2021年5月14日 衆院厚生労働員会 クラスター防止へ 軽症者むけ抗原検査キットの活用の拡充を
日本共産党の宮本徹議員は14日、衆院厚生労働委員会で、介護施設・学校、職場などクラスターになりやすい場所で抗原検査キットをPCR検査と組み合わせて活用する新たな「検査戦略」について、クラスターを防ぐために大規模に取り組む必要があると求めました。
宮本氏は、重症化リスクの高い人のクラスターを防ぐために、病院、特別養護老人ホーム、老健施設など入所系施設に加え、デイケアや訪問介護など居宅介護系の事業所でも抗原検査キットを配布するよう求めました。田村憲久厚生労働相は「十分に検討の対象にしたい」と答弁しました。
宮本氏はまた、大学・高校の部活や寮に加え、変異株は子どもでも感染力を持つため、マスクを外す保育園など大きなクラスターが発生しやすい場所にも抗原検査キットを配布するよう提案。政府の新型コロナウイルス対策本部分科会の尾身茂会長は「課題はあるが、医療の負荷をとるため、政府は考えてほしい」と答弁しました。
宮本氏はさらに「ごく軽い初期症状でも、仕事や学校にいかず、検査を受けるというのが大事」だが、「医療機関に検査に行くのはハードルがある」として、薬局で抗原検査キットを配るなど、軽症者が広く気軽に検査できる仕組みを作ることを提案しました。
以上2021年5月15日付赤旗日刊紙より抜粋
≪2021年5月14日 第204回衆院厚生労働委員会第19号 議事録≫
○とかしき委員長 次に、宮本徹君。
○宮本委員 日本共産党の宮本徹です。今日も、尾身会長、お忙しいところありがとうございます。今朝、専門家の皆さんの強い意見で、北海道、岡山、広島が緊急事態宣言の地域というふうに加えられました。それで、北海道については、たしか先週のここの委員会でも、北海道ということは言っていなかったですけれども、つけ加えるべきところがあるという意見が出ていたというお話をしていたというふうに思うんですね。今日も議論になっていますけれども、札幌あるいは岡山についても、正直、ゴールデンウィークの前だとかもう少し前から、医療がなかなか大変な状況だということが報道でも言われていたと思うんですよね。たしか先月の半ばに、分科会で、サーキットブレーカーをつくるんだという議論があって、指標が新たに示されたというふうに思うんですけれども、今回は、このサーキットブレーカーというのはうまく機能したんでしょうか。
○尾身参考人 サーキットブレーカーということで、具体的な強いアクションを打って、重点などを打っていただきたいということで、さらに、そのための指標をつくったのが、たしか私は四月の十五日だったと思いますが、大阪なんかも含めて、重点を始めたのは残念ながらその前だったんですよね。我々ももっと早くできればよかったとは思いますけれども。そういう中で、結果的に見ると、私はもう関係者は一生懸命努力していただいたと思いますけれども、いろいろなことを後から考えますと、重点措置についてはこれからはもう少し早くやる必要が私はあると思って、そういう意味では、私どもがこの前お示しした、あれは緊急事態宣言を出す条件ではありませんので、それよりも早くという、そのための指標をお示ししたので。これから、特に、ほかの県もまた重点措置を出す必要が出てくる可能性があるので、遅くなると緊急事態宣言まで行っちゃう可能性もあるわけですよね。そういう意味では、私は、国あるいは自治体の皆さんには、重点についてはなるべく早い時期に出していただいて芽を潰す、ハンマーをたたくということが必要なので、そのことは少し改善の余地があると思います。
○宮本委員 ありがとうございます。取りあえず、緊急事態宣言に至らないようにするために、ステージ3の段階で、医療の逼迫がこの先起きそうだというのが見えた段階でやはり重点措置をやる必要があるんだというのがサーキットブレーカーの議論だったというふうに思いますので、そこは政府でも、少し遅れるとやはり緊急事態宣言のところまで行ってしまうというのが今回の広島、北海道、岡山のことだと思いますので、是非、尾身会長のお言葉を受け止めていただいて、改善を図っていただきたいと思います。それからあと、これは前回の続きなんですけれども、五人に四人は他人に変異株でも感染させていないと考えるというお話がありました。五人に一人が他人に感染させることで感染が拡大しているということなんですけれども、そういう点でもクラスター対策が大事だということが引き続き言えるわけですが、クラスターは、この間、三つの密だとか、あるいは五つの場面だとか、起きやすいところはどこなのかということが繰り返し示されてきたわけですが、環境という条件と同時に、多くの人に感染させやすい人がいるんじゃないかということも指摘されているわけですけれども、そういう理解でいいのか。そして、他人に感染させやすい人というのは、そういう特徴というのはどこまで分かっているのかというのを、もし分かれば教えていただければと思います。
