2020年2月5日 予算委員会 全員招待の疑惑深まる 「桜」疑惑 首相の地元推薦

 日本共産党の宮本徹議員は5日の衆院予算委員会で、安倍晋三首相の地元事務所が「桜を見る会」の参加者を幅広く募っていた問題について、同事務所が推薦した人は「全員招待されたのではないか」と追及しました。安倍首相は、招待者を最終的に取りまとめる内閣府と内閣官房から推薦者を拒否する連絡を地元事務所は受けていないと答弁。推薦者は全員招待されている疑惑が深まりました。
 「桜を見る会」の2019年の参加者は第2次安倍政権前の約2倍となるなど急増しています。安倍首相の地元事務所は、「開催要領」から逸脱し、功績・功労に関係なく参加者を「幅広く募って」いました。一方で、内閣官房の担当者は「安倍事務所から推薦しても結果として招待されなかった例もある」と述べています。
 宮本氏は「内閣府、内閣官房が、安倍事務所からの推薦者を断った例があれば、当然、安倍事務所に伝えられるはずだ。その連絡はあったのか。なかったのか」と質問。安倍首相は「そういうご連絡はいただいていない」「私の事務所から、個別に連絡をとったりはしていない」と述べました。
 宮本氏は「断りの連絡がなかったなら、つまり全員呼ばれていたということだ。招待されてなければ当然、安倍事務所はおわびにいかなければいけないが、それもやっていない。間違いなく、山口の地元事務所の推薦者は全員招待されていたということだ」と強調しました。
 さらに宮本氏は、安倍事務所の推薦者のうち内閣府、内閣官房が断った例は、首相の妻の昭恵氏が意見を出して推薦した人ではないかと質問。安倍首相は、推薦者について「妻の意見を参考として、私の意見もいうことがあったが、あくまでも私の意見を伝えたものだ」「〝妻からの推薦″というカテゴリーはない」などと繰り返し、質問にまともに答えませんでした。

以上2020年2月6日付赤旗日刊紙より抜粋

≪第201回2020年2月5日衆院予算委員会第7号 議事録≫

○棚橋委員長 これにて藤野君の質疑は終了いたしました。次に、宮本徹君。
○宮本委員 日本共産党の宮本徹です。十分しかないので、ちゃんと、端的にお答えいただきたいと思います。桜を見る会について、引き続き質問させていただきたいと思います。先週の質疑で、安倍総理からこういう答弁がありました。事務所の担当者によれば、回数を重ねる中で、推薦すれば招待されるだろうとの安易な臆測のもと、作業を進めてしまったとのことと。きのう、今井さんが質問されております。やはり、この答弁を聞く限り、安倍事務所に参加を申し込んだ地元山口の皆さんはみんな招待されてきたということだと思うんですよね。それで、質問通告しております。地元からの参加の方で、内閣府、内閣官房から断られた方がいるのか、事務所スタッフの記憶を確認してくださいと言っておりますので、総理、お答えください。
○安倍内閣総理大臣 これは、何回か御質問いただきまして、お答えをさせていただいているわけでございますが、同じ質問でございますので同じ答えにならざるを得ないのでございますが、内閣官房が確認をした結果、私の事務所から推薦を行った者で、招待されなかった例もあったものと承知をしているところであります。他方、事務所に確認したところ、招待者名簿をいただいているわけではないので、具体的な人数やどのような人が招待されなかったかについては明らかではないということでございまして、また、私の事務所から、招待されなかった推薦者にそれぞれ個別に連絡をとったりはしていないということでございますので、今お答えしかねるということでございます。
○宮本委員 内閣府、内閣官房が招待しなかった場合、安倍さんの事務所から推薦して招待しなかった場合というのは、連絡は当然、安倍事務所の方に行くんじゃないですか。
○安倍内閣総理大臣 今お答えをしたとおりでございまして、内閣官房が確認した結果、私の事務所から推薦を行った者で、招待されなかった例もあったものと承知をしております。他方、事務所に確認をしたところ、招待者名簿をいただいているわけではないので、具体的な人数やどのような人が招待されなかったかについては明らかではないということでございました。また、私の事務所から、招待されなかった推薦者に個別に連絡をとったりはしていないということでございました。
