2018年5月29日 衆院財務金融委員会 財務省・森友「応接記録」も改ざん 改ざん謝罪後も改ざん資料提出 

学校法人「森友学園」との国有地取引をめぐる決裁文書改ざんの事実を麻生太郎財務相が認めた3月12日以降、日本共産党の宮本岳志衆院議員に提出された同学園側との「応接記録」も大幅に改ざんされたものであることが、29日の衆院財務金融委員会での共産党の宮本徹議員の追及で明らかになりました。
宮本徹氏は、岳志氏が3月末に提出することを要求し3月30日に提出された同省近畿財務局作成の「応接記録」(A4判1ページ)では、2017年2月13日に同局の池田靖統括国有財産管理官が籠池泰典同学園理事長(いずれも当時)から電話で、メディアから「学校の運営方針」を聞かれ、「きちんとした子供を育てる」と答えたとの報告を受けたことだけが記録されていると指摘。
その上で、同じ日時の池田、籠池両氏の電話での問答を4ページにわたり記録した別の「応接記録」を自身が入手したと説明。徹氏入手の記録では、「学校の運営方針」だけでなく、池田氏が「(取材で)国会議員の関係は聞かれましたか」と質問し、籠池氏が「何ら関係ないと答えている」と応じたことが記されていると暴露しました。
徹氏入手の「記録」では、池田氏が、「朝日」の取材に「除去費用の額を1億円と回答してはいないか」と質問。国有地の約8億円もの値引きの根拠となった地中ゴミの除去費用の内幕を隠そうとした意図がうかがえます。
さらに、国会で地下埋設物除去費用を「森友学園に確認せよといわれている」という池田氏に、籠池氏が「建設費に含まれているため詳細は不明であるし、答える義務はない」「問題はない」と応じるなど、国会対応で口裏合わせをしています。
徹氏は、岳志氏に提出された1枚ものの「応接記録」は口裏合わせ部分がすべて削除されており、応接記録や交渉記録も改ざんしてきたのではないかと追及。太田充理財局長は交渉記録改ざんも「調査している」として、「応接記録」の改ざん前文書の存在も「速やかに調査し、報告する」と約束。小里泰弘委員長(自民)も「可及的速やかに提出、報告を」と指示しました。

以上2018年5月30日付赤旗日刊紙より抜粋

≪2018年5月29日 第196回財務金融委員会14号 議事録≫

○小里委員長 次に、宮本徹君
○宮本(徹)委員 日本共産党の宮本徹です。きのう、我が党の小池晃そして宮本岳志両議員の質問で、昨年九月七日に理財局長と航空局長が意見交換を行った際の、航空局長と理財局長との意見交換概要なる文書があることが明らかになりました。内容は、皆さんも驚かれたことだと思います、会計検査院と国会、それぞれへの対策の相談ということです。会計検査院の報告の原案の内容をどうも知っているようで、それをどう記述内容を書き換えさせるかということをお話しされている。国会対応については、資料の提出について、個人的には出せるものはできるだけ出した方がいいと思う、出してしまうと案外追及されなくなるという面もある、ただし、政権との関係でデメリットも考えながら対応する必要はある、こう記されているわけですね。きのう、安倍総理は、あるかないか調査することを約束されました。きょうお伺いしたいのは、財務省、航空局、双方来ていただきましたけれども、昨年九月七日の両局長の応接記録、これは存在を確認できましたか。
○太田政府参考人 お答えをいたします。調べましたが、確認できません。作成していないということでございます。
○和田政府参考人 お答えをいたします。昨日の予算委員会におきまして、小池委員より、昨年九月七日に理財局長と航空局長との間で行われたやりとりに関する文書について御指摘をいただきました。そのやりとりに関する文書については、私ども確認をいたしましたが、行政文書として保存されている文書は残されておりませんでした。しかし、昨日国会で御指摘をいただきましたので、個人メモの類いも含めて探索を進めているところでございます。
○宮本(徹)委員 財務省はつくっていない、航空局は、行政文書じゃなく個人メモでつくっているかもしれないので今探索しているところだというお話でした。作成はしたと担当者はおっしゃっているわけですね。
○和田政府参考人 お答えをいたします。昨日のやりとりの中で、国土交通省側からは、航空局長と総務課長という御指摘でございましたけれども、総務課長に確認をいたしましたが、手元には今残っていないということでありますが、個人的なメモとして作成したような記憶もあるということでございましたので、先ほど申し上げましたように、個人メモの類いも含めて探索を進めている、こういうことでございます。
