第203回臨時国会事実上閉会 共産党が国会議員団総会 コロナから命・暮らし守りぬく

 菅義偉首相が就任して初めての論戦の場となった第203臨時国会が4日、事実上閉会しました。日本共産党と立憲民主党、国民民主党、社会民主党の国対委員長は同日、急拡大する新型コロナウイルス感染症対応などのため、28日までの会期延長を求める動議を大島理森衆院議長に提出しました。衆院議院運営委員会で、自民、公明、維新が反対し否決し、5日の閉会を強行しました。これに先立ち、日本共産党は国会議員団総会を開催。志位和夫委員長はあいさつで「コロナ対策をないがしろにし、疑惑隠しをはかる閉会」になると批判。新型コロナから国民の命を守る取り組みや、日本学術会議の任命拒否撤回を勝ち取るたたかいに全力をあげようと述べ「次の総選挙で、共闘の力で新しい政権をつくるとともに、日本共産党の躍進を」と訴えました。
 志位氏は「コロナに冬休みはない」として新型コロナウイルス感染拡大で国民の命がかかった重大局面での国会閉会の動きを厳しく批判。「桜を見る会」前夜祭での安倍晋三前首相側の費用補填(ほてん)、吉川貴盛元農水相の贈収賄疑惑、日本学術会議に対する違憲・違法の任命拒否などを挙げ、「コロナ対策をないがしろにし、疑惑隠しをはかる国会閉会を許してはならない」と述べました。
 そのうえで、日本学術会議への人事介入、コロナ対策という「二つの焦眉の大問題」で衆参国会議員団が連携し、野党共闘を強めて重要な成果を勝ち取ったと強調しました。
 コロナ対策で、菅政権の対応は「無為無策」「逆行」だとして、感染急拡大のもと「Go To」事業に固執していると批判。一方、日本共産党は「検査・保護・追跡」の抜本的強化、医療機関への減収補填などを求め、「政治を前に動かす一連の成果」をあげたと述べました。
 PCR検査をめぐっては、政府も医療・高齢者施設への「社会的検査」、繁華街などの「大規模・地域集中的検査」を言わざるを得なくなり、党地方議員団の奮闘で「社会的検査」に乗り出す自治体が広がっていると紹介。雇用調整助成金のコロナ特例の延長、学生支援給付金の再追加配分が決まり、少人数学級の実施もあと一歩まできたことなどを挙げ、「声をあげれば政治は動く。国民の命を守り、苦難を軽減するために力をつくそう」と訴えました。
 日本学術会議への人事介入問題では、論戦を通じ、菅首相が任命拒否の論拠をすべて失ったと指摘。菅首相は「総合的・俯瞰(ふかん)的な立場」「多様性の重視」「事前協議がされなかった」など“うその自転車操業”ともいうべき惨めな状態だと指摘。日本学術会議法違反、憲法23条で保障された「学問の自由」の重大な侵害が明らかになり、1000を超す学協会、宗教団体や文化芸術団体など広範な団体が任命拒否に反対する声明を発表しているとして「ことは、わが国における人権と民主主義の前途がかかった絶対に曖昧にできない問題だ」と強調し、任命拒否撤回に向けた国民的共同のたたかいを広げようと呼びかけました。
 志位氏は、コロナ対応、学術会議の問題で野党共闘が前進し、憲法審査会への改憲案の持ちこみ、国民投票法改定案の採決を8国会連続で阻止したことを挙げ、「国民世論と結んだ重要な成果だ」と強調。菅首相の前任者を上回る強権ぶり、冷酷ぶり、国民に説明する意思も能力もない姿が早くも浮き彫りになったとして、「次の総選挙で、共闘の力で、菅政権を倒し、新しい政権をつくるために全力をあげよう」「『比例を軸に』を貫いて日本共産党躍進を目指し、新しいうねりをつくりだそう」と力を込めました。

以上2020年12月5日付赤旗日刊紙より抜粋