○宮本委員 私が聞いているのは、内閣府、内閣官房が、安倍事務所から来たものをお断りをしますということになったら、当然、安倍事務所に連絡するでしょう。それはなかったんですかと聞いているんですよ。
○安倍内閣総理大臣 今お答えをしたつもりでございますが、内閣官房が確認した結果、私の事務所から推薦を行った者で、招待されなかった例もあったということは承知をしているわけでございますが、他方、事務所に確認をしたところ、招待者名簿をいただいているわけではありませんので、具体的な人数やどのような人が招待されなかったかについては明らかではないということでございまして、また、ここでお答えをしているのでございますが、私の事務所から、招待されなかった推薦者に個別に連絡をとったりはしていないということでございました。
○宮本委員 私の聞いていることに答えていないんですよね。内閣府、内閣官房は、安倍事務所から推薦があった者について断った例があると。そうしたら、当然、安倍事務所に伝えるはずじゃないですか。その連絡は安倍事務所にはあったんですか、なかったんですかということを聞いているんですよ。委員長、ちゃんと答えさせてください。
○安倍内閣総理大臣 それは、当然そうなるということではなくて、今申し上げておりますように、事務所に確認をしたところ、招待者名簿をいただいているわけではないので、具体的な人数やどのような人が招待されなかったかについては明らかではないということでございまして、そういう御連絡はいただいて……(発言する者あり)
○棚橋委員長 静粛にお願いいたします。
○安倍内閣総理大臣 これも既にもうお答えをしているところでございますが、そういう御連絡をいただいていないということでございまして、これは内閣府もそういう答えをしているものと承知をしておりますが、また、私の事務所から、招待されなかった推薦者に個別に連絡をとったりはしていないということでございました。
○宮本委員 ですから、内閣府、内閣官房から地元の安倍事務所のところに対して断りの連絡はなかったと。つまり、全員呼ばれていたということですよね、地元の山口の方は。招待されなかった方に対しての連絡もとった記憶がないということですから、普通は、参加申込みがあって、そして安倍事務所を通じて申し込んだにもかかわらず招待されないということになったら、当然、安倍事務所はおわびに行かなきゃいけないわけですよ。それをやっていないということは、間違いなく、事務所から推薦した方、山口の地元の方については全員招待されていたということだと言えると思います。その一方、じゃ、断った例というのは何なのかというと、あとあるとしたら、安倍昭恵さんの関係なのかなというふうに思うんですよね。安倍事務所から推薦しても結果として招待されなかった例もある、これは地元山口で参加を申し込んだ方ではなくて、安倍昭恵さん関係の方なんじゃないですか。
○安倍内閣総理大臣 私の答弁に尽きるわけでございまして、宮本委員はいろいろと御想像をたくましくしておられるわけでございますが、内閣官房が確認した結果、私の事務所から推薦を行った者で、招待されなかった例もあったものと承知をしていますが、招待者名簿をいただいているわけではないので、具体的な人数やどのような人が招待されなかったかについては明らかではないということでありました。また、事務所において幅広く参加希望者を募る過程で、私自身も事務所から相談を受ければ推薦者について意見を言うこともありましたが、その際、妻の意見を参考として私の意見を言うこともあったということでございます。これはあくまでも私の意見を伝えたものであります。
○宮本委員 これは通告しているんですよ。安倍昭恵さんにも確認してほしい、安倍昭恵さんが推薦で意見を出した方のうち招待されなかった方がいたんではないのか、これは奥様の記憶を確認してほしいと私は通告しております。答えてください。
○安倍内閣総理大臣 それについては、そうした記録が残っていないので明らかにすることはできない、つまびらかに申し上げることはできないということでございます。繰り返しになるんですが、事務所において幅広く参加希望者を募る過程で、私自身も事務所からの相談を受ければ推薦者について意見を言うこともありましたが、その際、妻の意見を参考として、これは参考なんです、参考として私の意見を言うこともあった、これは事務所に対して。これはあくまでも私の意見を伝えたものであるということでありまして、私の妻からの推薦、そういうカテゴリーはないということは申し上げておきたい、このように思います。
