日本共産党の宮本徹衆院議員は22日の地方創生特別委員会で、リニア新幹線の建設にともなう残土処理の問題をただしました。
 リニアの東京区間の建設は600万立方メートルと想定されています。宮本氏は「都内分の残土行き先についてはまったく決まっていない。スーパー堤防は含まれる可能性はあるのか」と質問しました。
 国土交通省は「可能性はある」と答弁。宮本氏は「(国が推進する)スーパー堤防事業はあまりにずさんなため、会計検査院も厳しく意見をつけた。都内でも住民を立ち退かせてコミュニティーを破壊しながら強引にすすめられている。スーパー堤防をあてにしてリニア工事をすすめるなど許されない」と批判しました。
 宮本氏は、東京都知事が昨年3月、リニア計画に対し「影響低減の程度が明確になっていない」と意見をだしたことなどを指摘し、「残土の行き先も明らかにならないまま、工事に着手するのはきわめて無責任ではないか」とただしました。
 発生土処理の運搬用の車両通行の問題について、品川区の立坑予定地付近は大型の工事車両が1日最大830台走る計画で、町田市能ヶ谷(のうがや)の予定地では、リニア工事を理由とした大型車の規制解除をしないでほしいとの署名が1200名分も集まっていることを紹介。「住民の納得を得られないまま、強行することはあってはならない」と強く求めました。
 国土交通省の西村明宏副大臣は「JR東海に対して、地元の理解と協力を得ながらすすめるようしっかりと指導監督していく」と答えました。

2015年5月28日付 あかはた日刊紙首都圏版より抜粋

      ≪189回 地方創生に関する特別委員会第8号 2015年5月22日議事録≫

○鳩山委員長 次に、宮本徹君。
○宮本(徹)委員 日本共産党の宮本徹です。東京選出です。きょうは、東京の国家戦略特区とリニア新幹線についてお伺いしたいと思っております。安倍政権が打ち出した「日本再興戦略」改訂二〇一四によると、世界の企業が日本に投資したくなるような環境をつくるとし、二〇二〇年オリンピック開催が決定し、二〇二〇年という新たな改革のモメンタム、弾みですね、モメンタムが設定されたとあります。聞きますが、東京にとってのモメンタムとは、大臣、何でしょうか。
○石破国務大臣 東京にとって改革のモメンタムというのは、例えば東京を世界の金融センターにしようとか、そういう東京ならではの情報が集約をし、あるいはいろいろな娯楽が集約をしというような、農業とか漁業とか林業とか、あるいは工業とかそういうもの以外の、情報等々のそういうような魅力というものをいかにして世界最大のものにしていくかということだと思います。ただ、モメンタムというのは、そういう光の分野だけではなくて、東京の安全、安心でありますとか、あるいは、先ほども村岡委員の御質問にお答えをいたしましたが、これから間違いなく直面する高齢化の問題でありますとか、そういうものもよく認識をしながらモメンタムというものは動いていくべきものだと私は思います。
○宮本(徹)委員 いろいろなモメンタムがあるんだというお話でしたけれども、二〇一四年の日本経団連の提言ではこう言っているんです。折しも、二〇二〇年にオリンピックが東京で開催されることが決定した、これを好機として、それまでの間を持続的成長の礎を築くための集中対応期間と位置づけるんだということで、とにかく財界は、この機にいろいろな規制緩和をやって、もうけの場をつくっていこうということで、この特区を位置づけようということになっております。それで、東京特区の区域会議の資料によりますと、東京都内、大手町、八重洲、竹芝、品川、羽田などを含む十地域で、今オフィスビルを中心とする事業計画が進行中であります。東京特区の区域会議でも、柔軟かつ大胆な容積緩和だということで、巨大ビルを次々つくる計画になっているわけです。これはその一覧でありますけれども。聞きますけれども、この十地域におけるビルの延べ床面積それから容積率の緩和というのは、あらあらどういうことを検討しているんでしょうか。
○内田政府参考人 お答え申し上げます。お尋ねの東京圏の区域計画でございます。これまで、都市計画の特例というものにつきまして、区域会議というワンストップの仕組みで、現在、都市計画特例までは二つのプロジェクト、竹芝と虎ノ門四丁目でございますが、を定めて、内閣総理大臣の認定を受けているところでございます。お尋ねの諸元につきましては、このうち、竹芝地区につきましては、区域の面積が二・四ヘクタール、容積率の最高限度が一一〇〇%というふうになっております。また、虎ノ門の四丁目につきましては、区域の面積は約一・八ヘクタール、容積率の最高限度が一〇〇〇%というふうになっております。今委員御指摘の幾つかのプロジェクトの中で、その他の、区域計画の素案に掲げられましたプロジェクトについては、まだ区域計画の認定には至っておらないという状況でございます。
