日本共産党の宮本徹議員は2月27日の衆院予算委員会分科会で、障害のある青年・成人の余暇活動などへの公的支援の抜本的な拡充を求めました。

2013年に学齢期の放課後デイサービスがスタートしましたが、特別支援学校などを卒業すると、障害者の生活は一変し、夕方・休日に仲間とともに充実した余暇活動を楽しむ場は限られています。このため、家族の就労にとっても切実な問題となっています。

宮本氏は家族らの切実な声を紹介し、「障害者権利条約」が障害者の余暇活動の保障を定めている意義について質問。根本匠厚生労働相は「適当な措置をとると規定されていることを尊重して政策を進める」と述べました。

さらに宮本氏は、青年・成人期の夕方・休日の就労支援に熱意をもって取り組んでいる事業所でも、公的な財政支援が少ないため、運営する法人が多額の費用の持ち出しで工面している実態を紹介。国が支援を法的に位置付け、事業が成り立つよう財政支援を行うべく需要や実態の把握調査を行うよう求めました。

根本厚労相は「全国的な実態把握はやらないとならない。必要な支援を行いたい」と表明しました。

(以上、「赤旗」より)

≪2019年2月27日 第198回衆院予算委員会第五分科会第1号 議事録≫

○後藤主査 次に、宮本徹君。
○宮本(徹)分科員 日本共産党の宮本徹です。大臣、朝からお疲れさまです。最後ですので、どうぞよろしくお願いいたします。私は、青年、成人の障害者の日中活動が終わった後や休日の余暇活動等への支援について質問をさせていただきたいと思っています。十八歳までの学齢期は特別支援学校に通い、学び、交流し、さらに、二〇一三年からは放課後デイサービスもスタートし、これ自体はかなりたくさん指摘されておりますけれども、子供たちの豊かな放課後活動を支援するという制度的な基盤は一応整備されたということだと思うんです。ところが、十八歳で学校を卒業すると生活は一変するわけですよね。当事者は、仲間と交流したい、遊びたい、楽しみたい、認められたい、成長したい、そういう願いがあるわけですが、その願いがかなえられる場というのは大変限られているのが現状であります。例えば、生活介護や就労系の事業所では、日中の活動や就労が終わるのは午後三時台や四時ということになっております。ですから、多くの場合は夕方より早く帰宅する。保護者の方からもこういう声があります。健常な子であれば余暇を楽しむことができるのに、家で一人でテレビを見たりして過ごすことが多い、友達とまだ一緒に活動できる年なのにと思うと親としては悲しくなる、こういう声があります。こういう問題は、十八歳の壁というふうに呼ばれる方もいます。今、全国の事業者の熱意などで、青年・成人期の日中活動が終わった後の夕方だとかあるいは休日の余暇活動などの支援にいろいろな形で取り組まれておりますけれども、公的な支援というのは本当に不十分な状況だ、とりわけニーズに比して余りに貧弱だというのが現状だと思います。これは当事者にとっても大事な問題ですけれども、保護者にとっても大変切実な問題です。幾つか声を紹介しますので、大臣も聞いていただきたいと思います。お一人目。特別支援学校に通っていたときは八時十五分ごろにスクールバスが来ていた、その後仕事に出かけ、夕方まで安心して働くことができた、放課後デイサービスがあったからだ、でも、今、作業所の迎えの車が来るのは九時過ぎになる、それからでないと仕事に行けない、そして、作業所は三時ごろに終わり、四時には子供は家に帰ってきてしまう、子供が病気がちであり、フルタイム、正規の仕事はできなくなりました、働けないということは収入が断たれるということです、夕方、安心できる子供の居場所がないということは死活問題なのです、こういうお話を伺いました。それから、もうお一人紹介します。この方は、日中一時支援を利用している保護者の方です。希望者が多く、通う日を制限しているということなんですね。