2019年2月28日 衆院予算委員会 安全無視情報隠し オスプレイ配備撤回を

2019年2月28日 衆議院予算委員会提出資料

 日本共産党の宮本徹議員は28日の衆院予算委員会で、在日米軍のオスプレイが住民の安全を無視した飛行を繰り返し、米軍言いなりの情報隠しが行われていると追及し、同機の配備撤回を求めました。
 宮本氏は、横田基地配備のCV22オスプレイなどの米軍機の離着陸について、地元自治体に毎日情報提供する日報を昨年末にやめた背景として「米側から何か言われた事実があるのか」と質問。岩屋毅防衛相は「米側とのやりとりの詳細について答えは控える」と否定しませんでした。
 さらに宮本氏は、沖縄でも情報隠しが行われ、防衛局が航跡調査結果のホームページ公開を昨年末にやめ、過去の情報も削除したことを追及。岩屋氏は「情報保全を厳しくする必要があると、米国から強い懸念が示された」と答弁し、宮本氏は「過去の飛行情報は機密でも何でもない。対米従属の姿勢では国民の命は守れない」と批判しました。
 宮本氏は、横田基地のオスプレイが、学校や病院を含む人口密集地域上空を避けるとした日米合同委員会の合意を無視し、学校上空を飛行して授業中断も起きている実態を告発。合意違反がないか、オスプレイがどこを飛んでいるか把握しているかとただしました。岩屋氏は「米側は合意を順守する旨明言している」などと答弁。宮本氏は「確かめずに『順守している』と繰り返すのは全く無責任だ」と厳しく批判しました。

