2018年6月5日 衆院財務金融委員会 森友隠ぺい疑惑さらに 口裏合わせ後の記録なし

国土交通省の蝦名邦晴航空局長は5日の衆院財務金融委員会で、学校法人「森友学園」との国有地取引をめぐる面接記録について2016年3月29日以降、「作成していなかった」と答弁しました。日本共産党の宮本徹議員への答弁で、宮本氏は「およそ信じられない」と厳しく批判。質疑によって、国交省が疑惑の核心にかかわる資料をさらに隠蔽(いんぺい)している疑いが強まりました。
日本共産党国会議員団が明らかにした音声データによって同年3月30日、森友学園と財務省近畿財務局、国土交通省大阪航空局が会合し、国側の職員が「ストーリー」という言葉を使って値引きの口裏を合わせていた事実がすでに判明しています。
宮本氏は、国交省が出した森友学園との面接記録は16年3月29日で終わっていることを指摘。同年3月30日の会合で、口裏合わせが行われて以降に進められた面接記録がないとして「もっとも疑惑が投げかけられているゴミ積算過程の面接記録がない。なぜ3月30日以降のものがないのか」とただしました。
国交省の蝦名局長は「普段からあまねくメモを作成していたかといえば、作成しておらない」などと答えました。宮本氏は「財務省より一生懸命メモを作っているのに、肝心かなめのメモは作っていない。およそ信じられない」と批判。決裁文書改ざんの調査報告書では、改ざん、交渉記録廃棄の動機が解明されていないとして、「新しい大臣のもとで財務省の立て直しを進めるべきだ」と主張しました。麻生太郎財務相は「そういった意見があるというのは伺っておく」としか答えませんでした。

以上2018年6月6日付赤旗日刊紙より抜粋

≪2018年6月5日 第196回財務金融委員会15号 議事録≫

○小里委員長 次に、宮本徹君。
○宮本(徹)委員 日本共産党の宮本徹です。宿題から始めたいと思います。昨年九月七日の理財局長と航空局長の協議記録、会計検査院対応と国会対応等について相談された、あの協議記録です。先週、金井総務課長が作成した記憶があるという答弁がございましたが、きょう、航空局長に来ていただきましたけれども、これは見つかりましたか。
○蝦名政府参考人 お答えを申し上げます。御指摘をいただきましたその文書に関して、行政文書として保存されている文書は残されておりませんでしたが、総務課長によれば、手元には残されていないものの、個人的なメモとして作成したような記憶もあるということではございました。そういった個人的なメモにすぎないということではありますけれども、御指摘をいただいておりますので、現在も引き続き探索を進めているというところでございまして、現時点ではまだ見つかっておりません。
○宮本(徹)委員 何で私たちが入手できるものが、探索しなきゃ出てこないのか。もしかして、国会で質問されて慌ててデータを消去したとか、あるいは紙をシュレッダーにかけちゃったりだとか、そういうことをしたんじゃないでしょうね。
○蝦名政府参考人 現時点では、引き続き、見つかっておりませんので探索を進めているところでございます。
○宮本(徹)委員本当に信じられない事態です。これは太田理財局長にお伺いしますが、先週、財務省はメモを作成していないんだという御答弁がありましたけれども、私たち、いつも財務省の仕事ぶりを見ていますと、何だってメモをつくっているというのがお仕事ぶりとしていつも拝見されているわけですが、これだけメモをつくっていないというのも、なかなか信じがたいんですよね。これは本当に作成していないんですか。
○太田政府参考人 お答えを申し上げます。その場にいたのは二人ですが、二人ともメモは作成しておりません。私なりに、三十何年この仕事をやっておりましたので、委員始め国会で御質問いただく先生のところに、かつて課長補佐時代、よく質問取りというか、教えていただきに伺いました。メモをとらないと翌日の質問の問いが起こせないので、そういう意味でそういうことをやるわけですし、あるいは、正直に申し上げれば、委員がどういうお考えでどういう御質問をされるかをあらかじめ想定することができないので、そういうことはメモをとらないと、正直に言えば報告できないということでございます。一方で、同じ補佐時代に、当時主税局で課長補佐をしておりましたときに、山中貞則先生という方がいらっしゃられて、最高顧問でいらっしゃったんですが、山中貞則先生のところで仮にメモをとろうとしたら、その瞬間に、もう出ていけと言われて。要するに、メモをとらないといけないようなやつは来る必要がない、大事な話がメモをとらないと記憶できないのではだめだということで。そういう状況でございましたので、メモをとる、とらないは、そのときの状況によってそういう対応をしているということだと思っております。
