年金の実態正直に示せ 野党ヒアリングに参加

 将来の年金の給付について、安倍晋三首相が参院選時にマクロ経済スライドによる削減後もほぼ同じ水準を確保できるかのように述べていた問題で、野党は6日、国会内での合同ヒアリングで厚生労働省の認識をただしました。
 マクロ経済スライドによる削減後の年金額については、年金の財政検証結果の「ポイント」でも、「物価上昇分を割り引いても増加」または「概ね横ばいないし微減」などと表記されています。
 しかし、所得代替率(現役世代の手取り収入に対する年金の給付水準)でみれば、2~3割の「激減」というのが実態です。
 野党議員は、厚労省が将来の年金を考えるときの主な基準は、「所得代替率」なのか、「物価上昇率を割り引いた年金額」なのかと質問。前者なら年金の底上げは最優先課題となるが、後者なら、その必要性は低いということになりかねないとして認識をただしました。
 厚労省の幹部は「見方はいろいろありうる」と答弁。野党議員からは「一番の物差しは所得代替率で、それが下がるから問題だと議論していたのではなかったのか」とあきれる声が。年金の実態を正直に示すよう求める意見が相次ぎました。
 また、野党議員からは、基礎年金のみの夫婦世帯では、財政検証結果(標準ケース)でも、貧困線を下回り、「貧困」となるとの指摘も出されました。

以上2019年9月7日付赤旗日刊紙より抜粋(写真は赤旗提供)