以上2019年3月1日付赤旗日刊紙より抜粋

≪2019年2月28日 第198回衆院予算委員会第14号 議事録≫

○野田委員長 これにて奥野さんの質疑は終了いたしました。次に、宮本徹さん。
○宮本(徹)委員 日本共産党の宮本徹です。米軍のオスプレイについて質問いたします。一昨日、木更津で定期整備中のオスプレイの試験飛行が行われました。定期整備は当初数カ月の予定が、二年超えと。定期整備について、こういう報道があります。防衛省関係者は、事態はもっと深刻でした、乗員や兵士の乗る部分の床板をあけてみたら、機体の内部はさびと腐食だらけ、自衛隊が丁寧に使っている機体しか見たことのない整備員たちは、これは整備ではない、修理だと驚いたと明かす、手の施しようがなく、そっくり交換しなければならない部品が思いのほか多く、その部品の修理、交換のために必要な工具を米国から取り寄せたという。大臣にお伺いしますが、オスプレイの機体の内部は、さびと腐食がひどかったんでしょうか。
○岩屋国務大臣 定期機体整備におきましては、機体の内部構造を点検して、腐食や損傷等の修復をする、それから部品交換等が行われます。今回の米海兵隊オスプレイの整備におきましても、同様の修復や部品交換が行われたものと承知をしております。個別の米軍機の詳細な状態について防衛省としてお答えする立場にありませんけれども、定期機体整備前においても、当然、飛行の安全性は確保された上で運用されていたものと考えております。
○宮本(徹)委員 いやいや、個別に明らかにしていただきたいんですよね。さびだらけ、腐食だらけのオスプレイが飛んでいるということになったら、住民にとったらこれほど恐ろしい話はないわけですよ。ですから、個別のものを明らかにしないというのはおかしな話だと思いますよ。これだけ防衛省関係者からの証言が出ているわけですから、私は、ちゃんとした資料を提出していただきたいと思います。その上で、昨年、東京の米軍横田基地にCVオスプレイが配備されました。このCVオスプレイは、特殊作戦用で、過酷な訓練を行うということで、MVオスプレイよりも重大事故率は高くなっております。十万飛行時間当たり、最新のものでは五・八四。昨年度もAクラスの重大事故が二回も起きております。もともと、米軍側の調達予定は五十数機しかないわけですからね。それが年間二回も重大事故を起こしているというのは大変なことだと思います。そういう中で、横田基地では、北関東防衛局がオスプレイの離発着について目視でチェックをし、毎日、地元自治体への情報提供を行っていました。自治体はホームページに公表したりしておりました。ところが、防衛省は、この自治体への日報を年末でやめてしまいました。ことしからは一カ月分まとめて、二月が大分過ぎてから、一月は六十四回と。丸めて回数だけ、離発着の回数を伝えるということになりました。何でこんなことになってしまったのかというのが不思議なんですけれども、大臣に経過を確認したいんですが、自治体への日報と公表について、アメリカ側から何か言われたという事実はあるんですか。
○岩屋国務大臣 防衛省としては、昨年十月以降、新たに配備されたCV22が横田飛行場においてどのように運用されるかといった地元の皆様の関心等を踏まえまして、CV22の離着陸の状況について、新たに初めて配備をされたということでございましたので、日々、地元自治体へ情報提供してきたところでございます。配備から約三カ月以上が経過いたしまして、CV22の離着陸の状況を一定程度お知らせすることができたというふうに考えたものですから、本年一月からは月ごとに集計したものを提供することとしたものでございます。なお、米側とは常日ごろから地元自治体への情報提供のあり方を含め緊密にやりとりを行っておりますけれども、詳細については、相手側との関係もございますので、お答えは控えさせていただきたいと思います。
○宮本(徹)委員 米側から言われた可能性があるということを否定されないわけですよね。東京都も、地元自治体も、政府に日報の継続を求めていますよ、これは。初めに始まったのも、地元の関心に応えて始めたわけですよ。しかも、防衛省の、防衛局の目視というのは今も毎日やっているわけですよ。毎日毎日続けているものを、なぜ地元自治体に知らせることだけをやめてしまったのか。今の説明では何の説得力もないというふうに言わなければいけないと思います。米軍に言われて情報を隠しているんじゃないかという疑いが極めて濃いと思いますよ。沖縄でも全く同じ情報隠しが起きております。これまで、米軍機が飛行ルートを守っていないという住民の批判の中で、防衛局自身が、普天間のオスプレイがどこを飛んだのかと航跡を調査し、ホームページでも公開してきました。ところが、突然、横田と同じ時期ですね、年末にホームページから全部削除した。なぜか。これはちゃんと正直に沖縄防衛局が語っております。米軍からホームページ掲載に強い懸念が示されたというわけですね。この間、普天間基地のそばの緑ケ丘保育園にヘリの部品が落下しました。普天間第二小学校にはグラウンドに窓枠が落下しました。日米合意の飛行ルートから外れていることも明らかになっているわけですね。防衛省の航跡図を見れば、この飛行ルートが全然違うところを飛んでいるというのは一目瞭然なわけですよ。だから、この防衛省の明らかにした航跡図に基づいて、住民は、飛行ルートを守りなさい、学校や保育園の上を飛んだらだめだということを求めてきたわけですよ。ところが、米軍に言われて、住民の安全を守るための重要な情報をホームページから削除しちゃったと。岩屋大臣、一体、住民の安全と米軍の意向、どっちが大事だと思っているんですか。
