこの中心に座っていないわけですから、近畿財務局も含めて、あるいは本省も含めて、なぜ、交渉記録、あるのかないのか、この調査が並行してできないのか全く理解できないんですけれども、その点はどうなんですか。
○太田政府参考人 お答えを申し上げます。調べる側が、官房が中心だと申し上げました。調べられる側は、理財局が残念ながら中心でございます。そういう中で、今委員がおっしゃっていることを、簡単に並行してできるとおっしゃいますが、決して今そういう状況ではありません。しかも、毎日こうやって御審議をありがたいことに頂戴をいたしておりますので、そういう意味で、とてもではありませんが、平日は全く、全員作業ができません。週末しか作業はできません。このところ、週末、基本的に彼らは休んでおりません。そういう状況でございますので、およそ、できることには、人間ですので、二十四時間しかありませんので、限度がありますので、その中で一生懸命やるということを申し上げております。
○宮本(徹)委員 人間に限度があるという点は理解しますが、並行して、できる限りのことをやっていただきたいと思います。それから、きょうの東京新聞の報道ですけれども、きょう航空局にも来ていただきました。ごみの撤去費用について、国が森友学園側の業者に見積りを依頼し、森友側が値引きを算定したことがわかったと報じられております。関係者は取材に、業者側の見積りがほぼそのまま認められたので驚いた、異常な状況だったと話しております。この報道にかかわって、業者に確認をとられましたか。
○和田政府参考人 お答えいたします。大阪航空局は、見積りに当たりまして、校舎の設計の概略図や森友学園側が行った試掘の報告書など、見積りに必要となるような資料は工事関係者から入手をしているところでございます。しかしながら、大阪航空局の職員にも確認をいたしましたが、報道にあるような、森友学園側の工事関係者から見積りそのものを入手して大阪航空局の見積りとしたといった事実はないというふうに聞いております。これまでも御説明してきましたとおり、大阪航空局は、当時、検証可能なあらゆる材料を用いて、みずから見積りを行ったというふうに聞いております。
○宮本(徹)委員 さっきの太田理財局長も、近財の職員には確認されたと。先ほど航空局も、大阪航空局の職員には確認されるわけですが、出どころは業者なんですよね。この間、職員の側の発言が本当なのかどうなのかというのがずっと問われてきているわけですよね。業者の側から出ている情報、この間、いろいろなもので出てきた、音声データと照らし合わせたら、森友学園側の籠池さんが言っていることや業者の言っていることの方が、音声データに合致していることがたくさんあるわけです。そういう事実を前にすると、それは皆さんは職員を信頼したい、信じたい、その気持ちはわかりますけれども、職員だけじゃなくて業者の側にも私は聞く必要があると思いますが、航空局、どう思いますか。
○和田政府参考人 お答えいたします。我々としては、やはり、見積りを行ったのは職員の方でありますので、職員にまず事実を確認して、そうではないというふうに申しておりますので、事業者の方への確認は差し控えさせていただきたいと思います。
○宮本(徹)委員 だから、そうではないで今までとまっていたから、後から後から音声データが出てきて、言っていることと全然違ったじゃないかという話にこの間なっているわけじゃないですか。違いますか。そうでしょう。よく考えていただきたいというふうに思います。会計検査院にもお伺いしますけれども、ごみの撤去費の見積りの今回の報道にかかわって、会計検査院に対しては、業者が見積りに関与していた、こういう話は聞いていますか。あるいは、業者にこれから確認する考えはありますか。
○戸田会計検査院当局者 お答えいたします。地下埋設物撤去処分費用の算定においてのお尋ねでございますが、報告書におきまして、「本件処分費の単価について、大阪航空局は、森友学園小学校新築工事の工事関係者からヒアリングを行うとともに、他の二者から徴した見積りとの比較検証を踏まえて、二万二千五百円/tと設定していた。」と記述しております。
○宮本(徹)委員 それで、こういう報道があるわけですけれども、もし報道の方が事実だということになれば、これまたこの間の会計検査の前提が崩れているということになると思うんですが、再調査をすることを約束されているわけですけれども、この再調査の中で、ごみ撤去費用の見積りに業者がどうかかわったのか、この点についても調査をしていただきたいと思いますが、いかがですか。
○戸田会計検査院当局者 お答えいたします。今般、決裁文書に関する問題が明らかになりましたことなどから、決裁文書の書きかえに至る経緯及びその内容を確認するなどして、報告書の記述についても改めて検討してまいりたいと考えております。
