日本共産党の宮本徹議員は4月17日、衆院財務金融委員会で、1990年代後半の金融危機の時に大手銀行を含む各種銀行を救済するために使われ、その後、回収された公的資金の一部(8000億円)を、10月の消費税増税対策に活用する金融機能早期健全化法改定案について、国民が負担した公的資金は増税対策で使うべきではないと主張しました。
 宮本氏は、「銀行救済で利用した国民負担の公的資金がたまたま増えて余裕資金となったのだから、それは国民のために使うべきだ」と主張し、「ポイント還元など消費税増税対策に使うべきでない」と迫りました。
 同法案では、戻ってきた余裕資金を旧長銀や旧日債銀の破たん処理の穴埋めにも使うことになっています。
 日本共産党は、銀行の破たん処理を国民負担で行う政府の政策に反対してきました。2008年のリーマン・ショック以降、金融危機への公的資金の投入、納税者負担を避ける方策が国際的潮流となっています。
 金融庁の三井秀範企画市場局長は海外の動向を認めつつも、余裕資金を破たん処理に使うことは「理にかなったもの」と強弁。宮本氏は「国際的に議論されてきた到達点と違う。過去の銀行破たん処理による損失補てんも銀行業界の負担で行うようルールを作るべきだ」と強く批判しました。

以上2019年5月2日付赤旗日刊紙より抜粋

≪2019年4月17日 第198回衆院財務金融委員会第12号 議事録≫

○坂井委員長 次に、宮本徹君。
○宮本委員 日本共産党の宮本徹です。質問します。会計検査院の報告書では、早期健全化勘定の余裕資金は一・一兆円と指摘しております。今回は、二〇一九年度一般会計予算で、預金保険機構の納付金として八千億円が計上されております。国庫納付を八千億円とした理由は何でしょうか。
○田中副大臣 お答えいたします。二〇一九年度予算に計上されております国庫納付額八千億円については、まず、早期健全化勘定に今後も留保する必要がある金額について、過去の実績等も参考にしつつ、早期健全化勘定の業務のために留保する必要がある金額約一千八百億円と、今回提案している法律改正が行われた場合に、金融再生勘定の業務のために留保する必要がある金額約六千二百億円、これを足し合わせて約八千億円と試算したものであります。その上で、早期健全化勘定の利益剰余金約一兆六千億円からこの約八千億円を差し引くことにより、国庫納付額、これを算出したものであります。
○宮本委員 金融再生勘定に繰り入れていく、法改正するからという話でありますけれども、もともと、一九九七年、九八年ごろの平成の金融危機では、三十兆円近い公的資金を投入して、破綻金融機関の処理やあるいは現在のメガバンクなどへの資本強化で金融機関を救済したわけでありますね。銀行救済で利用した国民負担分の公的資金がたまたまふえて余裕資金になっているということですから、本来、その利益は素直に国民のために使うべきであって、国庫に余裕資金を入れる、金融再生勘定に回すというのは、私は筋違いじゃないかというふうに思います。もう一つお伺いしますけれども、今度の国庫納付金の八千億円は、予算の説明では、消費税増税対策である臨時特別の措置の財源に充てられているわけですよね。何で、普通に色のつけていない一般会計の財源にしないんですか。
○麻生国務大臣 消費税率一〇%引上げに際して、これは、前回、平成二十六年の四月に五から八に上げさせていただいたときにも、いろいろな経験が、反動減やらいわゆる駆け込み需要等々の経験がありますので、このたびも、プレミアムつき商品券とかポイント還元など、税率引上げに伴います需要変動というものをいかに平準化するかというための十二分な対策というものとして、臨時特別の措置を講ずることといたしております。この臨時特別の措置という経費の性格というものを考えて、今お尋ねのありました預金保険機構からの国庫納付金約八千億を含みます、平成三十一年度の臨時の収入につきましては、その臨時的な財源としてお示しをさせていただいたというところであります。
