11月22日厚労委 介護紹介業者に払う手数料 上限など規制を迫る

 宮本徹議員は11月22日の衆院厚生労働委員会で、介護・福祉分野での人材不足が深刻化している現場の実態と声を突きつけ、処遇改善と人材確保への支援を求めました。
 宮本氏は厚労省の職業紹介事業の統計や介護施設からの聞き取りをもとに、介護職の常用就職件数は3年間で3倍、事業者が紹介会社に払う手数料は5倍に増え、負担が年間1500万円にもなる事業者の声をいくつも聞いたと告発。介護職の処遇改善と手数料率の上限をもうけるなど紹介業に対する規制をすべきだと迫りました。
 加藤勝信厚労相は「処遇改善は必要」だとしながら、手数料率規制には消極的な姿勢を示しました。宮本氏は「職員の賃金や入所者のサービスに使われるべき介護報酬が紹介業者への手数料に消えていく。現場のみなさんは悔しい思いをしている」と指摘し、重ねて規制を求めました。
 宮本氏は、介護の現場でケアマネージャー(ケアマネ)をいくら募集しても集まらず、資格試験を受ける人も激減しており、「処遇改善も緊急に必要だ」と要求。加藤厚厚労相は「ケアマネは大変重要な役割を担っている。しっかり対応していきたい」と答弁しました。

以上2019年12月10日付赤旗日刊紙より抜粋

≪第200回2019年11月22日衆院厚生労働委員会第6号議事録該当部分抜粋≫

○盛山委員長 次に、宮本徹君。
○宮本委員 日本共産党の宮本徹です。きょうは桜ではありません。まず、介護分野での人材確保にかかわって伺います。人材確保が大変な中で、人材紹介会社からの紹介や派遣会社からの派遣に頼らざるを得ない、こういう事態が生まれております。この間、幾つかの特養ホームの施設長さんからお話を伺いましたけれども、複数の法人で、年間の人材紹介会社に払っている紹介料が一千五百万だ、こういうお話も伺いました。聞きましたら、介護人材の紹介手数料の相場はこの間高くなっていて、以前は年収の二〇%だった、ここのところは年収の三〇%になり、中には三五%を吹っかけてくるところも出てきたという話であります。それで、人材紹介会社の方は、紹介すればするほどもうかりますから、就職お祝い金を十万円上げますということで人を集めてやっているということであります。この一千五百万円払う手数料は本来職員の賃金やあるいは入所者のサービスに回すべきものだと、悔しそうに皆さんおっしゃっておられます。一千五百万円で直接雇用できれば、何人も職員の増員が実際は図れるわけです。そして、人材紹介会社からの紹介の人は、早期に退所する方が少なくないとも伺いました。中には、紹介した会社側に違約金が発生する六カ月を過ぎたらすぐに退職する、こういうケースも間々あるということです。紹介料の荒稼ぎの手口ではないかという指摘も出ております。配付資料をお配りしましたけれども、政府の職業紹介事業報告書の集計、この数年分を並べてみましたけれども、介護人材の紹介人数は、この二〇一四年から二〇一七年の三年で三倍にふえております。手数料の徴収の総額は、二〇一四年度の二十五億が二〇一七年度は百二十億円と五倍近くにふえている。これだけでも、この分野が人材紹介会社からはいかに稼ぎ口になり、そして手数料は高騰しているということもうかがえると思います。恐らくこれは、二〇一八年、二〇一九年と、もっと上がっていっているのではないかと思います。あるいは、人手不足で派遣会社頼みになっている法人では、都内でいえば、年間最高一億円を超す派遣料を支払っているという話も伺いました。派遣会社に一時間二千五百円ぐらい払っているという話であります。大臣の問題意識も伺いたいと思うんですけれども、本来職員の賃金や入所者のサービスに回すべき介護報酬が人材紹介会社への手数料やあるいは派遣会社へのマージンにどんどんどんどん消えていってしまっている、これは大変問題だという認識があるでしょうか。
○加藤国務大臣 問題は、何でそういうお金の使い方になるかということですよね。そこにはやはり、今委員も御指摘になった、介護であり保育であり、これは医療の分野でも指摘をされておりますけれども、そういったところの人手不足ということを背景に、どうしても人を集めていかざるを得ない。そうすると、一般、もちろんハローワークとかいろいろやっていますけれども、それ以外の手段として、こうした紹介業というんでしょうか、それを活用せざるを得ず、そして、その結果として、今委員御指摘のような形で費用が積み上がってきている。したがって、私どもとしては、まず、その根本である人手不足という中で、介護職であれば、介護職の処遇改善とか、いかに魅力ある仕事にしていくかとか、あるいはその人材の確保のための修学資金の貸付けとか、そういった多様な手段を講じることによっていかに人材を確保していくのか、また他方で生産性を上げていく努力をしていくのか、こういったことが必要なんだというふうに思っています。