○宮本(徹)委員 メモを、私たち国会議員のところに来たときにとるのは当然なのと同じように、他省庁と意見交換をした、そういう際につくらないというのはおよそ考えられないことですよ。これは、太田理財局長、もう一人は中村総務課長ですよね、出席されているのは。中村総務課長、今回処分されるようなことをずっとされてきた方じゃないですか。なぜその人の言い分を信用するのか、全く理解できないですね。航空局長、これはできますか。金井総務課長のパソコン、捨てられた電子ファイル、復元できるんじゃないかと思いますが、そうすれば出てくるんじゃないですか。
○蝦名政府参考人 お答え申し上げます。総務課長によりますと、個人的なメモとして作成したような記憶もあるということでもございますが、個人的なメモといったようなものでもありますので、御指摘のような特殊な方法で探索するということについては差し控えさせていただきたいと思いますが、継続的に文書の探索を進めてまいりたいと思います。
○宮本(徹)委員 いや、差し控えるなんておかしいじゃないですか。これだけ国会で何度も何度も我が党のさまざまな議員が指摘しているのに、じゃ、まるで、もう破棄しちゃった、これで捜さないぞということで全て物事を隠蔽しようという話じゃないですか。許されないですよ。きょう手元に物がありますけれども、後で公表したいと思います。それから、国交省に伺いますが、もう一点、先週の参議院の財務金融委員会の方で、私たちの辰巳議員の方が、会計検査院報告書原案への主な意見という内部文書が手に入ったということで質問させていただきましたが、ちょっと確認しますけれども、会計検査院への対応や意見を出すなどをするために、昨年夏ごろ、国交省内で、省内検査院PT、プロジェクトチームが設けられていたんじゃないですか。
○蝦名政府参考人 お答え申し上げます。御指摘の内容は、検査の過程に関する個別事案についての具体的な内容に係ることでありますので、検査を受検する立場であります当方からお答えすることは差し控えさせていただきたいと思います。
○宮本(徹)委員 その対応をするプロジェクトチームをつくったこと自体を明らかにできないのかというのは、おかしいでしょう。隠さなきゃいけないような話なんですか。そして、この会計検査院報告書原案への主な意見、私もちょっときょう手元に持ってまいりました。三十ページあります。何か、取扱い厳重注意というふうに表紙に書いてありまして、平成二十九年八月作成ということですが、これは省内で見つかりましたか。
○蝦名政府参考人 お答え申し上げます。会計検査院の検査を受けるに当たりまして、受検する立場でございますので、御指摘の文書の有無も含めまして、省内でどのような検討を行っていたのかという点につきましては、受検をする立場からはお答えを差し控えさせていただきたいと思います。
○宮本(徹)委員 有無も言えないと。本当に何でもかんでも隠そうという話じゃないですか。これも、皆さん出さないんでしたら、私たちの方から公表させていただきたいというふうに思います。私たちが公表したものがにせものだったら、にせものだと、直ちに反論してください。反論しなかったら、本物だということで認定させていただきたいというふうに思います。この会計検査院報告の原案への主な意見、見ていますと、こう書いてあるんですね。貴院による試算額一億九千七百六万余円や四億四千三百六十七万余円等の金額は、例示とはいえ、その金額がひとり歩きすることは容易に想像され、今後の議論において無用の混乱を招くおそれがあることから、重ねて撤回を強く要請するだとか、こういう話がいろいろ書かれております。この出てくる意見と、九月七日の航空局長、理財局長の意見交換概要、同じことを言っているんですね。理財局長、総額を消すことが重要だが、失点を最小限にすることも考えなくてはいけない、少なくともトン数は消せないのではないか、金額よりもトン数の方がましということで、金額は消せと、会計検査院の報告にある金額は消すんだと。ごみの撤去費用の見積りの金額は消して、ごみののある量、トン数で直してくれ。こういうのを、国交省もそして理財局も一緒になって相談をしていた。そして、出てきた検査院の報告は、そのとおりになっているわけですよ。金額じゃなくてトン数になっている。ごみの撤去費用はこれぐらいだろうというのから、ごみのある量はこれぐらいだろうというのに、失点を最小限にするという太田理財局長の発言どおりになっているわけですよね。皆さんが圧力をかけた方向で会計検査院の報告というのが結局出されたということになるんじゃないですか。違いますか。