○宮本(徹)委員 それは、業者にも聞いていただくということでいいわけですね。では、次に行きます。きのうの太田理財局長の答弁を聞いていて、あれと思ったことがあったので一点お伺いしたいんですが、決裁文書の書きかえの動機についてです。きのう、太田理財局長は答弁で、例えばということで、佐川さんの、書類がないのでお答えできないという答弁を気にしてそういうことをしたのだろうと考えられるという発言をされていました。この書類がないのでお答えできないというのは、交渉記録を破棄をしたという発言を指しているんですか、この佐川さんの。よくわからなかったんですけれども。
○太田政府参考人 お答えを申し上げます。きのうも一時間ずっと審議だったものですから、言葉の一つ一つが私にとってみても十分練れていなくて、ある意味では、誤解を招いたとすれば、それは申しわけありません。基本的には、当時の佐川前局長の答弁で、書類なりなんなりを破棄しているので、要するに、確認できないというような趣旨の答弁があったというふうには認識をしております。その上で、そういう状況のもとでございますので、経緯について詳しく出ているようなものについては、その答弁との関係ということを気にしたんではないかという趣旨で私は御答弁を申し上げたつもりでございます。
○宮本(徹)委員 その太田理財局長の推察というのは、私は成り立たないんじゃないかと思うんですよね。交渉記録を破棄をしたというふうに佐川さんが答弁されたのは、二月二十四日なんですね。その日に、菅官房長官が記者会見を行われています。交渉記録は破棄したけれども、決裁文書については三十年間保存されているので、そこにほとんどの部分は書かれているのではないでしょうかと菅官房長官は述べられているんですね。ですから、決裁文書には全て書かれていますよという話を菅官房長官はされているわけですから、ほかの交渉記録を破棄しても大丈夫だというのが菅官房長官の発言ですから、その交渉記録を破棄したから決裁文書を書きかえたという推察というのは、佐川さんの発言と菅官房長官の発言を、同じ日にあったわけですから、成り立たないと思いますが、いかがですか。
○太田政府参考人 お答えを申し上げます。私が自分で発言したので、自分の発言にこだわるつもりは全くありません。全くありませんが、今の御指摘で、官房長官との会見と結びつけて、それが違う云々という話は、官房長官の会見の話は全然別の話ではないかというふうに私は思うんですが、委員がなぜその官房長官の発言とそのことをそういうふうに結びつけられておられるのかは私にはちょっとよく理解できませんので、ということが私の今の時点の御答弁ということになります。
○宮本(徹)委員 明快だと思いますよ。だって、交渉記録は破棄をした、だから書きかえましょうという話ですよね。だって、菅官房長官は、決裁文書には全部書かれていますよ、ほとんどの部分は書かれていますよという話をしているわけですから、別に、交渉記録は破棄したけれども、決裁文書はありますよ、はい、これが決裁文書ですというのが本来だったら財務省のとるべき立場だったというふうに思うんですが、そうならなかった。そうならなかったのには、何かやはり裏があるんじゃないかなというふうに思わざるを得ないわけですね。ちなみに、この二月二十四日の菅官房長官の記者会見、私も、決裁文書という話を突然されて、大変唐突感がありました。違和感がありました。きのうの集中審議では、総理は決裁文書は存在すら知らないと言っていましたけれども、菅官房長官はこの時点で決裁文書の存在を知っていた。しかも、こういうことも、私、記者会見を改めて聞きましたら言っているんですね。ここで御理解いただきたいが、財務省においては公文書管理法において制定されている財務省の行政文書管理規則に基づいて文書管理を行っている、この法則に基づいて契約書を含む国有財産の処分に関する決裁文書については三十年の保存期間が定められている、だから三十年間保存している、また一方で、面会記録等はその保存期間は一年未満とされていることで具体的な廃棄をするその時期については説明したとおりだと思っている、こういう大変詳細な記者会見をこの時点でされているんですよね。菅官房長官、ペーパーを読みながらこの記者会見をされていましたけれども、このペーパーは財務省も一緒になってつくったペーパーですか。
