2015年3月31日に開かれた財務金融委員会で、宮本徹議員は、待機児童解消、園庭の確保へ、国有地の活用について質疑を行いました。
 衆議院宮本徹事務所・日本共産党国会議員団東京事務所は、東京23区を対象に待機児童解消のための国有地の活用等についてのアンケートを実施しています。これまでにご回答頂いたアンケートの記述欄の一部を抜粋して委員会で紹介させて頂きました。
 委員会の質疑では、国有地を活用しての保育園整備が2010年にうちだされて以降、東京都内で、財務省から自治体に紹介されたのは188カ所の公務員宿舎跡地(予定)などですが、このうち協議中も含めて活用の見込みは24カ所にとどまっていることが明らかになりました。
 東京23区にお願いしたアンケートで、紹介のあった国有地が保育園用地として活用にいたらなかったケースの理由をきいたところ、用地の形状が保育園用地として不適切などの理由と並び、賃借料(売却代)が高いとのこたえがいくつもありました。東京23区の特別区長会も国に対して、国有地を安く貸し出すよう要望書をだしています。
 政府の国有地は、現在、時価での貸し出しを基本にしています。しかし、法律(国有財産特別措置法第二条)では、保育園用地については無料で貸し付けられるとなっています。法律どおり無料で貸し付けることを麻生大臣に求めましたが、前向きな回答はありませんでした。
 東京都内では園庭のない(もしくは十分な広さの園庭が確保できない)保育園が急増しており、この5年間で東京23区で整備された認可保育園・認定こども園・認証保育所のうち、敷地に認可基準の園庭をもつ保育園は21%しかありません。代替として公園を使いますが、園庭のない保育園が急増する中、ひとつの公園を3園、5園、7園と登録する状況で、遊具の利用を制限したり、後からきた園が他の公園に移動したり、体を思い切り動かして遊ぶという、保育指針が十分に実践できない状況になっています。公園にはプールがありませんので3歳児が片道20分歩いて他園にプールをかりにいくという状況も生まれています。園庭がないと朝の時間や午後の時間にちょっと外にでて遊ぶというのもなかなか難しい。保育園関係者や専門家から、こどもの体力、運動能力、健康などへの懸念の声があがっています。
 今日の質疑では、政府としての実態調査とガイドラインの作成、必要な対策を求めましたが、橋本厚労政務官は、公園を複数の園で使うなどがおきているが、何の問題もないの調査もしないという姿勢でした。こどもたちの成長を保障するうえで、新たな課題がおきている現実に目をむけてほしい。

東京23区対象のアンケート記述欄 

≪189回財務金融委員会6号 2015年3月31日 議事録≫

○古川委員長 次に、宮本徹君。
○宮本(徹)委員 日本共産党の宮本徹です。きょうは、待機児童の解消と園庭の確保、国有地の活用について質問いたします。政府は、一昨年打ち出した待機児童解消加速化プランで、二〇一七年度までの五年で四十万人の保育の受け皿をつくり、待機児童をゼロとするとしております。政府は過去にも、エンゼルプランなど、待機児童ゼロを目標とした子育て対策は数次にわたって行ってきました。しかし、この間、保育所の定員をふやしても、申し込みもさらにふえていくということで、待機児童が減らないということが続いております。これまで失敗してきた待機児童ゼロが今回は成功すると言えるんでしょうか。
○橋本大臣政務官 御質問でございますけれども、女性の就業率が上昇していく中、待機児童の解消は喫緊の課題であると考えております。平成二十九年度末までにその解消を目指し、平成二十五年四月に策定した待機児童解消加速化プランに基づき、五年間で約四十万人分の保育の受け皿の確保を進めているところでございます。加速化プランは、これまでの計画と異なりまして、認可保育所の整備に加えて、加速化プランに参加した自治体は施設整備費の国の補助率がかさ上げされ、その分自治体の負担割合が減る措置、あるいは小規模保育や賃貸物件を活用した保育所の設置に対する支援もするようにする、あるいは認可を目指す認可外保育施設への支援、保育の量的拡大を支える保育士の確保といった多様な支援メニューにより、平成二十五、二十六年度の二カ年で約二十万人分の保育の受け皿を確保する見込みでございまして、これは加速化プラン開始前と比べて二倍のスピードの拡大量となっております。これまでは認可保育所の整備に対する支援しかしていなかった、それをもっと広げたということでございます。今後、平成二十七年度から三年間でさらに約二十万人分の保育の受け皿の確保を進め、待機児童ゼロの実現に向けて全力で取り組んでまいります。
