2018年6月8日 衆院地方創生特別委員会 加計問題・藤原元次長、愛媛県文書の記載を否定 宮本徹氏がただす

 日本共産党の宮本徹議員は8日の衆院地方創生特別委員会で、学校法人「加計学園」の獣医学部新設をめぐる愛媛県文書の事実関係をただしました。
愛媛県が5月末に国会に提出した、同学園や今治市、国とのやりとりの記録には、2015年4月2日に同県と同市、学園が内閣府の藤原豊地方創生推進室次長(当時)と面会した際、藤原氏が「加計学園からは3月24日に一度話は聞いている」「要請の内容は総理官邸から聞いて(いる)」と発言したとの記載があります。
総理官邸から内閣府への指示を政府は認めていないが、宮本氏は、「学園から直接ではなく、学園関係者と会った柳瀬唯夫首相秘書官(同)やその周辺から聞いたのではないか」と追及。村上審議官は、藤原氏の話として「事前には聞いていない」と否定しました。
宮本氏は、「県文書の内容は一貫していて矛盾がない。学園や、県文書で言及のあった加藤勝信厚労相や加計会見内容も内容を否定していない」と指摘。「否定しているのは藤原氏と柳瀬氏だけだ。梶山弘志地方創生相が藤原氏に真実を語るよう迫るべきだ」と強調しました。

≪2018年6月8日 第196回地方創生特別委員会第7号 議事録≫

○渡辺委員長 次に、宮本徹君。
○宮本(徹)委員 日本共産党の宮本徹です。まず、国家戦略特区についてお伺いします。一般論で大臣にお伺いしますが、うそで行政機関を欺くような事業者は国家戦略特区の事業者として不適格なんじゃないですか。
○梶山国務大臣 加計学園のことということで……(宮本(徹)委員「一般論でお伺いします」と呼ぶ)一般論ということですね。その申請書にうそがあったり、また、そういう国が受け取った文書等について虚偽があった場合には、そういうことになろうかと思います。
○宮本(徹)委員 申請書じゃない部分でうそをつくことは国としては構わない、行政機関をうそで欺くところも事業者として構わないということですね、今の答弁は。
○梶山国務大臣 うそであるかどうかは当事者間の話でありまして、当事者間の中でしっかりやりとりをしていただきたいと思っております。
○宮本(徹)委員 私はそういうことを聞いているわけじゃない。うそであるかどうかを今判断しろと、質問で今求めているわけじゃないんですよね。うそをついている事業者、行政機関に対してうそをついている事業者は国家戦略特区の事業者としてふさわしいのか、ふさわしくないのか、これをお伺いしているんです。
○梶山国務大臣 先ほど来申し上げますように、申請書の中に虚偽の事項等があれば、それはふさわしくないと思っております。
○宮本(徹)委員 では、もう一度確認しますが、申請書以外のところでうそをつくことは構わないということなんですか、今の答弁は。
○梶山国務大臣 うそについてどのように断定しているのかということにもあろうかと思います。
○宮本(徹)委員 では、うそかどうかの評価は次にまた議論したいと思いますけれども、そうじゃなくて、まず、一般論として、原則として、国家戦略特区、国のこの制度を使って事業をなし遂げようという人が行政機関に平気でうそをつく、そういう事業者が国家戦略特区の事業者としてふさわしい、おとがめなしということだったら、ずっと幾らでもうそをついていいという話になるわけですよ。申請書に虚偽があるかどうかだけじゃないです。申請書じゃないところも含めて、行政機関をうそで欺くようなところはふさわしくない。当たり前じゃないですか。
○梶山国務大臣 どこでうそをついたかどうかということも含めて、その中で、過去にうそをついたことがあるとかそういうことだけで、風評だけで判断することはできないと思っています。
○宮本(徹)委員 過去にうそをついたことがあるとかなんとかじゃなくて、みずからがうそをついているというふうに言っている場合も例としてあるわけですよ。うそをつくような事業者、しかも行政機関に対してうそを平気でつくような事業者はふさわしくないとなぜ言えないんですか。
○梶山国務大臣 一般論とお話がありましたから、直接のうそか風評のうそかということも含めて、それはなかなか判断しかねるということであります。
○宮本(徹)委員 いや、間接のうそか直接のうそかって、言っている意味がよくわからないんですけれども、うそをついて行政機関を欺く事業者は国家戦略特区の事業者としてふさわしいのかどうかと、物すごい当たり前の原則的な話を私は聞いているわけですよ。これをだめと言えなかったら大変なことになりますよ。
○梶山国務大臣 何をもってうそであるということなのか、少しわかりませんけれども、当事者間でしっかり、うそか本当かということ、それとも誤解に基づくものなのかということを議論していただきたいと思っています。