○太田政府参考人 お答えを申し上げます。まず、前段の部分と申しますか、私が最初に申し上げたところで、委員は違うというふうにおっしゃられるので、それは私がもしかすると間違っているのかもしれないと思いながらお聞きをしていましたが、多分、多分というか、私が自分の頭で考えていることなので多分ではないはずなんですが、基本的に、そういうことを申し上げたのは、きのうの質疑の中で、要すれば、法律相談文書というのを二十五件、残念ながらおくれて提出をさせていただきました。法律相談文書が世の中に出ていったときに、今回の決裁文書の経緯とほぼ同じようなものが経緯としてついておりました。そのときに、私が国会で一番厳しく御批判、御質問いただいたのは、あれだけ交渉記録なり面会記録なりはないと言っていたじゃないか、だけれども、それがあったじゃないかという御質問が非常に多かったのが、私にとっては非常にこたえておりました。そういうことがあったものですから、基本的には、要するに、ないと言っていたものがあるというのは、記録だ、経緯だ、それがあったんじゃないかといって法律相談文書のときに随分御指摘をいただいたので、もしかするとというか、自分の頭の中でそれが結びついていて、経緯が落ちているということについては、それはそういうことなんじゃないかと思って私は答弁をし、お話をしていたということだと思っています。その上で、今、官房長官の会見のお話がございました。官房長官の会見は、基本的に、当然、官房長官のところでやるわけですが、それぞれ会見のときに官房長官秘書官は一生懸命仕事をするわけです。そのときに、その材料というか、情報というかは、それぞれ関係しそうな省庁に情報を求めるということはしますが、最終的には官房長官の秘書官がいろいろなことはやりますし、最終的には、会見をするのは長官でございますから、長官の判断で会見をされるということになるわけだと思っております。
○宮本(徹)委員 つまり、関係省庁に求められて、この菅官房長官の二月二十四日の記者会見の、財務省の決裁文書についての詳しい話があったということになるわけですよね。ですから、財務省から、あの決裁文書の、三十年間ありますよ、全部書いてありますよという話は、この時点で菅官房長官にされていたと私は理解するのが普通だと思うんですが、違いますか。
○太田政府参考人 お答えを申し上げます。されていたというのは、物すごく詳しくちゃんと説明をしているという感覚だと思いますので、私なりに官邸にいたことのある経験から申し上げれば、そんなレベルには、官房長官の会見というのは、午前と午後と二回あって、ほとんど時間がないので、それは、そんなレベルのことは、とてもじゃないけれども、一日二回の会見はすごく忙して大変なので、そんなレベルの状況であるとは全く思っていません。ただ、ここから先は、ちょっと今の時点では推測のような話になりますが、恐らく、森友学園について議論が起きていて、それについて何かというようなことでそういう質問があって、そのときの用意が、そういう用意は何かされた、長官秘書官を通じてそういうことをしたということはあるのかもしれませんが、承知していたというほどのレベルというのは、ちょっとそういうレベルにはなっていないんじゃないかというふうに私は思います。
○宮本(徹)委員 いや、どこまで菅官房長官が決裁文書の中身を知っていたか、それはわからないですけれども、少なくともここの、昨年の二月二十四日の段階で、財務省の決裁文書の話についてここまで詳しくお話しされるということから考えれば、財務省、官邸のところで、今後の決裁文書をどうしていくのかという何らかの方針がその時点であったんじゃないかと。だって、ちょうど書きかえの時期は二月下旬から始まったとおっしゃっているじゃないですか。その時期にあったのは、この記者会見なんですよ。決裁文書が出てくる唯一の記者会見だと思いますよ。それをぜひ調べていただきたいというふうに思います。次に行きます。特例承認の決裁文書になぜ安倍夫妻の名前があるのかということについて、先週金曜日も質問させていただきました。先週の太田理財局長の答弁では、特例承認の決裁文書で政治家あるいは総理夫人が記載されているものはこの森友案件だけだ、これ以外はないという話がございました。では、なぜ、この案件だけは安倍昭恵さんや総理、あるいは政治家の名前が記載される必要があったのか、ここが、私もできる限りの国会審議、今見たり議事録を読ませていただいていますけれども、全然わからない、納得のいく説明がなされていない点だというふうに思います。確認しますけれども、この二〇一五年二月四日の特例承認ですね、申請する側の近畿財務局が作成した決裁文書は、作成に当たって本省で相談に乗った方というのはいらっしゃるんですか。