○宮本(徹)委員 残り八つはまだ出てきていないという話ですけれども、今お話があった中でも、容積率の緩和は一一〇〇%だとか一〇〇〇%だとか、すごい容積率でビルをつくっていくということになります。きょう、野村総研が書いている「東京・首都圏はこう変わる!未来計画二〇二〇」というのを持ってまいりましたけれども、この中を見ますと、東京二十三区内で、これから二〇一七年度までに開発が計画されているオフィスビルの総床面積は五百万平方メートルだ、東京ドーム百個分だ。そして、再開発の中心地は千代田区、中央区、港区で、それは計画の大体八割ぐらいを占める。主要なディベロッパーは、三菱地所、三井不動産、住友不動産、東急不動産、森ビル、UR、NTT都市開発、こういうものが書かれているわけであります。重ねて聞きますけれども、ここで示されている、今読み上げたような方向で東京の特区の全体が進んでいくということで理解してよろしいんですよね。
○内田政府参考人 お答え申します。今委員御指摘の資料は手元にございませんのであれでございますけれども、東京の特区につきましては、東京圏の区域計画の素案で挙げられました、前の御質問で委員が御指摘になった十のプロジェクトというものが現在の俎上にのりつつあるという状況でございます。
○宮本(徹)委員 こういうビル群をつくった場合に、昼間の人口と夜間の人口の想定というのはどうなっているんでしょうか。
○清水政府参考人 お答えいたします。十地域におきまして都市再生特別地区に関する都市計画等を定めていくことになりますけれども、その際、昼間人口や夜間人口の想定は特に行っておりません。しかしながら、建築物の容積率等を定める際には、計画するプロジェクトごとに、自動車とか歩行者なんかの発生集中交通量の増加を想定して、計画する建築物の周辺の道路あるいは歩道、そういったものの通行に支障を来すことがないかといったことを確認していると聞いております。以上でございます。
○宮本(徹)委員 歩行者の通行量だとかは幾らか出すけれども、こういうビル群をつくったことでどれだけ昼間人口がふえるか、あるいは夜間人口がふえるか、そういうことは想定していない。結局、人口予測をしないまま、入れ物だけどんどんつくるということになっているわけです。予想はしていないということですけれども、もしこの十地区を含めた特区構想を進めた場合、都内へ流入する人口はふえるのか減るのか、これはどうでしょう。
○清水政府参考人 お答えいたします。都市機能、特に都市再生、あるいは地方創生といったものは、それぞれの特性に応じてお互いに進めるということでございます。都市におきましては、我が国の経済の牽引役として重要な課題でございますので、そういった面、大都市を中心には、国際競争力を強化するという点で、容積率の緩和等、支援を行ってまいりますけれども、一方で、地方は何もしないというわけではございませんで、ちゃんと地方分を含めて、全国の都市の再生のために、まちづくりに対してさまざまな支援を行っていくという状況でございます。したがいまして、地方と大都市がそれぞれに特性を生かしまして発展していくということでございますので、一方向での集中という形で想定しているわけではございません。
○鳩山委員長 今のは余り答えになっていないんじゃないですか、質問者の。増えるか減るかと言っているんですよ。
○清水政府参考人 ですから、今申し上げましたとおり、将来の我が国におきます地方の活性化の状況によりまして、地方の方へも人口の移動は起こりますし、大都市への移動もまた考えられるということで、それぞれの活性化の施策等が行われていく中で決まっていくと思っておりますので、必ずしも一方向への移動というのを考えているわけではございません。
○宮本(徹)委員 ちょっと、大臣、普通に考えたら流入人口はふえると思うんですけれども、どうですか。
○石破国務大臣 普通に考えればそういうことになろうかと思います。