○宮本(徹)委員 作成したような記憶もあるということは、恐らく、否定されていないので、つくった、記録はあるということだと思います。捜せば出てくるのは時間の問題ではないかということだと思います。そうすると、本当に、そこで書かれている内容というのは事実ということになるわけですよね、太田局長。私、太田局長は本当に誠実な方だとずっと信じていろいろなことを質問してまいりましたけれども、私も考えを少し改めなければいけないのかなというふうに思っております。まず、会計検査院の点ですけれども、先ほどの川内さんとのやりとりでは事実関係について会計検査院とやりとりをするというのはあるという話がありましたが、記録されている内容というのは事実関係のやりとりじゃないんですよね。会計検査院の報告の原案に対して、書きぶりを変えてほしい、変えさせようという話をしているんじゃないですか。額じゃなくてトン数、ごみの量にしようだとか、あるいは、試算額を複数書いていろいろな試算の仕方があるんだというふうに見せようだとか、これは、事実関係についてやりとりしているんじゃなくて、この問題について追及を逃れるために書きぶりを変えてほしいという圧力をかけるための相談だったんじゃないんですか。
○太田政府参考人 お答えを申し上げます。きのうも御答弁申し上げたような気がいたしますが、私は、その紙というか、そういうものは見たことがありませんし、聞いたこともない。きのう、小池委員と宮本岳志委員が御質問される中でお聞きをしたということでございます。その上で、今のお話で、会計検査院の検査を受けている身として、お互いがそういうことなので、その場で、先ほども申し上げましたように、正直に言ってお互い知らない仲でございましたので、顔を合わせてよく知るということの中で検査院の話もあったということはそうかもしれません。ただ、今おっしゃったように、会計検査院の報告書を我々が云々と言って左右できることでないのはそれは御案内のとおりでございます。基本的に、独立した第三者機関として会計検査院が判断されるわけですから、我々は会計検査院の質問について事実関係をきちんと御説明する、御説明した結果として、最終的に、慎重な調査検討を欠いているという御指摘でございますので、我々の説明が十分には理解いただけなかった、逆に言うと、認めていただけなかったということだというふうに思ってございます。
○宮本(徹)委員 いや、記載されている中身は、顔合わせをしてお互いよく知ろうというような話は全然出てこないんですよね。記載されている中身は、検査院への対応の話と、国会への対応の話しか記載はされていないわけですよ。先ほど、検査院の中身は左右できるものじゃないというお話をしましたけれども、左右するための話合いをしているから私たちは問題にしているわけですよ。左右できるものじゃないと言いながら、何で、総額を消すことが重要だがそれが難しい場合には失点を最小限にすることも考えなくてはならない、少なくともトン数は消せないのではないか、金額よりもトン数の方がまし、仮に総額が残る場合はむしろ試算額をたくさん記述させいろいろなやり方があるとしておいた方がいい。これは、左右しようとするための話合いをしているわけじゃないですか。局長、本当に、正直に話していただきたいというふうに思います。それからもう一点、政権との関係でデメリットも考えながら対応する必要がある。国会に対しての、あるいは国会議員が求めた資料についてそういうことをおっしゃっているわけですけれども、政権との関係でデメリットがあると思ったら局長は出さない、こういう判断をこの間されてきたということでしょうか。
○太田政府参考人 お答えを申し上げます。私ども承知をしていない文書をもとに、それでこう書いてある、そのことを一言一句正しいという前提でお話をいただいて、それについてということでは、私もお答えをいたしかねると思っております。ただ、今委員からの御質問でございますので、基本的に、当時、あるいは当時でなくとも今でもそうですけれども、私なりに、今おっしゃられた内容についてということで申し上げれば、国会との関係においては、基本的に、昨年夏に理財局長を拝命してからそれ以降、もちろん、最初はいろいろなことを部下職員から教わってということではありますけれども、それまでの経過なりなんなりを考えて、基本的に、資料なりなんなり、あるいは、当時、一つの懸案は、音声データと称されるものがだんだん出てきていて、それについてということについては、基本的に、資料はあるものはきちんと出さないといけないし、音声データということについても、基本的に、それを確認をして答えないといけないというのが基本だというふうに私は思っておりましたので、そういうことで、そういう対応ができるようにということはしておったというのは、自分でそう思っております。