2019年11月20日衆院厚生労働委員会、オンライン服薬指導はやむをえず必要な場合の例外に。なしくずし的な解禁は問題

 医薬品、医療機器等の安全確保等に関する法律(薬機法)改正案が14日の衆院本会議で、自民党、公明党などの賛成で可決されました。日本共産党は反対しました。
 宮本徹議員は採決に先立つ13日の厚生労働委員会で、同改正案のオンライン服薬指導を解禁する問題を追及。2005年の同法改正のさい、厚労省が「薬剤師が対面で使用者本人の状態等を直接五感を用いて判断した上で販売することが必要」と答弁していたのに、認識が変わったのかとただしました。同省の樽見英樹医薬・生活衛生局長は「初回以降は体調の変化が分からず、朝令暮改が過ぎると厳しく批判しました。
 また宮本氏は、同法案が設ける「課徴金」について、「違反行為者に対して不利益相当額以上の金銭的不利益を課すのが抑止力の核心となる」と強調。しかし、法案の4.5%の算定率は、大企業(製造業)に対する課徴金10%や多国籍製薬大企業の巨額なもうけに照らし低すぎると批判。算定率の大幅引き上げを迫りました。
 さらに、製薬業界寄りの法案の背景には政治献金や政治家からのパーティ券購入があると指摘。製薬業界から政治献金の受け取りと厚労省からの天下り人事を改めるよう強く求めました。

以上2019年11月20日付赤旗日刊紙より抜粋

≪第200回2019年11月13日衆院厚生労働委員会第5号議事録 該当部分抜粋≫

○宮本委員 国民の関心が極めて高い事項です。そして、総理の疑惑にかかわる問題もありますので、しっかりと検査をお願いしたいと思います。それでは、薬機法の審議に移りたいと思いますが、検査院と内閣官房、そして内閣府は退席していただいて結構でございます。ありがとうございました。前回に続いて、きょうは、まず、オンライン服薬指導の解禁について質問させていただきたいと思います。現行の薬機法では、処方された医薬品の販売は対面による指導となっております。また、前回の薬事法改正の際に、一般用医薬品のインターネット販売が解禁されるという中で、厚労省は要指導医薬品というカテゴリーを新たに設け、医療用医薬品からスイッチしたばかりの一般用医薬品を要指導医薬品に指定して、これについては対面の販売が必要だといたしました。その際、政府は国会でこう説明していたんですね。使用者本人の状態等を直接五感を用いて判断した上で販売することが必要だ、こういう説明でありました。ところが、今回の法案では、処方された医療用医薬品についてまでオンライン服薬指導を全面解禁するというものになっております。直接五感を用いて判断することが極めて重要だという、これまでの認識というのは変わったんでしょうか。
○樽見政府参考人 お答え申し上げます。平成二十五年の薬事法改正でございます。そのときに、御指摘のとおり、ほかの一般用医薬品と区別して新たに要指導医薬品という医薬品の区分を設けたということでございまして、これは、医療用医薬品から転用して一般用医薬品にしたもの、いわゆるスイッチOTC、そのスイッチしてから一定の期間が経過していない医薬品というものについては、一般用医薬品としてのリスクが確定しておらない、一般用医薬品でございますので、一般の人がやってきてこの薬を下さいなというふうに言ってくるということでございますので、そうしたものについて、薬剤師が直接の対面によって、まさにその五感をもって、患者さん御本人が気づいていないような症状も含めて患者さんと話をして、その上で確認をして販売することが必要だというふうに言っていたわけでございます。今回導入しようとしているテレビ電話等による服薬指導というのは、医師の処方に基づいて調剤された薬剤の服薬に対する指導というものでございますので、一般の人が医療用医薬品からスイッチしたばかりの医薬品を買いに来るというものとは違うものでございます。あわせて、今回導入しようとしているテレビ電話による服薬指導については、初回は対面で行うというようなことを条件とするなど、対面による服薬指導と適切に組み合わせるということ、あるいは、医療機関との連携体制の確保等の一定の要件を確保することを求めることにしたいというふうに考えておりまして、そういうこととあわせて、必ずしも一律に対面による指導を義務づけなくても適切な実施が可能と考えたものでございます。五年前の要指導医薬品は、まさにスイッチされたばかりのOTCということで、普通の一般の方が来られる、それに、まだ一般薬としてのリスクが確定しておらない、そういう薬を売る場合ということでございますので、そうした要指導医薬品の販売についての扱いというものは、今般の改正後も維持をすることにしているということでございます。