○宮本(徹)委員 これまでの二倍のスピードで整備が進んでいるということですが、しかし、計画以上に需要が高まって、待機児童がさらにふえているという指摘も出ております。これは東京新聞の今月の報道ですけれども、東京二十三区でいえば、昨年を上回る子供が一次選考で認可保育園に入れなかったということになっております。認可保育園の募集定員、東京二十三区で見ますと、二年間で三万六百六人から三万九千三百四十二人に九千人ふやしているわけですけれども、申し込みはそれを上回る一万一千人ふえているということになっております。ですから、認可保育園に子供を預けたい家庭の子供の数のふえ方が政府の想定を上回っているということなのではないでしょうか。
○橋本大臣政務官 お答えをいたします。本年四月の保育所等の待機児童の状況というのは、今は三月でございますから、今後、市町村が自己の市町村内の待機児童を把握した上で、国がその状況を調査することで判明しますので、現時点においてはまだ把握できていない。そして、御指摘をいただきました報道がございました。これは保育所の四月入所に向けた第一次選考の状況を聞き取ったものと承知をしておりますけれども、市町村におきましては、第一次選考以降も、新たに市町村の認可事業となる小規模保育事業等の保育所以外の保育の受け皿を含めて、待機児童の解消が進められていくものと承知をしております。ですから、今後、この状況からさらに待機児童が減っていく、まだ見通しはあるということでございます。現在、先ほど申しましたとおり、待機児童解消加速化プランにより、加速化プラン開始前の二倍以上のスピードで保育の受け皿の確保を図っているところでございまして、今後はこれに対応し、待機児童も減少していくものと見込んでおります。
○宮本(徹)委員 いや、私は、認可保育園に入りたいという家庭の子供のふえ方が政府の想定を上回っているんじゃないかと。これから、さらに、二次選考もあれば、いろいろなことで入っていく方がいると思いますけれども、ふえ方が政府の想定よりもふえているから、認可保育園に入れない子供が、こんなに一生懸命認可保育園をつくっているのに、またふえちゃったということじゃないかというふうに思うんですね。昨年十一月に厚生労働省が発表した資料があります。待機児童解消の目標年度である二〇一七年度で、ゼロから二歳の保育の受け皿が四万六千人分足りないということが明らかになっております。今の計画では待機児童ゼロが実現しないんじゃないでしょうか。
○橋本大臣政務官 昨年十一月に、今後の保育の受け皿整備等に関する市町村事業計画の進捗状況を取りまとめたところでございます。これによりますと、ゼロ歳から二歳の保育が必要な子供の平成二十九年度の量の見込みは潜在的な需要も見込んで約百十六万人となっておりまして、国の加速化プランでは、これに基づいて保育の受け皿の確保を進めていくこととしております。一方で、同じ市町村事業計画に基づく確保方策の値を単純に集計しますと平成二十九年度で約百十一・四万人となっておりまして、それと差があるではないかという御指摘なんだと思いますけれども、これは保育の受け皿の確保に向けた取り組みが潜在需要に対応した十分な供給量を確保する水準に達していない市町村があるためと考えられておりますので、こうした市町村に対しては、量の見込みに見合った保育所の整備を促進するように強く今後も要請してまいりたい、このように考えております。
○宮本(徹)委員 今の計画では足りないというお話でありました。私も東京二十三区の定員確保計画を少し見てみましたけれども、ある区で見ますと、二〇一七年度になっても、ゼロ歳児、三から五歳児も、利用希望者が入るだけの保育施設の整備が間に合わないということになっておりました。これは認可外も含めての話であります。政府の掲げる二〇一七年度までの待機児童ゼロを実現していくためには、施設整備の計画をさらに積み増していくことが必要なのは明らかです。ですから、自治体への支援もさらに求められるということだと思います。そして、政府が掲げている四十万人という数なんですけれども、自治体が行った潜在的需要も含めたニーズ調査と合致していると言いますけれども、この間の報道を見ていますと、例えば都内のある区では、二〇一五年の小学校入学前人口が予想よりも既に九百人多くなっているということも報道されております。さらに働く女性もどんどんふえ続けているということです。ですから、今後、現時点のこの四十万人という計画を上回って保育所のニーズがふえることも十分に考えられるのではないかというふうに思いますが、この場合は、加速化プランの目標の四十万人について上方修正することはあり得るんでしょうか。