○蝦名政府参考人 検査の過程に係る具体的な内容に係ることでございますのでお答えを差し控えさせていただきたいと思いますが、会計検査院は独立した機関でございますので、検査院が掲記すべき内容につきましては、先般も会計検査院が答弁をされていましたとおり、最終的には検査官会議の議決を経て自律的に決定をしているとの御答弁があったものと承知しております。
○太田政府参考人 お答えを申し上げます。検査の過程のお話が、お答えをいたしかねるということは、先ほど航空局長が国土交通省として御答弁ありましたが、財務省の私としても同じでございます。その上で、基本的に、今の委員の御指摘は、さも財務省なり国土交通省が言ったからそういうふうになったというような感じのお話だったと思いますが、会計検査院は当然のことながら独立した第三者機関でございますし、その上の自主的な判断ということでございます。我々が申し上げたことは、基本的に、特に今ほどのお話は、地下埋設物の撤去費用、あるいはそのお話ということでございますが、それは国土交通省さんの方が主体ではありますけれども、財務省としても、国土交通省さんからいただいたものを是として、それをもとに最終的な一億三千四百万という額を決めて通知しているわけですから、その積算は適正であったということを一生懸命会計検査院には御説明をした。したけれども、会計検査院の御理解を得られなくて、最終的には慎重な調査検討が必要であるという厳しい御指摘をいただいて、我々としてはそれを重く受けとめているというのが実情でございます。
○宮本(徹)委員 事実の問題だとかで意見を言ったとか、そういう話じゃないんですよね。書きぶりですよ。金額よりもトン数の方がまし、いかに失点を減らすのか、最小限にするのかと。これは、会計検査院とのやりとり、確かに事実関係を確認することはあるかもわからないですけれども、表現ぶりまで介入をしていっている。独立した会計検査院に対してやっちゃいけないようなことを皆さんやっているんじゃないですか。大変問題ですよ。この問題は引き続き追及します。先ほども言いましたけれども、公表しますので、違ったら違うと言ってください。次の宿題です。
五月に提出された交渉記録が、一連のが出てまいりました。そこの中に、いわゆる口裏合わせの音声データに該当するものがないじゃないかというのを先週提起をさせていただきました。調査すると太田理財局長はおっしゃっていただきましたけれども、調査結果を教えていただけますか。
○太田政府参考人 お答えを申し上げます。委員の御指摘、音声データと、それから、音声データを持っているんだけれどもそれと交渉記録が一致していないんじゃないかという御指摘でございました。きょう委員の後ろにいらっしゃる宮本岳志議員から、平成二十八年三月三十日の打合せについて、以前、宮本岳志議員から音声データを頂戴をいたしております。それをもとに、その内容を踏まえて、当時の担当者に確認をいたしました。当日、二十八年の三月三十日ということでございますが、十一時から十三時ごろまで、森友学園、それから弁護士先生、工事業者及び大阪航空局を交えて打合せを行い、その後、工事業者と現地確認を行った後、庁舎に戻っているということで、森友学園との打合せはこの日はこの一度きりだということを確認した上でそう申しております。その上で、委員からの御指摘は、音声データと交渉記録、応接記録が一致していないじゃないかということでございましたけれども、音声データと応接記録、交渉記録に記載の打合せをしている時間は、音声データの方を聞かせていただくとほぼ二時間ほど、応接記録、交渉記録に載っけている時間もほぼ二時間ほどでございまして。それから、国からの照会に対しまして、それに対して答えるという形で業者の方から資料を提出をするというふうにされていること、それから、国がトラックを手配して今すぐ積み上がっている地下埋設物を処理をするということは難しいという趣旨の話をしていること等々がほぼ同様でございまして。また、その次の回、次回、それは四月五日ということになるんですが、その打合せの日程を調整しているということも勘案いたしますと、いずれも、どちらも、三月三十日に行われた同じ打合せ、音声データの方もそうですし、交渉記録の方もそうだというふうに考えてございます。