○尾身参考人 委員御指摘のところは非常に重要なところで、いわゆるスーパースプレッダーというような者が結果的にいるということは、そういう人がいないと説明できないということで、スーパースプレッダーイベントあるいはスーパースプレッダーということを、我々、そういう概念を提示させていただいているわけですけれども。じゃ、一体誰がということですけれども、実は、スーパースプレッダーイベントが起こるところは、御本人、私はいつもスーパースプレッダーというわけでは必ずしもない。環境の問題があって、ホストの問題があって、あと受け手の問題があるので、そういう様々な要素の絡み合いで結果的に上がるので、何かを検査をすれば、じゃ、ウイルス量が多い、Ct値が少ないということ、そういう人が必ずスーパースプレッダーになるかどうかというのはなかなか分からない、今のところは。と同時に、今御指摘の、無症状者と有症状者はどっちが感染を起こすかというと、これは実は、驚くことに、無症状者の人とほぼ同じぐらいな割合なんですよね。実は、しかし、それは、何か無症状者の人がもうみんなうつすということですけれども、我々の解釈は、無症状者の中にも二通りあって、発症日二日前の無症状者というのは実はかなりウイルス量が多いので、その人たちのことが結構影響するので、統計としてはかなり多くなるんですけれども、実は、やはりほかの人に感染をしやすいというのは発症日二日前から発症後数日の間ですね。そういうことは分かっていますけれども、じゃ、誰がスーパースプレッダーというのは、ホスト側と環境側というようないろんなファクターがあるので、残念ながら今のところは分かっておりません。
○宮本委員 じゃ、これは更に今後の研究、世界的には、体格がかなりある人じゃないかだとか、あるいは年齢だとか、こういうこともいろいろ言われているみたいなんですけれども、そこはまだ定かではないということで、研究の進展を待ちたいというふうに思います。それと、先ほど、うつす時期というのは、無症状にも二通りあってということで、発症前の方がかなりうつしているだろうということなんですけれども、この間言われている、ごく初期症状の人がそのまま働いている、そこで広げているという話があるんですけれども、本人はコロナだと全然思っていないですね、このごく初期症状と、先ほど先生が言われた発症二日前の人の関係というのは、どう理解すればいいんでしょうか。
○尾身参考人 それは、委員、大変重要なことを御指摘いただいていて、実は、私たちは、もう去年の、初期の頃から、症状が現れる前の、前駆症状のようなものがあるのかどうかというのが、我々にとって極めて重要なリサーチクエスチョンだったんですよね。これについて何か分かれば、典型的な症状が現れる前の、何かちょっとした軽症状といいますか、前駆症状というか体調、こういうことを知りたいという思いがずっとあって、何かできるかということで、世界的にもなかなかそういうしっかりしたスタディーはないと思いますけれども、しかし、ここに来て、この前申し上げた抗原検査のキットを使うという根拠の中の、申し上げたのは、実は、世の中には、結構多くの人が、軽い症状で働いている人が、ある自治体の調査によると、驚くことなかれ、七%から一〇%いると。これはかなり、一割近くがいるということで、その人たちを検査をすると、もう圧倒的に、無症状のような人に比べて陽性率が高いんですよね。したがって、私は、これから、いわゆる先生のおっしゃる発症日二日前のと、微細体調不良というところが、多少オーバーラップしているんじゃないかというふうに今推測をしております。その人たちをディテクトするのに、先ほどの、ちょっとした体の具合が悪い人を探知できれば、まだ症状が出ていないから病院に行っていないわけですよね。そういう人が、中には、他人にうつす、もううつしているかもしれないから、その何人かが、症状がある人で、抗原検査で二、三人職場で分かれば、もうそこを広範囲に今度はPCRで、いわゆる無症状者、まあ濃厚接触者と言ってもいい、かなり広範囲に検査をすれば大きなクラスターを防げるんじゃないのかというので、ここに来て、しかも、抗原検査キットはたくさんあるわけですから、ワクチンが多くの人に行き渡るまでしのぐための対策の一つの柱としてやっていただきたいと思っております。