○宮本委員 処遇改善するのは当然必要なことなんですけれども、どんどんどんどん紹介手数料も上がっているという現状があるわけですよ。私なんかが伺っていると、やはりこういうのはちゃんと規制をしてほしい、ルールを設けてほしいというお話も伺います。人材紹介会社の届出制が導入される前は一律で上限手数料というのが決まっていたわけですよね、収入の一〇%程度だと。あるいは、人材紹介の業種から介護だとかそういうところについてはオミットできないか、こういう声も聞いております。ぜひこの分野での規制というのを検討していただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○加藤国務大臣 結果的に、全体の労働需給の中で事が動いているので、ここだけ規制してうまくいくんだろうか、逆に言えば、こうした形をとることによって多くの人材を残念ながらコストはかかりながらも確保している、そうしたところも困難になってしまうのではないか、そういうふうにも思うわけでありまして、やはりここは王道として、先ほど申し上げた処遇の改善とかあるいは研修をしていくとか等々で介護あるいは保育に係る人材を確保していく、それに至らないと、結果的にどこかでこうしたことは起きてくるのではないかなというふうに思います。
○宮本委員 これを規制したからといって、逆に確保に困難が生じないと私は思いますよ。もともと野放しではやられていなかったわけですから、この人材紹介業というのは。規制緩和の中からこういう仕組みができ上がったわけじゃないですか。これをもとに戻したからといって、それぞれの事業所で人材の確保をハローワークを通じてやればいいわけですよ。今はハローワークからはなかなか集まらないわけですよ。さっきも言いましたけれども、人材紹介会社を通じて就職したら、六カ月たてば十万円上げますよ、こういうことがやられているわけですよ。それの全部、原資は介護報酬であり、本来だったら職員に支払われるものがそっちに回っているわけですよ。現場の介護を担っている法人の皆さんは本当に悔しい思いで今やっているわけですよね。ですから、ここは真剣に、今調査もやられていると思いますので、どうしたらいいのかというのを考えていただきたいというふうに思います。それからあと、人手不足の問題で、処遇の改善が王道だとおっしゃいました。その点は全く私も同じ思いですが、伺っている話では、ケアマネが幾ら募集しても集まらないという話をこの間伺っております。ケアマネの資格を持っていても、ケアマネの方にならずに特養の介護の職員になるという話なんですよね。以前は、特養ホームなどで介護職員の経験を積んでから、キャリアアップじゃないですけれども、ケアマネになって、そっちの方が収入が多かったわけですけれども、今、介護職員の処遇改善が進む中で、実は、介護職員をほんの数年勤めたらケアマネよりも収入が多くなるというケースもかなり出てきております。実際、政府の統計を見ましたら、ケアマネの試験を受ける人も激減しているんですね。おととし十三万一千人いた受験者は昨年四万九百人になった、ことしは、まだ集計中だけれども昨年程度という報道があります。ケアマネは、介護が必要な人に対して本当に一人一人に合ったケアプランを作成して、さらに利用者と事業者の間の調整役となっていく、なくてはならない専門家だと思っております。ですから、今、介護職員の処遇改善加算をやられていますけれども、私は、ケアマネも対象にするなどして、ケアマネの処遇改善も緊急に必要じゃないかと思いますが、いかがでしょうか、大臣。
○加藤国務大臣 ケアマネジメントは、要介護者に対するケアプランの作成やサービス事業者との連絡調整等を行う、この仕組みにおいて大変重要な役割を担っているというふうに思いますし、また、近年、さらには医療機関等との連携等、その役割もふえ、業務がふえている。そういう中で、業務負担の軽減や今御指摘があった処遇改善の話も出ているというふうには承知をしております。現在、社会保障審議会介護保険部会では制度見直しの議論を行っておりますけれども、適切なケアマネジメントを実現するためには、ケアマネジャーの処遇の改善等を通じた質の高いケアマネジャーの安定的な確保を図る必要、事務負担軽減等を通じたケアマネジャーが力を発揮できる環境の整備等を図る必要があるとの御意見もいただいておりますので、これを踏まえながら、しっかりと対応を考えていきたいと思っております。なお、介護職員の処遇改善加算については、加算制度を入れるときには、少なくとも介護職員の賃金が介護現場で働く他の職種と比較して低いということを踏まえて、介護職員が従事する事業者を対象として、介護職員への賃金改善効果を生むべく実施をしてきたということでございますので、当時は、賃金でいえば、ケアマネと介護職員と比べるとケアマネジャーの平均賃金の方が一定高かった、こういう認識であります。