その上で、政権にとってデメリットというようなことが何か書かれているということでございますが、基本的に、役人としてというか、およそ人間として、事柄をやるときにメリット、デメリットを考えていろいろなことを行動するというのは、それは当然のことだろうと思います。ただ、国会に提出する、あるいはお答えをするということは、メリット、デメリットという問題ではなくて、それは、国会に対して、あるいは国民の皆さんに対してきちんと説明するというのはそれは責務なので、できるだけそういう方向にどんどんやっていかなきゃいけないというのは、強い意識を持ってきたというのは事実でございます。
○宮本(徹)委員 いや、局長はそうおっしゃるけれども、文書には、政権との関係でデメリットも考えながら対応する必要はあると。気持ちの中身はそうですよ。個人的には出せるものはできるだけ出した方がいいと思う、これは多分、局長の思いだと思うんですよ。今も、出せるものはできるだけ出した方がいいと思うと。だけれども、実際は、政権との関係でデメリットも考えながら対応する必要がある。本当は出したくても、政権を守るために、これはまずいと思ったものは出さないという対応を実際はやられてきているんではないか、こう私たちは思わざるを得ないわけですよね。次に行きます。正直に話していただきたいと思いますが、国会議員に対していろいろな資料を正直に提出されているのかということで、きょうもう一点私お話ししたいことがあります。配付資料を見ていただきたいと思います。この配付資料は、二〇一七年二月十三日、「応接記録」というふうに書かれていますが、これは、私どもの同僚の宮本岳志議員が要求をして提出されたものです。ことしの三月の終わりのころに、一年間で廃棄されるというんだったらその前に全部もらっておこうというので、財務省から提出されたものだということです。ちなみに、昨年の二月十三日はどういうころかといいますと、二月九日に朝日新聞がこの問題を初めて報道した、その直後の時期ですね。その四日後ということになります。森友学園側、籠池理事長から、近畿財務局の池田統括官に電話で報告が来たということになっています。ぺら一枚。これを見ると、二十分の電話ということになっているわけですね。中身はちょろっとしか書いていないわけですが。私、独自に、この同じ日、同じ時間の受電の、応接概要というものを入手いたしました。入手したものは、ぺら一枚じゃなくて四ページあります。まず、タイトルが違うんですね。「応接記録」と書いていますけれども、私どもが入手したものは、豊中小学校事案に係る応接記録と書いてあります。そうやってみると、確かに、今回出された九百ページの資料も、単なる応接記録と書いてなくて、豊中小学校事案に係る応接記録と大体書いてあります。そして、「応接概要」というところは、お配りしているものは、「本日、森友学園から取材対応状況について報告。以下のとおり。」とあります。独自に入手したものは、本日、森友学園において行った取材対応について確認したと書いてあります。報告と確認、私、大分ニュアンスが違うのかなというふうに思います。次の「森友学園に対する取材状況」、これは十二社書いていますけれども、ここは同じです。ここから先が大分違うんですね。お手元にあるものは、「本日」塗り潰されている「弁護士同席で対応。学校の運営方針(どういう理念で子供を育てるのか)について聞かれたので、きちんとした子供を育てる、これが重要と認識していると回答した。」これで終わっています。私が入手したものはこうです。当方と相手方で、ずっとやりとりが書いてあります。当方、きょうの取材対応について状況を確認させていただきたい。相手方、しっかりと各社ごとに丁寧に対応したつもりだ、ここは踏ん張りどころだけれども疲れているので正確な回答はできていないかもしれないがお答えをさせていただく、本日は、こちら塗り潰されていますからこっちも塗り潰してありますが、○○弁護士同席で行っているということです。最初、学校の運営方針、どういう理念で子供を育てるかについて聞かれたので、きちんとした子供を育てる、これが重要と認識していると回答したと。ここだけが宮本岳志議員に提出されたものには書かれているわけですが、この後がずっと続いていくんですよね。