○太田政府参考人 お答えを申し上げます。その前に、調べなさいという御指示でございましたが、今の委員から調べなさいという御指示の部分は、委員なりの頭の整理というか、回路をめぐってそういうことだという仮説を述べられているだけだと思いますので、それを調べろというのは、それはさすがに承知いたしかねますということだけは申し上げさせていただきます。その上で、この特例承認の決裁について、特例承認の決裁をつくる前に本省に相談したということでございましたら、特例承認の決裁は最終的には、御案内のとおり、本省の決裁でございますので、その事前のところ……(宮本(徹)委員「二月四日の方です」と呼ぶ)二月四日。申しわけありません。二月四日の近畿財務局における決裁ということでございますが、その先に本省の特例承認ということにつながるわけですから、特例承認の決裁そのものというよりも、中身について相談をしていても全然おかしくないので、相談をしていたんだろうというふうに思います。
○宮本(徹)委員 つまり、中身について相談していてもおかしくないだろうということですから、安倍昭恵さんの話や、政治家の名前が出てくるものも含めて、本省も含めて相談してつくられ始めたという話ですよね。そして、なぜ安倍昭恵さんの名前が記載されているのかということについて、昨日、太田理財局長は、総理夫人だからだというふうに答えられました。お伺いしますが、なぜ総理夫人を決裁文書に書く必要があったんですか。
○太田政府参考人 今の最後のお尋ねの前に、もう一つ質問の中にあったと思いますので、二点お答えを申し上げます。まず一点目は、特例承認の決裁について、本省あるいは近畿財務局の間で相談をしていた、それは総理夫人が云々というふうにおっしゃられました。特例承認のときの最大のポイントは何であったかというと、それは、通常であれば賃貸借は三年であったわけです。何が特例かというと、通常の三年ではなくて、十年の定期借地にするということでございました。十年の定期借地にするというのはこのときの最大のポイントでございました。なぜかといえば、相手方、森友学園側が、まず、本当は買いたい、だけれども、金繰りもつかないので最初は借りたい、七、八年後には買いたいということでした。ところが、三年の賃貸借でいきますと、今、借地借家法で基本的には借り手が相当保護される状況になりますので、三年を次から次へと繰り返せば、いつまでたっても売買に至らなくて賃貸借のままになる、それを一番本省も近畿財務局も恐れたということでございます。七、八年とおっしゃっているのですが、基本的に、それが断ち切られるためには定期借地という手法をとるしかなくて、それが十年ということなんですが、その定期借地ができるかどうか。定期借地ができるということは、いつまでも借入れの状態ではなくて、必ず売買の状態に至る、それがだめであれば、その時点で話が切れるということでございますから、そういう意味で本省と相談をしていた、一番気にしていたことはそういうことでございます。だから、経緯の中に何が書いてあるかということではなくて、三年じゃなくて十年にする、それが最大のポイントで、それをやっていたということが最大のポイントだということでございます。それで、済みません、前のを一生懸命しゃべってしまったら、最後のところのお尋ねをついつい頭の中で忘れてしまって、申しわけありません、何でしたっけ。
○宮本(徹)委員 大変、今の太田理財局長の答弁姿勢は問題です。私が聞いたことに答えずに、その前段の、私の言ったことに対する反論だけを述べて、質問は何でしたっけと。これは余りにも答弁姿勢として問題ですよ。問題じゃないですか。
○太田政府参考人 本当に申しわけありません。まことに申しわけありません。なぜ総理夫人がそこの決裁の中に出てくるかということでございますが、それは、基本的に特例承認というのは本省決裁でございます。そういう意味で、国会周りというようなところについて情報を入れておいた方がいいということで、政治家なりあるいは総理夫人なり、特に総理夫人の場合は、籠池理事長が盛んに総理夫人の名前をおっしゃっておられるというのは、近畿財務局としてはそういう認識だったと思いますので、そういう意味もあってそういうことが書いてあるということだと思っております。
○宮本(徹)委員 それはもう先週聞いた答弁をまた繰り返されているわけですけれども、なぜ、相手方がどういう方か関係なく処理しているのに、そういう方針なのに、総理夫人が書かれているのかというのが問題で、先週は、何回か聞いていったら、それは大変経緯を詳しく書いているんですという話だけされたわけですよ。おかしいじゃないですか。なぜ、特例承認をするのに総理夫人の話が必要なんですか。ほかの特例承認には一切書いていないわけですよ。それは、先週、太田理財局長自身が答弁されたとおりですよ。全く説明になっていないんですよね。もっと言えば、先週、大変経緯を詳しく書いてあると言いましたけれども、昭恵夫人がこの学園の方針に感涙したというのは経緯とも関係ないじゃないですか。なぜ総理夫人を書かなければいけなかったのか、国民がわかる説明はできないんですか。