○宮本委員 私たちは消費税増税そのものをやるべきでないという立場ですけれども、しかも、今度の増税対策、ここでも何度も議論になってきましたけれども、ポイント還元にしても、じゃ、みんなに恩恵が及ぶ政策なのかというと、全くそういうものでもないわけですよね。零細業者だって、このポイント還元で困るんじゃないかという議論もさせていただきましたけれども、そんなものの財源にこの八千億円を充てていくというのは、こんなおかしな話はないということを指摘させていただきたいと思います。その上で、過去二十年の間に、平成金融危機やリーマン・ショックがありました。その中で、金融機関の破綻処理の制度やそのコストの負担については、国内でも、あるいは国際的にも、大きな反省とともに、あるべき制度の議論というのが重ねられてきております。現在は、破綻処理コストの負担のあり方については、基本的な考え方として、政府の補助に依存することなく、預金保険料及び負担金によって自立的に賄うとの考え方に基づくべき、納税者負担のない金融機関の破綻処理が求められている、こういう考え方が国際的にも、G20サミット等において、原則として定着しているというふうに思いますが、その点、御見解はどうでしょうか。
○田中副大臣 リーマン・ショックに端を発する金融危機以降、深刻な金融システムの混乱を防ぐ、金融機関の円滑な破綻処理を可能とするための破綻処理制度のあり方等について、国際的な議論は行われてきたところであります。その結果、二〇一一年のG20カンヌ・サミットで、納税者負担を回避しつつ、金融機関の破綻処理を実効的に行うための新たな枠組み、これが合意をされたところであります。議員御指摘のこの報告書は、こうした国際的な議論を踏まえつつ、預金保険機構において取りまとめられたものである、そのように認識をしております。
○宮本委員 私、報告書の名前を別に言わずに引用しただけだったんですけれども。納税者負担を回避するというのが、今、国際的な、ある意味到達点というふうになっていると思うんですね。やはり、破綻処理のコストは業界内で対処することでモラルハザードは回避するんだ、決して納税者に負担させないんだ、これは今の国際的な常識になったと思います。リーマン・ショックの金融危機後の包括的な規制の見直しの際に、オバマ大統領もこう言っているんですね。この法律、ドッド・フランク法ですね、この法律により、米国民は二度とウォール街の過ちのツケを払うことはない、税金を用いたベールアウトは二度と行わない、こう述べました。これが国際的な潮流です。一方、日本の預金保険機構では、この間、預金保険料率は引き下げられてきております。一般預金については、二〇〇五年度には〇・〇八三%であったのが、二〇一九年度は〇・〇三二%です。お伺いしますけれども、どうしてこの預金保険料率は引き下げられたのか、その理由を述べていただきたいと思います。また、現在の責任準備金はどれぐらい積み立てられているのかも教えていただけるでしょうか。
○栗田政府参考人 お答え申し上げます。預金保険機構が中長期的な預金保険料率のあり方を検討するために設置いたしました預金保険料率に関する検討会の報告書というのがございまして、これは二〇一五年三月のものでございますけれども、そこにおきまして、二〇二一年度末に責任準備金が五兆円程度になるように積立てを行っていくことを当面の積立目標とし、適用する預金保険料率については、この目標を確実に達成できる水準に定めるというふうにされております。この報告書を踏まえまして、預金保険機構では、積立目標に対する毎年の積立状況について、運営委員会で点検を行う枠組みとなってございます。そうした枠組みのもとで、近年の預金保険料率の引下げにつきましては、近年、被保険預金残高の増加等によりまして、責任準備金が積立目標を上回るペースで積み上がっていることを踏まえまして、平成三十三年度末までに五兆円程度という責任準備金の積立目標を確実に達成できる水準として設定されたものだと承知しております。なお、平成三十年三月末時点で責任準備金は約三兆六千億円であると承知しております。
