本線トンネル工事が先行している東名JCT(世田谷区)側では1月23日、掘削機が事業用地外に出て住宅街の直下に進む「本格掘進」が始まりました。
 本格掘進をめぐり、沿線住民の安全を脅かす新事実が、日本共産党の宮本徹衆院議員事務所の調査で次々明らかになっています。
 一つは、住宅街直下でおこなう掘削方法は、過去に施工実績のない新工法だということです。
 本線トンネルでは当初、掘削を容易にするため掘削面にシェーピングクリームのような泡を注入する「気泡シールド工法」を採用しました。しかし、用地内の試験的な掘進で昨年5月以降、地表に地下水や酸欠空気が噴出するトラブルが続発しました。
 国・高速道路会社は、空気の漏出を抑制する工法を検討。試験掘進時と同じ地層(世田谷区内)では、気泡シールド工法の泡から空気を除き、界面活性剤と水だけを注入して掘削するとしています。
 宮本事務所は、新工法の施工実績を示すように国土交通省に要求。同省は1月21日の回答書で「施工実績は確認できておりません」としました。
 もう一つは、酸欠空気が噴出した一因とされる、地上から掘削現場に達する「人工的な穴」が沿線各地に多数存在することです。
 酸欠空気噴出の原因について国や高速道路会社は、「人工的な穴を通って空気が上昇」と説明。その一方、いつ誰が開けたかなど具体的な情報は公表せず隠してきました。
 しかし、日本共産党国会議員団と沿線住民による国交省交渉(昨年12月21日)の席上で、高速道路側が「事業者が開けた」と回答。問題の穴は、外環道建設の地盤調査によるボーリング孔をモルタルで埋め戻したものだったことを認めました。
 外環道認可申請時の国の説明資料によると、ボーリング孔は計86カ所。ほかの調査もあわせ、沿線には多数の穴があります。これらの一部が掘削現場に直接ぶつかり、酸欠空気などが噴出する危険があります。
 宮本徹事務所は国交省に「シールドマシンが通過する地点に何カ所、同様のボーリング孔があるのか」と質問。同省は1月21日付の回答書で、世田谷区内に限って「8カ所」と場所を示しました。この回答には「地権者から非公表の要望があった箇所は含まない」(同省)としており、実際はさらに多くの穴が存在するとみられ、地上への影響が懸念されます。

以上2019年2月3日付赤旗日曜版より抜粋