○宮本委員 要指導医薬品よりも医療用医薬品の方が、これは一般用医薬品に移る前の話なんですから、もっと慎重に扱わなきゃいけないというのは当たり前の話だと私は思いますよ。医療用医薬品に準じた扱いにしたのが、この間の、前回の改正の要指導医薬品ということじゃないですか、位置づけからすれば。その説明は全くおかしいと思いますよ。テレビ電話だとかで確認するといったって、それは五感では確認できない方法になるわけですよね、間違いなく。そして、初めは対面を求めるといっても、体調はいつどう変化するかわからないから今まで対面でというのを求めてきたわけですから、そこを規制緩和するというのは本当におかしな話ですし、前回は直接五感で感じるのが大事だと言っておきながら、今度は五感は関係ないですよというのは、本当に朝令暮改が過ぎるというふうに私は思います。そして、今回の改正案を見て驚いたんですけれども、対面、映像及び音声の送受信により相手の状態を相互に確認しながら通話をすることが可能な方法その他の方法により薬剤の適正な使用を確保することが可能であると認められる方法として厚生労働省令で定めるものを含むとあるんですよね。ですから、厚労省令で定める方法は対面に含めるというふうに、何でも逆に言えばできちゃうわけですよね。条件も制約もないわけですよ。ですから、直接五感を用いて判断することが大事という本来の原則的な立場からすれば、私はオンライン服薬指導というのは極めて例外的な扱いにすべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○樽見政府参考人 まさに近年、情報通信技術というものは著しく進歩しているわけでございまして、質の高い医療を効率的に提供するという観点から、こうした技術を活用していくということもまた大変重要なことであるというふうに考えているわけです。そういう中で、オンライン診療、お医者様の診療というところについては、既に平成三十年の三月にガイドラインを策定して、それに基づく診療が行われています。そのときにも、初回は対面診療とすることでありますとか、あるいは、診療計画というものを作成して、それに基づいて診療を受けていただくというようなことを要件にしているわけでございます。ただ、診療は三十年からやっているわけですが、一方で医薬品については、服薬指導について、現行の法律上、対面というものが一律に義務づけられているということになっておりますので、そこのところを今回の改正によって改めまして、一定のルールのもとで、薬剤の適正使用を確保することができるというような場合について、テレビ電話等による服薬指導を認めるものということでございます。そういう意味でいいますと、服薬指導は対面が原則であるということは変わらないわけでございますので、極めてと言うかどうかというところはあると思いますけれども、いわば例外という扱いになるというのはおっしゃるとおりであろうと思っています。
○宮本委員 例外だとおっしゃいますけれども、やはり極めて例外なものにしなきゃいけないと私は思います。ところがその制約が法律の文言上ないというのは、私は大変懸念しているということを申し上げておきたいと思います。次に、新たに設ける課徴金制度について伺います。課徴金を課す目的について確認したいと思いますが、これは金銭的不利益を課すことで違反行為を防止するための抑止力だ、こういうことでよろしいですか。
○樽見政府参考人 おっしゃるとおりでございます。課徴金導入の目的は、事業者による違反行為に対して経済的不利益を課すことによって、広告違反を行う動機を失わせ、広告規制の抑止力を高めるものということでございます。
○宮本委員 独禁法も課徴金の制度があります。きょうは公取に来ていただきました。製造業、大企業の場合は売上高の一〇%としておりますが、この根拠を説明していただけますか。
○菅久政府参考人 お答え申し上げます。お尋ねの課徴金の算定率でございますが、平成十七年の独占禁止法の改正によりまして一〇%とされたものでございますが、この一〇%という水準は、過去の違反事件の不当利得を分析しましたところ、九割の事件で八%以上の不当利得があると見られたということ、また、違反行為の抑止という行政目的に照らしまして、その八%に、抑止を強化する分として、その四分の一に当たります二%を上乗せしたものとして設定されたものでございます。
○宮本委員 違法行為のやり得にならないように、不当利益にプラスアルファで抑止力をかけているということであります。経産省、来ていただいていますけれども、日本の製造業の、今、平均的な売上高営業利益率というのは幾らですか。