当方、では順に内容を教えていただくことでお願いします、なぜ国からの公表同意の申出に対し同意しなかったのかという質問はあったのか。相手方、○○先生は、小学校なので信用第一ですし、また何か埋まっているか、何かあると誤解されてしまったら困るので、国に非開示をお願いしたものですといったコメントをしていただいたと思う。当方、了解、ではなぜ開示しようと考えたのかについて聞かれましたか。相手方、このまま非公表にすると、学校側が国有地を不当に安く取得したと誤解を招きかねないし、地下埋設物があることを学園側が隠蔽しようとしたのではといった風評を招くおそれがあると判断し、開示に同意したところですと答えたと思う。以下、時間の関係で、近畿財務局側の問いだけ読み上げますけれども、当方、では地下埋設物は適切に処理しているのかといった質問はありましたか。当方、有益費で対策を講じた点についても詳しく御説明なされたということですね。当方、地下三メートル以深のごみに関して何かコメントされているか。当方、具体的に対策費に関して幾らかかったかの質問はなかったか。当方、契約金額について聞かれましたか。当方、その他に聞かれたことはあるか。次に、こんなことを財務局の側は聞いております。当方、国会議員の関係は聞かれましたか。ここを財務省は気にしていたんですね、財務局の方。相手方、いろいろと聞かれたが、そんなことはあるはずがない、国にお願いしたこともない、日本会議のことなど根も葉もないことをいろいろ聞かれたが何ら関係ないと答えている。今や、日本会議のことだとか、国会議員の関与だとか、谷査恵子さんとのかかわりで国にお願いしたことだとか、みんな知っている話ですけれども、そのときは、隠そうということで、メディア対策を籠池さんと近畿財務局双方で確認して、口裏合わせしながらやっていたということが読み取れるものになっているわけですよね。当方、最後に、朝日新聞記者の取材に関して、除去費用の額を一億円と回答していないか。ごめんなさい、一つ飛ばして。当方、了解、最後にもう一点だけお伺いしたい、当局も国会対応でいろいろ質問を受けているが、地下埋設物除去費用に関して森友学園に確認せよと言われている、確認させていただくとするといかがか。相手方、金額の詳細はこれまでも話をしているように建設費に含まれているため詳細不明であるし、答える義務はないものと考える。当方、了解、では当方も国会対応にて森友学園に確認したが詳細は不明、回答できないと確認した旨伝えておく。相手方、問題はない。当方、ありがとうございました、あすの取材予定は。相手方、取材はきょうで終了している。当方、了解。以上。あすの予定まで聞いているから、この間、毎日のようにきっとやりとりをされていたのかなと思いますけれども、根掘り葉掘り確認をして、国との関係で口裏がちゃんと合っているか森友学園側の回答ぶりを確認して、最後は国会答弁の内容の調整で終わっているというのがこのやりとりというのになっているんですね。ところが、先ほど私が紹介した大半の部分は、宮本岳志議員に出された「応接記録」なるものには書かれていないんですよ。理財局長、この間、決裁文書の改ざんというのは財務省はお認めになりましたけれども、改ざんしてきたのは決裁文書だけじゃないんじゃないですか。応接記録、交渉記録も改ざんして国会議員に提出してきているんじゃないですか。違いますか。
○太田政府参考人 お答えを申し上げます。今委員御指摘の、お配りになられたのは二月十三日ということで、二月九日の報道以来ということでございました。また、後ろに御在席の宮本岳志委員が初めて御質問された二月十五日の二日前ということでございます。それは重々承知をしております。その上で、今ほど委員の御質問でございますが、まさにおっしゃられた二十九年の二月、三月、四月というのは、大変申しわけないことですが、事実が判明して御報告を申し上げ、おわびを申し上げなければいけない、おわびしか申し上げることがないという状況であります決裁文書の書換えを行っているということ、それから、今回御提出を申し上げました交渉記録について廃棄を進めようとしていたことという状況であります。今委員が御指摘をいただいたことは、まさに同じタイミングのときにおいてそういうことが行われていたのではないかという御指摘だと思っております。それは、そういう御指摘があるのもよくよくわかりますので、今調査をしております過程において、まさにその時点において、交渉記録の廃棄を進めるだけではなくて、交渉記録をまさに変えるようなことをしたのじゃないかということも含めて今調査をしてございます。