○宮本(徹)委員 その説明、全くつじつまが合わないというふうに太田局長も思っていらっしゃいますよね。この三月三十日の出された交渉記録、皆さんがつくったのを見たら、理事長は、六月の棟上げ式には首相夫人を招待するスケジュールを組んでいる、やらざるを得ない、これができなければ私は切腹する覚悟、国の方々は私がこのような覚悟を持って取り組んでいることを認識してほしいとか、いろいろいろいろ、いろんなことがここで書かれていますけれども、そんなの、音声データに出てこないせりふがいっぱいこっちには書かれているわけですよ、交渉記録に、音声データにないせりふがいっぱいあります。その一方で、音声データに出てくる内容というのは交渉記録にはほとんど書かれておりません。全く一致していません。これは、NHKが報道したとおり、もう一度どこかで話合いをやったんじゃないですか。それが口裏合わせなので、その部分については交渉記録を破棄をした、出すわけにいかないと破棄をした、それ以外考えられないですよ。これは全く一対一で対応していないですよ。照らし合わせて調査していただきたいというふうに思います。厳密に照らし合わせて調査していただきたいと思います。それからもう一点。きょうもう一つお伺いしたいのは、きのう、財務省の調査とあわせて、国交省からも森友学園からの面接記録が出てまいりました。国交省の調査結果というのも発表になりました。私、この交渉記録を、国交省の出てきたのを見て驚いたんですよね。何を驚いたかといいますと、ずっとつづられているのは、平成二十五年八月十三日から出ているんですけれども、平成二十八年三月二十九日が最後なんですね、平成二十八年三月二十九日が最後なんですよ。口裏合わせが行われたのは三月三十日の音声データであることは、この間ずっと国会でも議論になってまいりました。そして、その後、ごみの積算根拠をめぐるさまざまな議論が、疑惑が指摘される時期というのが、この三月下旬から四月の十四日の間にあるわけですよ。ところが、国交省が発表した交渉記録は、三月二十九日が最後で、ごみの積算根拠のところにかかわる、一番、国会でも疑問が多い部分については出てきていない。これは何で出さないんですか。
○蝦名政府参考人 お答え申し上げます。今般、私どもが、協議メモということで、当時の森友学園側との協議メモにつきまして確認できたものについては、今回お出ししたものでございます。今、三月三十日の会合についてお尋ねがございましたけれども、参加した職員に何度も繰り返して確認をしたところ、そもそも、その日の会合については協議メモを作成していなかったということでございまして、その意味で、あるものは出させていただいている、確認できたものは出させていただいているということでございます。
○宮本(徹)委員 三月三十日以降は、一切協議メモはつくっていないんですか、それ以降は。
○蝦名政府参考人 今般、私たちが確認できた当時の森友学園側との協議メモにつきましては、全て今回で提出させていただいたものでございます。
○宮本(徹)委員 確認できたものはじゃなくて、三月三十日以降は一切つくっていないのかと。その以降もずっと森友学園とのやりとりはあるはずですよ。三月二十九日でぴたっと途絶えているのは極めて不思議なんですよ。
○蝦名政府参考人 今回、森友学園側との協議メモにつきまして確認をさせていただきまして、捜させていただきました。先ほどの、三月三十日は作成していなかったということでございます。また、四月五日の会合なども、工事関係者に求める資料の説明をする場として認識していたので、協議メモを作成していなかった。これは職員に確認をして、私どもも、ないのかということで確認をさせていただいたんですけれども、作成していなかったということでございました。
○宮本(徹)委員 三月三十と四月五日は作成していないと確認したという話ですが、それ以外は一切合財、作成していないわけですね。
○蝦名政府参考人 四月十四日までの間で森友側との協議が行われているのは、三月三十日と四月五日ということのようでございまして、それ以外のメモというのは作成されていないと……(発言する者あり)森友学園側との協議ということで、三月三十日と四月五日ということでございまして、四月十四日まではそれ以上、森友側と何か協議というか、そういうことをされていないということで、メモを作成していないということでございます。
○宮本(徹)委員 そうすると、こうやってずうっと交渉記録を皆さんつくっている、だけれども、三月三十と四月五日と決定的な場面になると、これは、つくらない方がいいということでつくらなかったのか、あるいは、つくったんだけれどもつくらなかったことにした方がいいということになったのか、どっちですか。