○宮本委員 責任準備金は今、三・六兆円あるということです。二〇〇二年度は四兆円を超える赤字でした。今後、先ほどの話では五兆円まで積み上げていくということですね。それ以降は金融機関の負担は発生はしないということです。この五兆円が十分かどうかというのはともかくとしても、潤沢な準備金は蓄えられているというのが今の現状だと思います。それで、本法案では、この早期健全化勘定の余裕資金は勘定を締める前でも国庫納付できるようにすることと同時に、一旦勘定を締めれば残余の余裕資金を金融再生勘定にも繰入れすることができるという内容になっております。勘定を締めた後で、この余裕資金というのは一体誰のものなのか、現行法では最後に残った資金はどうすることになっているのか、ちょっと教えていただけますか。
○三井政府参考人 お答え申し上げます。現行の早期健全化法に基づいて預金保険機構に設けられました早期健全化勘定でございますが、立法当初から、健全化勘定の廃止の際に残余がある場合にはその残余を国庫に納付するというふうにされてございます。その趣旨でございますけれども、平成金融危機への対応に当たって立法していただいたという法律でございまして、その政府保証によって調達した資金を用いて金融機関に対する資本増強を行う、こうしたものの結果、仮に剰余ができた場合にはこのように処理するというふうに整理されているものと理解してございます。
○宮本委員 現在の法律では、全部国庫に納付すると。国民の財産という扱いになっているわけですよね。だから、国民の財産だから勘定を締めるときには国庫に全額納付する。当たり前のことなわけですね。ところが、今回の改正案は、金融再生勘定にも繰入れすることができるようになります。金融再生勘定で損失が発生する場合のコストは何が原因で発生するコストですか。
○栗田政府参考人 お答え申し上げます。金融再生勘定は、早期健全化勘定と同じく、平成金融危機に対応するために設置されたものでございまして、当時、旧長銀、旧日債銀から買い取った株式ですとか、瑕疵担保条項に基づき引き取った資産等を保有しております。その中でも特に旧長銀、旧日債銀から買い取った株式については、その簿価が約一兆五千億円と多額になってございます。この株式を預金保険機構が処分するに当たっては、国民負担の最小化、市場への影響の極小化の原則のもと、損失の発生をしないように留意していくということになります。他方で、今後の金融資本市場の動向ですとか個別銘柄の状況などによって予測困難な損失が発生する可能性は否定できないということでございまして、そういうことを踏まえまして、金融再生勘定の業務のために留保する必要がある金額として約六千二百億円とさせていただいたものでございます。
○宮本委員 ですから、六千二百億円留保しているのは、経過からいえば、もともと旧長銀と旧日債銀の破綻処理のところから来る損失が生じる可能性があるというわけですよね。先ほども確認しましたけれども、リーマン・ショック以降の国際的な議論の到達点というのは、銀行の破綻処理のコストは国民負担とせず業界の負担としていく、こういうことだと思うんですよね。金融庁に確認しますけれども、今回の法改正で早期健全化勘定の余裕資金による損失の穴埋めをしようとしている金融再生勘定ですが、現行の法律では、損失が出た場合は何によって損失を補填することになっていますか。
○三井政府参考人 お答え申し上げます。現在の金融再生法におきましては、金融再生勘定の廃止の際に損失が発生している場合の対応についての規定は設けられてございません。このため、当勘定の廃止の際に損失が発生し国民負担が生ずることのないように、早期健全化勘定にも、今後留保する必要がある金額につきましては、金融再生勘定の今後の業務に必要な金額も含め、過去の実績等も参考にしながら、将来の損失リスクを十分に勘案の上、約八千億円というふうな残余の額を設けさせていただいております。