本当は毎日通いたい、子供も楽しみにしている、私も働きたいとみんな思っている、しかし、定員十人が限度のところを登録者が二十五人、母子家庭のお母さんが、私が働かなければ生活保護になるというので、とにかく条件の厳しい保護者のお子さんを優先しようということになり、今はシェアをして回数を減らしている、しかし、もう限界が来ている、こういうお話でした。ですから、きょうは、この問題について、大臣に前向きな答弁をぜひいただきたいと思っています。まず、大前提の問題で、障害者の権利に関する条約についての認識をお伺いしたいと思います。条約第三十条の第五項では、締約国は、障害のある人が他の者との平等を基礎としてレクリエーション、余暇及びスポーツの活動に参加することを可能とするため、次のことのための適切な措置をとると、ずらっとその後書いてありますけれども、この障害者の権利条約第三十条でなぜ余暇が規定されているのか、そして、この意義をどう認識しているのかという点についてお伺いしたいと思います。
○根本国務大臣 障害者の権利に関する条約については所管外ですので、条約で余暇がなぜ規定されているのか、もしそういうお話ですと、大変恐縮ですが、外務省には確認させましたので、もし必要があれば事務方から説明させますけれども、いいですね。(宮本(徹)分科員「いや、その意義について、大臣としてどう捉えられているのかということです」と呼ぶ)その意味では、障害者福祉政策を担当する大臣として所感を申し上げたいと思います。障害者福祉行政においても、障害者の人権及び基本的自由の享有を確保し、障害者の固有の尊厳の尊重を促進することを目的として、障害者の権利の実現のための措置が具体的に規定されている同条約において余暇の活動に参加することを目的として適当な措置をとると規定されていることを尊重して政策を進めるべきものと考えています。
○宮本(徹)分科員 尊重して政策を進めるということですから、しっかり尊重して政策を進めていただきたいというふうに思います。条約上は、この条約に書かれている権利の実現のために全ての適切な立法措置、行政措置をとるというふうに書いていますので、お願いしたいと思います。そして、この問題は、地方議会からもこの数年、国宛ての意見書が出ております。東京都議会は二〇一六年三月に、青年・成人の余暇活動の充実に関する意見書を出しました。二〇一七年九月には横浜市議会から、障害のある青年・成人の活動に対する支援制度の充実に関する意見書というのが出ております。意見書という形でなくても、この東京や横浜から出ているような意見と同じような意見というのが日常的に自治体から厚労省に寄せられているんじゃないかと思いますが、その点、いかがですか。
○橋本政府参考人 お答えいたします。どれだけの数の自治体から同じような御意見をいただいているかどうか、定量的に私どもの方で取りまとめたわけではございませんが、私どもにおける日々の仕事の中でさまざまなレベルで自治体の方々と接する中で、同様の御意見をいただくこともあるというふうに承知をしております。
○宮本(徹)分科員 日常的にそういう意見も寄せられているということです。この東京や横浜の意見書にはこう書いてあるんですね。青年、成人の障害者が日中活動や就労の後にさまざまな人々と交流し、集団行動を行う事業は、国の施策として明確に位置づけられていないため、公的な支援が不十分な状況にある、法律における事業として位置づけ、十分な予算措置を講ずるよう強く要望するとあります。この点についての大臣の受けとめを。大臣じゃないですか。
○橋本政府参考人 お答えいたします。青年や成人の障害のある方が日中活動ですとかあるいは就労の後でさまざまな人と交流する、そういう取組を支援するということは重要なことだというふうに受けとめております。このため、障害者総合支援法に基づきます地域生活支援事業という事業がございますが、この中で、市町村や都道府県の支援を国として行っております。一つには、創作活動や生産活動あるいは地域との交流を行う通いの場である地域活動支援センターを運営する事業、あるいは、家族の就労やレスパイトを支援するため、障害のある方に活動の場を提供する日中一時支援など、こういった取組がございます。このようなものを支援するため、平成三十一年度の予算案におきましては地域生活支援事業の充実を図っているところでございまして、今後とも、自治体の意見なども踏まえながら、引き続き適切な支援を行ってまいりたいと考えております。