○上田政府参考人 お答え申し上げます。本年六月公表の経済産業省企業活動基本調査確報によりますと、平成二十九年度における資本金十億円以上の国内製造業の売上高営業利益率は、約五・七%というぐあいに承知をしております。
○宮本委員 今、資本金十億円以上の企業、製造業でいえば、大企業、五・七%が利益率だと。それに対して、独禁法では一〇%、売上高に対して課しているということであります。今回の法案では、課徴金の算定率は四・五%と、独禁法の大企業の製造業よりも随分低いわけですね。四・五%の根拠について、先週の審議での説明では、医薬品製造販売業者、医療機器製造販売業者の営業利益率の中央値という説明がありました。こういう決め方で、果たして不当利得相当額以上の金銭的不利益を課すことができるのかということが問われていると思います。ちょっと数字をお伺いしたいと思いますが、医薬品製造販売業者の医薬品関係の売上高営業利益率の平均、また、医薬機器製造販売業者の売上高営業利益率の平均、述べていただけますか。
○吉田政府参考人 お答えいたします。平成二十九年度医薬品産業実態調査に回答いただきました、日本製薬団体連合会の業態別団体のそれぞれに加盟していただいている企業二百九十三社の医薬品売上高に対する医薬品関係の営業利益率は、一二・一%でございます。また、平成二十九年度医療機器産業実態調査に回答いただきました、日本医療機器産業連合会の会員企業六百一社の損益計算書における営業利益率は、七・八%となっております。
○宮本委員 今回の中央値から見た四・五%に比べて、平均値で見ると、利益率はもっと高いわけですよね。そして、医療機器製造販売に比べ、製薬メーカーの利益率は、平均で見ても倍近く高いというものになっております。今、数字をちょっと紹介してもらいましたけれども、大臣、今の法案に出ている四・五%、この算定率というのは、巨大製薬企業からすれば、違法な収益の剥奪、抑止力という点でいえば、私は極めて不十分じゃないかというふうに思います。独禁法では、大企業、中小企業で課徴金の率を分けております。薬機法でも、大企業、中小企業で課徴金の率を分け、大企業は引き上げるというのは考えるべきではないかと思いますし、医薬品製造販売と医療機器製造販売でも利益率は大分違います。ここの課徴金の率を分けるというのも私は考える必要があると思いますが、いずれにしても、巨大製薬メーカーの利益率というのは非常に高いわけですから、本当に不法なことをやり得にしないためには、この課徴金の率はもっと引き上げるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○加藤国務大臣 先ほどから答弁させていただいているように、課徴金制度の導入というのは、事業者による違反行為に対して経済的不利益を課すことによって、今回の場合は広告違反を行う動機を失わせ、広告規制の抑止力を高めることを目的としているということで、今回、算定率を四・五%としたものであります。一般的に、例えば景品表示法についての課徴金の算定率は三%でありますから、それと比べては随分高い水準になっている。また、一律にしているというのは、運用面、それからこうした制度をよく知っていただく、そういう点から四・五%という一律の率を課している、こういうことになっているわけであります。
○宮本委員 ですけれども、それでは、不法な広告をやってもうけても、もうけは残るということになるわけですよ、大量のもうけが。やはりそれを抑止するためには、独禁法と同じように、不当な利益は許さない、それ以上の課徴金を課すことによって抑止を図る。私は、せっかく課徴金制度を設けるんだったら、やはりそこまでやっていく必要があると思いますので、そこはぜひ今後も考え続けていっていただきたいというふうに思います。その上で、もう一点だけ課徴金についてお伺いしたいんですが、製薬業界は、この算定率を決める過程で、厚労省に何らかの意見というのは伝えてきたことはあるんでしょうか。
○樽見政府参考人 課徴金の算定率の基本的な考え方につきまして、厚生科学審議会の部会の取りまとめというところで入っているわけです。この厚生科学審議会の部会のメンバーとして、医療関係団体、医薬品・医療機器業界団体、薬害被害者、患者団体等の代表者、それから法学を始めとする各種有識者で構成される部会ということでございまして、そこの取りまとめの中で、「課徴金の額の算定については、違法行為の対象となった製品の売上額に一定の算定率を乗じる簡明な算定方式を採用すること。」というふうにされたところでございます。こうした考え方で先ほど来出ている制度にしたわけでございますけれども、製薬業界から厚労省に対して何らかの意見を伝えてきたということについてはございません。
