航空自衛隊の次期主力戦闘機F35Aが9日、青森県沖に墜落しました。F35Aは2018年1月に空自三沢基地(同県三沢市)に国内で初配備され、墜落のわずか2週間前(3月26日)に正規の飛行隊(第302飛行隊)として新編されたばかりでした。F35はこれまでも欠陥が指摘されてきたにもかかわらず、安倍晋三政権が「飛行の安全性に影響を及ぼすような課題はない」(岩屋毅防衛相)として配備を進めてきたことは重大です。事故原因の究明・公表はもちろんですが、F35の導入・配備計画は白紙に戻すべきです。
 F35は、米国の巨大軍事企業ロッキード・マーチン社を中心に開発した最新鋭ステルス戦闘機です。米空軍の実戦配備も16年と最近です。F35の欠陥については、今年2月15日の衆院予算委員会で日本共産党の宮本徹衆院議員が、米政府監査院(GAO)の報告書などを示して追及していました。
 F35の開発計画に関するGAO報告書(18年6月)によると、同機には966件(同年1月現在)の未解決な欠陥があり、このうち111件が「安全性や他の重要な性能を危険にさらし得る欠陥」であり、855件が「任務の遂行を妨げたり、制約したりし得る欠陥」だとしています。
 報告書はこれらの欠陥の中で「主要な技術的なリスク(危険)」の一つとして、F35のパイロットが酸欠症状を訴えた事例が17年5月~8月までに6件発生したと指摘しています。こうした事例に関わる問題として、パイロットの座席にある呼吸調節装置が頻繁に故障していることや、コックピット内の気圧変化による耳の痛みや副鼻腔(ふくびくう)の損傷がパイロットを消耗させ、複雑な作戦行動で状況認識能力が失われれば、墜落の危険があることなどを警告しています。
 GAO報告書が指摘するF35の966件の欠陥について、岩屋防衛相は宮本議員の質問に対し、「防衛省としては、そのリストは保有していない」と述べ、把握していないことを明らかにしました。パイロットの酸欠の問題でも、「(米国防総省が)原因の調査を行っている」とし、改善されていないことを認めています。
 一方で、具体的な根拠も示さず、「これらの課題について(米側に)確認したところ、わが国が導入するF35Aの機体については、運用能力や飛行の安全性等に影響を及ぼすような課題はないことが判明している」と強弁していました。
 F35は「車に例えて言えば、新車をつくったけれども毎年、毎年、リコールをし続けるようなもの」(宮本議員)です。しかも、F35は機密の塊で詳細な情報は日本側に開示されません。
 安倍政権は、トランプ米大統領の「バイ・アメリカン(米国製品を買え)」の要求に応え、F35の大量購入を決めています。今回墜落した空軍仕様のF35Aと、海兵隊仕様のF35Bを合わせて147機を導入する計画です。F35Aの1機当たりの価格は約116億円に上ります。
 今たたかわれている衆院大阪12区、沖縄3区の両補選、統一地方選、7月の参院選では、国民の安全を脅かし、膨大な税金を浪費するF35の“爆買い”計画にもノーの審判を下す必要があります。

以上2019年4月12日付赤旗日刊紙「主張」より抜粋