「60」やはり総理枠 国立公文書館で確認 

 安倍晋三首相主催の「桜を見る会」の招待状に付された「60」の区分番号に関し、同番号が「総理大臣」推薦の招待者であることを示す公文書が国立公文書館に保管されていたことが24日、明らかになりました。日本共産党の宮本徹衆院議員が同日確認し、国会内で開かれた野党の桜を見る会「追及本部」のヒアリングで示しました。区分番号「60」は、マルチ商法会社「ジャパンライフ」会長(当時)に2015年に送られた招待状に付されており、安倍晋三首相の推薦枠で招かれた疑いがいっそう強まりました。
 宮本氏が明らかにしたのは、同日付で開示された2005年の桜を見る会の「分野別招待者数」の写し。同文書は「平成18年(06年)桜を見る会決裁」というファイルの中に含まれています。
 それによると、すべての区分番号の横には招待者の肩書がふられており、「60」~「63」は「総理大臣推薦者」と区分され、「60」が「総理大臣」となっていました。05年当時の首相は小泉純一郎氏でしたが、「総理枠」は737人で、安倍首相の今年の「総理枠」とされる約1000人より少なくなっています。
 内閣府は、今回の「桜を見る会」疑惑で招待者名簿を最終的に取りまとめるさいの「決裁行為」は一切なかったと説明していますが、06年の同会では最終決裁者として小泉首相、当時官房長官だった安倍氏をはじめ内閣府事務次官、官房長、大臣官房審議官らの印のある決裁文書も存在することが判明しました。
 ヒアリングで宮本氏は内閣府に対し、政府が23日の参院内閣委員会理事会で区分番号について「60番台が官邸や与党枠」と認めたことをあげ、「『60』は『総理枠』ですね」とただしました。
 内閣府の担当者は「05年は、そう(『総理枠』)だったのかもしれない」と答弁。05年以降、区分番号「60」を「総理枠」から変えた事実があるのか、と問われても答えられませんでした。
 野党側は、区分番号「60」について過去の記録を全て調べて明らかにするよう求めました。

以上2019年12月25日付赤旗日刊紙より抜粋