○岩屋国務大臣 先生御指摘の航跡調査については、確かに米側からは、昨今の国際安全保障環境を踏まえて、航空機の運用に係る情報保全をより厳しくする必要があるということで、国の内外から誰もがいつでもアクセスできるホームページへ掲載することについては強い懸念が示されたということは事実でございます。それから、この調査は、手法にちょっと技術的な限界があります。つまり、誤差が最大で二百メーターぐらい出てくるということがありますので、資料を見た方に必ずしも正確ではない認識を与えるおそれがあるという点がございます。米軍ヘリ等が遵守していないじゃないかという住民からの御指摘を踏まえまして、米軍ヘリ等の飛行の大まかな傾向を把握するためにこの航跡調査を行っているものでございますが、防衛省として、調査結果の説明責任を果たす必要があることから、米側と公表要領について調整をいたしまして、今回からホームページでの公表を行わないことにしたんですけれども、防衛局において閲覧をすることができるとしたものでございます。また、調査結果については、これまでと同様に、関係自治体の沖縄県、宜野湾市、中城村、北中城村及び北谷町に対して説明を行ったところでございます。
○宮本(徹)委員 情報保全ということをおっしゃいますけれども、基本的にどこを飛ぶかという場周経路自体は公表している話ですよ。過去にどこを飛んだなんか、機密でも何でもない話だと思いますよ。だから今まで公表してきたわけですよ。結局、学校や保育園の上を飛んでいる、日米合意違反で飛んでいるというのがばればれだから、このデータは人目につかないところに隠そう、こういう話じゃないですか。そんな卑屈な対米従属の姿勢では、国民の安全は守れないですよ。横田基地でもCVオスプレイが傍若無人に飛んでおります。配付資料をごらんいただきたいと思いますが、これは、防衛省が提出した横田基地での米軍機の場周経路をもとに学校の位置を書き込んだものです。日米合同委員会合意で、オスプレイは、進入及び出発経路は、学校や病院を含む人口密集地域の上空を避けるとありますが、現実には、この地図にある場周経路から離れた学校の上空も飛んでおります。授業が騒音で中断したという話も聞いております。資料の二枚目を見ていただきたいと思いますが、これは、フライトデータが出ているサイトに掲載されていたオスプレイのフライトデータです。この二枚を比較していただければわかりますが、場周経路と関係なく、勝手気ままに飛んでおります。岩屋大臣、防衛省として、日米合同委員会合意違反がないか、CVオスプレイがどこを飛んでいるのかというのは把握されているんですか。
○岩屋国務大臣 米側は、CV22の日本国内における飛行運用に際しましては、地域住民に十分に配慮し、最大限の安全対策をとるとしておりまして、先生御指摘の平成二十四年九月のMV22に関する日米合同委員会合意を含め、既存の全ての日米間の合意を遵守する旨、明言をしております。CV22の国内での運用に際しましては、安全確保はもとよりですけれども、地域住民の皆様の生活への最大限の配慮が大前提だと私どもも考えておりますので、米側に安全面に最大限の配慮をこれからも求めてまいりたいというふうに思っております。
○宮本(徹)委員 守っていないという事実があるから、私はきょう指摘しているわけですよ。日米合同委員会合意違反の事案、事態がいっぱいあるのにもかかわらず、日米合同委員会合意を守っているかどうかも確かめようともせず、米軍側は遵守している、遵守する姿勢があると、それだけ繰り返すんだったら、全く無責任な姿勢だと言わなければいけないと思いますよ。普天間でやっていることですら横田ではなぜやらないのか。全くおかしな話であります。さらに、もう一点お伺いしたいんですが、先ほどの赤嶺議員との議論で、総理は、沖縄の負担軽減は政府の責任という話をされておりました。しかし、現実は全く違います。横田基地配備のCVオスプレイが嘉手納基地に行っております。今月は、二月四日に四機、二月二十三日は再び二機。そして、地元紙が米空軍三五三特殊作戦群に取材すると、嘉手納基地で定期的に訓練すると明言したわけですよね。しかも、嘉手納基地では、三五三特殊作戦群の駐機場の拡張工事が始まっております。さらに、伊江島では、飛行甲板を再現してオスプレイの離発着訓練用の施設もつくられ、MVオスプレイについては訓練が始まっております。大臣、今後、CVオスプレイの沖縄での訓練が常態化していくということじゃないですか。こんなことを認めるんですか。
○岩屋国務大臣 今般のCV22オスプレイの嘉手納基地への飛来は、タイで行われておりましたコブラゴールドという共同訓練に参加の行き帰りのために一時的に飛来をするということだったと承知をしております。沖縄におけるCV22の訓練につきましては、米側が作成したCV22の横田飛行場配備に関する環境レビューにおきまして、我が国に所在する訓練区域の一つとして沖縄の訓練場が記述されておりますけれども、今後の沖縄における訓練の頻度といった具体的な内容について米側から説明を受けているわけではございません。いずれにしても、CV22オスプレイの配備は我が国の安全保障にとって意義があるというふうに考えておりますけれども、その飛行の運用に際しましては、安全確保をしっかりと求めてまいりたいというふうに考えております。
○宮本(徹)委員 米側から説明を受けていないと言いますけれども、米側はもうはっきり、嘉手納基地で定期的に訓練すると明言しているんですよ。何が沖縄の負担の軽減ですか。沖縄の負担軽減と言うんだったら、こういうのはやめろと言うべきじゃありませんか。
○野田委員長 宮本さん、質問時間、終了しております。(宮本(徹)委員「最後、答弁だけいただいて」と呼ぶ)では、大臣、極めて簡潔に御答弁をお願いします。
○岩屋国務大臣 はい。いずれにしても、沖縄の負担軽減のために、訓練移転等を始め、しっかり進めてまいりたいと思いますし、CV22についても安全運航をしっかり求めてまいりたいと思います。
○宮本(徹)委員 沖縄での訓練の常態化についても何も米軍にも言おうとしない、こんなのでは、沖縄の負担軽減なんというのはうそっぱちだとしか言いようがありません。沖縄でも、そして横田でもオスプレイの配備は撤回を求めて、質問を終わります。ありがとうございました。
○野田委員長 これにて宮本さんの質疑は終了いたしました。