○宮本委員 つまり、発症二日前からうつしていく、かなりウイルス量があるという人と、ごく微細な症状がある人は、実はオーバーラップしている可能性がかなりあるということの理解でいいわけですよね。よければうなずいていただければというふうに、ちょっと違いますか。
○尾身参考人 そこはちょっと大事な、非常に学問的にも興味があるというところだと思いますが、全くその二つが一緒だというところまで今我々は確信を持ってはおりませんが、軽い症状の一部といっても、実はコロナで症状がある人じゃない人がいっぱいいるわけですよね。そういう意味では、その一部は確かに発症前の二日ということもあり得ると思うけれども、全くの同義ということは多分ないんだと私は思います。
○宮本委員 分かりました。重なり合う部分があるということですから、そういう点でいえば、無症状者に対して、クラスターになりやすいところでPCR検査をこれは頻回にやるというのも大事だし、今度のウイルス量が多い人がつかまる抗原検査キットも頻回に活用していくというのが非常に大事だ、この両方をやっていくのが非常に大事だということだと思います。その上で、抗原検査のキットなんですけれども、先日の正林さんの答弁を聞いていましたら、一つは、重症になりやすい方がたくさんいるところからまずやるんだということで、医療機関、介護施設で、特養ホームや老健施設ということを言われたんですけれども、重症化しやすい方々というのは、あわせて、介護でも、デイサービスだとか居宅介護系のサービスでもクラスターは発生していますよね、この間。そういうところも含めて、実は、そういうところは余りPCR検査をやられていないんですね、それぞれの自治体でも漏れているところであるんですけれども、今度の抗原検査というのは、私は使った方が、配付した方がいいと思うんですけれども、その点の検討はどうなっているでしょうか。
○正林政府参考人 三月、特に高齢者施設とか医療機関での検査について積極的にやっていただくように、特に緊急事態宣言下の十都府県についてそういうお願いをし、四月から六月にかけて、それ以外のところもということでお願いしていましたが、自治体によって様々かなと思います。入所系だけにターゲットを絞っている自治体もあれば、通所系のところをやっている、そういうところも含めて検査しているところもあるかというふうに認識しています。
○宮本委員 それはPCRですよね、今。東京なんかでいえば、基本は、中心的には入所施設を週一回やれるだけの予算というのはつけてスタートしているわけですけれども、今度の抗原については、入所施設以外のところ、私が聞いているのは、前回の局長の青山さんへの答弁が、医療機関、特養、老健という三つを挙げていましたので、重症化リスクが高い方がたくさん集まって、クラスターがこの間起きている場所というのは、デイサービスだとか訪問介護の事業所も含めてあるので、そういうところもこの抗原検査キットは配る対象に入れた方がいいのではないのか、こう申し上げているんですけれども。
○正林政府参考人 御質問は、例の八百万の……(宮本委員「八百万のことです」と呼ぶ)そのことですか。それについては、まだ、どういう方々を対象にするかというのを検討中のところでございます。
○宮本委員 いや、検討中だと言ったので私はそういう提案を差し上げているということ、まあ、正林さんも先ほど二時間しか寝ていないと言っていたので、余り、じゃ、大臣。
○田村国務大臣 これは、高齢者施設等々という話がありましたが、そもそも分科会の方は、企業も含めていろいろな御提案をいただいております。問題は、やってもらわないと意味がないんです。症状がある方に、じゃ、これを使おうじゃないかということ、これは、いつも私申し上げますけれども、積極的じゃないと、渡しても結局宝の持ち腐れになりますので、そういうところをしっかりと我々聞き取りさせていただくということが重要だというふうに思っています。その上で、言われるとおり、介護施設だけじゃなくて、そういうような通所施設でありますとか、場合によっては訪問施設もあるかも分かりません。そういうところも含めて、積極的にやっていただくところがあれば、それは十分に我々も検討の対象にさせていただきたいと思いますが、高齢者施設だけになるかどうかというのは、ちょっと、これからの検討だということで御理解いただければありがたいと思います。