その調査をして、その御報告も申し上げますし、それから、今御提出を申し上げているのは、基本的に、森友学園との交渉は二十八年六月二十日、要するに売却をもって終了しているわけですが、それ以降、売却ができてしばらくは余りないんですけれども、おっしゃるように、報道があり、あるいは最初に非公開というところから報道があって、そのときのやりとりということで、まさに今お示しいただいたようなものがあるわけですから、そういう意味での交渉記録というのも、できればその調査結果とあわせてきちんと御報告を申し上げるようにしたいというふうに考えております。
○宮本(徹)委員 交渉記録が改ざんされていることもあるかもしれないということで今調査されているということを理財局長は初めておっしゃったわけですよね。出されているものも何なのかということになってしまうというふうに私は思うわけですが。ちなみに、このぺら一枚の、今皆さんのお手元にお配りした「応接記録」、改ざんされたものが宮本岳志議員に提出されたのは、決裁文書改ざんの報告があった後の話なんですよね。三月十二日に決裁文書改ざんの報告が行われました。その後に提出を、宮本岳志議員が、初めに申しましたように、三月末で全部、一年で破棄されちゃったら困るからということで、記録の提出を求めたら、改ざんされたものが出てきたということなんですよね。ですから、一体全体どうなっているのかなと思うわけですよ。どうして決裁文書改ざんへの反省が述べられた後に、改ざんした応接記録を国会議員に対して提出されたんですか。
○太田政府参考人 申しわけありません。今委員の御指摘の日時の関係、申しわけありません、私もそこまで承知をしておりません。それは確認をいたさないといけないと思いますし、先ほどそれだけの資料をもってお話をされましたのでそういうお答えを申し上げましたが、いろんな意味で事実が確認できて何らかのことを御答弁を申し上げているわけではなくて、基本的に、昨年の二月から四月にかけてそういうことが行われていた、それは決裁文書の書換えであれ交渉記録を破棄しようとしたことであれ、そういう状況でございますので、その時点の、その近辺において行われた可能性があることについては全て調べないといけない。そういう意味で、逆に言えば、今まで言っていたことが全て真実であるとは言える状況では全くないと思っておりますので、そこを調べて御報告を申し上げるというふうに御答弁申し上げているということでございます。その上で、その時点で、仮にですけれども、そういう整理をしておったのであれば、それを前提にしてその後いろんな、決裁文書であれば書き換えた後のものを前提に、交渉記録であればそれがルールに従ってないということを前提に、以後、ある意味での我々の行動がなされたことは事実でございますので、それは全て訂正しておわびをしないといけないという状況に至っているということだと思っております。
○宮本(徹)委員 ですから、決裁文書の改ざんがあって、もうゆゆしき事態だと大臣もおっしゃられて、本当に、理財局長もこの場で頭を下げられて、その後にまた改ざんされた交渉記録が出てくるというのは、一体全体私たちは何を信用すればいいのかという事態になっているわけですよ。改ざん前のものも、交渉記録、提出していただけますね。
○太田政府参考人 そういうものが存在するということであれば、それは提出をさせていただきます。
○宮本(徹)委員 ですから、もう本当に、私たちが指摘して初めてそういう答弁をされるというのが繰り返されているわけですよね。本当に正直にあらゆるものを出してください。本当に正直に出していただかないと、この問題、いつまでたっても真相究明には至らない、続いていくということになります。いつまでとかというのはお約束できますか。交渉記録、改ざん前のものを提出というのはいつまでというのは、めどだとか、お願いいたします。
○太田政府参考人 できるだけ速やかに御報告したいと思います。要すれば、今まさにその部分は調査をしている最中のところの部分の、タイミングのところの話でございますので、そういう御答弁を申し上げざるを得ないということですが、まさに調査をしている最中、それは昨年の二月、三月、四月にかけてというところでございますので、そこのところで調査をして、それは、今おっしゃられたようなことがあるとすれば、そのものも含めて調査をして御報告をしないといけないということだと思っております。
