2020年6月9日 衆院厚生労働委員会 派遣添乗員にも給付 厚労局長「可能」

 厚生労働省の小林洋司職業安定局長は、9日の衆院厚労委員会で、新型コロナウイルス感染拡大の影響で休業した労働者に対する新たな給付金について、観光業で「日雇い派遣」として働く添乗員も対象にする考えを示しました。日本共産党の宮本徹議員への答弁。
 同給付金は、コロナの影響で休業を余儀なくされたのに、事業主から休業手当の支払いを受けられない労働者に対し、休業前の賃金の8割(月額33万円が上限)を支給するもの。
 派遣で働く添乗員の多くは、ツアーごとに雇用されるため、コロナの影響によるツアー中止で収入がなくなる事態が相次いでいます。
 宮本氏は、厚労省が雇用調整助成金については柔軟な運用をしていると指摘し、新たな給付金でも対象にするよう求めました。小林局長は「雇用調整助成金とパラレル(並行)に考えたい」として、「添乗員についても同様に支援金の対象になるという整理が可能だ」と応じました。
 宮本氏は、事業主から休業手当を払ってもらえないまま解雇された事例もあると指摘し、「その場合、解雇前の休業分について給付を受けることはできるのか」と質問。小林局長は「要件を満たしうる」と述べ、受給が可能との考えを示しました。

以上2020年6月14日付赤旗日刊紙より抜粋

≪第201回2020年6月9日衆院厚生労働委員会第16号 議事録≫

○盛山委員長 次に、宮本徹君。
○宮本委員 日本共産党の宮本徹です。休業支援金の対象について、前の厚労委員会で、日雇派遣も含めて対象にすべきだと求めてまいりました。前回の質疑の際は雇用関係が継続していることを前提にとおっしゃいましたが、例えば、日雇派遣の典型の一つである旅行の添乗員ですね。ツアーごとの雇用で雇用はぶつぶつにされておりますが、雇用調整助成金の場合は、派遣会社の管理のもとにあるということで、雇用調整助成金を柔軟に運用して出しております。先日の答弁では今度の休業支援金は雇用調整助成金とパラレルというお話がありましたので、こういうケースは当然新しい休業支援金の対象にすべきだと考えますが、いかがですか。
○小林政府参考人 今御指摘をいただきましたバスツアーの添乗員の方でございます。これは、柔軟に対応するという形で雇用調整助成金の対象とするという整理ができるということにしております。基本的に雇用調整助成金とこの支援金というのはパラレルに考えたいというふうに思いますので、この添乗員の方についても同様に支援金の対象になるという整理が可能だというふうに思っております。
○宮本委員 その根拠というのは、派遣会社の管理のもとにあるということで整理されているんだと思うんですけれども、日雇派遣、登録型派遣も本当にいろいろなさまざまな方々がいらっしゃるわけですけれども、毎日いろいろな現場に、日々日々違う現場に行かれている日雇派遣の方もいらっしゃいますが、その方からも、きのうも、私には何も給付がない、今まで休業状態で収入がないんだという訴えも聞きました。添乗員について、日雇派遣であっても雇調金が出せる、休業支援金の対象になるというんだったら、日雇派遣の方々を、例えば過去の実績で、大体月二十日働いていました、そういう実績があるんだったら押しなべて対象にすべきじゃないかと思いますが、いかがですか。
○小林政府参考人 御指摘のケースが具体的にどういうものを指しているかということがわからない部分もございますが、先ほどのバスツアーの場合は、派遣会社との雇用関係は継続しておるわけです。そこを、所定労働日というところを柔軟に、変更届等を提出していただいて、雇用調整助成金の対象にし得るという整理をしております。御指摘の日々雇用等の方につきましては、個々の日においては雇用関係はもちろんあるわけでございますが、日々によって労働契約が変わっておりますので、あらかじめ雇用契約があり、そこに休業が発生するというものとは性質が異なるというふうに思います。
○宮本委員 添乗員の場合も、ずっと雇用がある場合とは限らないですよ。ツアーごとに雇用が発生しているケースも当然あるはずですよ。それは日雇派遣ですから。それを雇調金でも対象にしているわけでしょう。違うんですか。そういうお話だというふうに私は聞いていたんですけれども、違うんですか。
○小林政府参考人 お答えいたします。バスツアーの方につきましては、派遣会社との雇用関係があって所定労働日がばらけるようなケースがあるという中において、所定労働日をぎりぎりまで見きわめて、派遣会社との雇用関係において所定労働日を設定し得る、そしてそこに休業というものが生じ得るということで、雇用調整助成金の対象にするという考え方であるというふうに理解しています。先ほど御指摘の日々事業主が変わるというものとは、そこは基本的に異なるというふうに思っています。