○橋本大臣政務官 待機児童解消加速化プランの整備目標についての御質問ですけれども、これは、保護者へのニーズ調査の結果を踏まえまして、女性の就労がさらに進むことによる潜在的な保育需要も見込んで策定した目標でございます。この整備目標を達成すると、待機児童が今一番多いのは一歳、二歳児でありますけれども、この利用率が三五・一%、これは平成二十六年四月の実績の値ですけれども、これが四六・五%まで上昇することが見込まれているということになります。これは、平成三十年度でそうなるかもしれないという想定で目標を立てているということです。この四六・五%というのは何なのかというと、三歳以上児の利用率が平成二十六年四月の実績で四四・五%ですから、それをもうちょっと上回って、一、二歳児の方も預かることも想定した目標になっております。したがいまして、保育需要を満たす十分な目標であると私たちは考えているところでございます。もちろん、目標は目標として、きちんとそれに対して施設整備は進めていかなければなりませんから、その実現に向けて全力で私たちは進めてまいりたいと思っております。以上です。
○宮本(徹)委員 潜在的ニーズも含めて十分だというお話でしたけれども、先ほど言いましたように、既にニーズ調査をやった数よりも就学前の子供がふえている自治体もある、働いているお母さんたちも保育園の希望がふえている。ですから、もっと、これで足りるのかという検証をしっかりやらないとまずいと思うんですよね。それで、女性の輝く日本ということをさんざん安倍政権は強調されているわけですが、やはり女性の社会進出の支援には十分な保育所の整備が欠かせないということだと思います。今度こそ、本気で待機児童のゼロを目指す必要があります。ですから、四十万人にこだわらず、必要だったら上積みも含めて、待機児童ゼロに必要な保育の受け皿の確保のために、あらゆる手だてを講じていく必要があるというふうに思います。待機児童ゼロのために、でき得る限りの政策手段を使って保育所整備の支援をすべきだと思いますが、これは財務大臣として麻生さんにお伺いしたいと思います。いかがでしょうか。
○麻生国務大臣 今言われました、予定よりさらに待機児童がふえているというのは、宮本さん、それは景気がよくなってきて、みんなに働くチャンスが出てきたということも意味しますからね。何かいかにも悪いことのような感じがしますけれども、そんなことはないですよ。景気がいいのに、いかにも計画がなっておらぬみたいに聞こえるけれども、それは、予想以上に景気がよくなってきて、子供を預けてでも働こうという人がふえているというように考えて、待機児童に対応できるように私どもとしてもきちんとやっていかないかぬということなんだと思います。それぞれの自治体もいろいろ努力をしておられるんだと思いますけれども、待機児童というものは、私らの地域には待機児童なんていう言葉はありませんから、何を待機するんだかわかりませんよ、過疎地ですから。そういったところでは待機するほど子供はいないということにもなりますので、それは地域によって全然違うんですよ。だから、今、待機児童の問題というのは、非常に人口の多いところでそうなっているんだとは思いますけれども、それほど子供がいれば、こっちに引っ越してきたらと思っているのがこの辺にもいるんだと思いますけれども、私どもとしては、地域格差がありますので、地域によって不満、過不足というのはいろいろありますので、そういったものを全般的に見ながら対応していかねばならぬと思っております。
○宮本(徹)委員 地域によって差はあるけれども、待機児童の問題に対応できるようにしなきゃいけないというお話が麻生大臣からありました。そして、待機児童を解消する上での一つの手だてが国有地の活用ということであります。今、保育園をふやす上でネックになっている問題、大きな問題はやはり保育士が確保できない、これが一つありますが、同時に、都市部では用地の確保が保育園をふやす上でのネックとなっております。今回、安倍政権が打ち出している加速化プランでも国有地の活用というのが一つの柱となっておりますが、この間、東京都内の自治体に何カ所の国有地を紹介して、そのうち幾つが保育園用地として活用されたんでしょうか。
○飯塚政府参考人 お答え申し上げます。待機児童解消加速化プランなども受けまして、各財務局から地方公共団体に対しまして、公務員宿舎の跡地などの国有地の情報提供を行っております。東京都内においては、プラン策定後から昨年の九月末までの間に、合計百八十八カ所の廃止予定宿舎の情報を提供しております。また、物納財産等その他国有地についても、関東財務局から東京都等の地方公共団体に随時情報提供をしているところでございます。これらの国有地につきましては、都内の特別区や市町村のニーズに沿いまして、保育所だけではなくて、公園や学校、老人福祉施設等の公的な用途に活用いただいているところでございます。また、このような具体的なニーズのないものにつきましては一般競争入札で売却を行っておるところでございますけれども、御指摘の保育所用地につきましては、都内において、現在協議中のものも含めて合計二十四カ所が活用される見込みでございます。
