9月19日、文部科学省から、来年度の私立大学の定員管理と私学助成に関する通知をだしたという連絡があり、通知が事務所に送られてきました。来年度に予定されていた私立大学の超過入学者数に応じた私学助成の減額措置の実施を見送るという内容です。メディアでも大きく報道され、この間の定員管理厳格化にともなう受験競争の激化にふりまわされてきた、受験生やその家族、受験業界の方からは安堵と歓迎の声が広がっています。この問題を国会質問でとりあげ、是正をせまってきましたが、私もほっとしています。

この問題を私が国会でとりあげるきっかけになったのは、今年の春、国会報告で歩いていた時に、市民の方からよせられた声です。「こどもが志望校のみならず、塾の先生がここなら大丈夫というところも、念のための滑り止めもすべて不合格になり、浪人することになった。定員管理の厳格化で、塾の先生もよめないぐらい受験競争が激化している。こどもは、苦手科目の克服のため、1科目月5万円の塾にいく」という話をうかがいました。調べると、安倍政権が地方創生の柱の一つとして、地方から首都圏への大学進学者数を減らすために、大規模大学をはじめとした「私立大学の定員管理厳格化」を強力にすすめていることの弊害が大きく生まれていました。

私学助成の不交付となる定員超過率が、定員8千人以上の大学で2016年度から18年度にかけ、定員の1・2倍以上から1・1倍以上に引き下げられました。各大規模大学が、入試の合格者数を数千人単位で絞り、その影響は中希望校、小希望校と私立大学全体に波及し、受験競争の激化をもたらしていました。「受験したすべてで不合格」など浪人せざるをえない事態が広がり、大学側でも定員調整のための追加合格発表が3月末まで続くなどの混乱が続いていました。

やがて、アエラなどのメヂアの報道でも今年の春の受験競争の激化ぶりや弊害が告発されました。

にもかかわらず、安倍政権は、来年度の入試では、定員の1.0倍をこえると私学助成を減らすというペナルティーを予定していました。

「受験生とその家族、さらに大学までふりまわしている定員管理の厳格化は明らかにゆきすぎている。ストップをかけなければ。」

国会質問の機会をとらえてただそうと考え、文科省の担当者に事務所にきていただき意見交換をしました。すると、これまでに、国会議員からきた話は、地方創生のために首都圏の私大の定員管理を厳格化せよという話ばかりで、私のように反対の立場の話をしてきた国会議員はいなかったとのこと。同時に、文科省の担当者の方も、一部の大学から今春の受験の混乱は耳にしているということでした。

5月15日、どの省庁の大臣でも質問できる委員会である、衆院決算行政監視委委員会がひらかれました。そこで、私は、定員管理の厳格化で生まれている弊害を告発し、文科省として実態をしっかりつかみ、来年度以降の厳格化を中止することを求めました。林芳正文科大臣からは、「どういうことが実際起きているかということをふまえ、適切に措置を講ずる」との答弁がありました。(日刊ゲンダイで報道)

そして、このたび、文科省から、来年度以降の厳格化を見送る通知が発出されました。文科省高等教育局の通知では、「『平成31年度から、入学定員充足率が1.0倍を超える入学者がいる場合、超過入学者数に応じた学生経費相当額を減額する措置を導入する』」としていたことについては、当面実施を見送り、3年後をめどに実施の要否を検討する」としています。少なくとも3年間は、受験競争をさらに激化させる最大の要因をとりのぞくことができました。

しかし、これまで3年間ですすんだ定員管理の厳格化はそのままです。引き続き、弊害をただす必要があります。