○蝦名政府参考人 お答え申し上げます。三月三十日も、そもそも協議メモを作成していないということで、課長と課長補佐のみが参加しておりますけれども、ふだんから余り協議メモを作成するという形になっていなかったようでございまして、作成していない。四月五日は、工事関係者に求める資料の説明をするという場であるというふうに理解をしていて、そもそも協議メモを作成していなかったというふうに聞き取ったということでございます。
○宮本(徹)委員 ふだんからメモをつくるようなことをしていないなんて、そういう説明はやめてくださいよ。だったら、この交渉記録がこうやって出てくるはずがないんですから。財務省がつくっていないような、航空局長と理財局長の面談の記録だってつくっているじゃないですか。財務省よりも一生懸命、皆さん、メモをつくっているのに。ところが、肝心かなめの、国民が一番知りたいところになると、メモはつくっていません。およそ私はその説明は信じられないですよ。本当につくっていないのか調べていただきたいというふうに思います。それから、もう一つ宿題があります。先週の委員会で紹介した昨年の二月十三日の交渉記録について、改ざん前の詳細なものがあったということは、きのうの提出した資料で明らかになりました。しかし、財務省の報告書を見ると、既に作成済みであった応接録は中身が詳細過ぎることから、要旨のみに圧縮した応接録を作成し直し提出したと書いてあるんですね。これは、作成し直しと書いてあって、改ざんと書いてないんですよ。これは改ざんじゃないですか。
○太田政府参考人 お答えを申し上げます。昨年の二月、三月のころの交渉記録について、おっしゃるとおり、国会から、昨年三月十五日でしょうか、御要請があって、それに対して簡略化したものを出している。でもそれは、ある意味で、これから先の、今回の調査報告書にも出てまいりますけれども、さらなる質問につながり得るような材料を極力少なくするということを目的としてやっておるということでございますので、そういう意味で、適切な対応ではなかったというふうに思っております。それを、言葉の使い方として、改ざんだという言い方をされるのは、委員がそうおっしゃることは理解をしております。
○宮本(徹)委員 ですから、私が言っているんじゃなくて、ほかの決裁文書については改ざんということを今回使いながら、私が新しく提起した交渉記録の改ざんについては改ざんと書いてないのが不思議なんですよ。全く反省が足りないんじゃないですか。
○太田政府参考人 言葉の使い方の問題あるいは認識の問題があると思いますが、決裁文書の改ざんと今回御報告申し上げているものは、きちんと決裁をとってでき上がったものを、その後、再度、もう一回上司の了解をとり、きちんと決裁をとり直してやるということはあり得るんですが、そうではなくて、そういう行動をとらずに決裁文書を勝手に直している。要するに、表紙にあるところのものを一切変えずにやっているということの悪質性も含めて改ざんと申し上げています。今回、今委員御指摘の話は、今ほど申し上げましたように、国会において今後の質問の材料を少なくするという目的だという意味で、不適切だ、適切でないというふうに申し上げました。ただ、交渉記録そのものについては、それを作成する、それに関係する上司の了解をとって、適切な交渉記録だといってつくっているわけで、決裁のような、そういう決裁の頭の紙があるわけではなく、一方で、その上司たるところと相談をしてやっているという意味で、決裁文書の改ざんと全く同じだと言われれば、それはそうではないということも含めてこういう説明の仕方をさせていただいているということですが、委員御指摘のとおり、基本的に適切でなかったというのは、それはそう思っております。
○宮本(徹)委員 言っている説明、めちゃめちゃなんですよ。国会議員に提出して、更に追及を避けるために、決裁文書も改ざんして交渉記録も改ざんしたということなんですよ。国民と国会を欺く行為をやったというのは、同じ悪質な、麻生さんの言葉で言えば質の悪い行為じゃないですか。なぜ改ざんということをこれについて言えないのか。私は、こういうところに本当に、この問題の反省が足りないというところが見え隠れしているというふうに思います。そして、大体、この交渉記録の改ざんについても、私たちが文書を入手して先週委員会で言わなければ、これは黙っておこうということにしていたんじゃないですか。違いますか。