○宮本(徹)委員 百八十八カ所のうち、保育所の用地としては、二十四カ所が協議中も含めて今進んでいるという答弁でありました。自治体が多くの待機児童を抱えながら国有地の活用に至らなかったケースもあるわけですが、その理由は何なのかということで、私、二十三区にアンケートでお聞きしました。きょう、提出資料ということで、記述欄の部分を抜き書きしてお配りしております。その場で保育ニーズがないと考えているケースや、土地の形状が保育園にふさわしくない場合もありますが、同時に、賃借料が高過ぎて活用に至らなかったというケースが幾つもありました。実際、東京二十三区の区長会や川崎市などから国有地の貸付料の負担軽減や無償貸し付けの要望書も出ているというふうに思いますが、国有地の活用が進まない理由の一つに賃借料が高いという問題があるんじゃないでしょうか。
○麻生国務大臣 保育所の用地のために国有地における定期借地制度を活用する場合ということなんだと思いますが、これは基本的には借地権利金が不要でしょう。借地権利金が不要ですから、初期投資額がまず少なくて済むと思います。それから、貸付料につきましては、公的な施設に国有地を使用するため公租公課相当額を控除ということになっていると思いますので、一般の民有地の貸し付けの水準よりは相当程度低くなっているというように認識しております。そういったものはこの例とこの例とか具体的な例を言っていただいた方がいいと思いますので、調べてみましたけれども、少なくとも国有地の定期借地料として、ここに、片一方は年額の貸付料が千七百万円のものとありましたが、ほぼ同等の地域、同じ場所で別のところがやっているのは三千八百五十万円となっておりますので、大体半分ぐらいになっているかなという感じがしております。具体的な例を言っていただいた方が、そういったところが具体的にあれば、私どもとしては、そういったところに対応していった方が話が進みやすいと存じます。
○宮本(徹)委員 具体的に例があればというお話ですけれども、民有地より安く国有地は借りられるのは事実ですけれども、それでも東京の土地は非常に高いわけですよね。これは、ある区ですけれども、国から借りて年間一千七百万ぐらい賃料を払っていますけれども、民間の事業者に先に貸しているわけですけれども、民間の事業者からいただけるのは、事業者の採算がありますから百万にも満たないわけですよ。ですから、一つの保育園に対して、土地の賃借料で自治体が年間一千数百万を持ち出しているということになっております。こういう高さから国有地の活用に至らないということで、今、園庭がない保育園が都内はどんどんふえているんですよ。保育園の園庭がないということになっております。そして、真面目に園庭つきの保育園をつくろうとしているところは、本当に財政的にも大変な状況になっているという状況があります。そこで、聞きますけれども、国有財産特別措置法第二条では保育所などの福祉施設への無償貸し付けが規定されておりますが、どのような理由でこの条文は盛り込まれているんでしょうか。
○麻生国務大臣 お尋ねの条文というのは、もともと昭和三十三年の議員立法というもので例外的に認められた社会福祉施設の無償貸し付けを、昭和四十八年に国有財産特別措置法に吸収したものであります。この昭和三十三年の議員立法の趣旨説明においては、当時、地方自治体が社会福祉法人に事業を委託する際には所定の委託費を交付しておりましたが、施設に関する経費は交付しておりませんでした、したがって社会福祉法人に過ぎたる負担が生じているのではないかということから、国有財産の無償貸し付けを受け得る道を開くようにしたものだとされております。
○宮本(徹)委員 社会福祉法人に負担が重いというのでつくられたというお話ですが、この中で普通財産は社会福祉法人や地方公共団体に対して無償で貸し付けることができるというふうに書いてあるわけですが、この無償で貸し付けることができるという最終的な判断は誰がすることになっているんでしょうか。
○麻生国務大臣 御指摘の規定につきましては、昭和五十八年、国有財産審議会の答申において述べられておりまして、現在の厳しい財政事情や未利用国有地が偏在する中での地域間の公平性を踏まえ、極力適正な対価を得ることにより財政収入の確保を図ることが適当との考え方のもとで、部分的に無償貸し付けを認めている、一切活用していないというわけではありませんというのが正式な答えなんじゃないんですか。(発言する者あり)どの答えが。場外発言しないで、自分で発言して。