○宮本(徹)委員 昨年の二月、三月、四月の話と同時に、宮本岳志議員が要求したのは、もう改ざん問題が明らかになった後なんですよ。理財局長が、そして大臣が反省された後なんですよ。ことしの三月の終わりの話ですから。(発言する者あり)
○小里委員長 速記をとめてください。
〔速記中止〕
○小里委員長 速記を起こしてください。財務省に申し上げます。しっかりと調査の上、可及的速やかに提出を、報告をお願いします。太田局長。
○太田政府参考人 きちんと事実関係を確認して、御報告申し上げます。
○宮本(徹)委員 可及的速やかにという委員長の御指示がありましたので、よろしくお願いしたいと思います。そうすると、この九百ページの今回の交渉記録も正直に出されているのかなという疑いを、きょう、本委員会に参加されている皆さんが持たれたことだというふうに思います。先ほど来多くの皆さんが指摘されていますが、二〇一四年四月二十八日の記録がないんですよね。この日の交渉記録だけない。決定的なポイントですよ。安倍総理夫人案件として近畿財務局が認識した決定的なポイントの日の交渉記録だけが出てこない。先ほどの話では、捜して捜して捜したけれども出てこなかったと。本当なのかなと思ってしまうわけですよ。隠しているんじゃないか、こういう疑念を私たちは持たざるを得ないわけですよね。この点は先ほどやりとりがあったのでこれ以上の答弁は返ってこないと思いますので、次にお伺いしますが、交渉記録を見ると、この四月二十八日の直前は四月十五日、「担当者心証」、こう書いているんですね。相手方の対応は、国が判断するに当たり大阪府も豊中市も関係ないという言い方を繰り返し、早期に貸付契約の締結を行うよう動いてもらいたいとの主張に終始した。
国の対応の非難及び自己の主張の妥当性を一方的に述べるのみであり、今後も、当方指示に真摯に対応することは期待し難いという印象。これで終わっているわけですね、その四月二十八日の前の交渉記録、応接記録を見ると。もうとても話にならない相手だよというふうになっているわけですよ。ところが、この四月二十八日を経て、がらっと対応を変えているわけですよね。森友学園側の対応は変わっていないですよ。この交渉記録を見ても、ののしる、信じがたいような、本当、現場の職員の方は大変苦労されたと思いますが、森友学園側の対応は変わっていないのに、近畿財務局の側の対応はがらっと変わったわけですね。これは、なぜ、四月二十八日を経て、がらっと変わったんですか。
○太田政府参考人 お答えを申します。お答えの前に、先ほど来の御議論について、基本的に、売却に至るまでの森友学園あるいは大阪府等々との交渉記録をきちんと御提出をしなければいけないということで御提出を申し上げました。それは、二十八年の六月までの時点の話であります。二十九年の二月以降、また、ある意味での、最初の非公表以来の国会での御論議が起きて、その中で、書換えあるいは交渉文書の廃棄といったことが行われて、そこの分について調査をしなければいけないという、調査をする過程の中で、今おっしゃられたその文書も捜し出して、調べてということだと思っておりますので、それはきちんと対応させていただきます。さっきまで言っていたことと違うと言われれば、それはもう、このところ何をやってもそういうことを起こしている我々として何の弁解のしようもございませんけれども、まず、売却に至るまでのところをきちんと御報告をして、昨年の二月、三月、四月段階のところは調査結果できちんと御報告をしないといけないと。それは、同一のタイミングにおいて、同一の関係者において行われることなんで、それで、あれもこれもということできちんと調べなければいけないと思って調べておりますので、それできちんと御報告をさせていただくというのは、今言われてと言われればそれはあれですけれども、我々として、そこは、仮にそういうことがあれば全て報告しないといけないと思って作業しておることだけは御理解を頂戴いたしたいと思います。その上で、今おっしゃられた交渉記録を見ると、一定のところまで相手方が非常に厳しくて、それはもうやってられないというような感じのことを近畿財務局が受けているというのは、交渉記録を読めば、あるいは、私も当然読んでいますから、そういうふうに思われるのはよくわかります。ただ、その後、本省相談メモというのも捜し出して提出せよということで、それもその過程において捜し出して、あるいは、本省相談メモというのは基本的に本省で書いていた書類でございますので、そのときの関係者等々にも聞いて、その上での御答弁でございますが、基本的に、相手方がなかなかハードネゴシエーターで、しかも、だんだん時間がたっていて厳しい状況であったということは変わらない事実でございます。