○宮本(徹)委員 つまり、大臣からも答弁がありましたように、昼間の人口がふえるのは明らかだということだと思うんですよね。そして、昼間人口がふえれば、当然、仕事があるわけですから、二十三区を中心に定住人口も引っ張ってくる、ふえていくというのは目に見えていると思うんですよね。ですから、東京への一極集中は、こういう特区を進めていけばますます進んでいくんじゃないかというふうに思います。ですから、私は本当に、今回、地方創生法案が出ていますけれども、こういうのを放置したままの法案というのは、地方創生と言っているわけですけれども、一方で一極集中は進めていくということで、欠陥があるということを言わざるを得ないというふうに思います。東京への一極集中というのは、東京のまちづくりにとってもやはり問題があると思っております。今回、法案の中で、待機児童対策で、都市公園を保育園も使うというものが入っております。今、自治体が認可保育園をつくっても、さらに入園希望者が東京の場合はふえております。いろいろな要因があるわけですけれども、二十三区でいえば、就学前の乳幼児の人口自体が東京はふえているんですよね。そこにもいろいろな要因はありますけれども、その一因は東京への一極集中というのがあると思います。ですから、東京のまちづくりを考えても、流入人口の予測もしないまま開発開発ということをやっていくのではなくて、東京への一極集中を進める政策自体を見直す必要があるということを申し述べておきたいと思います。その上で、次に、リニアの東京区間についてお伺いしたいと思います。リニア建設は、ストロー現象で東京圏にさらに人口を集中させる、こういう指摘もこの間されてきました。そして、このリニア建設は、計画の中で、地域でさまざまな問題を今引き起こしております。大きな問題の一つは、建設残土、発生土の問題であります。昨年七月に、国土交通大臣は、リニア中央新幹線の環境影響評価書に対して意見を送付しております。前文で環境への配慮について述べていると思いますが、ちょっと紹介していただけるでしょうか。
○篠原政府参考人 お答えを申し上げます。昨年七月の国土交通大臣意見につきまして、前文の中で該当部分を読み上げさせていただきます。「トンネルの掘削に伴う建設発生土量が多いことやその運搬に伴う地域住民の生活環境や自然環境への影響、事業に伴う水資源への影響等、多岐にわたる分野での影響が懸念されており、本事業の実施に当たっては、環境保全に十分な配慮が必要である。」としているところでございます。
○宮本(徹)委員 建設発生土が非常に多いわけですね。東京都知事も意見書を出しております。環境保全措置の内容についても具体性に欠けている、措置を講じることによる影響低減の程度が明確になってない、具体性に欠ける、明確性に欠けるということで、JR東海の計画に対して総論的に言っております。そこで、建設発生土はリニア新幹線の工事全体で幾らと想定されているのか、そのうち、処分先が今決まっているのはどれだけで、全体の何%なのか。あわせて、東京都内についてのその数字についても出していただきたいと思います。
○篠原政府参考人 お答え申し上げます。リニア中央新幹線の工事全体での建設発生土は、五千六百八十万立方メートルの発生を見込んでございます。そのうち処分先が決まっておりますのは千四百七十万立方メートル、二六%ということでございます。これを東京都内の発生土ということで申し上げますと、六百万立方メートルを見込んでございます。その利用先でございますけれども、現在、JR東海が関係機関等から情報収集を行っているという状況でございまして、現時点では、利用先は決まっていないという報告を受けてございます。
○宮本(徹)委員 つまり、全体で二六%、行き先が決まっているのはそれだけしかない。都内分でいえば、今協議しているといいますけれども、行き先が決まっている残土というのは一つもないというのが今の状況であります。この残土の行き先にスーパー堤防というのは含まれるんでしょうか。
○篠原政府参考人 建設発生土の利用につきましては、処分先のニーズと建設発生土の発生受け入れ時期、土質、運搬距離等の条件が合致する必要がございまして、この条件が合致する場合には、利用先として、スーパー堤防を含めまして、可能性はあるものと考えてございます。