○宮本(徹)分科員 今幾つかの事業を紹介されましたけれども、国として明確に青年、成人の障害者のための日中活動の後の夕方の活動の支援だとか土日祝日を支える活動とかを明記したものというのはないわけですよね。しかも、先ほど紹介があった日中一時支援、これは自治体の任意事業、必須事業じゃないですね、任意事業ということになっているわけですね。ちょっと、先ほど日中一時支援の紹介があったからお伺いしますけれども、では、その日中一時支援を使って青年、成人の障害者のための夕方の活動支援として平日毎夕取り組んでいる自治体というのはどれぐらいあるんですか。
○橋本政府参考人 地域生活支援事業におきます日中一時支援でございますが、全国で約九割の市区町村の方でこの事業に取り組んでおります。ただ、この事業につきましての営業時間帯ですとか、あるいは日数などについての詳細な運営状況につきましては把握しておりません。
○宮本(徹)分科員 日中一時支援というのはいろいろな形の日中一時支援があるわけで、この青年・成人期の夕方の支援をではどれだけやっているのかといったら、厚労省としては何も把握していない、必須事業じゃないから。任意事業ですからね。しかも、任意の中身も全く任意なんですよ、これは。つかんでいないという状況ということになっています。もう一つお伺いしますけれども、この日中一時支援だとか、先ほどお話があった地域活動支援センター強化事業だとかあるいは移動支援だとか、こういうのは全部、地域生活支援事業になっているわけですけれども、この補助金の仕組みと国の財政的支援というのはどうなっているか、ちょっと紹介していただけますか。
○橋本政府参考人 お答えいたします。移動支援ですとかあるいは日中一時支援、あるいは地域活動支援センター機能強化事業、あるいはレクリエーション活動支援、こういった事業がございますが、これらにつきましては、障害者総合支援法に基づく地域生活支援事業の対象事業となってございます。この地域生活支援事業に係る補助金につきましては、実施主体である自治体が地域の実情に応じて柔軟に事業を実施することができますよう、いわゆる統合補助金として、事業ごとではなく、自治体ごとの地域生活支援事業に要する経費の総額に対して補助する仕組みといたしております。地域生活支援事業の補助率でございますが、障害者総合支援法におきまして、国が予算の範囲内で二分の一以内を補助することができるというふうにされておりまして、平成三十一年度予算案におきましては、障害者芸術文化活動などの事業も含めまして、地域生活支援事業費等補助金として、対前年度二億円増の四百九十五億円を計上しているところでございます。
○宮本(徹)分科員 今、この事業は、市町村が決めたものに対して二分の一以内で国が支援するとなっていますけれども、現状は、国は二分の一を出していますか。
○橋本政府参考人 実効補助率というふうなことでお尋ねだと思いますが、計数が確定しております平成二十八年度で見てみますと、平成二十八年度における市町村、都道府県の事業費の合計額は千四百一億円でございますので、それの二分の一ということでございますれば七百一億円でございますが、平成二十八年度の予算額は四百六十四億円でございましたので、自治体に対する補助率ということをならして、平均で見てみますと三三%程度でございます。
○宮本(徹)分科員 大臣、今、国の法律の枠組みは二分の一以内出せるとなっているんですけれども、二分の一は出ていないんですね、三三%。自治体の要望の規模も私は決して十分じゃないと思いますよ。もっと自治体に頑張ってもらいたいなという思いもあるんですけれども、それに対しても国は法律の上限までは出していないわけですよね。ちなみに、七百一億に対して、ことしの額の話がありましたけれども、概算要求は幾ら出したんですか。
○橋本政府参考人 平成三十一年度の概算要求額は、五百三十七億円で要求させたところでございます。