ただ一方で、このお話は、我々は基本的に公用、公共用が優先であるというルールのもとでやっていて、それで学校法人ということで申請があったので、それに対してどう対応するかということでございました。本省相談メモということで相談をしておったのは、一定の期限を区切ってタイムリミットだということを、雑に言うと、そういうことを区切ろうとしてはどうかということを相談をしておったわけですが。ただ、なぜこういうことになっているかといえば、学校法人として認められるかどうかということは、それは大阪府が判断することでございまして、その大阪府の判断が、それは大阪府というよりも、もちろん森友学園側の要因だと思いますけれども、その結論が出ていないという状況が続いている中で、土地の関係で近畿財務局が期限を切ってそこで判断をしてしまうということになれば、結果的に近畿財務局が森友学園の学校法人としての適否を事実上決めてしまうことになるので、それはやはり、基本的に学校法人としての適否を判断するのは大阪府さんで、その判断が出るまではそこは待つしかない、時間を延ばして待たざるを得ないのではないかというのが、その年の五月に本省と相談をして、最終的に本省は国有財産の業務課長まで相談をしているということですが、そういう判断をしているということでございます。委員が罵倒云々というお話をされました。それは確かにそうで、現場の職員は大変だったと思いますが、ただ、我々は公務員でございますので、とにかくルールに従ってのお話があれば、そのルール、相手方云々であれ、ルールに従って作業はしないといけない、それは相手方の云々にかかわらずルールに基づいて作業しなきゃいけない、それは嫌なこともあるかもしれませんが、それが仕事であるというふうに現場は思ってやってくれているというふうに思ってございます。
○宮本(徹)委員 いや、この時点では、この交渉記録にも書いてありますけれども、本財産については入札等を待っている買受希望者もある、その中でずっと待っているという話を書いてあるわけで、ほかの道もたくさんあったわけですよ。いつまで待つのか、この方々、いつまで相手をしなきゃいけないんだというのが、多分、現場の率直な思いだったと思いますよ。ところが、もう区切ろうと思っていたところ、安倍昭恵夫人案件だということで、これにずっと対応していかなきゃいけなくなったというのが私は事の真相だというふうに思いますよ。それから、時間が短くなってきましたので、残り時間、次に行きますけれども、私たち、口裏合わせの音声データというものを示して、これが真実じゃないかということを追及してまいりました。三メートルまで掘ると、その後、柱状改良というのをやって、その下からごみが出てきたというふうに理解している。その下にあるごみというのは国が知らなかった事実なんで、そこはきっちりやる必要があるというストーリーはイメージしていると国の側が言い、ちょっと待ってください、そこは語弊があるので、下から出てきたかどうかはわからない、下から出てきたとは確定、断言できない、そこにはちょっと大きな差がある、認識をそういうふうに統一した方がいいのであれば合わせる、こういう音声データ。これは理財局長も確認された中身だと思います。お伺いしたいのは、この音声データのやりとりは、今回出されたこの交渉記録の中では、私が見た感じ見当たらないんですよね、見当たらないんですよ。これは一体、交渉記録の番号でいえば何番で、何月何日のやつに当たるんですかね。
○太田政府参考人 お答えを申し上げます。私の理解するところ、あのときに音声データとしてお示しをいただいたのは、たしか御党の委員から御質問のときに日付を御示唆というかあった覚えがありますけれども、三月三十日のものだというふうにお話を承った記憶がございます。三月三十日の交渉記録というのは、今回提出をさせていただいています資料でいきますと、二百一番というのが三月三十日でございますので、そのときの近畿財務局において作成した交渉記録は二百一番だということだと思っております。恐らく委員の御指摘は、その音声データの内容と比較して、交渉記録の内容が分量的にも少ないというようなことだろうと思いますが、基本的に、交渉記録、この交渉記録をつくったのは私でないのであれですけれども、私なりに、課長補佐時代あるいは係長時代、随分そういうものを、かつては結構手書きでつくる時代でしたので、今はもう時代が変わりましたけれども、つくる時代であったのでつくりましたけれども、それは、三十分なり一時間なり話をしたもののポイントだと思うところを、その場でメモをとってということは大体基本的になかなかできないので、帰ってからそれでやりますので、そうやってメモをつくるとこういう状態になって。