○太田政府参考人 お答えを申し上げます。基本的に、先ほど来申し上げているとおりで、本省決裁なので、本省は国会対応が重要な仕事なのでということで、国会議員あるいは総理夫人という、その国会周りということで書いていたというのをこの間も申し上げましたし、ということでございます。委員のおっしゃっておられることは、さっき、私の言いたいことをおっしゃっていただきましたけれども、基本的には、政治家なりだけではなくて、経緯を大変詳しく書いております。そういう意味で、詳しく丁寧にやろうとしたということだと思っております。それ以上の説明はなかなか難しいんですが、それで御理解がいただけないとなると、どういう説明をすればいいのかなと思いながらこの席に立っておるんですが、基本的に、私としてはというか、それを説明するのは、今申し上げた説明に尽きるというふうには思ってございます。
○宮本(徹)委員 その説明しかできなかったら、説明はできないということじゃないですか。ほかの案件では一切書いていないわけですよ、総理夫人も政治家も。そして、誰とその案件の人がかかわりがあるかは関係なく処理をするんですというのが今までの国会答弁だったわけですよ。それなのに、本省自身が書いているわけですよ。先ほど、日本会議の議論もありましたけれども、安倍総理や麻生大臣の名前を、本省自身が起案した文書の中に書いているわけですよ。それで、ちょっとお伺いしたいんですけれども、決裁文書のつくり方についてお伺いしたいと思いますが、四月三十日の本省が起案した決裁文書、業務課国有財産審理室の方が起案をしておられます。一般的に、財務省内で起案する特例承認の決裁文書というのは、どういう段取りでつくるんですかね。関係者で会議を行ってから起案者がつくるのか、いきなり担当者が起案するのか。恐らく、関係者が会議を行って方向性を決めてから起案するんじゃないかと思いますが、どうなんですか。
○太田政府参考人 お答えを申し上げます。それは、事案によりけりだというふうに思います。基本的には、決裁文書をつくって、その決裁文書を決裁をしていく過程、要するに、上に上げていく過程において、本当に了解をとる、本当に了解と言うと表現が悪いですが、了解をとるというものもあれば、その前に、実質的なところがある意味で決まっていて、形式的にと言うと怒られますけれども、それで決裁をつくっていくという場合もあると思います。それは、物によると思いますが、いずれにせよ、前者であれ後者であれ、決裁文書全体、もちろん、決裁をしている者は決裁文書全体について責任を負うわけでございますが、この決裁文書もたくさんいろいろな資料をつけているわけで、結局、先ほど申し上げた、本件についてはと言って、ポイントだと申し上げましたが、そのポイントの部分が理解されれば、基本的にそれで関係者はそれぞれ、俗に言えば、判こをつくという状況になっているということだと思っております。
○宮本(徹)委員 では、この四月三十日の決裁文書の起案は、関与した人は何人いらっしゃって、起案の責任者はどなたなんですか。室長ですか。
○太田政府参考人 お答えを申し上げます。人数は、もう委員御承知だと思いますけれども、十八名ということであります。それで……(宮本(徹)委員「それは、起案じゃなくて決裁ですよ。起案、案文」と呼ぶ)起案。基本的には、決裁した者が十八名。起案ということは、それは誰かが最初に起こすということですが、最終責任者という意味では、基本的には、最後に決裁をした一番上の者、あるいは、もう一つあるとすれば、実質的にやっている者のトップは、基本的にはその決裁を起こしたところの課長、あるいは、課じゃなければ、室であれば室長ということだと思います、実質的には。
○宮本(徹)委員 実質的には、室長、田村室長か、当時の課長かというのが起案の責任者で、その範囲で起案をして、あと、どんどんどんどん、それ以外の方にも判こを押していただいたということなのかなと思います。古谷審議官に先週に引き続き来ていただきましたが、古谷審議官、課長時代、この国有地の森友の案件について、特例承認の決裁文書以外に何かかかわったことというのはあるんですか。
○古谷政府参考人 お尋ねの用件につきまして、例えば私が加わった会議があるかとか、何か特例案件で、承認の決裁でかかわったことがあるかということでございますけれども、決裁以外はございません。
○宮本(徹)委員 決裁以外にこの案件が話し合われた、課長を交えて話し合われたことはない、一切ないということでよろしいわけですね。