○宮本委員 もちろん、私は高齢者施設だけと言っているわけじゃなくて、まず一番初めは、重症化リスクが高い方がいるところにまず届けるのが一番だろうというので申し上げているわけですが。その上で、どこで活用するのかと、更にですよ、更にということを考えた場合は、クラスターが大規模化しやすいところに使っていくというので、尾身会長のこの間のペーパーなんか見ますと、部活だとか、あるいは職場ということも書かれていたと思います。八百万だけでやるのかというのもありますけれども、もっと増やした方がいいんじゃないかと私は思っているんですけれども、例えば変異株は、子供も同じようにうつすようになってきているわけですよね。この間のクラスターの発生例を見ましても、例えば、学童クラブで発生したクラスターが学校に行ったり家庭に行ったりという大きなクラスターになっている例もありますし、保育園も、子供たち自身が重症化するわけじゃないですけれども、保育園で子供たちも含めてのクラスターが発生した場合は、各家庭に行って、そこから職場に行く可能性もある。保育園の場合はマスクをしていないわけですよね、当然、子供たちの成長のためにマスクを外してやっているというのもありますから。そうした、八百万をどうまず配るのかというのは、重症化リスクがあるところは最優先にしても、さらに、クラスターが、波及効果が高いところ、こうしたところをやはりしっかりと位置づけていく必要があるのではないかというふうに思いますし、そういう点でいえば、八百万にこだわらずにというふうに思っていますが、その点、大臣、いかがでしょうか。
○田村国務大臣 今申し上げました、活用いただけるところにしっかりと、今言われたように、クラスターが起こりやすいところを中心に、まずは、これはインフルエンザのときに生産いただいたものの使われていないものでございますから、これを買い上げて配らせていただく。その過程で多分有効性というものが分かってくると思いますので、それを踏まえた上で、非常に有効だということであれば、当然のごとく、それから更なるということも検討させていただきたいというふうに思っております。
○宮本委員 幸いPCRよりも安いという利点もありますし、迅速性という利点、また簡便だという利点もありますので、どんどん活用していく作戦を考えるのが大事かなというふうに思っています。あと、これは尾身会長にもお伺いしたいんですけれども、そういう職場だとかいろいろなところに配っていく、部活も含めて配っていく。私は、部活は大学だけじゃなくて、高校の部活の寮なんかでもこれはかなりクラスターが出ていますので、高校、大学、寮だとか、マスクを外してやる部活というのはどんどん配るのが大事だと思います。その上で、本来の在り方というのは、ごく軽い初期症状の場合は仕事に行かずに休んでもらうというのが本来の私は在り方というか、厚労省自身がこう呼びかけていますし、私もそれは、ごく軽い症状の人は是非検査を受けてくださいというのをもっと告知してくださいというのを大臣にもお願いした覚えもありますし、お医者さんの側も検査してくださいというのを案内してくださいということも大臣にお願いしたこともあると思います。ですから、本来はごく軽い症状でも仕事や学校に行かずにやはり検査を受けてもらうというのが、国民、医療機関双方に対しても啓発が大事なのかなと思っています。ただ、一方で、病院に行くというのは、確かに医療機関に行くというのはハードルが高いんですよね、初診、そんな軽いので来たのかという目で見られるし。ごく初期症状といったって、喉の違和感だったり、鼻水だったり、せきがこんこんというのが、厚労省のクラスターの検査でも、老健局のクラスターでもそんな話を伺っていますので。そういうことを考えると、あわせて、私は、例えば、薬局に抗原検査のキットを配って、何か調子が悪い人はどんどん使ってくださいよ、こういうこともやって、やはりごく軽い初期症状の人がしっかりと検査を気軽に受けてもらえる、こういう仕組みをつくる必要があるんじゃないかと思うんですが、この点、尾身会長のお考えをお伺いしたいと思います。