○宮本(徹)分科員 つまり、自治体からの要望でいえば、二分の一の国の補助からすれば七百数億出せる枠組みになっているんだけれども、そもそも財務省に対して五百三十七億しか要求していないということなんですね。自治体の求めとは大変大きな乖離があるのが今の現状だと思います。そして、この地域生活支援事業は、必須事業になっているものも含めて、移動支援だとかも必須事業としてメニューはありますけれども、どれぐらいの規模でどういうふうに取り組むのかを全部自治体が決められる、自主的に決めて取り組む事業になっているわけですよね。ですから、報酬の体系なんかも含めて自治体が決めているということになっています。どこまでやるかは自治体の財政力次第、あるいは自治体のお金の使い方の優先順位次第で大きく左右される。この間、全国でつくられた放課後デイサービス、国がつくった放課後デイサービスは、全国どこでも同じ制度で、建前ではこの放課後デイ単体で事業が成り立つ仕組みなわけですけれども、青年・成人期の私が問題提起してきたところには、単体で事業が成り立つような仕組みには全くなっていないわけです。そういう中でも頑張って活動しているところが幾つかありますので、どういう状況かというのを紹介しますので、ちょっと聞いていただきたいと思います。私も何度か伺ったことがある事業所では、青年・成人期の事業として、二つの事業に取り組んでおります。一つは青年学級のような事業で、これは、平日夕方二回、休日二回の、月に四回ミーティングをやったり、あるいは恋愛講座をやったり、ゲームをやったり、山登りをやったり、バスハイクをやったり、行っています。私も一回ミーティングに参加させていただきましたけれども、地域でお祭りをやるのに向けて、お祭りの出し物をどうして出そうかというのを、スタッフがうまく手助けしながら、司会も障害者自身が自分たちでやって、大変楽しそうに話合いをしていました。この活動は、実は国の制度じゃなくて都の制度を使ってやっていますけれども、都と市の補助金が出ていますが、相当な持ち出しがある。スタッフの人件費もかかりますから、赤字は一年で六百から七百万円という話を聞きました。それから、この事業所はもう一つ、地域活動支援センター機能強化事業として、市から委託されて、日中活動やあるいは就労後の居場所として、月、火、木、金は夕方の余暇活動を夜までやっております。それから、水曜日は日中活動をやっています。私も、それこそ新聞紙を丸めたボールでボッチャを一緒にやったりだとか、ここも参加させてもらいました。ダンスをやったり、スタッフの皆さんが、障害者の皆さんが楽しく過ごせるようにする、安心して過ごせるようにする、こういうことで、本当に努力されているなというのを感じました。ただ、受け入れられる人数には制限があるわけですよね。先ほどの話と同じですよ。ニーズは非常に高いですけれども、曜日ごとに交代で来ているという話も聞きました。そして、経営は、これも大変だと言っていましたよ。放課後デイもやっている事業体なんですけれども、学童クラブと半分ずつに使っている部屋の家賃だけで年間三百万かかる。そして、法人の持ち出しは、この事業に対して年間五百万円持ち出さないとできないということです。どちらも、利用者には送迎費だとか、おやつ代だとか、企画行事だとか、その実費はお願いしているわけですが、やはり法人から相当持ち出しをして何とかしのいできたわけですけれども、このやり方は、それこそ監査に入っている方からも、財政的には続かないですよと言われるような状況もあります。それから、別の市のある事業所のお話もします。ここは、月曜から金曜まで夕方十六時から十九時まで、それから土曜日もやっておりますが、補助金なしなんですね。利用者の実費収入が百四十万円、家賃だけで年間三百万円かかり、支出の合計は六百万円で、大きな赤字になるわけですが、ここも、法人が他の事業をやっていて、他の事業に支えられて何とかやっていますけれども、もう限界だ、こういうやり方はタイムリミットだという悲痛なお話を伺いました。