○宮本委員 記録がないから記憶を聞いてくださいというふうに私は通告をしました。しかも、ちゃんと、事務方が伝えないとかあったらまずいので、私はいつもペーパーで質問通告しております。奥様の記憶を確認して、招待されなかった例はあるのかということを聞いたわけですよ。その点、記憶を確認していただいたと思いますので、お答えください。
○安倍内閣総理大臣 繰り返しになって恐縮でございますが、まず、内閣官房が確認した結果、私の事務所から推薦を行った者で、招待されなかった例もあったものと承知をしておりますが、招待者名簿をいただいているわけではございませんので、具体的な人数やどのような人が招待されなかったかについては明らかではないということでございました。まずそのことを申し上げておきたいと思います。そして、その上で、事務所において幅広く参加希望者を募る過程で、私自身も事務所からの相談を受ければ推薦者について意見を言うこともありましたが、その際、妻の意見を参考として私の意見を言うこともあったわけでありますが、これはあくまでも私の意見を伝えたものでありまして、私の妻からの推薦者というカテゴリーはないということは、私の妻自体がこの人を推薦したという認識ではなくて、私にいろいろと参考としての意見を伝えたということでございますから、その中でどなたが招待されたか、されなかったかということについては、この記録も残っておりませんので、妻としても、それは今つまびらかにどうだったかということは申し上げられない、こういうことでございます。
○宮本委員 委員長、私は、奥様の記憶も含めて、事務所スタッフの記憶も含めて、ちゃんと確認してほしいという質問通告をしているのに、こういう答弁ですよ。奥様の記憶は確認したんですが、記録がないという話ですよ、先ほど閣僚席からありましたけれども。記録でいつも答えられる、あるいは政府に確認したっていうんじゃ困るから、事務所スタッフや、ちゃんと安倍昭恵さんの記憶を確認してくださいと。これは総理だったらできるし、総理にしかできないことだから、そして総理にしか聞けないこの場で私はわざわざ通告をしている。私のたった十分の短い時間をこういう形で答弁されたというのは、本当に私は全く納得できないものでございます。委員長にお願いしたいんですけれども、ぜひ、私が質問通告して、記憶の部分、この点についてちゃんと安倍総理に確認していただくということを予算委員会の理事会で協議していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○安倍内閣総理大臣 宮本先生からの御質問でございますから、しっかり事前に通告をいただいておりますので、これは確認をしているところでございます。そこで、この記録はないということは申し上げました。じゃ、記憶をたどってみてくれということも申し上げたのでございますが、まず、妻の認識として、私には、この範囲に広げるというのはどうかということについて、こういう人たちはいますよということについて私に意見を言ったのでございますが、それをどうするかということについては、私の判断で、私が事務所に伝え、そして事務所から内閣府、内閣官房に伝わっていくということでございまして、妻が、この人たちが言ったから招待されるということでは、そもそもそういう認識でもないわけでございますから、そもそも、その人たちが招待されたか、されなかったかということについての意識はなかったということでございます。記憶はなかったかということ以前の問題として、そういう自分の推薦ということでどうなったかということではなくて、私に意見を言ったというところで完結をしているということでございます。
○宮本委員 それは全く納得できないです。安倍昭恵さんは、桜を見る会の前夜も当日も、招いた方々と御一緒に写真撮影とか交流とかされているわけですよ。
○棚橋委員長 宮本君、恐縮ですが、時間が。
○宮本委員 そうですね、時間ですから終わりますけれども。ですから、委員長、私が言った点について、ぜひ理事会で協議をお願いします。
○棚橋委員長 後刻、理事会で協議をいたします。
○宮本委員 終わります。ありがとうございました。