○宮本委員 処遇改善加算を入れたときはそうかもわからないですけれども、今は実際はそうじゃない事態が生まれていますので、そこを踏まえた改善をお願いしたいと思います。それから、ヘルパーもなり手がいないというのはここでも議論になってまいりましたけれども、ヘルパーさんの処遇改善、確保策についてもお願いしたいと思います。それからあと、障害者福祉のことについてもお伺いしますが、この分野でも人手不足が本当に深刻です。とりわけ、障害者福祉の現場は、障害者福祉に理解がある人、そういう人材じゃなきゃだめなわけですよね。ところが、そういう人材の確保に本当にここのところ苦労しているというお話をたくさん伺います。十月から特定処遇改善加算が始まりました。これは介護と同時に障害者福祉も同じように始まったわけですけれども、私も歩いて聞いていますと、介護の方は、結構みんな、いろいろ複雑で面倒なところはあるけれども、一生懸命とろうとしてやっていらっしゃいます。ところが、障害者福祉の方は、人材確保が切実なのに、まだ申請していないところが少なくないです。いろいろ伺うのは、条件が厳し過ぎる、柔軟にしてほしいという声を聞くわけですよね。今回、経験、技能のある方は他の方の二倍以上の処遇改善にしなければならないというルールがあるわけですけれども、障害者福祉の現場の場合は、一つのところで働いている方も大勢じゃないです。少ないですよね。十人前後というところが多いわけですよね。そういう中で、小さな職場で一緒に同じような仕事をしているのに、リーダー格の人だけどんと賃金を上げたら、それこそチームワークで仕事をしている職場がおかしくなっちゃう、壊れちゃう、こういう話も伺います。それから、現行の処遇改善加算の一から三をとっていない事業所は特定処遇改善加算をとれない。しかし、現行の処遇改善加算の一から三をとっていない事業所が今現状でも二割あるわけですよね。こういうところはただでさえ賃金が低くて、人材確保に苦労しているわけですけれども、苦労しているところほどとれない。さらには、制度が複雑過ぎて、話を聞いても、本当にどうすればいいのかまだ思案中だという話もたくさん伺います。ですから、大臣にお願いしたいのは、この特定処遇改善加算について、障害者福祉の分野の取得状況、何に困っているのか、こういう実態を早急につかんでいただきたいと思うんですよ。そして、取得要件の柔軟化や取得に向けた支援など、ぜひ検討していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○加藤国務大臣 今御指摘の仕組みは、この十月から、リーダー級の職員について他産業と遜色ない賃金水準を目指して、経験、技能のある職員に重点化するということで、特定処遇改善加算ということで創設をしています。この障害福祉サービス等を提供する事業所に多様な役割を担う職員がいることを踏まえて、事業所内配分における職員分類について柔軟なルールを、これは介護よりもむしろ柔軟と言ってもいい部分があるのではないかなというふうに認識をしておりますけれども、また、本年八月には申請時に必要な書類の作成を支援するツールを配付するなど、加算の申請に係る事業所の負担軽減も行っております。今、状況の把握ということでありますけれども、十月にスタートしておりますので、通常のサイクルであれば、今年度末ごろに加算をしているかどうかの状況がわかってくるというふうに思います。いずれにしても、そうした状況をしっかり把握して、加算の取得促進に取り組んでいきたいと思っております。
○宮本委員 介護よりも柔軟にしているんだというお話や、あるいは支援もしているんだという話ですけれども、それでも、私が歩いた肌身の感覚として、私も地元しかわからないですから、全国はどうなっているかというのは統計をとらなきゃわからない話なんでしょうけれども、私が歩いて肌身で感じることでいえば、大変苦労されているところが多いと思いますので、本当に丁寧に実態をつかんで、早急な改善策、支援策をお願いしたいというふうに思います。