それから、あと、私は東京選出ですけれども、横浜の意見書もあったので、質問するに当たって横浜の方にもちょっとお話を聞きましたけれども、市と相談して日中一時支援の制度を利用して事業を始めた、しかし、日中一時は大変不安定な制度だ、生活介護や放課後デイと連動して使うものとの理解により、前の制度を使った後に延長するものとして扱われているので、報酬の単価が放課後デイの三分の一程度になっているというお話でした。ですから、事業所としても、日中一時単独では成り立たない、ほとんどの場合は生活介護とセットという形になっているわけですね。ですから、日中一時というのはそもそも一時支援ですから、毎日のように通所するということだとか、あるいは継続的にその若者を支援するというものにはなりにくいというお話を伺いました。私はこういう話をいろいろ聞いてきていますが、厚労省はこういう実態をどこまでつかんでいるんでしょうか。
○橋本政府参考人 今委員御指摘の夕方あるいは休日等の支援ということで見ましたときに、先ほど来私が申し上げております地域生活支援事業、こういった中で柔軟に運用することによって対応することも可能ということが一つでございますが、もう一つ、日中活動を行う生活介護という報酬に位置づけられたものがございますが、こちらを夕方まで延長して行った場合に報酬を加算するという仕組みもございます。それから、地域活動支援センターにつきまして、網羅的に状況を把握しているわけではございませんが、幾つかピックアップしたもので申し上げますと、例えば江戸川区の地域活動支援センターの中に土日・トワイライト事業というのがある。それにつきましては、平日は十五時四十五分から十九時まで、それから土日は十時十五分から十五時までということで利用ができるというふうに承知しております。また、立川市における地域活動支援センターにおきましては、火曜日から土曜日の九時から十八時までを利用時間としておるというふうにも承知しております。こういった、地域によりましては夕方の時間帯や土日も開所して余暇活動などのサービスを提供する地域活動支援センターもあるという状況でございますので、今後、こうした好事例の普及や全国的な実態把握に努めまして、必要な支援を行ってまいりたいと考えております。
○宮本(徹)分科員 好事例のところも含めて、経営は大変なんですよ、好事例のところも。そこが、ぜひ大臣にきょうは考えていただきたい点なんですよね。今後とも好事例の把握に努めて普及するという話ですけれども、まずは、ちゃんとした実態調査というのを大臣にやっていただきたいと思うんですが、いかがですか。ニーズ調査も含めてです。
○根本国務大臣 今、担当部長からも話がありましたが、先ほど好事例、委員からもいろいろな事例の御紹介がありました。やはり私も、好事例の普及やあるいは全国的な実態把握に努めなければいけないと思いますし、必要な支援を行ってまいりたいと思います。
○宮本(徹)分科員 必要な支援というのは、やはりしっかり法的な位置づけをこうした活動に対して与える。放課後デイは、やはりちゃんと法的な位置づけをつくったから全国に一気に広がっていった。広がって、中身はいろいろありますよ、私も虐待の相談だとか本当によからぬ話なんかも聞こえてきたりもしますけれども、だけれども、枠組みとしては一気にできたわけですね。やはり法的にしっかりと位置づけていく、そして財政的にもしっかり事業所が運営できるように支援を行う、ここはどうしてもやらなきゃいけないというふうに思いますし、私がきょう提案したいのは、ぜひ大臣御自身も、私はきょう、私が聞いている話を紹介しましたけれども、障害者当事者、その御家族、あるいはこういう活動に取り組んでいる事業者の皆さんから直接お話を伺う機会を設けていただきたい。今、統計問題で忙しいかもわからないですけれども、今すぐとは言わないですけれども、そういう時間をしっかり設けて、この問題、具体的にどう進めるのか、じっくり考えて指示を出していただきたいというふうに思うんですが、いかがですか。