○宮本(徹)委員 スーパー堤防も可能性はあるということを言われましたけれども、私、本当に大問題だと思うんですよね。スーパー堤防は、何年か前、会計検査院自体が、スーパー堤防の事業は余りにもずさんだから、もう普通の堤防をつくる事業を優先すべきだという厳しい意見を出していたはずだと思います。にもかかわらず、国土交通省は、その会計検査院の意見も無視して、この間、スーパー堤防の事業を進めております。都内でも、住民が立ち退きされて、今裁判も起きているということになっております。コミュニティーを破壊しながら、強引に進められているわけですよね。スーパー堤防を当てにリニア工事を進めるなどもってのほかだということを指摘しておきたいというふうに思います。それから、JR東海は、都知事の意見に対する事業者の見解で、「発生土の最終的な受入れ先の確保は、本事業における最も重要な課題のひとつとして、鋭意取り組んでおります。工事着手前に都の関係機関等と協議を行い、公共・民間事業への発生土の有効利用等の具体的な計画を策定してまいります。」こういう返事を出したわけですよね。ところが、リニアは昨年着工されるということになりました。工事着手前に残土の具体的な計画を策定すると言っていたわけですから、話が違うんじゃないですか。
○西村(明)副大臣 発生土の有効利用につきましては、土砂の発生時期、また土質、運搬距離などの条件に合わせる必要があると認識しております。そのために、一般的には、長期間の大規模な工事の場合には、事業の進捗に応じて、確実に利用先を確保していく必要があるというふうに考えております。JR東海につきましては、リニア中央新幹線の事業に当たりまして、東京都知事からの意見を踏まえながら、発生土に関する作業を進めているというふうに聞いております。国土交通省といたしましては、JR東海に対しまして、引き続き、可能な限り早期に利用先を確保するように、必要な助言、指導を行ってまいります。
○宮本(徹)委員 できる限り早期にとおっしゃられますけれども、都への見解への答えとしては、JR東海は工事着手前と言ってきたわけですよ。もう着手しちゃっているじゃないですか。全然、約束違反だと言わざるを得ないというふうに思います。そして、報道では、品川駅のリニア新幹線の駅の工事は、二〇一五年度の早い段階で本格的な工事が開始というふうに報道されているわけですよ。二〇一五年度の早い時期というのは、もう近々ということになりますよね。だけれども、まだ残土の行き先の場所は明らかになっていない。極めて無責任なんじゃないかと思いますが、そう思いませんか。
○篠原政府参考人 お答え申し上げます。まず、昨年十月の時点では、私ども国土交通省では名古屋までの工事実施計画の認可をさせていただきました。そして、現在、具体的な工事の着手に向けて説明会等が行われたり、測量が始まったりしている段階でございます。工事着手前と申しますのは、まさに実工事が始まるまでにしっかりと準備をしておくということでございまして、私ども、できるだけ早期に利用先を確保するよう、JR東海をしっかり指導してまいりたいと考えてございます。
○宮本(徹)委員 だから、早期に早期にと言うけれども、東京都への回答では、工事着手前に決めると言っていたわけですよ。そこを厳しく批判しなきゃだめなんじゃないかというふうに思います。それから、発生土の処理という点では、運搬用の車両の通行も大きな問題になります。品川区のシールドマシンの発進立て坑付近では、大型の工事車両が一日最大で八百三十台通る計画です。町田市小野路の立て坑では、一日最大七百八十八台ということになります。一日八時間運行されるとしたら、一分間に二台ぐらいダンプが走るということになります。そして、この工事は十年以上続くという計画になっておりますから、住民生活への影響というのは非常に重大だと思います。そして、町田市能ケ谷の立て坑予定地は、先日私も見てきましたけれども、すぐ隣が非常に閑静な住宅街ということになっております。そして、現在、ここは大型車両の通行規制がかけられているところであります。そして、住民からは、リニアの工事のため、接道のための工事も含めて、この通行規制を解除しないでほしいということで、町会ぐるみで、一千二百筆、署名が集まっております。住民の納得が得られないと私は思いますけれども、強行することがあってはならないと思いますけれども、国交省、どうでしょうか。
○西村(明)副大臣 委員御指摘のように、本件の立て坑工事を含めまして、リニア中央新幹線の事業につきましては、地域の理解と協力を得るということが重要であるというふうに認識しております。御指摘の件につきましても、住民から大型車の通行を認めない旨の書面が提出されていると承知しておりまして、JR東海から、地元に十分に説明し、理解を得ながら進めるというふうに聞いております。国土交通省といたしましても、引き続き、JR東海に対しまして、地元の理解とそして協力を得ながら進めるよう、しっかりと指導監督をしてまいります。
