5月15日の衆院財務金融委員会で、来年度から、大学授業料の減免制度のうち、中間所得者層の支援がなくなる危険がある問題をとりあげ、支援継続を強く求めました。

 5月10日に成立した「大学等就学支援法」で低所得者層に対する授業料減免と給付制奨学金が額でも規模でも拡大されます。専門学校も対象になります。しかし支援対象は住民税非課税世帯(4人家族で年収270万円)とそれに準ずる世帯(4人家族で年収380万円)までに限定されます。あまりに少ないという声があがっています。

 一方、これまで国は、5百数十億円の年間予算を組んで、大学の授業料減免をすすめてきました。多くの国立大学でいえば、「大学等就学支援法」で全額免除となる「270万円」より、現在の大学の授業料減免の家計基準はゆるく、400万、500万、600万、大学によってはさらにゆるくなっています。私立大学には、最大年収841万円までという家計基準での授業料減免の支援が国からおこなわれています。

 「大学等就学支援法」が施行される予定の来年度から、各大学での授業料減免制度は「大学等就学支援法」がベースになり、各大学が判断するということになります。国からの支援が約束されているのは、「大学等就学支援法」の範囲までで、その先は大学の自主財源にもとづく経営判断だという姿勢です。国が中間層への減免制度の部分の支出をやめれば、大学は自主財源でそこまでの減免制度をつづけるか、授業料減免制度を縮小するかの選択をせまられます。自主財源といっても寄付金が集まらなければ、授業料値上げというのが選択肢になりかねません。私は、授業料減免制度の自主財源確保のために授業料値上げへ誘導するようなことはすべきではないと求めましたが、文科省は、授業料は大学の判断と繰り返しました。大変、危うい状況です。

 法案審議のなかで、文部科学省は、現在すでに授業料減免制度をうけながら、大学等就学支援法の枠では対象とならない学生については、これから夏の概算要求までに調査をおこない配慮が必要かどうか検討し、財務省との折衝などおこなうと答弁しています。私は、今日の質疑で、現に授業料を減免を受けている学生が打ち切られて、就学困難になるようなことはあってはならないと麻生大臣に求めましたが、麻生大臣は文部科学省が調査することになっているとこたえるだけで、質問に正面からこたえようとしませんでした。

 自民党の公約には、現在ある授業料減免制度を廃止するというものはありませんでした。そして、現在支援している一部中間所得層の減免制度を打ち切るというのは、政府が批准している人権規約の高等教育の漸進的無償化に反することは明白です。政府にはしかるべき予算措置をとることを強く求めたい。