第8回『学術会議任命拒否問題 野党合同ヒアリング』 学術会議任命拒否首相の発言 大西元会長「無責任な発言」

 日本学術会議の会員候補の任命拒否問題に関する野党の合同ヒアリングが22日、国会内で開かれ、同会議の大西隆元会長が出席しました。大西氏は、菅義偉首相が訪問先のインドネシア・ジャカルタの内外記者会見で、任命拒否をめぐって「現在は、会員が後任を推薦することも可能になっている」(21日)と説明したことについて、事実と異なるとして「無責任な発言だ」と批判しました。
 大西氏は、日本学術会議の会員地域分布や会員男女比も示して、学術会議が▽半数改選で「後任を選ぶ」という考えをとっておらず、広く推薦を求め、選考は部単位であること▽狭い集団での再生産にならないように意識的な努力を呼びかけていること―などを指摘。「(菅首相に)その努力をきちんと評価してもらえないのは非常に残念だ」と述べました。
 また、大西氏は、学術会議をめぐって政府・与党などから悪質なデマが拡散されていることについて触れ、「事実無根の場合、自ら誠実に謝罪・訂正し、それが『拡散』と同じくらい広くいきわたるように尽くすのが責任ある行動だ。特に、責任ある方が(デマを)『拡散』させた場合、そういうことが求められる」と強調しました。
 “首相が日本学術会議の推薦通りに会員を任命する義務はない”との見解を記した内閣府の2018年文書作成について見解を問われ、大西氏は「当時の学術会議の執行部が(内閣府の18年文書の内容を)知らないまま出されたとしたら、奇異なことだ」と述べました。

以上2020年10月23日付赤旗日刊紙より抜粋