○宮本(徹)委員 理解と協力が住民から得られなければ進めてはならないというのが国交副大臣の考えというふうに理解をいたしました。そして、立て坑についてですけれども、立て坑の掘削方法として、ちょっと専門的な話ですけれども、説明書を見ましたら、RC地中連続壁工法という方法とケーソン工法という二つの方法が今は示されているわけですね。実は、外環道、今東京で立て坑工事が進んでおりますが、このケーソン工法で一日二回地震のような揺れが起きているということで、住民からの批判も国交省にも寄せられていることだと思います。そこで、この立て坑工事では、今回のリニアの問題で、それぞれの工法で住民生活にどういう影響が出るのか、これは説明会ではどう説明されているんでしょうか。
○篠原政府参考人 お答え申し上げます。JR東海によりますと、事業説明会では、立て坑の掘削工法として、今御指摘いただきました二つの工法があるということを御説明し、どちらの工法を実際に採用するかということにつきましては、実際に立て坑が掘削される場所の地質条件、地下水位、掘削の深さなどを勘案して今後決定していくというふうに説明していると聞いております。この影響についてでございますけれども、実際に使用する重機の種類、作業時間、通行車両の台数など、こういったものによって影響が変わってまいりますので、その中身が固まる中で住民の方にも丁寧に説明をしていきたいというふうに説明していると聞いてございます。
○宮本(徹)委員 影響は、いろいろな重機だとかが決まらないとやらない、説明はまだしていないという話ですよね。だけれども、もう二つの工法を説明しているわけですよ。私はこっちの問題、RCの方は知らないですからあれですけれども、私の知っている方でいえば、実際に住民からすごい振動の苦情が出るものになっているわけですよね。そういうことも説明せずに、いろいろ準備ができましたよ、はい、これで進めますという説明会では、住民は絶対納得しないですよ。やはり、いろいろな問題が起きているんだというのは国交省も把握しているわけですから、そういうことも住民説明会でやらなきゃまずいんじゃないかと思います。各立て坑の周りは、住宅街もある、介護施設もあります。小野路の立て坑のそばでいえば、青山学院大学の馬術部が馬を飼って、部員の皆さんも一緒に暮らしていらっしゃるわけですよね。馬も人間同様、人間以上と言ってもいいかもわからないですね、大変繊細なわけですよね。ですから、こういうことを住民不在で進めていくということはあってはならないということを指摘しておきたいと思います。それから次に、JR東海がこの間住民に対して説明している資料の中に、工事に伴う補償というペーパーがあります。工事施行によって、地盤沈下などが発生し、建物などが損傷または損壊した場合に、原状回復するために要する費用を負担しますというふうに書いてあります。これは、地盤沈下などで建物損壊の可能性があると見ているということでよろしいんでしょうか。
○西村(明)副大臣 損壊の可能性という以前に、しっかりとした調査を行わなければならないというふうに思っております。まず、リニア中央新幹線の事業を含めまして、大深度の地下区間において構造物を整備する場合に当たっては、強固な支持地盤よりさらに十メートル以上深い場所で施工することになります。さらに、一般的に、シールド工法では地下水の流出が出にくい工法でございまして、JR東海の環境影響評価書におきましても、「シールド工法そのものによって、地下水の流出などが原因で地盤沈下が生じたというような事例は確認されておりません。」というふうに記載されております。このようなことから、リニア中央新幹線の事業におきましては、適切に施工が行われれば、大深度区間でのシールド工法による地盤沈下は生じないものと考えております。このため、JR東海におきましては、地上部の家屋調査などは行わない方針と聞いておりますけれども、念のため、実際の工事の際には、地表面の状況について変位がないことを確認しながら進めていくというふうに聞いております。国土交通省といたしましても、地域住民等への丁寧な説明による地域の理解そして協力を得ながら、安全かつ確実な施工が行われるようにJR東海をしっかりと指導してまいります。