○宮本委員 そうすると、今度の政府の法案ではやはり本当に大きな穴があいていると言わざるを得ないわけですよね。本当に困っている方々を押しなべて救うということをなぜやろうとしないのか。そこは、今度の仕組みで救えないのだったら、新たな策を考えるべきだと私は思いますよ。これでおしまいというわけにはいかないということを申し上げておきたいというふうに思います。もう一点お伺いしますが、今回の法律の新しい休業支援金は失業を防ぐということが建前になっているわけですけれども、無給休業が何カ月か続いた末に解雇になったという方もこの間いらっしゃいます。その場合は、解雇になる前の過去分の休業支援金について求めることができるんですか。
○小林政府参考人 今回の支援金の要件でございますが、休業させられていた期間において休業手当を受けられなかった、その部分に対する支援金の給付ということでございますので、今のケースで申し上げますと、そういった期間があって、その間手当をもらえなかったということであれば要件を満たし得るのではないかというふうに考えられます。
○宮本委員 わかりました。それは要件を満たし得るということで、失業を防ぐという法律の趣旨は書いているけれども、それ以外の部分も支給されるということは確認しました。それから、先ほど三万円とかという話もいろいろあったんですけれども、労基法上の休業手当は六割以上ということで、実際は、割り方が、暦日で割って、それで所定労働日で払うということで、四割ぐらいしか出ていないわけですよね。今回の休業手当は賃金の八割ということで、差があるわけですよね、差があります。四月、五月に休業手当が少なかった方については、賃金の八割との差額について、私は休業支援金について受けられるようにすべきだと考えますが、その点、いかがですか。
○小林政府参考人 先生がおっしゃっているのは、個人の支援金の方で差額の部分を払えないのかという御指摘であります。今回、先ほど十分説明できなかった部分がありますが、休業手当を受けることができなかった方がこの支援金の対象となるということが法文上明記をされております。今御指摘のケースでございますと、既に休業手当を一部受け取っておられる方ということでございますので、新たな支援金の対象にはならない。一方で、今回、先ほど来申し上げておりますように、雇用調整助成金につきまして充実しますので、それを最大限活用していただきたいと思います。
○宮本委員 ですけれども、その考え方でいくと、休業手当が出ず出ず出ずといって、解雇じゃなくて、その職場が廃業になったというケースもあるわけですよね。それは休業だったのか何だったのかということになるのかもわからないですけれども、そういうケースもあるわけです。その場合は、廃業してしまったから、改めて雇調金を申請し直すということはないですよね。そういう方々は、雇調金でもう一回、新しく一万五千円まで拡充されたものを使ってということにならないわけですから、どうやって救うのかという問題が起きると思うんですけれども、そこはどうされるんですか。
○小林政府参考人 事業主がその時点でおられないということで、雇用調整助成金の遡及ということもかなわないということを御指摘いただいたんだと思います。一方で、そういった方につきましては今度の新たな支援金の対象にもならないということでございますので、そういった方につきましては、別途、第二のセーフティーネットあるいは早期再就職をしていただく等々によって総合的に対応していく必要があるというふうに思います。
○宮本委員 ですから、雇調金だけで対応しようということになると、やはりこの点でも穴があいてしまっているわけですよ。こういうところの穴もしっかり塞ぐ制度設計を更に考える必要があると私は思いますよ。次に、失業給付の延長についてお伺いします。先日、大臣に対しても、決算委員会の場ですが、失業給付の延長は誰が対象になるのかということでお伺いさせていただきました。法施行日は最短で六月十二日になるんですかね、成立が六月十二日だと。政府案では、法施行日までに失業給付期間が切れた方については対象外となっております。きのうもこういう訴えが私のところに来ました。私は本日が最後の受給資格のある日です、仕事を首になってからコロナ感染拡大防止に協力して毎日家におりました、ハローワークに出ている求人も少なく、就職は困難な状況でした、何としても緊急事態宣言が発表された期間に雇用保険受給資格のあった者に支給日の延長をお願いします、こういう声が私のところに毎日毎日寄せられているんですよ。