○宮本(徹)委員 私は一般論として聞いているのに、全然、逃げ回って答弁をしようとしない。大体、うそをついて、行政機関をだまして国家戦略特区で事業を進めるなんてあり得ない話じゃないですか。それがだめだということすら一般論として言えなかったら、これからは幾らでも行政機関を欺いて進めてくださいよと言っているに等しいですよ。だめならだめと言ってくださいよ。
○梶山国務大臣 ですから、直接行政機関に対して申請をしたり虚偽の申出をした場合には、それはまた別だということを申し上げているわけであります。
○宮本(徹)委員 ですから、申請の書類にうそがなくても、それ以外の場でうそをつくというのをやっている場合というのはいろいろあるわけでしょう。次に、もう一つのところに行きますけれども、昨日、参議院の予算委員会に対して加計学園から回答が出されました。加計学園が、総理との面談は作り話でしたという話をしております。これこそ、総理のうそに合わせるための作り話ではないかと考えます。面談が作り話であるのか、あるいは面談したという作り話こそ作り話なのか。どっちにしても、作り話をした、うそをついた、どっちに転んでもうそなんですよ、この話は。違いますか。
○梶山国務大臣 予算委員会に提出した資料ということで聞いておりますけれども、政府としてコメントする立場にございません。
○宮本(徹)委員 いや、何で政府としてコメントしないのかわからないんですけれども、政府がだまされたわけですよね。総理官邸で柳瀬首相秘書官がいる場で、加計学園の発言として、総理と加計学園理事長が会食した、その際に下村大臣の発言があったということが記載されています。なぜか、加計学園の出している文書は、愛媛県と今治市にだけ謝って、誤解する情報を与えたと書いているんですけれども、不思議ですね、総理官邸でも同じ話をしているんですよ、あの文書を見れば。皆さんも読まれましたよね。同じ話を総理官邸でもしているんですね。総理官邸にも誤った情報を与えたということになるわけです。まさに国もうそをつかれた当事者なわけですよ、大臣。違いますか。
○梶山国務大臣 先ほどの愛媛文書の、愛媛県と今治市に関するやりとりというものと加計学園に関するやりとりというのは当事者間でやりとりをしていただきたいということでありますし、何をもってうそなのか、総理の御発言もうそと断定をされたわけでありますけれども、それも含めて、何をもってうそとなるのかということであります。
○宮本(徹)委員 いや、加計学園の側は、うそをつきましたという文書を出したわけですね。しかし、そのうそをつきましたというのがうその可能性もある。二つに一つなんですよ。加計学園がうその作り話をしたのか、うその作り話をしたというのがうその作り話なのか。二つに一つしかないんですよ、これは。論理的にはそうでしょう。誰がどう考えたって、論理的にはそうなるわけですよ。それは大臣もわかりますよね。そうすると、うそをついて行政機関を欺いている事業者ということに加計学園はどっちに転んでもなるということだと私は思います。私は、全くふさわしくないと思いますよ。
○梶山国務大臣 先ほどは一般論ということでありましたけれども、今度は個別の話ということでしょうか。(宮本(徹)委員「個別の話」と呼ぶ)個別の話。先ほど来申し上げていますとおりに、政府に対しての申請書であるとかそういったところに虚偽がある場合以外はそれに当たらないと思っております。
○宮本(徹)委員 私、こういう姿勢は大変問題だと思いますよ。与党の皆さんも、ぜひ問題にしていただきたいと思いますよ。こんなことで、国家戦略特区って、うそをついて行政機関を欺いて、どんな話をやってもいいんだ、そういうでたらめな制度だという話になっちゃうじゃないですか。うそだけはだめだと、当たり前のことを大臣が言えるように皆さんからも働きかけをお願いしたいと思います。二問目に行きます。愛媛県の文書を普通に読めば、二月二十五日の総理と加計理事長の面談を受けて柳瀬総理秘書官が動いて、総理官邸から内閣府に照会があったというのは、普通に読めばそう読めると思います。しかし、総理官邸から内閣府に指示があったということは、この間、政府は認めていません。きょう、配付資料で愛媛県の文書をつけておきました。愛媛県の文書を裏面の方、2の方につけてありますけれども、二〇一五年四月二日の藤原次長の発言としてこうあります、「加計学園からは三月二十四日に一度話は聞いている」と。三月二十四日というのは、加計学園が柳瀬総理秘書官に面談した一回目の日です。きのうの夜、内閣府の事務方に伺いましたが、三月二十四日に藤原さんは加計学園と会っていないということでした。確かに、愛媛県の文書全体を見ると、そんな感じもします。そうすると、加計学園から一度話を聞いているというのは、どういう形で藤原さんは話を聞いたんでしょうか。これは事務方で結構です。
