年金試算前提甘すぎる 「財政検証」野党合同ヒアリングに参加

 厚生労働省が公表した公的年金の「財政検証」に関する野党合同ヒアリングが27日、国会内で開かれました。野党議員からは、試算の前提条件が甘すぎるとの指摘が相次ぎ、「そんなバラ色なことが本当に起こるのか」など厳しい批判の声があがりました。
 今回の財政検証は、経済成長と労働参加の進み具合に応じた6ケースで年金の給付水準の変化を試算。うち1ケースのみが労働市場への参加が進まないケースとなっています。これに対し、野党議員は、前回の検証では8ケース中、3ケースは労働市場への参加が進まないケースだったとして、「前回の検証と比べても、今回の検証はかなり甘いのではないか」などの批判があがりました。
 また、オプション試算で示された厚生年金の適用を拡大した場合の対象者数についても、企業が事業主負担の増加を敬遠するため試算通りにはいかないのではないかとして、「非常に違和感を覚える」などの疑問の声があがりました。
 さらに、今回の財政検証の発表が前回に比べ大きくずれ込み、7月の参院選の後になったことについては、「厚労省が政治的な配慮をしたのではないか」などの批判が相次ぎました。
 ヒアリングには、日本共産党から、高橋千鶴子、藤野保史、宮本徹の各衆院議員、倉林明子参院議員が参加しました。

以上2019年8月29日付赤旗日刊紙より抜粋(写真は赤旗提供)