○尾身参考人 私は、この抗原検査キットは、万能ではありませんけれども、使い方によっては極めて有効になる可能性があると思いますが、そこで二つ乗り越えなきゃいけない課題があると思います。一つは、今、薬局に行って、言ってみれば誰でも、どこでも、家庭にもということですけれども、実は、今のところの課題は、検査の結果を読むというのに、これがちょっと、ここが一般の人では読めないので、医師のサポートが必要で、このサポートがどこでもあればできますけれども、結局、ここでなかなかしっかりとした経験のある人がいないと迷って判断ができないということで、使い勝手が悪いという部分はあるんですね。だから、その部分はしっかりリアリティーとして認めて、例えば、ある専門家は、それをスマホで写真を撮って送って、それを誰かに診断してもらうと、非常に熟練した人が見れば簡単ですから。そういうことも一つ乗り越える課題。あとは、もう一つは、田村大臣もちょっとおっしゃっていましたけれども、これをやってもらうために、特に、必ずしも企業の体力がない会社なんかでは、万が一職員が発熱があってポジティブになったら休むことになる、そうすると、会社の経営、あるいは本人も非正規の雇用だと解雇される、このことは特に企業としての体力がないところは。ただ、大学なんかは、なぜこれを今我々はやっているか。一人一人の感染を絶対にゼロにしたいということじゃなくて、医療の負荷を取るために大きなクラスターを防ぎたいということが一つ。と同時に、大学なんかで我々がこれを推奨、大学生はクラブ活動をやりたいですよね、学校で対面でやりたい。そのときは、このちょっとしたことを、学校には校医なんかがいますから。そういうことで、私は、小さな企業よりもはるかに大学なんかは、医療機関がまずですけれども、その後にはそういうところも是非政府としては考えていただければと思っております。
○宮本委員 検査結果の見方というのは、医師が見るというのは基本はそうだと思います。それをどう、どこで見るのか。薬局なんかだと、薬剤師さんというのは一定の知見を持っている方ですから、そういうことはある意味やれるところなのかなということで私は提案させていただきましたので、御検討いただけたらというふうに思います。尾身会長、今日もお忙しいところありがとうございました。それで、ちょっと大臣にお伺いしたいんですけれども、先ほど中島委員からもお話ありましたけれども、本当に自宅療養されている方がたくさんいらっしゃる状況で、明石の保健所長さんの話も私も新聞報道で見ましたけれども、本当に必死で、デキサメタゾンと酸素を持って訪問して歩いているという状況であります。一方、京都では、二十代の基礎疾患がない方が、入院したいと言ったけれども入院できずに、何の治療も受けられないまま亡くなるということもありました。やはり、それぞれの地域で、少なくともステロイドが、デキサメタゾンが、これが今認められているわけですから、サイトカインストームを止めるという点では、ステロイド、デキサメタゾンというのが非常に大事なわけですから、重症化防止の診療ができる体制をやはり早急につくらなきゃいけないというふうに思うんですけれども、これはどこまでどう進んでいるのかというのは、厚労省としてはしっかり把握されているんでしょうか。
○田村国務大臣 これは、先ほど申し上げましたけれども、もう何度も、自宅療養に対する対応、パルスオキシメーターをちゃんと配付いただくでありますとか、それから健康観察も、これは外部委託も含めて医師会等々に対応いただく、それから往診の対応、いろいろなことをお願いして、今も、五月の末までにというのは、あくまでも、いいものというか、ちゃんと一般医療と両立できるようなものをつくってくださいということで、それまでにも感染は拡大しますからダブルトラックでというお願いをその中でしているんですが、そこにおいては、今般、自宅療養者に対する取組として、千葉県、大阪府、兵庫県、それぞれにおいても、自宅療養者への往診等を行う医療機関に対する支援でありますとか、それから、これも大阪、東京、神奈川、これに関しては往診等の医師会、民間事業者への委託、こういうことが行われてはいるんですね、ですから。先ほど来、大阪だとか兵庫の話が出てきておりますが。