○宮本委員 伝えてきていないんだったら、製薬業界の方を政治の側、行政の側がそんたくして、これほど独禁法に比べて低いものになったのかなと考えざるを得ません。独禁法に比べても低い課徴金の一方で、自民党に対して、製薬業界からの企業・団体献金が行われております。医薬品業界の自民党に対する企業献金は、政治資金収支報告書によりますと、二〇一七年、八千三百万円ということになっております。製薬業界の政治団体であります製薬産業政治連盟は、毎年政治家のパーティー券を買っております。二〇一八年の収支報告書を見ますと、政治資金パーティーで、アステラス製薬、塩野義、第一三共、武田、田辺などの製薬大企業が毎回四十万円ずつ支払いをしております。そして、そのプールした二千六百万円もの資金で、自民党政治家を中心にパーティー券を購入しております。加藤大臣も、製薬産業政治連盟にパーティー券を買ってもらっているんじゃないですか。
○加藤国務大臣 私が主宰をしている勉強会等においてパーティー券を購入していただき、それについては、法令に従い、適正に処理をさせていただいているところであります。
○宮本委員 二〇一七年、幾らもらいましたか、買ってもらいましたか。
○加藤国務大臣 済みません、私の方の収支報告書においては、たしかパーティー券二十万円以内はここには出てこないということになっておりますので、ちょっとすぐには出てこないということでございます。
○宮本委員 製薬産業政治連盟の収支報告書の方に出ておりますが、二〇一七年二月二十八日、二十万円、二〇一七年六月二十三日、二十万円、二〇一七年九月一日、二十万円、二〇一七年十二月一日、二十万円。これはマサルカイと読むんですかね、衆議院議員加藤勝信昼食勉強会、支出が記されております。この二〇一七年、もちろん厚労大臣だった期間も含まれているわけですよね。加藤大臣、製薬大企業はどういう動機で大臣あるいは大臣経験者の、加藤大臣のパーティー券を買うんでしょうか。
○加藤国務大臣 パーティー券を買っていただいている方のそれぞれの事由というのは個々なので、ちょっと直接私自身が知るすべはありませんけれども。ただ、御承知のように、政治資金パーティーは対価を徴収して行われる催物であるということ。そして、こうした会に、勉強会に定期的に御参加いただいて、これは実は厚労大臣になってから始めたわけじゃなくて、もうずっと前から始めて、そのころから同じように御参加をいただいているということでありますし、また、この勉強会も、単に厚生労働分野だけじゃなくて、そのときのさまざまなトピックを取り上げながら、意見交換をしながらそれぞれ勉強を深めていく、こういう趣旨で実施をさせていただいているところであります。
○宮本委員 報道を見ていますと、製薬メーカーでたくさん献金だとかを政治家にもしておりますアステラス製薬担当者は、なぜ献金だとかをするのかということで、こう言っているんですね。産業界全体の動向を踏まえ、製薬業界の要望を伝える意味においても献金していると。一般的な社会貢献で献金すると言っているわけじゃないんですよ。業界の要望を実現してもらうために献金をし、パーティー券を買ってもらっている、こういうことなんじゃないんですか。
○加藤国務大臣 今言われた方に対して、ちょっと、その方がそう言っておられる以上に、私の方からコメントすることはありません。ただ、さっきおっしゃった献金とパーティー券、ですから、献金という場合には、一般的にいわゆる寄附ということ、そうした寄附というものは私は受け取っていない。いわば、先ほど申し上げた、対価を徴収して行われる政治資金パーティーについて御参加をいただいて会費を負担していただいている、こういうことでございます。
○宮本委員 パーティー券も実際は献金の形を変えたものですよ。二十万円も食事だとかそんなものに出ているわけじゃないわけですから。前回は、私は、製薬工業協会に対して厚労省から定期的に天下りがあるということを言いました。そして、きょうは、政界に対しては製薬マネーが流れているということを申し上げましたが、やはり行政や政治家が製薬業界とこういう天下りやあるいはお金の関係を持っていて、本当に安全最優先の厚労行政ができるのかという点では、私は大変疑念を抱かざるを得ないと思いますので、こういう点は改めていただきたいということを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。