○村上政府参考人 お答え申し上げます。本件に関連しまして、藤原元次長に三月二十四日周りの経緯、知っていることを確認いたしましたところ、改めてでございますが、昨晩も御説明をさせていただいたとおり、加計学園と三月二十四日にお会いをした事実そのものはない、したがいまして、記録にあるような発言は少なくとも自分の発言としてはないと。ちなみに、三月二十四日は柳瀬元秘書官が会っているんじゃないかという議論もこの文書の中ではあるわけでございますが、その文書の中で、柳瀬元秘書官から藤原次長に相談されたい、こういうコメントの記載もありまして、ここから推察するに、藤原元次長はその場若しくはその前後にも、少なくとも柳瀬元秘書官の意識としてはいないという前提になっているのではないかというふうに思います。このようなことを考えますと、改めまして、三月二十四日前後、藤原元次長は加計学園とは会っていないということでございまして、それ以上の愛媛県文書の内容については私どもとしてはちょっとコメントする立場にない、こういうことでございます。
○宮本(徹)委員 その話はきのうお伺いしたんですよね。ですから、私は、会っていないので、じゃ、どういう形で加計学園から一度話を聞いているのかということをお伺いしているんですね。多分、この文書全体を見て私はこういうふうに思うんですけれども、これは、加計学園から直接聞いた、面談して聞いたということじゃなくて、間接的に聞いたという話じゃないかなと思うんですよね。つまり、三月二十四日に加計学園から柳瀬総理秘書官が聞いた話を、柳瀬総理秘書官から藤原さんが聞いたということを意味しているんじゃないですか。違いますか。
○村上政府参考人 お答え申し上げます。四月のころに藤原元次長自身が今治市、愛媛県とお会いして話を聞いているということは、日付を最終的に特定はしてございませんけれども、従来から答弁申し上げているとおりでございまして、その機会に加計学園の同席もあったかもしれないということも、これも本人が認めているところでございます。ただ、その前後につきまして改めて確認をしておりますけれども、柳瀬元秘書官が加計学園の方に対して藤原元次長や内閣府が担当であるということを紹介したことはあっても、説明したことはあっても、柳瀬元秘書官から藤原元次長に連絡をしたことはないということでございますし、藤原元次長の方も、柳瀬秘書官から連絡を受けたことはないと。同日であったとすれば、午前中、内閣府に来られたときに、午後、官邸で柳瀬元秘書官と会っておられる、文書によればそういうことになるわけでございますが、そのときはもう既に藤原に会っていたということで、柳瀬元秘書官はそもそも藤原に連絡をする必要を感じなかった、このように本人たちから説明と答弁があったというふうに認識をしてございます。
○宮本(徹)委員 配付資料のそのすぐ下の段を見てほしいんですけれども、「要請の内容は総理官邸から聞いており、」と書いているわけですよね。柳瀬首相秘書官か柳瀬首相秘書官のおつきの方か、どちらかわからないですけれども、四月二日の面談に先立って、三月二十四日の加計学園から柳瀬総理秘書官への要請の内容を、柳瀬秘書官から聞いたのか、あるいは柳瀬秘書官のおつきの方かわからないですけれども、聞いているんじゃないですか、四月二日の面談に先立って、三月二十四日の加計学園の話の内容を。違いますか。
○村上政府参考人 お答えを申し上げます。そう言われれば四月二日かもしれないということでありますけれども、その同日、午前中に内閣府、午後、総理秘書官、官邸ということであるとしますと、例の調査で出てきたメールでもそうでありますけれども、午後に官邸にお邪魔することになっているという話は、その日に藤原が聞いているかもしれないということが一つでございます。それから、柳瀬元秘書官から、国家戦略特区の事務局が担当である、そちらにきちっと説明をすることは大事であるといったような趣旨の制度の説明は既にしているということでございまして、こういったことが愛媛県側にどういうふうに捉えられてお書きになられたかということではないかと思いますが、その四月のころの前の段階では、いずれにせよ、柳瀬元秘書官から藤原に対して加計学園に関しての連絡は特にないということで両当事者が説明をしているというふうに承知をしてございます。
○宮本(徹)委員 私の質問をもう一回聞いてください。柳瀬総理秘書官か、あるいは柳瀬総理秘書官のおつきの方か、その近辺の方から、三月二十四日の要請の中身を藤原さんは聞かれているんじゃないですか。答えてください。