○根本国務大臣 私は、障害者対策を含めて、やはり現場が大事だと思っています。そして、私も今厚生労働大臣をやらせていただいておりますが、そもそも、当選してから私はずっと厚生をやったんですよ。やはり我々は地元が原点ですから、だから、地元の障害者の皆さんと、当選一回から、小規模事業所の問題を始め、さまざまな障害者の皆さんと私は触れ合ってまいりました。ですから、その意味では、いろいろな状況がありますけれども、私は、政治家としては、やはりこういう皆さんに寄り添って政治をやるのが必要だと思ってまいりましたので、私も、私の支持者を含めて、あるいは家族の皆さんを含めて、障害者の皆さんとずっとこれまで対話を重ねてまいりました。それをしっかりと厚生労働大臣として施策に生かしていきたいという決意でおります。
○宮本(徹)分科員 たくさんのお話を伺ってきたということですが、私が聞いているような話もたくさん伺ってきたんだというふうに思いますが、ぜひ、大臣としてやはりしっかり話を聞く場というのを、もしどこかに一緒に行くんだったら私は同行してもいいですから、お前と行くのは嫌だというんだったらあれですけれども、そういう場を設けていただきたいと思いますが、どうですか。
○根本国務大臣 私もできるだけいろいろなところを訪問して、そういう直接訪問する機会をつくりたいと思っていますが、要は、例えば児童相談所にも行ってまいりましたし、できるだけそういう現場に足を運ぶということは、私は、一般論として、そういう現場に足を運んで現場の実態を見る、そして意見を交換する、これは非常に大事だと思っております。
○宮本(徹)分科員 ですから、一般論じゃなくて、この課題でぜひそうしていただきたい。よろしいですか。
○根本国務大臣 私も、さまざまな課題がありますので、いろいろなものを視野に入れながら適切にやっていきたいと思います。
○宮本(徹)分科員 では、ぜひよろしくお願いしたいというふうに思います。それから、きょうは文科省にも来ていただきました。文科省は、いろいろな取組を実は松野大臣のときに、松野大臣が、特別支援学校の生徒さん、保護者の皆さんから、卒業した後というのは学びの場も交流の場もない、そういう不安の声を受けられて、いろいろな取組を始められているんですよね。それで、ぜひ文科省に、きょうは副大臣にも来ていただきましたけれども、お願いしたいのは、成人期の余暇活動を支援している団体にも、幅広く丁寧にニーズと運営と実情をつかんで、今具体化されようとしている特別支援教育の生涯学習化の具体化に当たっては、ちゃんとそういう団体の意見、ニーズもつかんでいただきたいということと、あわせて、特別支援教育の生涯学習化というのは、当事者、家族のニーズにどこまで応えようとしているかといった場合に、文科省的な側面からは応えられるけれども、福祉的な側面からではやはりニーズに応えられないんじゃないかと思っております。保護者の就労保障やレスパイトだとか、こういうことまで視野に入れようと思ったら、ここはどうしても厚労省が所掌ということになってくると思いますので、今、余暇活動の支援も含めて文科省の方では具体化が検討されていると思いますけれども、ぜひ厚労省と連携しながらの具体化をお願いしたいと思いますが、その点はいかがでしょうか。
○浮島副大臣 障害のある方の生涯学習を進めるに当たりましては、当事者や保護者のニーズはもとより、学びを提供する現場の実態、これをしっかりと踏まえまして推進方策を検討することが非常に重要であると考えているところでございます。このため、文部科学省におきましては、平成三十年二月に設置した学校卒業後における障害者の学びの推進に関する有識者会議というものにおきまして、関係団体や実践者からヒアリングや、障害者、当事者へのアンケートの調査を実施させていただきまして、当事者等のニーズや現場の実態把握を進めつつ検討を行っているところでございます。その際、厚生労働省には有識者会議にオブザーバーとして出席もしていただいておりますし、福祉や労働部局との連携をしっかりと図っているところでもございます。さらに、これからの取組を含めまして、障害のある方が個性や能力を生かして社会で活躍するための施策を横断的そして総合的に推進するため、本年一月に文科省の中に、私のもとに文科省障害者活躍推進チームというのを設置させていただきまして、現在、精力的に検討を進めさせていただいているところでございます。今後とも、誰もが、障害の有無にかかわらず、ともに学び、生きる共生社会の実現に向けまして、障害のある方が一生涯にわたり主体的、継続的に学習を行うことができるような環境整備に全力で努めてまいります。
