野党で休業支援金「拡充法案」共同提出 

 日本共産党、立憲民主党、国民民主党、社民党は30日、新型コロナウイルスの影響で収入が減少した労働者の多くが国の休業支援金を受け取れない実態を抜本的に改善する休業支援金拡充法案を衆院に提出しました。
 休業支援金は「事業主の指示」で休業した中小企業労働者を支給対象とする一方、大企業で働く労働者は対象外。中小企業で働く労働者でも、事業主が休業指示の事実を認めず、支給を受けられない事例が広がっています。22日現在の支給額は約293億円で、第2次補正予算の同支援金予算額5442億円の5%に過ぎません。
 同法案は▽企業規模の要件を廃止する▽「シフト制」「日々雇用」も含め、コロナ禍以前より労働時間が減った全雇用労働者を支給対象とする▽「休業」指示が「使用者の責めに帰すべき事由」と解釈されないことを明確にし、事業主の協力を確保する―ことが柱です。
 提出後の記者会見で立憲民主党の長妻昭副代表は、事業主の誤解や制度の不備で「著しい不公平」が生じていると指摘。厚生労働省に運用改善を求めつつ、同支援金制度の実効性を保障する法案だと強調しました。
 日本共産党の宮本徹衆院議員は、党事務所や労働組合にも多くの相談が寄せられているとして、「与党や政府もコロナの感染拡大で苦しむすべての方が救済される制度づくりに応じてほしい」と訴えました。
会見には当事者の非正規雇用労働者らが同席し、「3月に3回仕事が入ったが、あとは全部キャンセルになった」などのほか、会社が協力せず申請できない苦境を訴えました。

野党共同提出 「新型コロナウイルス感染症等の影響に対応するための雇用保険法の臨時特例等に関する法律の一部を改正する法律案」