○宮本委員 その説明はちょっとおかしいじゃないですか。だって、早期健全化勘定の余裕資金というのは、今の法律でいえば国庫に入る、国民の財産に戻ってくる話なわけですから、それを金融再生勘定に充てるというのは、それは国民負担にするという話じゃないですか。法律では決まっていないわけですよね、金融再生勘定に損失が出た場合にどう補填するのか。法律がないからといって、じゃ、どうしようかということで、本来国庫に入って国民の財産として使えるお金を穴埋めに使うというやり方は、私は、さっきから議論しておりますリーマン・ショック後の国際的に議論されてきた到達点と違う話だと思うんですよね。先ほど、現在の預金保険制度のもとで責任準備金が三・六兆円も積み上がっているというお話がございました。こういう現状を見れば、銀行業界がどのように拠出するかはともかくとして、金融再生勘定の過去の破綻処理による損失補填を銀行業界の負担で行うルールをつくるというのが、本来、今の国際社会の議論の到達点にかなう処理の方法ではないかと思いますが、その点の認識はいかがですか。
○三井政府参考人 お答え申し上げます。銀行業界で負担するという国際的な考え方があるが、この今の処理についてどうかというお尋ねでございます。このいずれの法律につきましても、勘定を締める、業務を終了する時点まで、国庫納付をすることもそれから処理の仕方も定められていない。こういうものにつきまして、今回、会計検査院の指摘も踏まえまして、その法律のもともとの規定とは違う国庫納付の規定を設ける、こういう機会に際しまして、この二つの法律は、平成金融危機への対応のためにいわば車の両輪として同時期に成立したものでございますし、また、実態としても一体的に運用されていたという経緯がございます。また、早期健全化勘定及び金融再生勘定につきましては、立法当初から、それぞれ、勘定廃止の際に残余があった場合には国庫に納付する、こういう規定はある一方で、当時は、例えば、早期健全化勘定に約一兆六千億円もの利益剰余金が生じるといった事態が生じることを、当時の危機的な状況でなかなか具体的に見通すということは困難でなかったのではなかろうかというふうに推察する次第でございます。こうしたことも踏まえますと、平成金融危機への対応に用いられましたこの二つの勘定について、利益剰余金が生じている勘定については国庫納付を行い、損失が生じている勘定については現在の金融機関に負担を求めるということよりは、むしろ、この両勘定を、いわばその実態に即して一体と捉え、利益剰余金が生じている勘定から損失が生じている勘定に繰入れをすることができるというふうにすることが理にかなっているのではないかというふうに考えて、このような案とさせていただいた次第でございます。
○宮本委員 私たち、この二つの勘定をつくるときの法律は、当然我が党は反対してきたわけですよね。本来、業界の責任で対応すべきだということを申し上げてきました。私たちが主張していることは、リーマン・ショック後、国際的にも、それはそうだろうと、国民負担ではなくて業界の負担でというところまで議論は進んできているわけですから、その到達点を踏まえた検討こそすべきだということを強く申し上げておきたいと思います。ちょっと話題をかえます。四月三日、中小・地域金融機関向けの総合的な監督指針の一部改正案が公表されました。財務の健全性をはかる指標の一つとして、これまでは収益性となされていたものが、持続可能な収益性と将来にわたる健全性に変更した、これが主な内容だと思いますが、その心について説明していただけるでしょうか。
○長尾大臣政務官 お答え申し上げます。地域金融機関においては、人口減少や低金利環境の継続といった厳しい経営環境のもとでも、将来にわたって持続可能なビジネスモデルを構築することが重要であり、そのために、地域金融機関の早目早目の取組や経営改善が必要だと考えております。こうした観点から、今般、足元の収益性の実態にとどまらず、地域金融機関の持続可能な収益性や将来にわたる健全性についてモニタリングを行いまして、早目早目の経営改善を促していくため、監督指針の見直し案をパブリックコメントに付したところでございます。金融庁といたしましては、地域金融機関において持続可能な収益性や将来にわたる健全性が確保されるよう、適切にモニタリングしてまいりたいと考えております。
○宮本委員 先ほど説明の中にありました持続可能なビジネスモデルというのは、具体的にはどういうものですか。