○古谷政府参考人 もう一度、間違いないようにと思いますが。国有財産の案件につきまして、理財局は、国有のほかに財投とか国庫、国債とかございますけれども、国有財産に関する案件については、基本的に国有財産部門で検討をしております。総務課長は、局内の調整とか人事とか予算を担当しておりますので、国有の案件にかかわりますのは、主として決裁のときであります。先ほどのお尋ねは、総務課長としてかかわったかどうかということでございましたので、総務課長を交えた会議があったかどうかということでございますと、私の記憶する限りはございませんと申し上げたわけでございます。
○宮本(徹)委員 総務課長以外の段階ではあるんですか。
○古谷政府参考人 私も、先ほど、自分がかかわっていないということで申し上げたつもりですけれども、先ほど申し上げたように、国有の案件ですので、先ほど局長の方から申し上げたように、決裁によっては、先に決裁をつくって、決裁を上げながらする場合もございますし、あるいは、会議を先に開いて、そして決裁をしていく場合もございます。ですから、国有の案件については、基本的には国有がまず検討しているということを今申し上げた次第でございます。
○宮本(徹)委員 どの段階で誰がどうかかわって、この安倍夫妻のかかわりを決裁文書に書こうと、そして、これを書くことでこの無理筋な特例を押し通していこうということになっていったのか、今のお話だけでは見えてこないんですけれども。少なくとも、当時の室長は、田村室長になるわけですよね、この決裁の起案の実質的な責任者であろうということが、先ほどの太田理財局長の答弁でもわかりますので、委員長、田村室長を、なぜ今回改ざんが行われたのか、その背景にある、なぜ特例承認決裁文書に安倍夫妻の名前が記されるようになったのか、この問題を解明する上に、本委員会で参考人として招致したいと思います。
○小里委員長 理事会で協議いたします。(発言する者あり)
○宮本(徹)委員 証人喚問の方がいいという話がありましたので、それはまた理事会で話し合います。あと、残された時間は少ないですが、もう少し聞きたいと思います。週末に、NHKで、三月三十日の事前協議の日の記述が全部決裁文書では削除されているという報道がありました。二〇一六年六月四日の、特別会計所属普通財産の処理方針の決定について、一番最後の決裁文書ですかね、この十四番の決裁文書ですね。ここには三月三十日の記述があります。当局、大阪航空局が森友学園に訪問し、今後の処理について国有地の売払いにより問題解決を図る方向で調整、また、指定期日延長に伴う貸付合意書の取り交わし等を完了、これが削除されております。この三月三十日は、我が党が明らかにした音声データの一つの記録もある日です。業者が三メートルより深いところにごみはないと言ったのに、国側が三メートルより深いところにあることにしようということです。NHKの報道では、この三月三十日に二回協議を行った、そして購入限度額を聞いたということが報道されております。昨年、太田理財局長からこういう答弁がありました。大阪府の認可との関係で借入れの金額に限度額があることから、買う場合の金額にも限度額があるという話は森友学園からはあったと。こういう話が森友学園からあったのは、三月三十日ということですか。
○太田政府参考人 お答えを申し上げます。昨年の答弁だと思いますが、それを申し上げたのは、基本的には、先方が買い受けたいということを申し出てきた三月二十四日から最終段階に至るまでの間ということのつもりで申し上げております。三月三十日といった日にちが特定できるような話ではございません。
○宮本(徹)委員 それは、確認はできないんですか。
○太田政府参考人 当時、御答弁を申し上げる際に、確認できるだけ確認をして、そういう時期の話だということで御答弁を申し上げました。
○宮本(徹)委員 かなり詳細な報道がNHKでなされております。この日、二回協議を行ったとあるんですけれども、二回協議を行ったんですか。
○太田政府参考人 確認した限りで申し上げますと、協議というか打合せがあって、その後、現地確認に行ったというふうに私は聞いております。
○宮本(徹)委員 その打合せがあって、現地確認をして、現地確認の後に、恐らくまた話合いがあったのではないかというのがNHKの報道の中身ということになります。時間が参りましたからこれで終わりますけれども、なぜ口裏合わせの音声データがあるこの日の記録が決裁文書から全て削除されてしまったのか、何を隠そうとしていたのかというのは、音声データを知っている現在では、ああ、これを隠したかったんだなということがよくわかる改ざんということになっていると思います。引き続き、この問題を追及することを申し上げまして、質問を終わります。長時間、どうもお疲れさまでした。
○小里委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。