○村上政府参考人 お答え申し上げます。要請の内容は官邸から聞いておりという表現で発言をしているかどうかということにつきまして藤原元次長に確認をしてみましたが、そのような発言はしていないと思いますと。ただし、その前の年から特区諮問会議などで民間議員から重点課題とされてきた本件については、六月の成長戦略に盛り込むべく、制度化に向けての課題等を官邸も含め関係者と議論していた時期でございますので、その旨を今治市の方々にお話しした可能性があり、それを県の方が文書の表現のように受け取られたかもしれませんとの回答が本人からございました。
○宮本(徹)委員 質問に答えてください。
○村上政府参考人 繰り返しになりますが、要請の内容は官邸から聞いておりということでの発言は……(宮本(徹)委員「そんな質問していないでしょうが。何のための審議なんだよ」と呼ぶ)申しわけございません。大変恐縮でございます。もう一度ポイントを御教示いただいてもよろしゅうございますでしょうか。
○宮本(徹)委員 もう一度質問します。三月二十四日に加計学園から柳瀬秘書官にお話があったわけですよね。そのお話の内容を藤原さんは何らかのルートで総理官邸から事前に聞いていたんじゃないですか、四月二日の前に聞いていたんじゃないですかということを聞いているんです。
○村上政府参考人 大変失礼いたしました。その点につきましては、本人に確認したところ、事前には聞いていないということでございます。
○宮本(徹)委員 そうすると、この愛媛県の文書に書いてあることと藤原さんが言っていることは全く違うということになりますね。大臣、愛媛県の文書に書いてあることと藤原さんが言っていることは全く違う。愛媛県の文書は非常に一貫した流れで書いてありますよ、この発言一つ、ペーパーでお配りしているところを見ても、確認していただければわかりますけれども。愛媛県の文書が発表されて、この内容を加計学園はお認めになりました。加藤大臣もお認めになりました。ところが、藤原さんは否定し続けているんですよ。大臣、おかしいじゃないですか。
○梶山国務大臣 先ほど来申し上げておりますが、愛媛県が作成した文書の評価については、政府としてコメントする立場にありません。記録作成者は、当然、正確な記録をつくろうと思って誠意を持って取り組まれていると思いますけれども、当事者の双方がそれぞれの発言内容をしっかり確認した記録でない場合には、どうしても、発言の趣旨が発言者の意図と異なる場合に受けとめられて記録されたり、また発言の有無自体も、言った言わないの水かけ論に陥りかねないと思っております。そうした観点から申し上げれば、今回の件も、どちらかがうそをついていると断定するような問題ではないと考えております。いずれにしても、政府としては、国民の疑念を招くことがないように、正確な文書の信頼性を高める努力をしてまいりたいと考えております。
○宮本(徹)委員 愛媛県の文書、一ポツ、二ポツ、三ポツとありますけれども、一ポツ、二ポツ、三ポツと、全く矛盾がないわけですよ。加計学園から三月二十四日に一度話は聞いている、これは多分柳瀬総理秘書官経由の話だろう。その次のポツも、要請の内容は総理官邸から聞いていると同じ内容を繰り返し記してあるわけですよね、藤原審議官の発言として。これは、この間、誰がうそをついているのかということになって、愛媛県の文書はうそじゃないということになってからは、加計学園がうそをついていたとか変な話も出てきていますけれども、愛媛県の文書がうそだと言っているのは藤原さんしかいないという状態じゃないですか、今。柳瀬さんも少しそう言っているのかもわからないですけれども。これはおかしいですよ。私は、大臣自身が藤原さんに、直接真実を話すべきだと迫っていただきたいと思いますが、いかがですか。
○梶山国務大臣 質問があるたびに、事務方で確認をさせていただいて、間違いないかどうかということを私も念押しさせていただいております。
○宮本(徹)委員 ですから、事務方じゃなくて、やはりここは政治主導でやらないと、この問題はいつまでたっても終わらないですよ。本当に終わらないと思います。大臣は、前山本大臣と違って、この問題の当事者じゃないわけですよね。総理とも違うわけですよ。ですから、客観的な立場で真実を追求できる立場にあると思いますので、ぜひ、大臣自身から、藤原さんを呼び出していただいて、本当のことはどうだったのかと確認していただきたいと思います。最後にこれだけお願いします。
○渡辺委員長 申合せの時間が過ぎておりますので、簡潔にお願いいたします。
○梶山国務大臣 今までどおりの手法で聞かざるを得ないと思っております。
○宮本(徹)委員 それは残念です。終わります。