○長尾大臣政務官 お答え申し上げます。金融庁といたしましては、持続可能なビジネスモデルは、地域金融機関が将来にわたる健全性を確保し、地域における金融仲介機能を継続的に発揮するために必要と考えており、例えば、適切なアドバイスやファイナンスを提供することで地域企業の生産性向上を図り、ひいては、地域経済の発展に貢献をすることなどを通じて構築することが可能であると考えております。もちろん、適切なビジネスモデルは各地域金融機関によってそれぞれ異なるため、具体的にどのようなアドバイスやファイナンスを提供すべきかということは一律に申し上げることはできないものの、単純な融資業務のみならず、例えば、人材紹介業務等を含むコンサルティング業務や、フィンテック等技術革新を積極的に取り入れた新たなサービスの提供などによって、多様な顧客ニーズに対応することが重要であると考えております。金融庁といたしましては、適切なモニタリングを通じて地域金融機関の自主的な取組を促していくとともに、そうした取組をサポートするため、業務範囲に関する規制緩和等の環境整備についても引き続き努めてまいりたいと考えております。以上です。
〔委員長退席、越智委員長代理着席〕
○宮本委員 業務範囲の規制緩和を進めて、本来業務でもうからないから、ほかのこともやりなさいよというふうにも聞こえなくもない答弁なんですけれども。きのう、大臣はOECDの対日経済審査報告書をお受けになられたと思います。この中では、金融セクターに懸念が差し迫りつつあるとして、二つのリスク要因を挙げているんですね。一つは、低利子時代が長引く中で、預貸利ざやの縮小を反映し、貸出純益は低下傾向にあると。もう一つは、企業数が減少し、無借金企業の比率が上昇する中での金融機関同士の競争の激化であると。先ほど、持続可能なビジネスモデルという話がございましたけれども、持続可能なビジネスモデルが、ある意味脅かされているということを指摘しているんだと思うんですけれども。低利子による貸出純益の低下傾向は、自然に発生する経済環境の変化によって起きているわけじゃないわけですよね。この間のゼロ金利政策から始まった、現在のアベノミクスの異次元の緩和あるいはマイナス金利政策、こういった日銀や政府が長期間採用し続けた金融政策によって、OECDも指摘しているような事態が発生してきているんじゃないですか。
○長尾大臣政務官 お答え申し上げます。日本銀行による金融政策は、政府と一体となり、デフレ脱却と持続的な経済成長の実現に向けた取組の中で行われているものと承知しております。その具体的な手法につきましては日本銀行に委ねられるべきだと考えておりますが、その上で申し上げれば、金融機関の収益は、金融政策のみならず、顧客、借り手企業の資金需要、金融市場の動向や国内外の経済動向、人口減少といった環境変化など、さまざまな要因の影響を受けるものと考えられます。したがって、金融政策のみを取り上げ、金融機関の収益の要因を一概に論じることは困難であると承知しております。
〔越智委員長代理退席、委員長着席〕
○宮本委員 ただ、一番の大きな要因は、どう考えてもこの間の金融政策じゃないですか。持続可能なビジネスを地域金融機関ができなくなってきているのは、どう考えても、今の、金利がこんなに下がっている、このもとで貸出ししたって利ざやが稼げないという状況が生まれているわけですから、そういう点では、監督指針でもいろいろなことを言われていますけれども、今起きているのは、政府の金融政策の失敗の、あるいは副作用のツケを地域金融機関に政府が押しつけている、こういう事態なんじゃないですか。
○麻生国務大臣 地域の金融機関をめぐります厳しい環境というものは、間違いなく低金利の政策というものも関係しているというのは否めない事実だとは思いますが、それだけじゃないと思っておりますね、基本的に。金融機関を取り巻く環境というものが、少なくとも、金があっても人が金を借りに来ないという現状、これは金融政策かと言われると、世界的にそういう傾向になってきております。したがって、金利を幾ら安くしても借りに来ないという状況というのは、これまでの資本主義が始まって以来のことが今起きているという認識を金融機関には持ってもらわないかぬですよ。間違いないと思っております。これは世界的に同じことを言っております。