本当に、今度の法改正の趣旨というのは、雇用状況が悪化していると同時に、やはりこの間緊急事態宣言もあって就職活動がままならなかった、だから、そのこともあっての六十日の延長だということだと思うんですよね。ところが、同じ就職活動がままならなかった方でも、法施行日までに、例えばきのう切れた方も含めて、受給期間が切れてしまったらその方には失業給付の延長がないというのは、これは余りにも私は理不尽、不公平と言わなければならないというふうに思います。大臣は先日、雇用保険の仕組み上そういうことはできないんだという答弁をされましたけれども、私たち野党案は、先ほど説明もあったとおり、二月一日以降に受給期間があった方については、既に給付期間が終了している人についても対象にする。法律を変えればできるんですよ。ぜひ法律を変えて失業給付も切れて生活に窮している方々を救っていただきたいと思うんですけれども、大臣、ぜひ法律を変えてください。
○加藤国務大臣 それについては先日申し上げたところでありますので、基本的に、雇用保険の基本手当の受給が終了した方に対して本法案に盛り込んだ延長給付の規定を適用することは、受給要件を満たさない方に給付を行うということで、保険制度そのものとして大変難しいというふうに思います。ただ、基本手当の受給が終了された方についても、要件がありますけれども、その要件を満たせば職業訓練を受講しながら生活支援のための給付を受けられる求職者支援制度もあります。これについては一次補正で枠も拡大させていただきました。また、公的職業訓練も六月一日から順次再開しているところであります。まさにこうした制度も活用していただいて、安心して求職活動が行われるよう、また、御相談があればそこでしっかりと相談に応じていきたいというふうに思います。
○宮本委員 ですから、法律を変えればできることをなぜやらないのかと不思議でならないんですよ、せっかく新しい法律をつくるにもかかわらず。その説明はないわけですよね、雇用保険になじまないという話で。でも、なじむように法律を変えればいいわけじゃないですか。この後、私の続きに、維新の藤田さんもこの問題をやっていただけるそうです。それから、私、時間がもうなくなってしまうので最後に一点だけお伺いしますが、経済情勢、雇用情勢が深刻な中、雇用保険の保険料率が上がるということは避けなければならないというふうに思います。雇用保険法の改正は、ことし三月、この国会でも議論しました。私はその場でも、今のコロナの状況を考えたら国庫負担をもとに戻すべきじゃないかというお話をさせていただきましたが、今回、一般会計から繰り入れることもやろうという話になりました。ただ、本則に国庫負担を戻そうという話は今度の法案でも出てこないわけですけれども。やはり、厳しい経済情勢の中で労使の負担が上がらないようにするためにも、国庫負担を本則に戻していく、これをちゃんと議論すべきじゃないでしょうか。大臣、よろしくお願いします。
○加藤国務大臣 昨年度末に成立した雇用保険法の一部を改正する法律案、御議論もいただきました。育児休業給付の区分経理等を行った上で、雇用保険財政の安定的な運営を確保できる、これは二年間に限った暫定措置として、失業等給付のための雇用保険料の引下げとあわせて、国庫負担を本来負担すべき額の一〇%とさせていただきました。今回の雇用保険臨時特例法案においては、雇用保険財政の面で新型コロナウイルス感染症の影響に柔軟に対応できるよう、各般の安定運営のための措置を盛り込んだ上で、二次補正予算においては、特に支出額の大きい雇用保険二事業については、雇用調整助成金、新たな支援金等の支給額のうち、中小企業の労働者に係る基本手当の最高額を超える部分については一般会計から繰り入れること、また、雇用保険二事業の財源について、雇用保険の失業等給付に充てる積立金から借入れを行うことを盛り込んでいるところであります。現時点において失業等給付に係る費用については一般会計からの繰入れを実施することとはしておりませんが、今後、新型コロナウイルス感染症の影響による経済情勢の変化や雇用勘定の財政状況を踏まえて、必要がある場合には、機動的に対応するためにも、国庫負担を本則に戻す形ではなくて、今般の法案で新たな規定を設け、できる規定をつくらせていただいておりますが、こうした形での一般会計の繰入れにより対応することが適切であるというふうに判断をさせていただいて、この法案を出させていただいたということであります。
○宮本委員 時間になりましたので、終わります。