第7回「ワクチン進捗フォローアップチーム」野党合同ヒアリング 五輪選手用に30病院 ひっ迫する医療に圧力
内閣府は28日、国会内で開かれた野党ヒアリングで、東京オリンピック・パラリンピック大会組織委員会が30カ所の指定病院を確保する計画を明らかにしました。日本看護協会に看護師500人を要請した問題に加え、30もの指定病院確保を強行すれば、コロナでひっ迫する医療に一層の圧力をもたらす重大事態です。
野党議員の質問への内閣府の説明によると、計画は新型コロナウイルス感染症の流行以前に策定されました。外傷や熱中症などの症状のうち医務室では対応できない高度な治療が必要な選手らの搬送先として、東京都内に10カ所、都外に20カ所の計30カ所の病院を確保するというものです。
ヒアリングで内閣府は、同計画はコロナ禍の現在でも「基本的に同じ」だと認めたほか、指定病院や病床の確保状況は「共有できていない」などの無責任な説明に終始。野党議員らからは、自宅待機や手術の延期など“いま救える命が救えない”もとでの無謀な計画に批判が相次ぎました。
同日の衆院厚生労働委員会でも、立憲民主党の長妻昭議員が組織委の確保ずみの病床数をただしたのに対し、内閣官房の十時憲司内閣審議官は「組織委員会が個々の病院の事情を踏まえ、個別に依頼、調整を行っている」などとして明らかにしませんでした。
田村憲久厚労相も、五輪のための病床数は「知らなかった」とする一方で、「コロナの病床はしっかり確保いただきたい」などと人ごとのような答弁を繰り返しました。
以上2021年4月29日付赤旗日刊紙より抜粋