それは、それぞれ相手方の方に、その場にいた人からすると、俺はこんなことを言っていないとか、あれはこうじゃなかったというのがたくさんあると思いますが、基本的には、書いた人間が書いた人間なりの理解のもとでこういうものはつくらざるを得ないので、多分、例えば、十人その場にいれば、残りの九人からすれば、違うあるいは不本意だということが起きるのは、それは万やむを得ないことではないかというふうに思ってございます。
○宮本(徹)委員 二百一番と、そして、私も音声データの起こしを読み比べました。全く違うんですね。全く違うんですよ。口裏合わせの部分がある、ないだけじゃないんですよ。全体、全然違うんですよ。NHKの報道では、この日、二回協議が行われたということになっていますよね。一度目の協議、それから、現地で会った後更にまた協議。その前後はわからないですけれども、二回やったとなって、二回目のところに価格の話もあったかのような報道もあったと思いますが。この日、二回協議しているんじゃないですか。そうしないと、音声データと突き合わせて、これがあの音声データの交渉記録、応接記録だというのは、絶対通用しないと思いますよ。音声データとどこが合致していると思いましたか、二百一番。
○太田政府参考人 お答えを申し上げます。かつて、二回あったじゃないかということで、一度確認したような記憶が私にはうっすらとあるんですが、今御質問いただいて、それであればもう一度確認をしないと、そこはもう一度確認をして明確にお答えしないといけないと思いますので、そこは確認をさせてください。
○宮本(徹)委員 音声データの記された内容というのは、この二百一番には全然書かれておりません。もう一度協議があったことは、音声データの存在と今回の応接記録の公表によってはっきりしたと思います。はっきりしたと思います。その二つを照らし合わせすればはっきりいたします。そうすると、口裏合わせの決定的な部分については、これまた隠されて、出されていないということになるんですよ。ですから、安倍昭恵さんが、いい土地ですから前に進めてくださいというところも欠落している。そして、口裏合わせ、深いところにごみがないと言う業者に対して、深いところにあることにしましょうと、国のストーリーを提示して口裏合わせを求めたところもないんですよ。こうすると、まだ隠し続けているんじゃないですか。全部正直に出しているんじゃなくて、この間の皆さんが答弁してきた内容のストーリーに合う範囲のものだけ出して、ストーリーに合わないものは出さない、隠し続けるというのをいまだに続けているんじゃないですか。
○太田政府参考人 お答えを申し上げます。書換えそれから交渉文書の廃棄云々ということを続けている中で、今、私が言っても信用されないのはよくよく承知をしていますが、しかし、今回この作業を行うに際しては、今のところはちょっとあれですけれども、特にこれまで御指摘のあった四月の二十八日の分は、最初から物すごくそういう意識を持って捜しております。隠すというようなことは一切考えておりません。結果として出てきていないものがあることは、それはわかります。わかりますから、それは引き続き捜す努力をいたします。ただ、相当のことをやっておりますし、隠すという方針のもとにやっているのではないかと言われれば、そういうつもりは全くありませんし、そういう方針は絶対ありません。それだけは……(発言する者あり)いや、信じられないと言われるのは、それは、これだけのことをやっておりますので承知をいたしますが、我々として、そういうつもりはなく、きちんとやるという方針のもとに作業をしております。
○宮本(徹)委員 昨年の九月七日のメモで、政権との関係でデメリットも考えながら対応する必要があると局長がおっしゃった記録が出てまいりました。幾ら今そう言われても、それも政権の側をそんたくしているのか、あるいは何らかの指示があるのかわかりませんが、捜してもないことにしようとしているようにしか、残念ながら今の私には聞こえない。この問題、本当に洗いざらい全部資料を提出していただいて、徹底的に真相究明をする必要があるということを申し上げまして、時間になりましたので質問を終わらさせていただきます。ありがとうございました。