○宮本(徹)委員 済みません、ちょっと通告していなかったものですけれども、無償で貸し付けることができるというふうに法律に書いてあるんですけれども、これは最終的には誰が判断するのかということをお伺いしたんです。法律上。
○麻生国務大臣 これは御質問をいただいていなかったので、この中に書いていなかったので、僕は適当に申し上げたので、あなたの方で事前に質問はなかったというので、答えが違っていたんじゃなくて、私は全然別の話をしても御理解いただけるんだと思ってしゃべったんですけれども、どこが答えるかといえば、財務省理財局か。財務局。(宮本(徹)委員「財務大臣です」と呼ぶ)最終的に財務大臣まで行くのか、これは。まあ、各地方の財務局長ですな。違いますか。(宮本(徹)委員「法律上は、普通財産の処分は財務大臣……」と呼ぶ)
○古川委員長 ちょっと、勝手にしゃべらないでくださいよ。大臣が今答弁していますから。
○宮本(徹)委員 最終的には、法律上、普通財産についての処分は財務大臣が判断するということになっております。それで、先ほど次の質問にお答えがありましたので、麻生大臣のお答えがあったとおり、当時ですけれども、現在、実際にこの規定を活用して無償で貸し付けている保育所もあるわけです。昭和五十八年の答申以前は無償で貸し付ける、それがずっと続いている保育所もあります。この国有財産特別措置法を活用してということになっております。ですから、これは今でも有効な法律ということになっております。先ほど、適正な対価を得るのが適当だという答申があったというお話もありましたけれども、その昭和五十八年の答申の中ではこうも言っているわけですね。基本方針として、当面の国有地の管理処分については、基本的には公用、公共用優先の原則を維持しつつ、それを損なわない限度で極力財政収入の確保を図ることを基本的な方針とすべきであるというふうにその中ではなっているわけです。今は賃借料が高くて、公用、公共用優先の原則を損なって、自治体の側も借りたくても借りられないという状況が生まれているわけです。ですから、その昭和五十八年の答申に基づいて適正な対価を得るのがいいんだということにならないと思うんですね。大体、法律にあるとおり、無償で貸し付けることができる、そして決める最終判断者は麻生財務大臣ということに今なっているわけですよね。それで、これだけ今、保育所のニーズがたくさんあるということになっているわけですから、ぜひ麻生大臣が決断して、この法律に基づいて、保育所のために無償貸し付けに道を開いていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○麻生国務大臣 そんな簡単な話じゃないと思うんですが、繰り返しになりますけれども、国有財産特別措置法の第二条の運用ということになるんだと思いますね、今のお話は。そうすると、物納財産や、国が施設の移転それから撤去経費などを負担した国有地以外は、土地の一部を時価で売り払い、残る部分を無償で貸し付けることを可能としているというところにのっとっておられるんでしょう、あなたの話は。そこまで読んでいないですか。(宮本(徹)委員「いや、読んでいます」と呼ぶ)読んでいますか。だったら今の意味はわかると思うんだけれども。したがって、そうすると、待機児童の解消に向けた国有地の活用に向けて、全てを無償提供すべきとの御指摘みたいに今聞こえますけれども、さらに無償または安くするということにつきましては、物納財産や、国が施設の移転経費などを負担した国有地というものにつきましては税収確保または費用回収を図る必要があること、また国有地が所在する地域と所在しない地域との間で享受できる利益に不公平が生じる、また国有地を利用する他の公的な用途との、例えば公園とか老人ホームとかいろいろあろうと思いますが、バランスをとる必要がある、そして保育所の運営や施設整備には運営費補助、保育所の新設また増築や賃料等の補助など相応の公的助成がなされていることなどを踏まえると、これはなかなかそういうぐあいに簡単にというわけにはいかないので、慎重に対処する必要があるだろうと存じます。
○宮本(徹)委員 慎重に対処と言いますけれども、待機児童ゼロというのは安倍政権の最優先課題だということで掲げられていると思うんですね。そして、法律上の規定ではできるというふうになっているわけですよ。その法律よりも運用指針を上に置くというのはまたおかしな考え方だというふうに思いますので、ぜひ麻生大臣に待機児童ゼロのために決断していただきたいということを申し添えておきたいと思います。その上で、最後、もう一点、園庭の問題についてお伺いしたいというふうに思っております。この間、用地の確保が困難な中、都市部では園庭のない保育園が急激に広がっております。厚労省は、園庭のない保育園の数や、敷地に園庭がない保育園が急増していることでどんな問題が起きているかということをつかんでいらっしゃるでしょうか。