○宮本(徹)分科員 学習というのを相当幅広く捉えていただいて、余暇活動の支援まで含めて、そして実態に見合った支援をぜひお願いしたいと思います。時間がないので、最後に一点だけ大臣に、少し話題はかわりますけれども、一八年度の障害者福祉の報酬改定がありました。そのいろいろ深刻な影響も出ていまして、きょうされんというところが、就労継続支援B型と就労移行支援の千十一の事業所に聞いたところ、六割が減収になったという話なんですね。減収が年額三百万円以上になったというのも、減収となった就労継続B型のうち三分の一以上のところでありました。私も地元の事業所からも随分お話を伺いましたけれども、とにかく、報酬改定で、平均工賃に基づく報酬基準というのがつくられたんですね。それから、目標工賃達成加算というのは逆に廃止されました。結構大きな目標工賃達成加算が廃止され、そして、平均工賃が高ければ報酬を多くし、平均工賃が少なければ報酬を少なくするということになったわけですけれども、実は、これがやはり減収の大きな原因になっているんですね。例えば、精神障害者が中心の作業所、私も幾つか聞きましたけれども、一カ月に働くのが四、五時間という方もいるわけです。そういう人まで含めて平均工賃を出すとどうしても平均工賃が下がって、そのことによって報酬が下がる。今まであった目標工賃達成加算がなくなったので、かなりの減収になるということなんです。ですから、最後に質問させていただきますけれども、やはり、障害の状況や特性に応じて働く日数や時間には合理的配慮を行うというのがもともと障害者権利条約の精神ですから、平均工賃による報酬基準というのを持ち込んだというのは、私は、これは大変な間違いだったんじゃないかなというふうに思います。ですから、障害を持った人の状況や特性、体調に応じて通所しても事業所の運営が成り立つような報酬にぜひしていただきたいと思いますが、この点を最後にお伺いしたいと思います。
○根本国務大臣 就労継続支援B型、これは、障害のある方がその適性に応じて能力を十分に発揮し、地域で自立した生活を実現するために重要なサービスであると思います。私も直接行っていろいろな状況も見ておりますが、私の場合は身近な地元ということになりますけれども。これは非常に重要なサービスだと思っています。昨年四月の報酬改定で、平成二十七年十二月、社会保障審議会障害者部会報告書における、工賃、賃金の向上や一般就労への移行を更に促進させるべき、こういう御意見を踏まえて、事業所が利用者に支払う平均工賃月額に応じた基本報酬の設定といたしました。この考え方は、就労継続支援B型の平均収支差率がプラス一二・八%であったことも踏まえつつ、利用者へ支払われる工賃が高いほど障害のある方の地域における自立した日常生活につながり、事業者は生産活動の支援に労力を要すると考えられることから実施をいたしました。今回の報酬改定の影響に関しては、報酬改定の検証調査などを通じてしっかりと把握していきたいと思います。
○宮本(徹)分科員 検証するということですけれども、週一日や二日の方を受け入れると事業所の運営は困難になるというのは、これはやはり福祉じゃないと思いますよ。就労支援じゃないと思います。ぜひしっかり見直していただきたいということを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
○後藤主査 これにて宮本徹君の質疑は終了いたしました。以上をもちまして本分科会の審査は全て終了いたしました。この際、一言御挨拶申し上げます。分科員各位の御協力によりまして、本分科会の議事を滞りなく終了することができました。ここに厚く御礼を申し上げます。これにて散会いたします。