○太田政府参考人 お答えを申し上げます。基本的に、この交渉記録、今回御提出をさせていただいたものは、今回の調査結果に際して、昨年の調査結果は、決裁文書の改ざんということを行ったのが昨年の二月下旬から四月にかけてということで御説明を申し上げ、その間についてのいろいろな調査をやっておったわけですが、その調査と並行して、この作業も必要だということで作業をしておりました。先週、御党からこういう御指摘をいただいて、その結果としてこういうものが出ておるので、御党のお力でこうなったという御主張はよくわかります。ただ、我々とすれば、これは今回の調査結果のタイミングと同じタイミングのものでございますので、調査結果とあわせて、その調査結果の中身をある意味で検証していただくためにも御提出をしなければいけないという思いで作業をしておったということは事実でございます。そういう意味で、御党の御指摘がなければ出さなかっただろうと言われれば、我々はそういうつもりではなくて、御党の御指摘云々にかかわらず提出を申し上げるつもりでしたけれども、御党の御指摘があって結果としてこういうふうになっていると御党がおっしゃるのは、それは理解をしております。
○宮本(徹)委員 今ごろそういうことを言ってもおかしいんですよ。だったら、私たちが指摘する前から、もっと前の段階から説明すべき話じゃないですか、調査結果とあわせて説明するという話じゃなくて。そうせずに、ことしの三月三十日になっても改ざん前の文書を皆さんは出し続けたんですよ。それが事実じゃないですか。政権との関係でデメリットになるかどうかというのを考えてやっていたというのが皆さんの姿勢なんですよ。それで、残された時間は余りないですから、質問を次に行きたいと思いますけれども、麻生大臣に最後お伺いしたいと思いますが、きょうもいろいろ大臣の責任についてのやりとりがありました。きのうの麻生大臣の記者会見を聞いていて、交渉記録破棄や改ざんの動機について、それがわかりゃ苦労せぬとおっしゃったのを聞いて、私、もう本当、びっくりしましたよ。調査というのは、交渉記録の破棄、改ざんの動機をまさに解明するための調査だったはずです。それが、動機が、それがわかりゃ苦労せぬと。これだったら、今度の調査結果というのは大臣自身も納得できない不十分なものだと言っているに等しいというふうに私は思います。大体、大臣自身がそれがわかりゃ苦労せぬと言う調査ぐらいしかこの問題でできないんだったら、そういう麻生大臣が財務省の立て直しを本当にできるのかといったら、この点は多くの国民が疑問に思われる点だと思いますよ。私は新しい大臣のもとで財務省の立て直しを進めるべきだと思いますが、大臣の見解を最後にお伺いしたいと思います。
○麻生国務大臣 同じ文書の改ざんを言われた大阪理財局、大阪の地方財務局の職員の中でも、それに応じた人と応じていないのがおります。拒否したのもおる、拒否していないのもいる。同じ人が同じ命令をしているはずなんですけれども、それに対して反応がそれぞれ違うので、片っ方は改ざんをした、片っ方は改ざんしなかった。どうして、どうしてしなかったんだ、どうしてしたんだというのは、そこは個々人によってかなり差が出ますので、そこのところが我々としてはなかなか難しいのであって、普通は改ざんはしないんですよ、それは答弁した内容の方を変えていただいたらいかがですかと言やいい話ですから。それをしないで改ざんをした理由、それを拒否したのが普通ですけれども、そこの差がどうして出たのか、それはなかなかわからぬと正直なところを申し上げております。(発言する者あり)それが私どもの話であって、後ろから余計なことを言わぬ方がいいです、宮本先生、前の方の宮本先生にお答えしておりますので。その話ですけれども、今そういったことをそういうふうに正直に申し上げただけのことなんですけれども、いずれにいたしましても、今そういった御意見があるというのは、宮本先生の御意見として伺っておきます。
○宮本(徹)委員 それがわかりゃ苦労せぬと言いますけれども、これは誰がどう考えても総理の答弁が契機に、そして総理をかばうために行われたというのが今度の調査結果を見てもよくよくわかるわけですよ。大手の一般紙、みんな見出しはそうなっていました、本日。だけれども、その点を深くえぐっていない。そして、改ざんの指示が本当に理財局だけでやられたのかという点も、私、さっき国交省のお話をしましたけれども、国交省の記録も、なぜか肝心なところになったらつくっていないなんという驚くような説明が始まるわけですよね。理財局、国交省わたって、いろいろなものを隠し続けているというのは、両方に指示できるところから指示があるんじゃないかと私は疑わざるを得ないと思いますよ。官邸の関与も含めて徹底調査すべきだということを申し上げまして、質問を終わります。