一応、こういうような国からのいろいろな、何といいますか、それこそ通知を出させていただく中で、それぞれのところで対応は一応はしていただいているという報告はあるんですが、しかし、感染が急拡大をするとそれに追いつかないというような事態が起こっているのが特に関西であり、一方で東京は、感染拡大していますけれども、大阪のような急激な拡大ではなくて、徐々に拡大しておりますので、東京も大変ですよ、大変ですけれども、在宅も一定程度の対応をやっていただいておるということでありますから。そういう意味では、やはりこの急激な感染拡大、年末年始もそうだったんですが、これをいかに防いでいくかということをしっかり対応しないと、追いつかないということが起こってくるというわけでありまして、我々、いつも反省ばかりで申し訳ないんですが、このようなときにも対応できるような体制をしっかりとおつくりをいただくように、これからも我々は支援していかなきゃならぬなというふうに改めて今感じております。
○宮本委員 ワクチンについては、支援の体制をかなりつくって、やろうということになっているじゃないですか。この面についてこそ、とりわけ、今、本当に急激に入院できないという方が増えてきている地域というのは分かっているわけですから、そこについてはやはり懇切丁寧に支援をしていく、そういうチームをつくってやっていただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いを申し上げます。それから、残り時間が短くなりましたので、ワクチンの副反応、副反応疑いについてお伺いしたいと思います。五月十二日の報告のものは見ましたけれども、接種後に亡くなった方、あるいは重篤な有害事象が起きた方々について、既往症だとか接種時の体調だとか、何らかの傾向があるのかということと、アナフィラキシーを除いて、ワクチン接種者と非接種者とを比較して、ワクチン接種者に多いことが見られるような重篤な有害事象というのはあったんでしょうか。
○鎌田政府参考人 お答えいたします。五月十二日の審議会には、五月二日時点での推定接種回数、三百八十二万三千強の方についてでございますけれども、接種後に亡くなられたという方は三十九例という方でございます。死亡と報告されたものが三十九例でございました。また、重篤な有害事象というお尋ねでございますけれども、医療機関からの報告につきましては五千五百六十件ございましたが、うち重篤として報告されたものが六百四十二件。それから、製造販売業者、いわゆる企業からでございますが、重篤と判断された症例の報告は千三百六十二件でございました。また、そうしたことにつきまして何らかの傾向があるかということでございますけれども、専門家の方々に御議論いただきましたけれども、各事例に共通するような特定の要因等につきまして、特段の指摘はなかったというところでございます。さらに、お尋ねのアナフィラキシーを除いてワクチンの接種者と非接種者を比較するかどうかということなんですが、ワクチン接種に伴う有害事象を比較するためにワクチン接種者と非接種者の比較を行うということは、実際上困難ではないかというふうに考えているところでございます。
○宮本委員 失礼しました、ワクチン接種者と人口ですね。だから、一般的な、接種、非接種関係なく、人口との関係での比較というのは脳出血について先日やっていたというふうに思うんですけれども。ちょっともう時間が来たから終わりますけれども、一般的なそれぞれの疾患での死亡率というのは年代ごとに出ていますよね。是非、年代ごとの、二〇一九年のそれぞれの疾患の死亡率とワクチン接種者との比較なんかもやっていただきたいと思っているんですよね。それで、もし、何らかの多いものがあるだとかということになったら考えなきゃいけないですし。というのも、例えば脳出血で、私も調べてみたら、二十代後半で脳出血で亡くなった人というのは二〇一九年に十三人なんですよ。十三人なんですね。だから、本当にめったに起きないことが起きて、それは偶然なのかワクチンなのかというのは全く分からないというのが今の結果だというふうに思います。これは、やはりそれぞれ年代ごとについてしっかり調べていかないと、ある先生によれば、ワクチンの量が多いんじゃないかというようなことを言う先生もいらっしゃるわけですよね、それは定かかどうかは分からないですけれども。
○とかしき委員長 申合せの時間が来ておりますので、御協力をお願いします。
○宮本委員 是非、要望ですので、よろしいでしょうか、大臣。うなずいていただいたので、よろしくお願いいたします。今度、結果をお伺いします。ありがとうございました。