○木下政府参考人 お答えいたします。認可保育所等の設備基準におきまして、保育所の園庭にかえまして付近の公園などを利用することは差し支えないとされているところでございます。都道府県等による認可の際には、これらの場所が適切に確保されているかを確認することによって、保育所において子供が外遊びする機会が確保されていると考えられていることから、保育所における園庭の有無、あるいは園庭がないことにより生じる問題等につきましては、国として統計的に把握しているものではございません。しかし、御指摘のとおり、例えば複数の保育所が付近の同じ公園を園庭にかえて活用しているケースなども考えられると承知しておりますけれども、各保育所におきまして、子供たちが必要な外遊びができる機会を確保するよう、公園以外の活用も含めてさまざまな工夫がなされるものと承知しております。
○宮本(徹)委員 私たち東京都議団が調べましたところ、今、都内の認可保育所、認定こども園、認証保育所で、敷地に園庭がない、あるいは園庭だけでは最低基準を満たさないという施設が四割にまでふえております。麻生さんの御出身地では考えられないことかもわからないですけれども、そういう事態です。この五年間、東京二十三区で新しくできた認可保育園について、三百六十カ所ありますが、敷地内で基準面積の園庭を確保できたのは二六・九%しかないということになっております。だから、一生懸命ふやしたある区でも、ほとんどビルの中に保育園をつくる。園庭が確保できない中でも、さまざまな工夫をして、保育士さんたち、園長さんたちは子供の成長のために努力をなさっていますが、新しい課題がたくさん出ております。きょうお配りしている資料の裏面に、二十三区から寄せられた声を紹介しておきました。園庭の代替として公園を使うわけですが、園庭がない保育園が急増していますので、一カ所の公園を複数の保育園が使うということになっております。広い公園だったらいいですけれども、都会の狭い公園一つを三園も五園も使うということになるとどうなるかというと、後から来た園は使えないということで、ジプシーのようにほかの公園を探して回らなきゃいけない、あるいは遊具の使用時間を制限しなきゃいけないということも起きております。乳幼児期というのは体を思い切り動かして遊ぶというのが保育指針にも書かれているわけですが、それが保障できない事態が広がっているというのが二十三区からの報告にもありますし、私たちは各園からもかなりアンケートでお伺いしましたけれども、そういう事態が広がっております。ちなみに、麻生さんの今お住まいのお宅の、神山町の付近のお子さんが通う認可保育園も、敷地には園庭はありません。松濤公園に行って遊ぶわけですけれども、大きな池がありますよね。危ないですから、保育士さんの体制がとれない土曜日は、朝から晩まで子供たちは建物の中ということになっております。ですから、本当に保育指針にふさわしい保育が行えない状況が今起きております。そこで、最後、お伺いしますけれども、こういう園庭のない保育園が広がる中で……
○古川委員長 宮本君、申し合わせの時間が来ております。まとめてください。
○宮本(徹)委員 まとめます。こういう事態が広がっていますので、自治体と協力して実態調査を行っていただきたい。そして、どういう課題があるのか、ぜひ厚労省としてつかんでいただきたい。そして、外遊びをしっかり保障するためのガイドラインを作成することを初め、必要な対策をとっていただきたいと思いますが、これは最後の質問です。よろしくお願いします。
○古川委員長 橋本大臣政務官、簡潔に御答弁願います。
○橋本大臣政務官 お答えをいたします。御議論いただいたわけでありますけれども、外遊びの機会を含めて、保育所における保育については、保育所保育指針に加え、参考資料として取りまとめた保育所保育指針解説書などを踏まえて、各保育所において必要な配慮がされているものと考えております。施設基準に基づいて、自治体でも適正に対応されているというふうに考えております。要するに、園庭がなくても、それにかわるものがあるということでもよいことにしておりますから、その中で対応していただいていると思いますので、直ちに新たな実態調査をする、あるいはガイドラインをつくるということは考えておりません。  日ごろからさまざまな課題があるということについては、ぜひ御意見をいただいて、今後も自治体と連携しながら適切に対応してまいりたい、このように考えております。
○宮本(徹)委員 終わります。