OECDもほぼ同じ見解なので。そういった意味では、いわゆる借り手、企業側とか、個人でもありましょうけれども、そういった資金の需要とか一般の金融市場の動向とかいろいろなものを考えておかねばなりませんでしょうし、地域におきましては、人口減少というものが地域によっては顕著なところもありますので、さまざまな要因を受けているものだとは思っておりますので、金融政策のみを取り上げてというのは一概に論ずることはこれは困難だと思っておりますので。ただ、今の状況として、総体として、今の日本の自己資本比率を見ましても、日本の金融機関自体は総体としては安定をしておると思っておりますので、そういった意味では、今後とも、そういった状況の中から新しい金融というもののあり方、仲介機能のあり方、いろいろなものを私どもとしては考えていってもらうというのは、やはりビジネスモデルというものはみずから構築してもらわないかぬのであって、金融庁が言って、これを全部やっていくような、社会主義をやっているんじゃありませんから、うちは。だから、そういった意味では、基本的に、各金融機関というものがいろいろなビジネスモデルを構築しようと努力されるというところが一番肝心なところで、我々としては、それをできるだけ、アドバイスやらファイナンスやら等々、いろいろなところで手助けできることはやっていくということだと思っております。
○宮本委員 私も、もちろん、金融政策のみだということは言わないですよ。やはり、人口減少もありますし、高齢化もありますし、借り手が減っているという問題というのは、それはありますけれども、ただ、最大の問題は、貸しても利ざやが本当に小さくなっちゃって、本業で赤字が大半の銀行で生じるという状況になっているわけですから、やはり中心問題は、今の金融政策、余りにも金利を引き下げ過ぎている、ここにあるのは間違いないと思いますので、やはり本業である預貸業務でちゃんとやっていけるような金融政策をまずやるということが、私は、政府、日銀にも求められているということを申し上げておきたいと思います。あと少し時間がありますので、次のテーマに行きますが、昨年十月に金融機関向けに行った投資用不動産向け融資に関するアンケート調査の結果が三月の末に公表されました。アンケートの結果、スルガ銀行のように、銀行みずからが不動産業者と結託して不正を繰り返し多額の不良債権を生み出すような銀行はなかった、こういうことでよろしいんでしょうか。
○佐々木政府参考人 お答え申し上げます。金融庁におきましては、投資用不動産向け融資に関するアンケート調査を実施いたしまして、去る三月二十八日にその調査結果を公表しております。その結果、今回問題となりました一棟建てのアパート、マンション等の土地建物を一体的に取得するための融資につきまして、スルガ銀行は、融資の規模及び収益への影響度がともに高水準にあり、他の銀行とは大きく隔たりがあると認められたところでございます。また、アンケート調査への回答も踏まえまして、一部の金融機関に対してはより詳細な実態把握を行っているところでございますが、こうした中、委員御指摘のような、金融機関みずからが不動産業者と結託して不適切な行為を行うといったような問題は、現時点においては確認されておりません。
○宮本委員 報道では、第二のスルガ銀行といった、不動産投資に関する不正行為を行っている銀行のことはたびたび書かれておりますが、そういう事実はなかったということなんですか。
○佐々木政府参考人 お答え申し上げます。先ほどお答え申し上げましたとおり、アンケート調査の回答も踏まえまして、一部の金融機関に対してより詳細な実態把握を行っているところでございますが、今、現時点におきましては、御指摘のような事実はなかった、確認されておりません。ただ、金融庁といたしましては、引き続き投資用不動産向け融資に係る管理体制の適切性につきまして検証しているところでございまして、今後とも、必要に応じ、立入検査も活用しつつ機動的な行政対応を行ってまいります。
○宮本委員 時間になりましたので終わりますけれども、この問題は引き続き追及していきたいと思います。ありがとうございました。