○宮本(徹)委員 今、JR東海の見解をおっしゃられましたけれども、先ほど紹介された文章のすぐ上に、これまでのシールドトンネルの実績によれば、それほど深くない地下においては、施工管理の不手際などの理由による地盤沈下の事例は幾つか報告されていますというふうに書いているわけですね。これはJR東海の文章ですよ。都合のいいところだけ読まれたら、大変私も困ってしまうわけです。もう一度お伺いしますが、工事に起因する地盤沈下による建物などへの補償とあるわけですから、地盤沈下は、発生しないんじゃなくて、発生する可能性があるということなんじゃないんですか。
○篠原政府参考人 お答え申し上げます。シールド工法につきましては、これまでの実績を踏まえますと、適切に施工が行われれば地盤沈下は生じないものというふうに承知をしておりまして、適切な施工をしっかりと確保していくことが大切かと思ってございます。
○宮本(徹)委員 適切にと言うんだけれども、人間がやることだから適切じゃない場合もあるから、今までいろいろな事故だって起きて、死亡事故だって起きているわけじゃないですか、シールド工事で。それで、国交省だって、いろいろな検討会を開いてやってきたわけじゃないですか。適切じゃないことがあり得るからこういうのを出しているんじゃないですか。違うんですか。お答えください。
○篠原政府参考人 お答え申し上げます。適切な施工を確保することがまず第一義でございますけれども、何らかの変位が生じた場合には補償するということを含めて対応をするということでございますから、先ほど副大臣からお答え申し上げましたとおり、念のために、施工の際に地表面の状況などの変位を確認しながら進めていくということにしているところでございます。
○宮本(徹)委員 では、適切じゃない場合もあるということでよろしいわけですね。適切に行われない場合もあって、こういう補償をしなきゃいけない局面があると。
○篠原政府参考人 あくまでも、適切に施工していくということをしっかり確保していくというポジションでございます。
○宮本(徹)委員 だって、人間のやることに間違いはないと言うんだったら、こんなものを出す必要もないわけで、あるから出しているわけですよ。実際に適切じゃない場合もあるわけですよね、この間の事例でも。国交省は責任を認めないですけれども、名古屋の二環の工事でも家屋被害を訴える方々が複数出ていらっしゃるのは御存じだというふうに思います。
 ですから、先ほど、今回家屋調査はやらないということを言っていますけれども、実際は、国交省中心にやっている外環道だって家屋調査をやっているわけですよ。今度、JR東海は家屋調査もやらないというのは、自分たちは絶対事故は起こさないんですよ、こういうことを補償するなんて言っているけれども、実際は補償する気なんてないんですよと言っているようなものじゃないですか。補償しようと思ったら、事前に家屋調査をやるしかないんですよ。事前に家屋調査せずに、家が壊れたかどうかなんというのは比較のしようがないわけですからね。そんなでたらめなやり方はまずいんじゃないですか。
○西村(明)副大臣 家屋調査を外環のようにはやらないということでございますけれども、家屋調査そのもののほかに、地表面の変位をしっかりと調査しながら進めていくというふうに承知しておりますので、その地表面の変位の調査を進めていくことによって同様の効果が得られるものと承知しております。
○宮本(徹)委員 地表面の調査をすることと一軒一軒の家屋を調査するのは、全く違うじゃないですか。地表面にわずかなずれがあったら、それをもって、この家は少したてつけが悪くなりました、では、その因果関係はどうやって説明するんですか。
○篠原政府参考人 お答え申し上げます。外環道路につきましても、家屋調査を行いますのはあくまでも念のためということで聞いておりまして、私どもと同様に、大深度地下を利用したシールド工法では地上への影響は生じないという前提に立ちつつ、念のため家屋調査を、大深度地下を活用した初めての道路事業ということでやっておられるというふうに聞いております。
○宮本(徹)委員 全く、私の聞いていることへの答弁になっていないんですよ。時間が来ちゃいましたから、またほかの委員会でやらせていただきますけれども、こういうでたらめなやり方でリニアの工事を進めていくというのは絶対許されないということだけ強く申し上げておきたいと思います。以上で終わります。